3歳の説明する力を伸ばす関わり方 | 出来事を話せる子に

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「今日、保育園で何があったの?」と聞いても、「わかんない」「楽しかった」だけで会話が終わってしまう・・・。3歳のお子さんを育てる保護者の方なら、一度はこんな経験があるのではないでしょうか。

3歳前後は語彙が爆発的に増え、二語文から三語文へとステップアップする大切な時期です。しかし、単語を並べて話せることと、出来事を順序立てて「説明する」ことの間には、実は大きな発達の段差があります。説明する力は自然に身につくものではなく、周囲の大人との関わり方によって大きく育ち方が変わる力だといわれています。

この記事では、3歳児の言葉の発達の目安から、家庭で無理なく取り入れられる声かけや遊び、注意しておきたいNG対応まで、公的機関の資料や専門家の知見をもとに網羅的に解説します。育児が少し楽しくなるヒントとして、ぜひ最後まで読んでみてください。

3歳児の説明する力とは何か

「説明する力」とは、単に単語を発することではなく、起きた出来事や自分の気持ちを、相手に伝わる順番で言葉にする力を指します。「誰が」「何を」「どうした」という要素を組み立て、聞き手にも状況が伝わるように話す力といえるでしょう。

3歳児はちょうどこの土台が育ち始める時期です。
単語をつなげて話せるようになる一方で、まだ「出来事の順番」を整理するのは難しく、大人が話を引き出す関わりが重要になります。

「話せる」と「説明できる」は違う

単語や短い文が言えても、それは「話せる」段階であり、状況を筋道立てて伝える「説明できる」段階とは異なります。
3歳児はこの二つの間を行きつ戻りつしながら成長していきます。

説明する力が育つとどう変わるか

説明する力が育つと、保育園での出来事を共有できるようになったり、友達とのトラブルの経緯を自分の言葉で伝えられるようになったりします。
将来的なコミュニケーション力や思考力の土台にもつながる大切な力です。

リビングで母親と向き合い、身振り手振りを交えて楽しそうに話す3歳くらいの女の子


3歳児の言葉の発達の目安

説明する力を育てる前提として、3歳児の言葉の発達がどの程度進んでいるのかを知っておくと安心です。

語彙数は800〜2,000語程度に増加

一節によると3歳前後に習得する語彙の数は800から2,000語にまで増えると言われています。
2歳の頃と比べると語彙量は大きく増加し、日常会話の幅がぐっと広がる時期です。
実際に2歳では200〜300語程度だったものが、3歳頃までには子どもが知識として蓄える語彙が1,000語程度までになるともいわれており、資料によって幅はあるものの、語彙が急増する点は共通しています。

三語文と因果関係の理解が進む

会話レベルとしては、「ママ、バナナ たべたい」などの3つの単語からなる「3語文」で話せるようになり、ちょっとした会話が成立するようにもなります。
また、「て・に・を・は・が・と」などの助詞の組み合わせや、「それからね」などの接続詞も上手に組み合わせられるようになるため、会話が途切れずに続きやすくなっていきます。

「なぜ」「どうして」の質問が増える時期

3歳台では理解する語彙数が急激に増え、言葉のやり取りが不自由なくできるようになってくるとされ、因果関係を結びつけることができるようになるので、「これ、何?」「なぜ?」と、大人に質問することが増えます。
この質問期は、子ども自身が物事の理由を理解しようとしているサインであり、説明する力を伸ばす絶好のチャンスでもあります。


説明する力が育つ3つの要素

説明する力は、いきなり完成するものではなく、複数の力が積み重なって育っていきます。
ここでは代表的な3つの要素を紹介します。

聞く力を育てる

説明する力の土台には「聞く力」があります。
大人の話を最後まで聞く経験を積むことで、自分が話すときにも「順番に伝える」という感覚が身についていきます。

語彙を増やす

語彙が少ないと、伝えたい気持ちがあってもうまく言葉にできません。
日常会話や絵本の読み聞かせを通じて語彙を増やすことは、説明する力の直接的な土台になります。

順序立てて話す経験を積む

「初めに」「次に」「それから」といった順序を表す言葉を意識的に使う経験を重ねることで、出来事を時系列で整理して話す力が徐々に育っていきます。


家庭でできる説明する力の育て方

特別な教材がなくても、日常のちょっとした工夫で説明する力を伸ばすことができます。

結論から聞く声かけを意識する

ある教育現場の実践では、子どもが自分の考えをうまく説明できないとき、まず結論から話すことで、聞き手は話の方向性を理解しやすくなるという声かけの工夫が紹介されています。
具体的には「まずは、お話の結論から聞かせてね。」と伝えることで、子どもは自分の話の要点を整理しやすくなるとされています。
反対に「話が長いよ、もっと短くまとめて。」という声かけは、子どもが話の全体像を伝える機会を奪ってしまうため、注意が必要です。

結論を急かすのではなく、まず「うんうん、それで?」と受け止める姿勢が、3歳児にとっては何より安心して話せる環境づくりにつながります。

絵本の読み聞かせで質問を投げかける

絵本を読んだあとに「どうしてクマさんは泣いたのかな?」など、理由を尋ねる質問を投げかけてみましょう。
答えが多少的外れでも否定せず、まずは受け止めることが説明する意欲を育てる第一歩です。

一日の出来事を一緒に振り返る

寝る前や夕食の時間に「今日は何をしたかな」と一緒に振り返る習慣をつくると、子どもは出来事を思い出して言葉にする練習を自然に積み重ねられます。
最初は単語だけでも構いません。
大人が「それで、そのあとどうなったの?」と続きを促す質問を挟むことで、少しずつ説明が長くなっていきます。

布団の中で親子が向かい合い、絵本を見ながら会話を楽しむ夜のワンシーン


説明する力を伸ばす遊びと習慣

遊びの中に説明する機会を取り入れると、子どもは楽しみながら自然と力を伸ばしていきます。

ごっこ遊びで会話力をアップ

お店屋さんごっこやお医者さんごっこなど、役になりきって会話をするごっこ遊びは、状況を言葉で説明する力を育てる絶好の機会です。「いらっしゃいませ、何をお探しですか?」といったやり取りを通じて、自然に説明の練習ができます。

写真や絵を使った説明ごっこ

お出かけの写真を一緒に見ながら「このとき何してたっけ?」と聞くのもおすすめです。
視覚的な手がかりがあることで、記憶をたどりやすくなり、説明のハードルがぐっと下がります。


やってはいけないNGな関わり方

良かれと思ってしている関わりが、実は説明する意欲を下げてしまっていることもあります。

話を遮る・急かす

警告:子どもの話を最後まで聞かずに遮ったり、「早く言って」と急かしたりすると、話す意欲そのものが下がってしまう可能性があります。
時間がないときほど、深呼吸してゆっくり待つ姿勢を意識してみましょう。

否定的な言葉で返す

「そうじゃないでしょ」「何言ってるかわからない」といった否定的な返し方は、子どもの発言意欲を大きく削いでしまいます。
たとえ内容が的外れでも、まずは「そうなんだね」と受け止めてから、質問で補ってあげる関わり方が望ましいとされています。


説明が苦手・言葉が遅い時の注意点

個人差が大きい時期とはいえ、気になるサインが重なる場合は専門家への相談も選択肢の一つです。

3歳児健診でのチェックポイント

言葉はまず耳で聞いて理解する必要があります。
1歳半検診、3歳児検診でも聴力の検査が行われますので、音への反応が気になる場合は、健診の機会に相談してみるとよいでしょう。

専門家に相談する目安

注意:厚生労働省の発達支援に関する研修テキストでは、3歳時点で二語文が見られないことは、言語発達の遅れを考える一つの目安とされています。
厚生労働省の発達支援に関する研修テキストにおいても、3歳時点で二語文が見られないことは、言語発達の遅れを考える一つの目安とされています。
気になる様子が続く場合は、自己判断で様子を見続けるのではなく、かかりつけの小児科や地域の子育て支援センターに相談してみることをおすすめします。

保健センターの診察室で保護者と看護師が笑顔で話す様子


保育所保育指針にみる言葉の育ち

家庭だけでなく、保育の現場でも「言葉」は重要な領域として位置づけられています。

言葉の領域のねらい

保育の五領域のうち言葉の領域は、自分で経験したことや考えたことを言語化する力、そして相手の話を聞く態度や意欲を養う領域とされています。
3歳以上児においては、日々の生活や遊びの中で、この言語化する力を育むことが目標の一つとされています。

家庭と保育園の連携が大切

厚生労働省の「保育所保育指針解説書」が示している、3歳児の言葉以外の面での発達の目安も参考にしながら、家庭では保育園での関わりを補完するような声かけを意識すると、子どもの説明する力はより育ちやすくなります。
保育園と家庭、それぞれの場で「話を聞いてもらえた」という経験を積み重ねることが、説明する力の土台を支えます。


まとめ

3歳児の説明する力は、語彙数の増加や三語文の習得といった言葉の発達を土台にしながら、日々の関わりの中で少しずつ育まれていきます。
「結論から聞く」「否定せず受け止める」「順序を表す言葉を使う」といった関わりを意識するだけで、子どもの説明する意欲は大きく変わってきます。

完璧な説明を求める必要はありません。
今日の小さな「それでね」「それから」の積み重ねが、やがて筋道立てて話せる力につながっていきます。
焦らず、お子さんのペースに寄り添いながら、親子の会話そのものを楽しんでいただければと思います。

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