卒乳後のケア完全ガイド | 胸の張り対策と過ごし方

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「おっぱいをやめたら胸がパンパンに張って痛い・・・」「卒乳したのに、このまま放っておいて大丈夫?」赤ちゃんがおっぱいを卒業する卒乳・断乳は、ママと子どもにとって大きな節目です。けれども、授乳が終わったあとのママの体には、思いのほかさまざまな変化が訪れます。胸の張りや痛みはもちろん、ホルモンバランスの揺らぎ、抜け毛、肌の変化、体型の戻りなど、ケアすべきポイントはたくさんあるのです。

この記事では、これからおっぱいを卒業するママ、卒乳を終えたばかりのママに向けて、卒乳後に必要なおっぱいケアの具体的な方法と、心も体も健やかに過ごすコツをまるごとお届けします。正しい知識を身につければ、不安だった卒乳期も「赤ちゃんが大きくなった証」として前向きに乗り越えられます。新しいステージの育児を、もっと楽しく迎えていきましょう。

明るいリビングで赤ちゃんを抱きしめて優しく微笑む30代の母親

卒乳後にケアが必要な理由

「自然に飲まなくなったから、特別なことはしなくていいのでは?」と考えるママは少なくありません。
しかし、おっぱいの卒業後にケアをするかどうかは、その後の体の快適さを大きく左右します。

母乳はすぐには止まらない

授乳をやめても、ママの体はすぐに切り替わってくれるわけではありません。
これまで毎日母乳を作り続けてきた体は、急に分泌をストップできないのです。
専門家によると、母乳の分泌量が減って自然と吸わなくなったなどの理由で卒乳した場合をのぞいては、おっぱいをケアする必要があり、今まで母乳を作り続けていたママの体がすぐに適応するわけではないとされています。

飲まれなくなった母乳が乳房内にたまっていくと、おっぱいが張って痛みを感じることがあります。
そのまま放置すると、後述する乳腺炎などのトラブルにつながることもあるため、適切なケアが欠かせません。

張りやすさにも個人差がある

乳房にどのくらい母乳がたまるかは、人によって大きく異なります。
乳腺にどのくらい乳汁がたまるかというのは、ママ自身の体の状態、出産からどのくらい経っているか、お子さんが授乳していた回数と量、ママがどのくらい母乳を作っていたかなど、さまざまな要因に影響を受けます。
そのため「友だちは何ともなかったから自分も大丈夫」とは限りません。
自分の体の状態をよく観察しながら進めることが大切です。

放置するとどうなる?

母乳が残ったままになると、しばらく経ってから胸がチクチク痛むことがあります。
卒乳・断乳後しばらくしてから、おっぱいがチクチク痛むという相談が年に数回寄せられ、こうした方の乳腺にたまっているわずかな乳汁を出すとすっきりするケースもあるそうです。
なお、母乳が残っていたために乳がんになるという科学的な根拠はないとされていますので、その点は過度に心配する必要はありません。
母乳が残っていたために乳がんになるという科学的な根拠はありません。


卒乳と断乳のちがいを知ろう

ケアの方法を考える前に、「卒乳」と「断乳」のちがいを整理しておきましょう。
どちらも授乳を終えることを指しますが、進め方によって体への負担が変わります。

子ども主体の「卒乳」、ママ主体の「断乳」

卒乳は子どもが自然におっぱいを必要としなくなることを、断乳はママの意志で授乳をやめることを指します。
断乳とはママの意志で授乳をストップさせることで、「ママの体調がすぐれず授乳が辛い」「職場復帰するので授乳をやめたい」など理由はさまざまです。
一方で卒乳は、ゆっくりとしたペースで授乳期間を終えられるため、ママの体への負担が比較的少ないのが特徴です。

「いつまでに」という決まりはない

「○歳までにやめるべき」という情報を目にすると焦ってしまいますが、実は明確な基準はありません。
断乳・卒乳の時期に「これが正しい」「間違っている」といった明確な基準はなく、いつやめるかを選択するのは母親自身であるため、「〜歳まで母乳は続けるべき」といった情報を鵜呑みにする必要はないとされています。
他人と比較せず、わが子と自分のペースで決めてよいのです。

急な断乳は負担が大きい

急に授乳をやめると、ママの体だけでなく赤ちゃんにも大きな負担がかかります。
可能であれば、断乳予定日を前もって設定し、余裕を持って授乳回数を少しずつ減らしていくのが理想です。
乳房に負担のかからない範囲で進めることで、トラブルを防ぎやすくなります。

カレンダーに卒乳の予定を書き込みながら計画を立てる母親の手元


卒乳後のおっぱいケアの基本

ここからは、おっぱいの卒業後に行う具体的なケアを見ていきましょう。
キーワードは「圧抜き」です。

カギは「圧抜き」

圧抜きとは、乳房の中にたまった母乳を少し出して、内側の圧を抜くことです。
ポイントは搾りきらないこと。
乳房内にほどほどに乳汁をためておくことで産生量が減っていくため、痛みが和らぐ程度に搾って少し排乳することが大切で、搾った分だけ母乳が必要だと体が認識してしまうからです。
「すっきりさせたい」と搾りすぎると、かえって母乳が作られ続けてしまうので注意しましょう。

「おにぎり搾り」のやり方

セルフケアの代表的な方法が「おにぎり搾り」です。
手順は次のとおりです。

  • 片方の乳房を両手のひらで包み込み、外側から中央に向かって、おにぎりを握るように軽く30秒ほど押します
  • 少し張りがとれて痛みが和らいだところで終了します
  • しこりがある場合は、乳腺炎を防ぐためにその部分を中心に圧迫します

このとき大切なのが、乳首(乳輪部)への刺激を避けることです。
乳輪部分が刺激されると母乳を作るホルモン(プロラクチン)が分泌されてしまうため、おにぎりを握るように両手で乳房全体を包み込んで圧迫し、乳輪部分を触らないようにしながら乳汁を搾るのがコツです。
入浴時に圧抜きをすると、搾り出した乳汁を簡単に処理できるのでおすすめです。

圧抜きのタイミングと冷却

圧抜きは張ったらすぐ行うのではなく、ある程度ためてから行います。
乳房が張ったらすぐに圧抜きするのではなく、できれば半日以上は母乳をためて、張りが強くて痛みを感じるタイミングで適度に圧抜きするのが目安です。
これは「もう母乳を作らなくていい」と体に伝えるために、あえて乳房を張らせておく必要があるためです。
乳房が張ってから半日以上そのままため続けていると、母乳の生成にブレーキがかかると言われています。

また、圧抜き後に乳房を冷やしておくと、乳汁を作る量が抑えられて、痛みを感じるほどには張らなくなってくるため、保冷剤をタオルで包んで当てるなどの冷却も効果的です。


卒乳後ケアのスケジュール目安

卒乳・断乳のケアは、3日目を一つの山として進めていくのが一般的です。
具体的な流れを見ていきましょう。

最初の3日間が最もつらい

授乳をやめると、母乳をためておくことで分泌を抑える仕組みが働きます。
母乳が出ていかず乳腺内にとどまることで、母乳を作る細胞は3日(72時間)ほど経過すると退縮し、その後、乳腺は妊娠前の状態を取り戻すため、断乳は開始3日目までが最も辛く、その後徐々に落ち着いてくることが多いとされています。
最初の数日は、両手でおっぱいを握る「圧抜き」で残乳を少し搾り、痛みをやわらげながら乗り切りましょう。

間隔を少しずつ空けていく

3日目を過ぎると母乳の産生量が減ってくるので、毎日ケアする必要はなくなります。
卒乳から3日間が過ぎると母乳の産生量が減ってくるので、胸の張りを感じたときに圧抜きをし、その間隔を1週間に1回、10日に1回、2週間に1回と少しずつ伸ばしていくのが基本の流れです。
母乳が完全に出なくなるまでの期間には個人差があり、早い人で2週間、長い人では2か月ほどかかることもあります。

張りが落ち着いてからも油断しない

張りを感じなくなっても、実は母乳が残っていることがあります。
張りを感じなくなった後も、卒乳ケアを開始してから1か月間はときどきおにぎり搾り(または手搾り)をおこなってみると安心です。
「もう張らないから大丈夫」と自己判断で完全にやめてしまうと、古い母乳が残ってトラブルの原因になることがあります。

浴室でタオルを手にケアをするイメージのやわらかい雰囲気の女性


乳腺炎などのトラブルを防ぐ

卒乳期に最も気をつけたいのが乳腺炎です。
正しいケアで予防し、もしものときの対処法も知っておきましょう。

乳腺炎ってどんな症状?

乳腺炎は、乳腺に炎症が起こり、おっぱいが腫れて痛みや熱を持つトラブルです。
高熱、悪寒、全身の関節痛をともなうことも多く、おっぱいの痛みで眠れなかったり、両腕を上げると痛むため赤ちゃんを抱っこできなくなったりするママもいるほどつらい症状になることがあります。
授乳をやめる際に乳房に母乳がたまりやすくなるため、卒乳・断乳期は特に注意が必要です。

食事と下着でできる予防

意外と見落としがちなのが、食事と下着の工夫です。
卒乳期は脂っこいものや甘いものを控えめにし、和食を中心としたバランスのよい食事を心がけると、乳腺が詰まりにくくなります。
下着については、断乳・卒乳時には乳房内に乳汁がうっ滞して普段より胸のサイズが大きくなる傾向があり、きついブラジャーを着用していると血液循環が悪くなるため、1サイズ大きめのものに変えるとよいとされています。
締めつけないノンワイヤーブラなどがこの時期にはぴったりです。

自己流の搾り方には注意

手軽な「おにぎり搾り」ですが、やり方を誤ると逆効果になることもあります。
自己流に「おにぎり絞り」をした結果うまく排乳できていない場合は逆効果になり、強い圧力で無理に搾乳を繰り返すと、アザができたり乳腺が傷ついたりしてしまうため、力加減には十分気をつけましょう。
乳房にしこりが残る、腫れてきた、発熱したなどの症状が出たら、すぐに母乳外来のある産婦人科を受診してください。
うまく搾れないときや不安なときは、母乳外来や助産院でプロのケアを受けるのが安心です。


卒乳後のママの体の変化

おっぱいのケアと並んで知っておきたいのが、卒乳によって起こる全身の変化です。「最近なんだか調子が・・・」という不調は、ホルモンの影響かもしれません。

ホルモンバランスの揺らぎ

授乳をやめると、母乳を作るホルモンが減り、体は妊娠前の状態へと戻っていきます。
この過程で心や体に変化が現れることがあります。
急激なホルモン変化により、イライラや落ち込み、頭痛が起こることもあるとされています。
一般的には、授乳をやめるとプロラクチンの分泌量が徐々に減っていき、1か月程度でホルモンバランスが妊娠前の状態に戻ると言われていますが、これも個人差があります。

生理の再開

授乳が終わると、止まっていた生理が再開します。
生理が再開するタイミングには個人差があるものの、断乳してから1〜3か月ほどで再開する人が多いようです。
ただし、睡眠不足や疲労、ストレスなどの影響で、断乳から3か月以上経っても生理が来ないケースも珍しくないため、妊活を考えていてなかなか再開しない場合は、早めに医療機関に相談すると安心です。

気持ちのケアも忘れずに

卒乳は子どもの成長の証であると同時に、ママにとっては少しさみしさを感じる出来事でもあります。
心の揺らぎを感じても「自分だけではない」と知っておくだけで、ぐっと気持ちが楽になります。
子どもがおっぱいを卒業したあとは、たっぷりのスキンシップで愛情を伝えてあげましょう。
眠る前にぎゅっと抱きしめたり、「大好きだよ」と声をかけたりすることで、子どもも少しずつ安定していきます。


卒乳後の抜け毛・肌・体型ケア

卒乳期は、髪や肌、体型といった「見た目」の悩みが気になりやすい時期でもあります。
あわてず、体の仕組みを知って向き合いましょう。

抜け毛は一時的なもの

産後から続く抜け毛に悩むママは多いものです。
これはホルモンバランスの変化が原因で起こる自然な現象です。
妊娠中は女性ホルモンの分泌量が増えて髪が抜けにくい状態ですが、出産を終えると分泌量が減少してヘアサイクルが出産前の状態に戻るため、妊娠中に抜けるはずだった分と同時に一気に髪が抜け落ちるのです。
一般的には出産後2〜3か月頃から抜け毛が始まり、6か月から1年程度で自然におさまるとされていますので、過度に心配せず、いずれ戻ると知っておくことが何よりの対策です。

髪と体を支える食事

髪の健康を守るには、食事の見直しが効果的です。
髪の主成分であるケラチンの合成に欠かせない亜鉛は、牡蠣やしらすなどの魚介類、肉類、のりやワカメなどの藻類、大豆類、種実類に含まれ、頭皮の健康維持に役立つビタミンB群とビタミンAは緑黄色野菜から効率的に摂れるとされています。
忙しい育児中は、菓子パンよりおにぎり、ジュースより味噌汁というように和食を意識すると栄養バランスが整いやすいので、無理のない範囲で取り入れてみてください。

あせらない体型戻し

「早く元の体型に戻りたい」という気持ちはとても自然なもの。
ただし、過度な食事制限による急激なダイエットは、栄養不足を招いて抜け毛や体調不良を悪化させる原因になります。
必要なのは食事制限ではなく栄養バランスの見直しです。
体型については、妊娠中に変化した体が元に戻ろうとする産後6か月間が最も痩せやすい時期と言われています。
この時期に、軽いウォーキングやストレッチなど無理のない運動を取り入れていくとよいでしょう。
胸の形も変わることが多いので、サイズを計り直して自分に合うブラジャーをつけることで、胸の形を長期間きれいに保ちやすくなるのもポイントです。


専門家に相談したほうがよいケース

セルフケアで多くのトラブルは防げますが、無理は禁物です。
次のような場合は、迷わず専門家を頼りましょう。

受診の目安を知っておく

以下のような症状があるときは、自己判断で放置せず医療機関を受診してください。

  • 乳房にしこりがある、腫れてきた、発熱などの症状が出たとき
  • 強い痛みや張りが続き、自分ではうまく母乳を減らせないとき
  • 卒乳・断乳が完了して数か月経っても母乳が出続けるとき

特に、断乳完了から数か月以上経っても母乳が出ているようなら、病気(高プロラクチン血症など)が原因である可能性もあるため必ず医療機関を受診し、乳房にしこりがある場合は乳腺外科を受診することがすすめられています。

母乳外来・助産院を上手に活用

「セルフケアだけでは不安」という方は、最初からプロの手を借りるのも賢い選択です。
自分で行うだけでは搾り方が偏ったり搾りが不十分だったりすることもあるため、母乳外来や母乳相談室でおっぱいマッサージなどのケアをしてもらうのもおすすめです。
助産院では個々の状態に合わせて安全にケアをしてもらえるので、つらい張りも安心して任せられます。
一人で抱え込まず、専門家を頼ることがスムーズな卒乳への近道です。


卒乳後の毎日を楽しく過ごすコツ

おっぱいの卒業は、親子にとって新しいステージの始まりです。
最後に、卒乳後の毎日をもっと楽しむためのヒントをお伝えします。

子どもの成長を感じられる時期

卒乳・断乳は、子どもがぐんと成長するきっかけになることが多いものです。
卒乳や断乳後、意思疎通ができるようになる、表情が豊かになる、活動的になるなど、急に子どもが成長したと感じるママやパパが多いと言われています。
おっぱいを卒業できたという体験は、子どもにとって大きな自信にもなります。

パパや家族と一緒に

授乳中は出番が少なく感じていたパパも、卒乳をきっかけにぐっと活躍の場が広がります。
母乳育児で出番が少ないと感じていたパパは、これを機にどんどん子どもと関わって、パパと子どもの世界を広げるとよいでしょう。
寝かしつけや食事のサポートなど、家族で分担すればママの体も心もぐっと軽くなります。

自分をいたわる時間を

卒乳後は、ママ自身の体をいたわる絶好のタイミングでもあります。
これまで赤ちゃん優先で後回しにしてきたケアを、少しずつ自分のために取り入れてみましょう。
ママが笑顔でいることが、子どもにとっていちばんの栄養です。
授乳という大仕事をやり遂げた自分を、たっぷりほめてあげてくださいね。


まとめ

卒乳後のおっぱいケアは、ママの体を守るための大切なステップです。
ポイントを振り返ってみましょう。

  • 授乳をやめても母乳はすぐに止まらないため、適切なケアが必要
  • 「圧抜き(おにぎり搾り)」は搾りすぎず、痛みが和らぐ程度にとどめる
  • 最初の3日間が最もつらく、その後は間隔を空けながらケアを続ける
  • しこり・発熱・強い痛みがあるときは、迷わず医療機関や母乳外来へ
  • 抜け毛・肌・体型の変化は一時的なもの。
    あせらず栄養バランスを整えて

おっぱいの卒業は、ちょっぴりさみしくも、親子が一緒に乗り越える大きな成長の節目です。
正しいケアで体を守りながら、心は前向きに。
新しい育児のステージを、家族みんなで楽しく迎えていきましょう。
今日からできるケアを一つずつ取り入れて、健やかな毎日を過ごしてくださいね。

※本記事は子育てに役立つ情報の提供を目的としたものであり、診療行為ではありません。
体調に不安がある場合は、自己判断せず、かかりつけの医療機関や母乳外来・助産院にご相談ください。

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