「積み木を電話に見立てて『もしもし』と話している」「空っぽのコップでお茶を飲むふりをしている」・・・2歳前後になると、こうした見立て遊びを楽しむ姿がぐっと増えてきます。何もないところから物語を作り出す我が子の姿は、見ているだけで微笑ましいものですが、「これってどんな意味があるの?」「どう関わればいいの?」と疑問を持つ親御さんも多いのではないでしょうか。この記事では、2歳児の見立て遊びの発達的な意味から、具体的な遊び方、関わり方のポイント、注意点まで、育児が楽しくなるヒントを詰め込んでお届けします。
見立て遊びとは何か発達的な意味
見立て遊びとは、目の前にある物を別の物になぞらえて、想像しながら遊ぶことを指します。
見立て遊びは、子どもの想像力や言葉の発達にとって非常に大切なステップだと考えられています。
見立て遊びとは、物を別なものに置き換えて楽しむ遊びで、想像力や言葉の発達につながる大切なステップです。
単なる遊びに見えて、実は子どもの認知発達を映し出す重要なサインなのです。
ごっこ遊びとの違い
見立て遊びとよく混同されるのが「ごっこ遊び」です。
両者には明確な違いがあります。
見立て遊びは物を別の物に見立てるのに対し、ごっこ遊びは子ども自身が別の誰かになりきって遊びます。
2歳児ごろからは真似事から想像力を膨らませた遊び方に変化してきます。
自ら別のモノに見立てて想像しながら見立て遊びをし始めるようになり、そこから徐々にごっこ遊びへと発展していきます。
見立て遊びはごっこ遊びの前段階にあたる遊びと考えるとわかりやすいでしょう。
何歳ごろから始まるのか
見立て遊びが始まる時期には個人差がありますが、一般的には1歳前後から少しずつ見られるようになります。
一般的には1歳半頃から少しずつ見られますが、始まる時期や遊び方には個人差があります。
そして2歳前後になると、遊び方そのものが大きく変化していきます。
2歳前後になると、物を見立てる力が発達し遊び方にも変化が見られます。
1歳の頃は大人の真似をすることが中心でしたが、2歳になると自分の想像力を膨らませて、自ら見立てを作り出せるようになるのが大きな特徴です。

2歳児の見立て遊びに見られる特徴
2歳という時期は、見立て遊びが最も活発になり、内容も豊かになっていく大切な段階です。
厚生労働省がまとめる保育所保育指針の解説資料でも、この時期の子どもの発達について詳しく触れられています。
ままごと用の玩具を実物に見立てるなどの象徴機能も発達し、人や物との関わりが強まるとされており、家庭だけでなく保育の現場でも重視されている発達段階であることがわかります。
自分から想像を広げられるようになる
1歳頃は大人がやっている真似から見立て遊びに入っていくケースが多いのですが、2歳頃になると様子が変わってきます。
1歳ごろは大人の真似をしながら見立て遊びをしますが、2歳ごろになると自ら想像力を膨らませて遊べるようになります。
人形にご飯を食べさせようとしたり、砂場で料理を作り、お友だちやママに渡したりします。
この変化は、子どもの中で「自分の考え」が育ってきた証拠でもあり、親としては見逃したくない成長のサインです。
簡単なごっこ遊びへとつながっていく
2歳になると、見立て遊びが少しずつごっこ遊びの要素を含むようになります。
2歳になると、身近な大人や他者の真似をして「〜のつもり」「〜のふり」をして、ごっこ遊びを楽しむようになります。
積み木やブロックといったおもちゃを、日常で使うものに見立てて遊ぶため、想像力や発想力が養われます。
さらに、この時期は、おもちゃをほかのものに見立てて遊ぶ「見立て遊び」から、簡単な「おままごと」といったごっこ遊びを楽しめるようになります。
見立て遊びとごっこ遊びの境界線は曖昧で、少しずつ重なりながら成長していくのが自然な姿です。
見立て遊びが育む3つの力
見立て遊びは単なる遊びではなく、子どものその後の成長を支える土台になります。
ここでは特に大きな3つの効果を紹介します。
想像力・創造力
見立て遊びは、目に見えないものを頭の中でイメージする力を育てる絶好の機会です。
積み木を車に見立てたり、丸めた紙をおにぎりに見立てたりする中で、子どもは「今ここにないもの」を思い描く練習を重ねています。
2歳児は見立て遊びや簡単なごっこ遊びができるようになって、物を他の物に見立てて現実にない情景を作り出す「象徴遊び」が発達し始めます。
積み木を重ねて「大きなお城」に見立てるなど、小さな頃から素晴らしい想像力が生まれるのです。
言葉の発達
見立て遊びを通じて、子どもは物の名前やその使い方に関する語彙をどんどん増やしていきます。
見立て遊びをする際、一人ですることもありますが、親御さんやお友達とすることで言語発達を促すのに適した遊び方になります。「これはバナナね」「これは電車さんね」といったやり取りの中で、自然に言葉のボキャブラリーが広がっていきます。
観察力とイメージ力
見立て遊びとごっこ遊びでは、育まれる力に少し違いがあると言われています。
ごっこ遊びではイメージ力や言葉の発達、他者との関わり方や社会性などが身に付き、見立て遊びではイメージ力や創造力、観察力、生存本能的な満足感が得られます。
見立て遊びは、子どもが周囲をよく観察しているからこそ生まれる遊びであり、日々の生活の中で親の行動をしっかり見ている証拠でもあります。

今日からできる見立て遊びの例
特別な準備をしなくても、身近な物を使ってすぐに始められるのが見立て遊びの魅力です。
ここでは室内・室外に分けて具体例を紹介します。
おうちでできる見立て遊び
- 積み木やブロックを電話に見立てて「もしもし」と会話する
- 紙コップや積み木をコップやお茶碗に見立てておままごとをする
- 丸めた紙やタオルをおにぎりやケーキに見立てて食べる真似をする
- ぬいぐるみにスプーンでご飯を食べさせる仕草をする
電話ごっこは特に人気の高い見立て遊びの一つです。
積み木を電話に見立てて「もしもし?」と問いかけたり、ぬいぐるみにスプーンで飲みものを飲ませる仕草をしたりと、子どもが1歳~2歳頃から取り入れる遊びのひとつとされており、多くの2歳児が興味を示す遊びと言えるでしょう。
外遊びでできる見立て遊び
- 落ち葉や小石をお金やごちそうに見立ててお店屋さんごっこをする
- 木の枝をお箸やスプーンに見立てて食事の真似をする
- 砂場で作った砂の団子をケーキやお料理に見立てて渡し合う
自然物を取り入れた見立て遊びには、数の概念や言葉を育むきっかけも隠れています。
落ち葉をお金に見立てて木の実と落ち葉を交換してお買い物ごっこをしてみたり、慣れてきたら「これは落ち葉2枚です!」と言って数の概念も学び始めたりすることができます。
自然の中での遊びは五感も刺激され、室内遊びとは違った学びが得られるのも魅力です。
親子で楽しむための関わり方
見立て遊びは、大人の関わり方次第でさらに豊かなものになります。
大切なのは「教える」のではなく「一緒に楽しむ」姿勢です。
共感の声かけを大切にする
子どもが何かに見立てて遊んでいるときは、その世界観に寄り添う声かけを心がけましょう。
何かに見立てて遊んでいる時に「〇〇だね~」と声をかけてあげることで、より子どものイマジネーションも活発になると言われています。「それ電車さんかな?」「おいしそうなケーキだね」といった一言を添えるだけで、子どもはより安心して想像の世界を広げられます。
子どものイメージを否定しない
見立て遊び中は、子どもが見立てているものを「それは違うよ」と正しく訂正しないことが大切です。
積み木を車と呼んでいるのに「それは積み木だよ」と否定してしまうと、想像の世界が壊れてしまいます。
子どもの見立てをそのまま受け止め、一緒に世界観に入り込むことで、より深い遊びへと発展していきます。

見立て遊びを広げるおすすめの道具
特別な知育玩具がなくても、家にある物で十分に見立て遊びを楽しめます。
とはいえ、遊びの幅を広げたいときは道具選びも一つのポイントになります。
家にあるものを活用する
空き箱、紙コップ、タオル、洗濯ばさみなど、家庭にあるシンプルな物ほど、子どもの自由な発想を引き出しやすい傾向があります。
用途がはっきりしすぎていない物のほうが、いろいろな物に見立てやすく想像力を刺激しやすいと言われています。
わざわざ新しいおもちゃを買わなくても、日常の中にある物で十分に遊びを広げられます。
知育玩具を取り入れる場合の選び方
積み木、木製のおままごとセット、電話の形をしたおもちゃなどは、見立て遊びの入り口として使いやすいアイテムです。
色や形がシンプルなものを選ぶと、子どもが自由に用途を発想しやすくなります。
逆に、リアルすぎる作り込まれたおもちゃは、遊び方が固定されてしまい、想像を広げる余地が少なくなることもあるため、選び方の一つの視点として覚えておくとよいでしょう。
興味を示さない時に知っておきたいこと
「うちの子はあまり見立て遊びをしない」と心配になる親御さんもいるかもしれません。
しかし、見立て遊びの現れ方や時期には大きな個人差があり、遊ばないこと自体を過度に心配しすぎる必要はありません。
個人差があることを理解する
見立て遊びが始まる時期や頻度は、子どもによって大きく異なります。
見立て遊びをしないからといって、すぐに自閉スペクトラム症と結びつける必要はありません。
発達は一点で判断するものではなく、日々のやりとり全体のなかで育まれていくものだとされています。
大切なのは、できていないことを心配するよりも、今できていることに目を向けてあげることです。
心配な場合の相談先
発達面で気になる点が続く場合は、自己判断で決めつけず、自治体の保健センターや子育て支援センター、かかりつけの小児科などの専門機関に相談することをおすすめします。
健診の機会を利用して相談するのも良い方法です。
専門家に話を聞いてもらうことで、親自身の気持ちも軽くなることが多いものです。
遊ぶときに気をつけたい注意点
見立て遊びを見守る際には、いくつか気をつけておきたいポイントがあります。
安全面への配慮
見立て遊びでは、家にある様々な物を使うため、口に入れてしまう恐れのある小さな物や、誤飲・怪我の危険がある道具は避けるようにしましょう。
特に自然物を使う外遊びでは、口に入れないよう見守りながら遊ぶことが大切です。
遊びを強制しないこと
「見立て遊びをした方が発達に良い」と聞くと、つい遊びを促したくなるものですが、無理に見立て遊びをさせようとする必要はありません。
子どもが自分から興味を持ち、自発的に遊び始めることが何より大切です。
親は環境を用意し、寄り添う姿勢を大事にしましょう。
よくある質問
見立て遊びとつもり遊びは同じですか
ほぼ同じ意味で使われることが多く、物や状況を別のものになぞらえて楽しむ遊びを指します。
厳密な線引きよりも、子どもが想像を膨らませて遊んでいる姿そのものを大切に見守りましょう。
何歳まで見立て遊びを楽しみますか
年齢が上がるにつれて、見立て遊びはごっこ遊びへと発展していきます。
3〜4歳ごろには、友だちと役割分担をしながら遊ぶ本格的なごっこ遊びが盛んになっていく傾向があります。
より詳しい発達の目安や保育の考え方については、こども家庭庁が公開する保育所保育指針も参考になります。
まとめ
2歳児の見立て遊びは、想像力や言葉、観察力といった、これからの成長に欠かせない力を育む大切な時間です。
積み木を電話に見立てたり、落ち葉をお金に見立てたりする何気ない遊びの中に、子どもの発達の芽がたくさん詰まっています。
大切なのは、特別な道具や正しい遊び方を用意することではなく、子どもの想像の世界にそっと寄り添い、一緒に楽しむ姿勢です。
もし見立て遊びをあまりしない、興味を示さないといった様子が見られても、個人差の範囲であることが多いので、焦らず日々の関わりを大切にしていきましょう。
今日からできる小さな見立て遊びを、ぜひ親子の時間の中に取り入れてみてください。