お月見を子どもと楽しむ過ごし方と団子作り

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秋の夜空にぽっかりと浮かぶまんまるのお月さま。お子さんと一緒に見上げて「きれいだね」と声をかける時間は、何ものにも代えがたい家族の宝物になります。とはいえ「お月見って何をすればいいの?」「0〜3歳の小さな子でも楽しめるの?」と迷ってしまう親御さんも多いのではないでしょうか。

この記事では、お月見の由来を子どもにやさしく伝えるコツから、おうちで手軽にできる飾りつけ、小さな子でも安心して食べられる月見団子の作り方、月齢に合わせた楽しみ方のアイデアまで、まるごとご紹介します。難しい準備は一切不要。読み終わるころには、今年のお月見が待ち遠しくなっているはずです。

窓辺で母親と1歳くらいの子どもが一緒に満月を見上げているあたたかい雰囲気の室内シーン

お月見とは?十五夜の意味を知ろう

お月見とは、秋の美しい満月を眺めながら、その年の実りに感謝する日本の伝統行事です。
毎年9月中旬から10月上旬のあいだに行われる「十五夜」がもっとも有名で、ススキを飾り、月見団子や秋の収穫物をお供えして月を愛でます。

十五夜と中秋の名月の関係

十五夜とは、もともと旧暦で毎月15日の夜のことを指していました。
新月から満月になるまでにおよそ15日かかるため、月の中ごろにはまんまるに近い月が見られたのです。
そのなかでも中国の中秋節を起源として日本に伝わった、月を眺めて秋の収穫を祝う行事がお月見の由来とされています。

旧暦の7・8・9月を秋とし、その真ん中である8月15日を「中秋」と呼びました。
お月見の風習は唐から伝わり、当初は上流社会でそれをまねていましたが、次第に民間に広がっていきました。
平安時代の貴族は、池に映る月や盃にうつる月を眺めながら、詩歌や管弦を楽しむ風雅な宴を催していたといわれています。

なぜ秋の月がいちばん美しいの?

初秋は台風や秋雨が続きますが、中秋になると大陸からの乾いた冷たい空気が流れ込み、空気が澄んで秋晴れに恵まれます。
上流社会で観月の宴を催し、風雅に月をめでていましたが、のちに作物の収穫祭と結びつき、人々は豊かな実りの象徴として十五夜を鑑賞し、お供えものをして感謝や祈りを捧げるようになりました。
つまりお月見は、「美しい月を楽しむ気持ち」と「実りへの感謝の心」が一つになった行事なのです。


今年のお月見はいつ?日付をチェック

お月見の日は旧暦をもとに決まるため、毎年日付が変わります。
新暦のカレンダーとは一致しないので、毎年確認しておくと安心です。

十五夜の日付は毎年変わる

仙台市天文台によると、旧暦8月15日の夜(十五夜)に見える月を「中秋の名月」と呼び、ススキや団子をお供えして月を愛でる風習が続いています。
暮らしの歳時記の情報によれば、十五夜の日付は2024年は9月17日、2025年は10月6日、2026年は9月25日、2027年は9月15日、2028年は10月3日と、年によって大きく前後します。

「お月見=9月15日」と思い込んでいると日にちを間違えやすいので、必ずその年の正しい日付を確認しましょう。

十五夜は満月とは限らない

意外に思うかもしれませんが、十五夜だからといって必ず満月になるわけではありません。
これは月と地球の公転軌道の関係で新月から満月までの日数が14日間〜16日間と差があり、満月になるまでの日数が違うためです。
実際、2026年9月25日は中秋の名月で、満月はその後の9月27日(日本時間)になります。

とはいえ、十五夜の夜はほぼ満月に近い丸い月が見られます。
お子さんと一緒に眺めるぶんには十分に美しいので、日付の細かいズレは気にしすぎなくて大丈夫です。

十三夜とセットで楽しむのもおすすめ

十五夜の約1か月後にやってくる「十三夜」も、昔から大切にされてきたお月見の日です。
十五夜(中秋の名月)から約1か月後に巡ってくる十三夜は、十五夜に次いで美しい月だといわれ、栗や枝豆を供えることから「栗名月」「豆名月」とも呼ばれます。
古くは中秋の名月と十三夜の月を両方とも見なければ無粋であるといわれ、どちらか一方しか見ないことは「片見月」と呼ばれていました。
2回お月見を楽しむチャンスがあると思えば、お天気が悪くても気が楽ですね。

ススキと月見団子が縁側の窓辺に飾られ、奥に大きな満月が見える日本の秋のお月見イメージ


お月見を子どもにやさしく伝えるコツ

小さな子どもに「収穫祭」「旧暦」といった言葉で説明しても、なかなか伝わりません。
年齢に合わせて、イメージしやすい言葉に置き換えてあげることが大切です。

0〜2歳には「月を見る楽しさ」を

言葉の意味がまだ十分に伝わらない年齢の子には、難しい由来よりも「月そのものへの興味」を引き出してあげましょう。
保育の現場でも、乳児クラスの子どもたちにはお月見の意味よりも、まずは月に興味を持ってもらうことが大切とされています。「おつきさま、まんまるだね」「にこにこしてるね」と声をかけるだけで、その夜が特別なひとときになります。

ある保育情報サイトでは、「きょうは、おつきさまにこんにちはする日だよ」と声をかけることで、お月見を特別な夜として印象づけられると紹介されています。

3歳ごろには「ありがとうの気持ち」を

3歳前後になると、簡単なストーリーや「感謝」の気持ちが少しずつ伝わるようになります。「お月さまをみて、ありがとうっていう日なんだよ」と感謝の気持ちを込めた説明が効果的とされています。「ごはんがいっぱい食べられてうれしいね、ありがとうって言おうね」とつなげると、自然に感謝の心が育まれます。

絵本やクイズで興味を広げる

お月見をテーマにした絵本は、行事への親しみを育てる強い味方です。
読み聞かせのあとに本物の月を見上げれば、絵本の世界と現実がつながって子どもの記憶に残りやすくなります。
無理にすべてを教え込もうとせず、子どもが「楽しい」と感じる入り口をつくることが何よりも大切です。


ススキやお供えものに込められた意味

お月見のお供えものには、一つひとつにちゃんとした意味があります。
意味を知ると、飾る時間がもっと豊かになります。

ススキは稲穂の代わり

お月見といえばススキですが、これには理由があります。
ススキは作物や子孫の繁栄を見守ってくださる月の神様の依り代と考えられており、本来は依り代として稲穂をお供えしたいところを、稲刈り前にあたるため稲穂に似たススキが選ばれました。
さらにススキの鋭い切り口が魔除けになるとされ、軒先にススキを吊るす風習もありました。

月見団子は満月の象徴

月見団子をお供えするのは、月と同じく丸い団子をお供えして食べることで、健康と幸せが得られると考えられているからです。
お供えする数は、十五にちなんで15個お供えするほか、1年の満月の数と同じ12個(閏年には13個)、15を簡略して5個にする場合もあります。

お子さんと飾るときは無理に15個積まなくても大丈夫。
5個でも、お皿にちょこんと並べるだけでも、気持ちがこもっていれば立派なお供えになります。

里芋やさつまいもも一緒に

十五夜は別名「芋名月」とも呼ばれます。
芋名月とも呼ばれ、イモ類の収穫を祝う行事でもあるため、サトイモやサツマイモなどもお供えするとよいでしょう。
普段の食卓に並ぶ身近な野菜なので、「これもお月さまにありがとうするんだよ」と子どもに見せながら準備すると食育にもつながります。

小麦粉粘土や折り紙で作った手作りのお月見団子とうさぎを楽しそうに並べる幼児の手元


0〜3歳と安全に楽しむ月見団子の作り方

お月見の主役といえば月見団子。
小さな子と一緒に作るときは、安全への配慮が欠かせません。
ここでは月齢に合わせた作り方のポイントを紹介します。

白玉だけは危険!豆腐入りが安心

まず知っておきたいのが安全面です。
白玉のお団子は喉に詰まる心配があり、小さい子どもには向きません。
そこでおすすめなのが豆腐を混ぜたお団子。
白玉粉だけで作ると弾力が強く苦手な子も多いですが、豆腐を入れるとふわっふわになって食べやすくなります。

管理栄養士が考案したレシピでも、豆腐入りのお団子は歯切れがよく、誤飲の予防につながると紹介されています。
小さなお子さんに食べさせるときは、必ず豆腐入りのやわらかいお団子を選びましょう。

豆腐入りお団子の基本レシピ

材料と作り方はとてもシンプルです。
比率を覚えておけば量の調整も簡単。
白だんごは白玉粉と絹豆腐を5対6の比率にすると失敗しにくく、最初は泡だて器を使って混ぜ、耳たぶくらいのかたさが仕上がりの目安です。

コード
【豆腐入りお月見団子(約15個分)】・白玉粉 ・・・ 100g
・絹ごし豆腐 ・・・ 100〜110g(お好みできなこ・あんこ・かぼちゃなど)1. ボウルに白玉粉と豆腐を入れて混ぜる
2. 耳たぶくらいのかたさになるまでこねる(かたければ水を小さじ1ずつ足して調整)3. 小さく丸め、真ん中を少しくぼませる
4. 沸騰したお湯でゆで、浮いてきたら
   さらに1分ほどゆでて冷水にとる

丸めるときのコツとして、まん丸よりも真ん中を押してくぼみを作ったほうが火の通りも早く、喉に詰まらせる危険も軽減できます。
かぼちゃを練り込めば、お月さまのような黄色いお団子になって見た目もかわいくなります。

月齢別の食べさせ方と注意点

食べさせるときは年齢に応じた工夫が必要です。
あるレシピでは1歳以上の幼児であれば食べられますが、ツルっと入ってしまう形状なので、飲み物を一緒に必ず添えるよう案内されています。
0歳の赤ちゃんには団子そのものは避け、雰囲気だけ一緒に楽しむのが安心です。

幼児に食べさせる際は、のどに詰まらないようによく噛んで食べるよう伝え、口いっぱいにならないよう嚙み切って少しずつ食べさせ、小さく切ってから与えるとよいでしょう。

お団子を食べているあいだは絶対に目を離さず、必ず大人がそばで見守ってください。
歩きながら・寝転んだまま食べさせるのは厳禁です。

アレルギーや初めての食材については、かかりつけの小児科に相談しながら進めると安心です。


おうちでできるお月見の過ごし方

団子作りのほかにも、おうちで手軽にできるお月見の楽しみ方はたくさんあります。
準備に時間をかけなくても、ちょっとした工夫で特別な夜になります。

ベランダや窓辺でお月見タイム

遠出をしなくても、ベランダや窓辺から月を眺めるだけで立派なお月見です。
小さなお子さんは夜更かしが難しいので、月が昇り始める時間帯を狙って、短時間でも一緒に空を見上げてみましょう。「あそこにお月さまいるね」と指さすだけで、子どもの目はきらきら輝きます。

ススキや秋の七草を飾ろう

ススキは河原の土手や線路沿いに自生していることもありますが、お月見の時期には花屋さんやスーパーで手に入ることもあります。
ススキの代わりに、身近な秋の草花や落ち葉を飾るだけでも雰囲気がぐっと高まります。
お子さんと一緒に近所をお散歩しながら飾るものを探す時間も、すてきな思い出になります。

製作遊びでお月見を楽しむ

食べる以外にも、手を動かして楽しむ方法があります。
保育の現場では、紙皿で満月を作ったり、ちぎり絵で団子やすすきを描いたり、粘土や小麦粉粘土で団子を模擬的に作る活動が人気です。
本物のお団子を口に入れる心配のない0〜2歳の子には、小麦粉粘土でお団子を作るごっこ遊びがぴったり。
手先の発達をうながしながら、行事のモチーフにも親しめる一石二鳥の遊びです。

作った作品を窓辺に飾れば、お部屋がいっきにお月見ムードに。
お子さんも「自分で作った」という達成感を味わえます。


月にまつわるお話で想像力を育む

お月見の夜は、月にまつわる昔話や言い伝えを語り聞かせる絶好の機会です。
想像力をふくらませる物語は、子どもの心をやさしく育てます。

「月のうさぎ」のお話

満月の模様がうさぎに見えることから、「月にはうさぎが住んでいる」という言い伝えが生まれました。
この物語はもともとインドの法話から発展したもので、日本をはじめさまざまな国へ広がり、各地の民話として残っています。
法話では、うさぎが自分の身を犠牲にして飢えに苦しむ人を助けようとし、その働きに感銘を受けた神様が、ほかの生き物にもうさぎの慈悲深い姿をみせるため、大きな月へその姿を投影したとされています。

「お月さまにうさぎさんがいるんだよ、見えるかな?」と語りかけると、子どもは夢中で月を見つめます。

かぐや姫と結びつけて伝える

少し大きなお子さんには、昔話と結びつけると興味を持ちやすくなります。
ある情報サイトでは、旧暦8月15日は子どもに意味が伝わりにくいので、「かぐや姫が月に帰った日」と教えると興味を持ちやすいと紹介されています。
物語をきっかけに、月への親しみがぐんと深まります。


お月見をもっと楽しむためのアイデア

最後に、家族でお月見をより豊かに楽しむためのちょっとした工夫を紹介します。

無理せず「できる範囲」で

お月見は「こうしなければならない」という決まりごとの多い行事ではありません。
お団子を手作りするのが大変なら市販のもので十分ですし、お供えを省略しても問題ありません。
大切なのは完璧さではなく、家族で一緒に月を見上げて笑い合う時間そのものです。

写真や記録で思い出を残す

子どもの成長はあっという間。
お団子を丸める小さな手や、月を見上げる横顔を写真に残しておくと、来年・再来年と見比べる楽しみが生まれます。
毎年のお月見が、家族の成長記録のひとつになっていきます。

天気が悪い日の楽しみ方

当日が曇りや雨でも、がっかりすることはありません。
前述のとおり十三夜という second chance もありますし、お部屋のなかで団子を食べたり製作遊びをしたりするだけでも、お月見の雰囲気は十分に味わえます。
夜は冷え込むこともあるので、外で観月する際は羽織るものを用意し、子どもの体調を最優先にしてください。


まとめ:親子で秋の夜を味わおう

お月見は、美しい月を眺めながら実りに感謝する、心あたたまる日本の伝統行事です。
0〜3歳の小さなお子さんでも、月を見上げて「きれいだね」と声をかけたり、豆腐入りのやわらかいお団子を一緒に丸めたり、製作遊びを楽しんだりと、年齢に合わせていろいろな楽しみ方ができます。

由来を完璧に教える必要はありません。
「お月さまにありがとうしようね」という一言から、自然と感謝の心が育っていきます。
安全面にだけ気をつけて、あとは肩の力を抜いて、家族みんなで秋の夜空を楽しんでください。

今年のお月見が、お子さんとあなたにとって、忘れられない素敵なひとときになりますように。
見上げた夜空のまんまるなお月さまが、きっと家族の笑顔をやさしく照らしてくれるはずです。

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