「せっかく絵本を買っても、すぐに飽きてしまう」「読み聞かせの時間が続かない」・・・そんなお悩みを抱えていませんか?
0〜3歳は、子どもの感性や言葉の力が驚くほど成長する大切な時期です。この時期に絵本との素敵な出会いを演出できれば、お子さんは自然と「絵本が大好き!」という気持ちを育んでいきます。
実は、絵本好きな子に育てるためには、特別なテクニックや高価な絵本は必要ありません。毎日のちょっとした関わり方を変えるだけで、お子さんの絵本への興味はぐんぐん高まります。
この記事では、発達心理学の知見や多くのご家庭の実践例をもとに、0〜3歳のお子さんが絵本を大好きになる読み聞かせのコツを詳しくご紹介します。今日から実践できるヒントばかりですので、ぜひ最後までお読みください。
絵本好きな子が育つ家庭の特徴とは
絵本が大好きな子どもが育つ家庭には、いくつかの共通点があります。
それは決して「たくさんの絵本を持っている」「毎日長時間読み聞かせをしている」ということではありません。
絵本が「特別なもの」ではなく「日常」にある
絵本好きな子が育つ家庭では、絵本が生活の一部として自然に存在しています。
リビングの手の届く場所に絵本があったり、お出かけバッグにいつも1冊入っていたり。
絵本が「勉強のためのもの」ではなく「楽しい遊びの道具」として位置づけられていることが特徴です。
子どもは大人の姿をよく見ています。
親御さん自身が本を読む習慣があると、子どもも自然と「本を読むことは楽しいこと」と認識するようになります。
子どものペースを大切にしている
「今日は絵本を3冊読もう」「最後まで聞きなさい」といった大人の都合を押し付けず、子どもの「もう終わり」「もう1回!」という気持ちを尊重している家庭が多いです。
0〜3歳の集中力は非常に短く、個人差も大きいもの。
途中でページをめくりたがったり、同じ絵本を何度も読みたがったりするのは、この時期の子どもにとってごく自然なことです。
読み聞かせの時間を「義務」にしていない
絵本好きな子を育てる最大の秘訣は、親御さん自身が読み聞かせを楽しむことです。「子どものために読まなければ」という義務感ではなく、「一緒に絵本の世界を楽しもう」という姿勢が、子どもにも伝わります。
忙しい日は無理に読まなくても大丈夫。
その代わり、時間があるときには親子でゆったりと絵本の時間を楽しむ・・・そんなメリハリのある関わり方をしている家庭が多いのです。
年齢別に見る効果的な読み聞かせのコツ
子どもの発達段階によって、効果的な読み聞かせの方法は変わってきます。
お子さんの年齢に合わせたアプローチを知っておくと、より楽しい絵本の時間を過ごせます。
0歳児:五感で絵本を楽しむ時期
0歳の赤ちゃんにとって、絵本は「見るもの」であると同時に「触るもの」「舐めるもの」でもあります。
この時期は絵本の内容を理解することよりも、絵本を通じて親子のスキンシップを楽しむことが大切です。
コントラストのはっきりした絵、オノマトペ(擬音語・擬態語)が多い絵本を選ぶと、赤ちゃんの反応を引き出しやすくなります。「びりびり」「ぽんぽん」といった音を、表情豊かに読んであげましょう。
赤ちゃんを膝の上に乗せて、一緒に絵本を見る時間は、親子の絆を深める貴重なひとときです。
ストーリーを最後まで読めなくても、まったく問題ありません。
1歳児:指さしと言葉の芽生えを楽しむ時期
1歳になると、絵本の中の「もの」を認識し、指さしで教えてくれるようになります。「わんわん、いたね!」「りんご、おいしそうだね」と、子どもの発見に共感しながら読み進めましょう。
この時期の子どもは、同じ絵本を繰り返し読みたがります。
大人にとっては少し退屈に感じることもありますが、繰り返しの中で子どもは言葉を覚え、次の展開を予測する力を育てています。
「次は何が出てくるかな?」という期待感や、予想通りのものが出てきたときの喜びは、絵本への愛着を深める大切な体験です。
2歳児:ストーリーへの興味が芽生える時期
2歳になると、簡単なストーリーを理解できるようになってきます。
主人公に感情移入したり、「どうなるの?」とハラハラしたりする気持ちが芽生えます。
この時期は「イヤイヤ期」とも重なり、「自分で選びたい」「自分でめくりたい」という気持ちが強くなります。
可能な範囲で子どもの主体性を尊重しながら、絵本の時間を楽しみましょう。
登場人物のセリフを声色を変えて読んだり、効果音を入れたりすると、子どもの興味を引きやすくなります。
ただし、演技に凝りすぎる必要はありません。
3歳児:想像力と語彙が急成長する時期
3歳になると、絵本の世界を想像力で広げられるようになります。「この後どうなると思う?」「〇〇ちゃんならどうする?」といった問いかけを通じて、子どもの考える力を育てることができます。
語彙力も急速に発達するため、少し難しい言葉が出てきても大丈夫。
わからない言葉があれば、「〇〇っていうのはね・・・」と簡単に説明してあげましょう。
この時期は、図鑑や科学絵本など、知識欲を満たす絵本にも興味を示す子が増えてきます。
子どもの「なぜ?」「どうして?」に寄り添いながら、絵本の世界を一緒に探検してみてください。
絵本嫌いにさせないための注意点
「絵本好きに育てたい」という気持ちが強すぎると、かえって逆効果になることがあります。
お子さんを絵本嫌いにさせないために、避けたい関わり方を確認しておきましょう。
無理強いは絶対にNG
「最後まで聞きなさい」「静かに座っていなさい」といった強制は、絵本嫌いの大きな原因になります。
特に0〜3歳の子どもは、集中力が続かないのが当たり前。
途中で飽きてしまったら、無理に続けず、また別の機会に読めばいいのです。
子どもが絵本を閉じようとしたり、別の遊びに移ろうとしたりするのは、「もう十分楽しんだ」というサイン。
その気持ちを否定せず、「楽しかったね、また読もうね」と前向きに終わらせましょう。
教育的な効果を求めすぎない
「ひらがなを覚えさせたい」「数を教えたい」といった教育的な目的で読み聞かせを行うと、子どもは敏感にそれを感じ取ります。
絵本の時間が「勉強の時間」になってしまうと、子どもは絵本を遠ざけるようになります。
もちろん、絵本を通じて言葉や知識を身につけることはあります。
しかし、それは結果として得られるもの。
まずは「楽しい」という気持ちを最優先にしましょう。
読み方を批判しない・比較しない
「お父さんの読み方が下手」「〇〇ちゃんはもっと長い絵本が読めるのに」といった批判や比較は避けましょう。
家族それぞれの読み方があってよいですし、子どもの発達ペースも一人ひとり違います。
お父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃん・・・読む人によって雰囲気が変わるのも、読み聞かせの醍醐味。
多様な読み聞かせ体験が、子どもの感性を豊かにします。
子どもの「なぜ?」を否定しない
読み聞かせの途中で「これ何?」「なんで?」と質問してくる子どもは多いです。
「今はお話を聞いて」と質問を遮ってしまうと、子どもの好奇心や絵本への興味を萎えさせてしまいます。
質問に丁寧に答えながら読み進めると、確かに時間はかかります。
でも、その「対話しながらの読み聞かせ」こそが、子どもの思考力や言葉の力を育てる貴重な機会なのです。
読み聞かせの時間と環境の整え方
絵本好きな子を育てるには、読み聞かせの「時間」と「環境」を整えることも大切です。
無理のない範囲で、親子が心地よく過ごせる空間を作りましょう。
ベストタイミングは子どもの機嫌がよいとき
「寝る前に必ず読む」というルールを決めている家庭も多いですが、眠くてぐずっているときに無理に読む必要はありません。
子どもの機嫌がよく、親御さんにも心の余裕があるときが、読み聞かせのベストタイミングです。
朝食後のひととき、お昼寝から目覚めた後、お風呂上がり・・・ご家庭のリズムに合わせて、無理のない時間帯を見つけてみてください。
絵本に集中できる環境をつくる
テレビがついていたり、おもちゃが散らばっていたりすると、子どもの注意は分散してしまいます。
読み聞かせの時間だけでも、気が散る要素を減らすことで、絵本の世界に入り込みやすくなります。
ただし、あまり神経質になる必要はありません。「絵本コーナー」を作ったり、照明を少し落としたりするだけでも、「これから絵本の時間だ」という気持ちの切り替えに役立ちます。
絵本を手の届く場所に置く
子どもが自分で絵本を取り出せる場所に、お気に入りの絵本を置いておきましょう。「読んで!」と絵本を持ってくる経験は、子どもの主体性を育て、絵本への愛着を深めます。
表紙が見える状態で並べると、子どもが選びやすくなります。
すべての絵本を出しておく必要はないので、季節やお子さんの興味に合わせてローテーションするのもおすすめです。
スキンシップを大切にする姿勢
膝の上に座らせたり、隣に寄り添ったり・・・肌と肌が触れ合う距離で読み聞かせをすると、子どもは安心感を得られます。
この安心感が「絵本=心地よい」という記憶として蓄積され、絵本好きの土台となります。
抱っこを嫌がる時期の子どもには、隣に座って一緒に絵本をのぞき込むスタイルでも大丈夫。
大切なのは、物理的・心理的に近い距離で絵本の時間を共有することです。
子どもの心をつかむ絵本の選び方
「どんな絵本を選べばいいの?」という疑問は、多くの親御さんが抱えるもの。
お子さんの心をつかむ絵本選びのポイントをご紹介します。
子どもの「今の興味」を観察する
電車が好きな子には電車の絵本、動物が好きな子には動物の絵本・・・当たり前のようですが、子どもの「今、何に夢中か」を観察して絵本を選ぶことが、絵本好きへの近道です。
興味の対象は、成長とともに変化していきます。「この前は興味なかったのに、今は夢中」ということもよくあること。
定期的に本棚を見直して、お子さんの「今」に合った絵本を用意してあげましょう。
年齢に合った文章量を選ぶ
文章量が多すぎる絵本は、途中で飽きてしまう原因に。
反対に、簡単すぎる絵本は物足りなさを感じることも。
お子さんの発達段階に合った文章量の絵本を選ぶことで、「最後まで楽しめた!」という達成感を味わえます。
0〜1歳は1ページに1〜2文程度、2〜3歳は簡単なストーリーのあるもの、3歳以降は少し長めのお話にも挑戦・・・というのが目安ですが、あくまでも参考程度に。
お子さんの様子を見ながら調整してください。
絵の魅力を重視する
0〜3歳の子どもは、文字よりも絵から多くの情報を得ています。
色使いや表情の描き方、細部まで描き込まれた背景など、絵の魅力は子どもの想像力を刺激します。
大人の目から見て「地味」に感じる絵でも、子どもにとっては魅力的な場合があります。
書店や図書館で、お子さんが実際に手に取る絵本を観察してみると、意外な発見があるかもしれません。
定番絵本とフレッシュな絵本をバランスよく
長年愛され続けている定番絵本には、それだけの理由があります。
一方で、現在も新しい素敵な絵本が次々と生まれています。
定番と新しい絵本をバランスよく取り入れることで、お子さんの絵本体験はより豊かになります。
図書館を活用すれば、さまざまな絵本を試すことができます。
気に入った絵本があれば購入するという方法で、お子さんの「お気に入り」を見つけていきましょう。
読み聞かせがもっと楽しくなる7つのコツ
ここからは、実践的な読み聞かせのコツを7つご紹介します。
すべてを完璧に行う必要はありません。
できそうなものから、少しずつ取り入れてみてください。
コツ1:声に変化をつけて読む
登場人物によって声色を変えたり、場面に合わせて声の大きさやスピードを調整したりすると、子どもの興味を引きやすくなります。
大きな動物は低い声、小さな動物は高い声・・・といった工夫で、絵本の世界がより生き生きとしてきます。
ただし、あまり凝りすぎると疲れてしまいます。
毎回演技をする必要はないので、気が向いたときにちょっとした変化をつける程度で十分です。
コツ2:子どもの反応を拾い上げる
「あ!」「わー!」といった子どもの声や、指さし、表情の変化に気づいたら、「そうだね、〇〇がいるね」「びっくりしたね」と共感の言葉をかけましょう。
自分の反応を受け止めてもらえる経験が、子どもの絵本への愛着を深めます。
コツ3:ページをめくる前に「間」をつくる
「次は何が出てくるかな?」と少し間を置いてからページをめくると、子どもの期待感が高まります。
予想が当たったときの喜び、予想外の展開への驚き・・・この感情の動きが、絵本の楽しさを倍増させます。
コツ4:繰り返しのフレーズを一緒に言う
「おおきなかぶ」の「うんとこしょ、どっこいしょ」のように、繰り返し出てくるフレーズは、子どもと一緒に声に出してみましょう。「参加している」という感覚が、絵本体験をより楽しいものにします。
コツ5:読み終わった後に余韻を楽しむ
読み終わったらすぐに本を閉じるのではなく、「楽しかったね」「〇〇が面白かったね」と、絵本の余韻を一緒に味わいましょう。
お気に入りのページをもう一度見返すのも、よい習慣です。
コツ6:同じ絵本を何度でも読む
「また同じ絵本?」と思っても、子どもがリクエストする限り、同じ絵本を何度でも読んであげてください。
繰り返し読むことで、子どもは新しい発見をしたり、言葉を覚えたりしています。
コツ7:親御さん自身が絵本を楽しむ
最後のコツは、最も大切なこと。
親御さんが心から絵本を楽しんでいると、その気持ちは必ず子どもに伝わります。
義務感で読むのではなく、「この絵、素敵だな」「このお話、面白いな」と、親御さん自身も絵本の世界を楽しんでください。
忙しい日々でも続けられる工夫
「毎日読み聞かせなんてできない」「仕事で疲れていてそんな余裕がない」・・・そんな声も多く聞かれます。
無理をせず、忙しい日々でも読み聞かせを続けるための工夫をご紹介します。
短い絵本を活用する
読み聞かせは長ければよいというものではありません。
1〜2分で読み終わる短い絵本でも、子どもにとっては十分に楽しい時間です。
疲れている日や時間がない日は、短い絵本を1冊だけ読むのでも大丈夫。
「今日は短い絵本ね」と宣言して読み始めれば、子どもも納得してくれることが多いです。
大切なのは、毎日長時間読むことではなく、細く長く続けることです。
隙間時間を活用する
寝る前だけが読み聞かせの時間ではありません。
朝ごはんを待つ5分間、お風呂に入る前のひととき、車での移動中・・・隙間時間を活用すれば、忙しい日常の中にも読み聞かせの時間を見つけられます。
家族で役割分担する
読み聞かせは、お母さんだけの仕事ではありません。
お父さん、おじいちゃん、おばあちゃん・・・家族みんなで読み聞かせを分担すれば、一人の負担は軽くなります。
読む人によって雰囲気が変わるのは、子どもにとっても新鮮で楽しい体験です。
「読めなかった日」を責めない
体調が悪い日、仕事が忙しい日、どうしても余裕がない日・・・読み聞かせができない日があっても、自分を責める必要はありません。「明日また読もうね」と前向きに切り替えることが、長く続けるコツです。
まとめ
絵本好きな子を育てるためのポイントを、改めて整理しましょう。
■ 絵本好きな子が育つ家庭の特徴:
- 絵本が日常の中に自然に存在している
- 子どものペースを大切にしている
- 読み聞かせを「義務」ではなく「楽しみ」としている
■ 年齢別のポイント:
- 0歳:五感で楽しむ、スキンシップを大切に
- 1歳:指さしや繰り返しの喜びを共有
- 2歳:ストーリーへの興味、主体性を尊重
- 3歳:想像力を広げる問いかけ、知識欲にも応える
■ 避けたいNG行動:
- 無理強いをしない
- 教育的な効果を求めすぎない
- 読み方を批判したり、他の子と比較したりしない
- 子どもの質問を遮らない
■ 読み聞かせの7つのコツ:
- 声に変化をつける
- 子どもの反応を拾い上げる
- ページをめくる前に「間」をつくる
- 繰り返しのフレーズを一緒に言う
- 読み終わった後に余韻を楽しむ
- 同じ絵本を何度でも読む
- 親御さん自身が絵本を楽しむ
絵本好きな子を育てる一番の秘訣は、「親子で一緒に絵本を楽しむ」というシンプルなことです。
うまく読もうとする必要はありません。
たくさん読まなければと焦る必要もありません。
お子さんと寄り添いながら、絵本の世界を一緒に旅する・・・その温かい時間の積み重ねが、お子さんの心に「絵本って楽しい」という気持ちを育てていきます。
今日から、肩の力を抜いて、お子さんとの絵本タイムを楽しんでみてください。
きっと、親子の笑顔があふれる素敵な時間になるはずです。
