「保育園のお迎えに間に合わない」「ちょっとだけ子どもを見てもらいたい」 そんな悩みを抱える親御さんは少なくありません。核家族化が進み、近くに頼れる祖父母がいない家庭も増えている今、地域のご近所さん同士で助け合えるファミリーサポート(ファミリー・サポート・センター事業)は、心強い味方になってくれる制度です。この記事では、0〜3歳のお子さんを育てる方に向けて、ファミリーサポートの仕組みから登録方法、依頼の流れ、気になる料金相場、安全に使うためのポイントまで、公式情報をもとにまるごと解説します。読み終える頃には「うちも使ってみようかな」と、育児がちょっと軽やかになるヒントが見つかるはずです。
ファミリーサポートは行政が関わる公的な仕組みのため、民間のベビーシッターサービスとは料金体系や利用のルールが大きく異なります。「なんとなく怖そう」「手続きが面倒そう」というイメージだけで敬遠してしまうのはもったいない制度です。仕組みを正しく知り、上手に付き合うコツを押さえておきましょう。
ファミリーサポートとは?仕組みを解説
ファミリーサポートとは、正式には「子育て援助活動支援事業」と呼ばれ、子どもの送迎や預かりなど、子育ての援助を受けたい人(依頼会員)と援助を行いたい人(提供会員)が会員となり、地域で相互援助活動を行う事業です。
もともとは働く人々の仕事と子育ての両立を支援する目的で始まりましたが、平成27年4月より国の「子ども・子育て支援新制度」に位置づけられ、現在では子を持つすべての家庭が対象となっています。
運営は市区町村、または市区町村から委託を受けた団体が担っており、全国各地に設置されているため、住んでいる自治体のセンターに問い合わせれば利用を始められます。
依頼会員・提供会員・アドバイザーの3者体制
ファミリーサポートは、大きく分けて3つの立場の人が関わって成り立っています。
子どもを預けたい「依頼会員(おねがい会員)」、預かる側の「提供会員(まかせて会員)」、そして両者をつなぐ「アドバイザー(センター職員)」です。
乳幼児や小学生などの子育て中の依頼会員と、子どもの保育活動の援助を希望する提供会員との連絡・調整などを行い、橋渡しの役割を担うのがアドバイザーの仕事です。
マッチングだけでなく、講習会や会員同士の交流会なども開催しており、初めて利用する方でも安心して相談できる体制が整っています。
0〜3歳児にどんな場面で使える?
0〜3歳のお子さんがいる家庭では、保育園・こども園の送迎、急な残業や通院時の一時預かり、リフレッシュのための外出時間の確保など、さまざまな場面で活用されています。
実際の利用者の声として、月に2~3回ほど保育園へのお迎えと預かりをお願いしていて、娘が1歳になる前から助けてもらっているという例もあり、乳児期からの継続利用も珍しくありません。
また、冠婚葬祭やきょうだいの通院、学校行事のとき、買物などで外出するときやリフレッシュしたいときにも利用されており、必ずしも「働くため」だけの制度ではない点は意外と知られていない注目ポイントです。

利用できる年齢と登録条件
ファミリーサポートを利用するには、事前の会員登録が必須です。
ここでは依頼会員・提供会員それぞれの条件を見ていきましょう。
依頼会員(おねがい会員)の登録条件
対象となる子どもの年齢は自治体によって異なりますが、0歳の乳児から小学6年生くらいまでの児童を対象としているセンターが多いようです。
実際に藤沢市の例でも、市内在住かつ、0歳児から小学校6年生までのお子さんのいる方が登録対象とされています。
登録時には説明会への参加が求められることが多く、事前に自治体のホームページで日程を確認しておくとスムーズです。
提供会員(まかせて会員)の条件
子どもの保育活動を援助する提供会員においては、保育資格の保有などの規定はなく、援助活動に必要な講習を受けた方が活動を行うことのできる仕組みとなっています。
特別な資格がなくても、地域の講習を受講すれば誰でも提供会員になれる点が、この制度の大きな特徴です。
なお、依頼会員と提供会員の両方に登録する「どっちも会員」という仕組みを設けている自治体もあります。
依頼から利用開始までの流れ
実際にファミリーサポートを使うまでには、いくつかのステップがあります。
登録さえすればすぐに預けられるわけではないため、余裕を持ったスケジュールで手続きを進めることが大切です。
STEP1 会員登録・説明会への参加
まずは自治体のセンターに問い合わせ、依頼会員として登録します。
会員登録をした後すぐにサポートを受けられるわけではない点に注意しましょう。
多くの自治体で登録説明会への参加が必須となっているため、里帰り出産や引っ越し直後など、急いで使いたい場合は早めの手続きがおすすめです。
STEP2 援助の申し込みと事前打ち合わせ
利用したい日が決まったら、センターに電話などで申し込みます。
多くの自治体でサポートの必要な日にちと時間、内容等を連絡する形式が採られており、10日前までの申し込みを求める自治体もあるため、余裕を持った依頼が安心です。
センターが提供会員をマッチングした後、アドバイザー立会いのもと、会員同士で事前打合せを行い、状況確認票を記入するのが一般的な流れです。
STEP3 当日の預かり・送迎の実施
当日は、サポートに必要な荷物(オムツ、ミルク、水分、おやつ、着替え、タオルなど)を持参し、緊急連絡カードを子どもの荷物の中に入れておくことがポイントです。
特に0〜3歳のお子さんの場合、体調やアレルギー、生活リズムなど細かい情報を提供会員へしっかり伝えておくことで、安心して預けられます。
STEP4 料金の支払いと報告書の提出
活動終了後は、その場で提供会員へ直接料金を支払うのが基本です。
援助活動報告書を記入してサポート料金を請求し、料金の受け渡しが終わったらおねがい会員にサインをもらい、報告書を渡すという手順を踏みます。
振込ではなく現金での直接精算が一般的なので、当日はお財布に小銭を用意しておくとスムーズです。

気になる利用料金の相場
ファミリーサポートの最大の魅力のひとつが、民間サービスに比べて利用料金が手頃な点です。
ここでは料金相場と、あわせて発生する費用について解説します。
基本料金の目安
基本の利用料は自治体によって差がありますが、1時間当たりの基本利用料は概ね500〜800円ほどで、700円前後で設定している自治体が多いとされています。
実際に神戸市では会金・会費は無料で、依頼をする際には利用料(1時間当たり700円または800円)が発生する仕組みですし、徳島市のように依頼会員の利用料金(1時間あたり)が原則500円(ワンコイン)という自治体もあります。
入会金や年会費がかからないケースがほとんどなので、まずは自分の住む自治体の料金表を確認してみましょう。
交通費・キャンセル料など追加でかかる費用
注意:基本料金以外に実費が発生する場合があります。
例えば三原市の例では、自動車を使用した場合は1kmあたり30円、公共交通機関を利用した場合は実費が別途必要とされています。
またキャンセル料についても、前日までの取り消しは無料だが、当日の取り消しは予定された額の半額、無断取り消しは全額請求されるケースがあるため、予定変更の際は早めにセンターへ連絡することが大切です。
なお、令和8年度からは一部自治体でサポート中にまかせて会員が車を走行した場合、サポート料金とは別に燃料費がかかるようになった例もあり、地域ごとのルール改定にも目を配っておきたいところです。
ひとり親家庭・低所得世帯への助成制度
ひとり親家庭や非課税世帯の方は、利用料の助成を受けられる場合があります。
例えば豊島区では生活保護受給証明書や児童扶養手当受給証書などの該当証明書を提出することで、援助会員に支払った謝礼金(利用料金)が助成される制度があります。
高松市でもひとり親家庭を対象に、1時間当たりの利用料金のうち400円(月20時間まで)の補助を受けられる仕組みが用意されています。
該当する可能性がある方は、お住まいの自治体窓口に一度確認してみることをおすすめします。

ファミリーサポートのメリットとデメリット
制度を賢く使うためには、良い面だけでなく気をつけるべき点も知っておくことが重要です。
メリット:費用が安く地域のつながりが生まれる
最大のメリットはやはり料金の安さです。
民間のベビーシッターサービスと比べると1時間あたりの費用を大きく抑えられ、日常的に頼りやすいのが魅力です。
また、同じ地域に住む提供会員との関係が続くことで、「顔なじみ」の関係性が生まれやすいのもファミリーサポートならではの良さです。
宮崎市の事例でも小さい子と触れ合うことで若返る気がすると語る提供会員がいるなど、世代を超えた温かい交流が生まれているケースも見られます。
デメリット・注意しておきたい点
一方で、提供会員に保育士などの専門資格が必須ではないという点は、事前によく理解しておく必要があります。
利用者の声としても素人に預ける不安や、いざトラブルが起きた際に事務局は介入しないことがデメリットとして挙げられることがあります。
また、依頼したいタイミングで必ずしも提供会員が見つかるとは限らず、世帯収入証明書は利用料金の算出に必要で、自治体によっては前年度の所得証明書が必要な場合もあるなど、事前準備に手間がかかる点も覚えておきましょう。
安全に利用するための注意点
大切な子どもを預ける以上、安全面への配慮は欠かせません。
ここでは安心して利用するためのポイントを紹介します。
事前打ち合わせでしっかり確認すること
警告:事前の顔合わせを省略しないことが、トラブル回避の第一歩です。
専門家によれば、利用前に利用者とスタッフの面談の場が設けられ、その場で経歴や人となりを確認することが大切とされています。
子どものアレルギーや持病、生活リズム、好きな遊びなど、細かい情報を共有しておくほど、安心して預けられます。
厚生労働省も、安全対策のため24時間の講習をスタッフに対して行うことが望ましいという実施要項を配布しているなど、提供会員側の質の担保にも取り組んでいます。
万が一のトラブル時の対応を知っておく
ファミリーサポートは会員同士の相互援助が基本のため、何かあった際にセンターがすぐに間に入ってくれるとは限らないという運営実態も理解しておきましょう。
実際の利用者の声として、サポート終了後は提供会員からファミリーサポートへ送る書類しかなく、些細なトラブルであればわざわざ電話連絡しない利用者の方が多いという実情も指摘されています。
厚生労働省では事業所からの事故報告の仕組みも設けているため、心配な点があれば遠慮せずセンターのアドバイザーに相談する姿勢が大切です。
よくある質問
Q. 病気のときも預かってもらえますか?
多くの自治体では病児対応は利用不可としているところが多いものの、市区町村がファミサポとは別事業で病児保育に対応するサポートを提供していることがあるため、事前に自治体へ確認しましょう。
Q. きょうだい同時に預けることはできますか?
自治体によって対応は異なりますが、きょうだいで同時にサポートを行う場合、2人目からは半額となる料金設定をしているところもあります。
Q. お試し利用はできますか?
自治体によっては、初めての活動に限り、4時間まで無料で利用ができる「お試し利用制度」を設けているところもあります。
まずは短時間から試してみるのもおすすめです。
まとめ
ファミリーサポートは、地域の力を借りながら子育ての負担を軽くできる、心強い公的支援制度です。
0〜3歳という手のかかる時期だからこそ、送迎や少しの預かりをお願いできる場所があるだけで、気持ちに余裕が生まれます。
料金相場は1時間500〜800円程度と手頃で、ひとり親家庭向けの助成制度も整っているため、まずはお住まいの自治体のセンターに問い合わせてみてください。
事前の打ち合わせを丁寧に行い、子どもの情報をしっかり共有することが、安心して利用するための一番のコツです。
ひとりで抱え込まず、地域の温かいサポートを上手に頼りながら、笑顔あふれる育児時間を増やしていきましょう。
