赤ちゃんを迎える喜びとともに、多くの親御さんが頭を悩ませるのが「名付け」です。一生の宝物となる名前だからこそ、個性を大切にした「キラキラネーム」と、伝統美を感じる「古風ネーム」のどちらを選ぶか迷っている方も多いのではないでしょうか。
近年は改正戸籍法の施行や名付けトレンドの変化により、命名の常識も少しずつ変わりつつあります。大切な我が子の名前は、一生付き合うかけがえのない贈り物。だからこそ、最新のトレンドと正しい知識を持って選びたいものです。
この記事では、キラキラネームと古風ネームの違い、それぞれの魅力と注意点、最新ランキング、後悔しないための名付けのコツまで、親御さんが楽しみながら名前を考えられる情報を網羅的にお届けします。

キラキラネームと古風ネームの違いとは
名付けを考えるうえでまず知っておきたいのが、「キラキラネーム」と「古風ネーム」の特徴と違いです。
両者は単なる流行の対比ではなく、名付けに込める価値観そのものが異なります。
キラキラネームの特徴
キラキラネームには明確な定義はありませんが、一般的には漢字の意味よりも音の響きを重視した名前や、当て字、独自の読み方を使った個性的な名前を指します。
「光宙(ぴかちゅう)」「黄熊(ぷう)」のようなアニメや商品名を連想させる名前が代表例として挙げられます。
キラキラネームという言葉が広まったのは2010年前後で、インターネット掲示板やSNSで「読めない名前」「珍しい名前」が話題になったことがきっかけと言われています。
古風ネームの特徴
古風ネームとは、和風の響きや伝統的な漢字を使った、昔ながらの趣を感じる名前のことです。「紬(つむぎ)」「彩葉(いろは)」「蓮(れん)」など、漢字一文字や日本の自然・伝統文化を感じさせる名前が代表的です。
古風ネームは「レトロネーム」「和風ネーム」とも呼ばれ、近年特に人気が高まっています。
読みやすく、意味が伝わりやすいのが大きな特徴です。
両者の本質的な違い
キラキラネームが「個性」「響き」「親の願望の自由な表現」を重視するのに対し、古風ネームは「読みやすさ」「意味の明確さ」「日本文化との調和」を大切にします。
どちらが正解というものではなく、家族の価値観や子どもの将来像によって選び方が変わってきます。
2026年最新ネーミングトレンド
名付けの流行は時代とともに変化します。
2025年生まれの赤ちゃんを対象とした各種調査からは、これまでとは違った新しい傾向が見えてきました。
人気ランキングから見える最新傾向
たまひよが発表した2025年の赤ちゃんの名前ランキングでは、男の子は「碧(あお)」が2年連続1位、女の子は「翠(すい)」が史上初の1位を獲得しました。男の子では朝陽(あさひ)が4位に上昇、青や空を連想させるような名前が上位に入り、女の子では2位の「陽葵(ひまり)」のように暖かさを感じる「陽」という漢字が人気となっています。
アカチャンホンポの調査によれば、2025年は男の子「湊(みなと)」、女の子「翠(すい)」が1位を獲得し、男女ともに一文字ネームが多く、「凪」「翠」「葵」「葉」「菜」のように自然をイメージする名前が多くランクインしました。
「読めるけれど個性的」な名前へのシフト
令和の名付けで注目すべきは、奇抜さよりも「適度な個性」を重視する流れです。命名研究家によれば、令和に入りいわゆる「キラキラネーム」は減ってきているという指摘もあります。
SNS時代において、検索性や同姓同名の少なさも重視されるようになり、「読めるけれどあまりかぶらない」絶妙なバランスの名前が選ばれる傾向が強まっています。
ジェンダーレスネームの台頭
2026年に向けて存在感を増しているのが、男女どちらにも使える中性的な名前です。「あおい」「ひなた」「せな」などの読みは、性別を限定しない柔軟性を持ち、多様性を大切にする現代の価値観と合致しています。

古風ネームが選ばれる5つの理由
近年、若い世代の親御さんから古風ネームの支持が急上昇しています。
なぜいま古風ネームが選ばれるのか、その理由を深掘りしてみましょう。
読みやすく覚えてもらいやすい
古風ネームは漢字と読みが一致しているケースが多く、初対面の相手にもスムーズに名前を伝えられます。
学校・病院・職場など、生涯にわたって名前を読まれる場面で困らないのは大きなメリットです。
世代を超えて愛される普遍性
祖父母世代にも親しみやすく、家族みんなで「いい名前ね」と共感できる名前は、世代を超えた絆を生みます。
流行に左右されない普遍的な美しさは、子どもが大人になっても恥ずかしくない名前として評価されています。
意味と願いを込めやすい
「紬(つむぎ)」には糸を紡ぐように人との縁を大切にしてほしいという願いを、「蓮(れん)」には泥の中でも美しく咲く強さを込めるなど、古風ネームには漢字本来の意味から自然に親の願いを表現できる利点があります。
名付けの大人気漢字ベスト
2026年に向けて注目されている古風ネームの人気漢字を整理しました。
| 性別 | 人気漢字 | 代表的な名前 |
|---|---|---|
| 女の子 | 紬・翠・凛・葵・茜・彩 | 紬(つむぎ)・彩葉(いろは)・凛(りん) |
| 男の子 | 蓮・湊・碧・朔・伊織・樹 | 蓮(れん)・湊(みなと)・伊織(いおり) |
| 男女共通 | 朝・陽・葉・空 | 朝陽(あさひ)・葵(あおい) |
キラキラネームに潜むリスク
個性的な名前を付けたい気持ちは自然なものですが、キラキラネームには注意すべき側面もあります。
子どもの将来を見据えて、メリットだけでなくリスクも理解しておきましょう。
社会生活での不便
読めない名前は学校・病院・職場などで毎回読み方を説明する必要があり、本人が大きな負担を感じるケースが報告されています。
就職活動の面接や書類提出の場面でも、第一印象に影響することがあります。
いじめや誤解のリスク
子ども同士のコミュニティでは、名前が原因でからかわれたり、不本意なあだ名がついたりすることもあります。
本人の自己肯定感に長期的な影響を与える可能性も否定できません。
親自身が後悔するケース
名付けた当時は気に入っていても、子どもが成長するにつれて「もっと普通の名前にしてあげればよかった」と後悔する親御さんもいます。
名前は親が子に贈る最初のプレゼントだからこそ、長期的視点で慎重に検討することが大切です。
改名の難しさ
家庭裁判所で改名を認めてもらうには「正当な事由」が必要で、簡単に変更できるものではありません。
「やっぱり変えたい」と思っても、思春期以降の改名手続きは本人にとって大きな心理的負担になることを覚えておきましょう。
改正戸籍法と名付けへの影響
2025年5月に施行された改正戸籍法は、名付けにも影響を及ぼす重要な制度変更です。
誤解も多いポイントなので、正確に理解しておきましょう。
改正の主な内容
2025年5月に改正戸籍法が施行され、氏名のふりがなが戸籍に記載されることになり、氏名の読み方は一般に認められているものでなければならないと定められました。
キラキラネームが完全に禁止されたわけではない
報道で「キラキラネーム規制」と話題になりましたが、これは誤解を含む表現です。改正戸籍法におけるふりがなは、「用いる文字の読み方として一般的に認められているもの」との規定があり、キラキラネームは戸籍に反映されないとされています。
つまり、極端に読み方が漢字とかけ離れた名前は受理されない可能性があるものの、すべての個性的な名前が禁止されたわけではありません。
改正の本来の目的
ふりがなの戸籍登録は、行政手続きの効率化やマイナンバーカードの普及と連動したものであり、キラキラネームの規制が主目的ではないと命名研究家も指摘しています。

名付けを考える親御さんとしては、「読みが一般的に認められているか」という観点で漢字と読みの組み合わせを確認することが大切です。
後悔しない名付けのコツ
キラキラネームか古風ネームか、どちらを選ぶにしても押さえておきたい名付けの基本を整理しました。
これから名前を考える親御さんはぜひ参考にしてください。
声に出して何度も呼んでみる
気になる名前候補が見つかったら、フルネームで何度も声に出して呼んでみましょう。
苗字との相性や音のリズム、呼びやすさが自然と判断できます。
「○○ちゃん、ご飯だよ」「○○くん、いってらっしゃい」など、日常のシーンを想像することがポイントです。
漢字の意味と画数を確認
使いたい漢字には必ず辞書で意味を確認しましょう。
一見きれいに見える漢字でも、本来の意味がネガティブな場合があります。
画数を気にする場合は、姓名判断の専門書や信頼できるサイトで複数の流派を比較すると安心です。
連想されるイメージをチェック
名前から連想される動物・食べ物・キャラクター・芸能人などをリストアップしてみましょう。
ネガティブなイメージや不本意なあだ名につながる組み合わせがないか、家族や友人にも意見を聞くと客観的な視点が得られます。
将来の姿をイメージする
赤ちゃんはやがて子ども、学生、社会人、そして高齢者になります。
各年齢の自分を想像して、「80歳になっても自然に呼ばれる名前か」を確認してみるのもおすすめです。
名付けで親が大切にしたい視点
名前は単なる識別記号ではなく、子どもが一生背負うアイデンティティの一部です。
育児を楽しむためにも、名付けのプロセスそのものを大切にしたいものです。
夫婦で対話する時間を楽しむ
名前を考える時間は、夫婦が子どもの将来について語り合うかけがえのない機会です。「どんな子に育ってほしい」「どんな人生を歩んでほしい」という想いを共有することで、家族の絆も深まります。
祖父母や家族の意見との向き合い方
名付けで親世代と祖父母世代の意見が分かれることはよくあります。
最終決定権は親にありますが、家族の意見も丁寧に聞き、納得感のある選択を心がけましょう。
名前の由来を伝える準備
子どもはいつか「自分の名前の由来」を尋ねてくる日がきます。
そのときに胸を張って語れるストーリーを用意しておくことは、子どもの自己肯定感を育む大切な準備です。「あなたが生まれたとき、こんな願いを込めて名付けたんだよ」と伝えられる名前を選びましょう。
0〜3歳児期の呼びかけが人格形成に影響
0〜3歳児は脳の発達がもっとも活発な時期。
毎日何度も呼ばれる名前は、子どもの自己認識や安心感の基盤になります。
愛情を込めて呼びやすい名前は、親子の絆を深める日常のスパイスにもなるのです。
キラキラネーム×古風ネームの折衷案
「個性も大切にしたいけれど、子どもが困らないようにもしたい」という親御さんに人気なのが、両者の良いところを取り入れた中間的な名前です。
古風な漢字×現代的な響き
「彩葉(いろは)」「結月(ゆづき)」のように、伝統的な漢字を使いながらも現代的で柔らかい響きを持つ名前が人気です。
読みやすさを保ちつつ、適度な個性も演出できます。
意味重視の一文字ネーム
「凪」「翠」「蓮」「碧」など、漢字一文字に深い意味を込める名付けが急増しています。
シンプルでありながら強い印象を残せる一文字ネームは、令和の名付けトレンドの主役といえます。
自然や季節をモチーフにした名前
四季のある日本の風土を反映した「朝陽」「葵」「葉月」「初」など、自然や季節を感じる名前は古風ネームの王道です。
柔らかな響きで覚えやすく、世代を問わず好印象を与えます。
ジェンダーレスで時代に合う名前
「あおい」「ひなた」「せな」「いおり」など、男女どちらにも使える名前は多様性を重視する現代の価値観にぴったり。
子どもが自分らしく生きられる柔軟性のある名前として注目されています。
名前を決めるまでのステップ
最後に、実際に赤ちゃんの名前を決めるまでのおすすめステップを紹介します。
出産までの限られた時間を有効に使い、後悔のない名付けを実現しましょう。
ステップ1:イメージを言語化する
まずは「どんな子に育ってほしいか」「どんなイメージの名前にしたいか」を夫婦で書き出します。「優しい」「強い」「自然」「伝統」など、キーワードを集めると方向性が見えてきます。
ステップ2:候補をリストアップ
名付け辞典やランキングサイト、家族・友人からのアイデアを参考に、候補を10〜20個ピックアップします。
この段階では絞り込まず、幅広く集めるのがコツです。
ステップ3:候補を絞り込む
苗字との相性、画数、読みやすさ、漢字の意味などを基準に3〜5個に絞ります。
家族で意見交換しながら、お互いの意見を尊重して進めましょう。
ステップ4:最終決定は赤ちゃんとの対面後でも
事前に候補を絞っておき、生まれた赤ちゃんの顔を見てから最終決定するのもおすすめです。
出生届の提出期限は出生から14日以内なので、余裕をもって最終決定を行いましょう。
顔つきや雰囲気がイメージと合う名前が、自然と決まることも多いものです。
まとめ:愛情のこもった名前が一番の贈り物
キラキラネームと古風ネーム、どちらにも魅力と注意点があります。
最新トレンドでは、奇抜すぎず読みやすく、それでいて個性も感じられる「適度な個性のある名前」が支持を集めています。
大切なのは、流行に流されるのではなく、家族の想いと子どもの未来を見据えて選ぶこと。
古風な漢字と現代的な響きを組み合わせたり、自然をモチーフにしたり、ジェンダーレスな名前を選んだりと、選択肢は無限に広がっています。
改正戸籍法によって名付けのルールも変化していますが、「漢字と読みが一般的に認められる範囲か」を意識すれば、個性も十分に表現できます。
何より、親が我が子に込めた愛情と願いこそが、その名前を世界でたった一つの宝物に変えてくれます。
名前を考える時間は、生まれてくる我が子と過ごす最初のかけがえのない対話の時間です。
夫婦で語り合い、家族で楽しみながら、心から納得できる名前を見つけてください。
素敵な名前との出会いが、これから始まる育児をもっと楽しく、もっと愛おしいものにしてくれるはずです。
