「うちの子、髪の毛が薄いけど大丈夫?」「後頭部だけハゲてるのはなぜ?」生まれたばかりの赤ちゃんを抱きながら、こんな不安を抱える親御さんはとても多いものです。SNSで見かけるふさふさヘアの赤ちゃんと比べてしまったり、児童館で他の子の髪の量に驚いたり・・・心配は尽きませんよね。
でも、安心してください。赤ちゃんの髪の毛が薄いのには、ちゃんとした理由があります。そして、そのほとんどが成長の過程でごく自然に起こる現象です。この記事では、赤ちゃんの髪の毛が薄い・抜ける理由から、生え変わりの目安、おうちでできるケアまで、0〜3歳の子育てを楽しむために知っておきたい情報を、まるごとお届けします。
読み終わるころには、薄毛問題が「心配ごと」から「成長の楽しみ」に変わっているはず。一緒に、わが子の小さな変化を愛おしむ気持ちで見ていきましょう。
赤ちゃんの髪の毛が薄いのはなぜ?基本の理由
そもそも、なぜ赤ちゃんの髪の毛は薄く見えるのでしょうか。
まずは生まれたばかりの赤ちゃんの髪の特徴と、薄く見える理由について整理してみましょう。
毛穴が小さくて髪が細いから
赤ちゃんの頭皮の毛穴は小さいため、そのぶん髪の毛も細くなっています。
毛穴の数は充分であっても髪の毛が細いため頭髪が薄いと感じられるのです。
つまり、髪の本数自体が少ないわけではなく、1本1本が細くて柔らかいために「薄く見える」というのが正解。
毛量ではなく、毛の太さの問題であることを覚えておくと、ぐっと気持ちが楽になります。
成長に伴って毛穴も大きくなり、髪の毛も徐々に太くしっかりした髪質に成長していきます。
光に当たると地肌が透けて見えるのも、髪が細いせい。
それは「赤ちゃんならではの可愛さ」のひとつなのです。
生まれた時点で個人差が大きい
新生児の髪の毛の量は、生まれたときから個人差があります。
生まれてしばらくしてもなかなか生えない子や、生まれたときからふさふさの子、髪の色も茶色く薄い子や黒々とした髪が生えている子など様々です。
これは胎児期からの髪の発達タイミングが赤ちゃんごとに異なるため。
赤ちゃんの最初の髪の発生は、胎児期(妊娠3〜6ヶ月頃)に現れ始める産毛で、これは胎脂と呼ばれる赤ちゃんの皮膚を守るための膜が剥がれ落ちてしまわないように生え始めると言われています。
妊娠9ヶ月頃に自然に抜け落ちると言われていますが、産毛が抜けるタイミングも赤ちゃんによってさまざまで、そのため新生児期の髪の量が赤ちゃんによって大きく違うのです。
遺伝より生理的な要素が大きい
「パパもママも髪が多いのに、なんでうちの子は・・・」と落ち込む必要はありません。
遺伝は髪質を決める要素の一つですが、生まれたばかりの赤ちゃんの毛量や髪質には、遺伝的な影響よりも生理的な現象による差が大きいと考えられています。
新生児期の毛量は、将来の髪の毛のボリュームを必ずしも決めるものではないのです。

抜け毛の3つのタイプを知ろう
赤ちゃんの「抜け毛」と一言で言っても、実はいくつかのパターンがあります。
タイプを知っておけば、わが子の状態が当てはまるか確認でき、無駄に不安にならずにすみますよ。
新生児生理的脱毛
もっとも代表的なのが、新生児生理的脱毛と呼ばれる現象です。
新生児期から生後6か月位までの時期に見られる髪の毛の生え変わりで、この最初の生え変わりに際して一部の赤ちゃんは、毛髪の大部分が同時期に休止期に入ったことで、前頭部から頭頂部までの髪の毛がたくさん抜けてしまい非常に薄くなることがあります。
「いきなり髪がごっそり抜けた!」「枕にたくさん毛がついている!」とびっくりするかもしれませんが、これは赤ちゃんが順調に成長している証拠。
やがて新しい髪の毛が元気に生えてきます。
乳児期後頭部脱毛(寝ハゲ)
「うちの子、後頭部だけハゲてる・・・」というお悩みもとても多いもの。
これは寝ハゲ、正式には「乳児期後頭部脱毛」と呼ばれます。
仰向けに眠っている赤ちゃんの頭が枕に当たる部分である後頭部の髪の毛が少なくなって、その部分がハゲのように見える抜け毛で、生後2か月から6か月くらいの乳児によく見られますが、しばらくすると自然に目立たなくなってきます。
低月齢の赤ちゃんは、1日の大半を寝て過ごすため、後頭部と敷き布団、あるいは枕の間が擦れやすくなります。
もともと赤ちゃんの髪の毛は細くて柔らかいため、繰り返し摩擦が起こると髪の毛が抜けてしまい、後頭部に寝ハゲができてしまうのです。
脂漏性湿疹に伴う抜け毛
少し頻度は下がりますが、頭皮の脂漏性湿疹に伴って抜け毛が起こることがあります。
脂漏性湿疹は生後3か月から4か月ころまでには自然に治りますから、この脱毛も自然に改善します。
頭皮に黄色っぽいかさぶたのようなものが付いていたり、赤くなっている場合は、これに該当する可能性があります。
湿疹が広がっていたり、かゆがって機嫌が悪い、出血している場合は、早めに小児科や皮膚科で相談しましょう。
髪の毛が生え変わる時期の目安
では実際、赤ちゃんの髪はいつごろから生え変わり、いつごろふさふさになるのでしょうか。
月齢ごとの目安を知っておくと、わが子の成長を楽しみに見守れますよ。
生後2〜3週:前頭部から頭頂部の生え変わり
前頭部から頭頂部にかけての髪の毛が生後2〜3週頃に生え変わります(新生児生理的脱毛)。
そして、生後3か月頃から全体的に生え変わりのために抜けていきます。
早い子は新生児期からすでに生え変わりが始まっているのです。
生後3〜6か月:全体的な生え変わりピーク
生後3か月を過ぎたあたりから、抜け毛が目立つようになるケースが多くなります。
背中や腕に生えていた産毛も、最近は薄くなってきたのではないでしょうか?髪の毛も同様でこの時期に生え変わりはじめます。
産毛がフサフサだった赤ちゃんほど、生え変わりで「抜けた!」と感じやすい傾向があります。
生後6か月〜1歳:しっかりした髪が増えてくる
新生児の産毛は、生後6ヶ月を目安として髪の毛に生え変わっていきます。
ふわふわだった産毛が、成長に伴って少しずつしっかりとした髪の毛になり、赤ちゃんの髪の毛は細いため光の加減で茶色く見えることもありますが、生え変わりで髪が太くなることで、少しずつ色も濃くなっていきます。
1歳半〜3歳:髪質の安定期
髪の毛が生え揃う時期には個人差がありますが、遅くても1歳半〜2歳頃にはほとんどの赤ちゃんの髪の毛が生え始めると言われています。
生後6か月くらいで赤ちゃんの毛は生え変わり、3歳頃までにしっかりした髪質になるので、焦らずに見守ってあげましょう。

後頭部のハゲ(寝ハゲ)の見分け方
後頭部のハゲは、寝ハゲ以外にもいくつかの原因が考えられます。
見分け方を知っておくと、必要な対応が判断しやすくなります。
寝ハゲの典型的な特徴
寝ハゲの症状は人それぞれで、一部のみ、うっすら髪の毛が薄くなる子もいれば、広範囲にわたってごっそり髪の毛がなくなってしまう子もいます。
特に元から髪の毛が多い赤ちゃんは、寝ハゲになった部分との落差が大きいため、ハゲが目立ちやすい傾向があるでしょう。
横一直線にハゲている、左右対称、頭の中心ではなく後頭部全体が薄い・・・といった特徴があれば、寝ハゲの可能性が高いといえます。
頭を振るクセが原因のことも
赤ちゃんの寝ハゲは誰にでも起こり得る症状ですが、頭を左右に振る癖がある子や、自分で髪の毛をつかむ癖のある子は寝ハゲになりやすいと言われています。
赤ちゃんが頭を左右に振る行為はヘッドバンギングと呼ばれており、生後数カ月から就学前の幼児によく見られる症状です。
頭を左右に激しく振ると、後頭部と寝具の摩擦が強くなり、寝ハゲが進行しやすくなります。
頭を左右に振る仕草を無理に止める必要はありませんが、寝ハゲを防ぎたいのなら適切な対策を行いましょう。
注意したいケースの見極め方
多くの場合、寝ハゲは心配のないものですが、まれに違うサインのこともあります。
頭部にかゆみを伴う湿疹ができた場合、不快感から髪の毛をつかんで引っ張ってしまうこともあります。
湿疹は放っておくと酷くなる場合があるので、頻繁に髪の毛をつかんで引っ張るような仕草が見られるときは、頭部に湿疹ができていないか確認してみましょう。
円形にきれいに抜けている、赤みや出血がある、明らかに増えている場合は、自己判断せず小児科または皮膚科を受診してください。
おうちでできる薄毛・抜け毛のケア
「自然に治る」とはいえ、何かしてあげたいのが親心。
日々のちょっとしたケアで、赤ちゃんの頭皮環境を整えてあげましょう。
頭皮を清潔に保つ正しい洗い方
赤ちゃんの髪の生え変わりには、新陳代謝が大きく影響します。
頭皮に汗や汚れがあった場合には、沐浴や入浴時にしっかりと洗い流し、清潔に保つようにしましょう。
ベビーソープを手のひらでよく泡立てて、指の腹でやさしく円を描くように洗うのがコツです。
爪を立てたり、ゴシゴシ強くこすったりするのは絶対にNG。
デリケートな赤ちゃんの頭皮はすぐに傷ついてしまいます。
耳の後ろや髪の生え際は汚れがたまりやすいので、特に丁寧に洗ってあげましょう。
頭の向き癖を工夫してみる
寝ハゲ対策として効果的なのが、頭の向き癖の工夫です。
タオルを丸めて背中側に入れて寝る向きを変えてみたり、興味を引くおもちゃの位置を変えてみたりするのもおすすめ。
ただし、無理に頭を固定するのは避けてください。
うつ伏せ遊び(タミータイム)を、起きている時間に大人がしっかり見守りながら取り入れるのも、後頭部への圧力を分散できる方法です。
首がすわる前は窒息リスクがあるため、必ず保護者が目を離さない状況で行いましょう。
剃ったほうがいい?都市伝説の真実
「赤ちゃんの髪を剃ると濃くなる」という話、聞いたことありませんか?でも実はこれ、科学的根拠のない言い伝えなのです。
一度坊主にしてみる・・・というのは、毛の断面ができて濃くみえるだけで、剃ることで、髪質が変わったりすることはないようです。
赤ちゃんは、全てがデリケートなので、頭皮を傷つけたり、湿疹、かぶれの原因になることもあります。
髪の量や太さは、剃るかどうかで変わるものではありません。
やるならカットで十分。
赤ちゃんに無理をさせないことが何より大切です。

赤ちゃんの髪にまつわるよくある悩み
薄毛・抜け毛以外にも、赤ちゃんの髪については「これって普通?」と思う場面がいろいろ。
よくある悩みをまとめてみました。
髪の色が茶色いのは大丈夫?
「うちの子、髪が茶色いんだけど・・・」と気にする方も多いですが、これは赤ちゃんあるあるのひとつ。
赤ちゃんの髪の毛は細いため光の加減で茶色く見えることもありますが、生え変わりで髪が太くなることで、少しずつ色も濃くなっていきます。
成長とともに、しっかりとした色味になることがほとんどです。
髪の生え方が均一じゃない
頭頂部だけ多い、サイドだけうすい、つむじが2つある・・・など、生え方のムラも個性のひとつ。
生後6カ月頃になるとしっかりとした髪の毛が生えている赤ちゃんが多くなりますが、生え方のバランスが整うのにはもう少し時間がかかります。
「個性が顔に出る」のと同じで、髪の生え方にも一人ひとりの個性が表れるのです。
3歳を過ぎても薄いまま
赤ちゃんの髪の毛は細くて抜けやすいのでなかなか伸びないと感じることがありますが、成長とともに髪の毛の質や量、伸びる速さが安定します。
3〜4歳を過ぎても生えそろわない場合は、かかりつけの皮膚科医や小児科医に相談するのが安心です。
心配なときは一人で抱え込まず、専門家に相談しましょう。
赤ちゃん筆や記念のヘアカットについて
赤ちゃんの髪は、思い出としても貴重なもの。
最初のヘアカットや「赤ちゃん筆」について、知っておきたいポイントをまとめました。
初めてのヘアカットのタイミング
初めてのカットは、髪が目や耳にかかるようになってから、というのが一般的。
月齢でいうと、早い子で生後6か月頃、ゆっくりの子で2〜3歳ごろが目安です。
「いつまでに」という決まりはありませんから、わが子のペースで大丈夫。
美容院デビューが不安な場合は、自宅でパパママがカットするのもおすすめ。
寝ている間にハサミでそっと切る・・・という方法を選ぶ家庭も多いですよ。
赤ちゃん筆って何?
赤ちゃん筆とは、生まれて初めて切った髪の毛で作る筆のこと。
日本では古くから記念品として親しまれています。
一度カットすると二度と切ることのない「胎毛」を使って作るため、世界にひとつだけの宝物になります。
髪の量に決まりはありますが、薄毛の赤ちゃんでも対応してくれる工房もあります。
事前にお店に相談してみると安心です。
切った髪の保存方法
すぐに筆にしない場合でも、初めて切った髪は記念として残しておきたいもの。
ジップ付きの袋に乾燥剤を入れて保存すれば、長期保存も可能です。
湿気を含むとカビや変色の原因になるので、必ずしっかり乾燥させてから密閉容器に入れて保管してください。
専門家に相談したほうがいいケース
ほとんどの薄毛・抜け毛は心配ないものですが、念のため知っておきたい「相談したほうがいいケース」もあります。
こんな症状があれば受診を
以下のような症状が見られる場合は、自己判断せずに小児科や皮膚科を受診することをおすすめします。
- 頭皮に赤み、ジクジクした湿疹、出血がある
- かゆがって機嫌が悪く、夜泣きがひどい
- 円形にくっきりとした脱毛がある
- 3〜4歳を過ぎても、明らかに同年齢の子と比べて髪が極端に少ない
- 抜け毛とともに発熱や体重減少などの全身症状がある
気になることがあれば、ためらわず専門家に相談するのが一番。
心配なことがありましたら小児科などで相談してみてくださいねと多くの専門家も呼びかけています。
かかりつけ医を持つ大切さ
0〜3歳の子育てでは、ちょっとした不安を気軽に相談できる「かかりつけ医」の存在が心強い味方になります。
乳幼児健診のときに、髪の毛について質問しておくのもおすすめです。「これって普通ですか?」と聞くだけで、ぐっと不安が和らぐもの。
SNSや口コミとの上手な付き合い方
育児中はSNSで情報収集する方も多いですが、ふさふさヘアの赤ちゃんの写真ばかり見ていると、つい比べてしまいがち。
SNSに出てくるのは「投稿したくなる瞬間」だけ。
わが子のペースを大切に、リアルな成長を楽しむ視点を忘れずにいたいですね。
薄毛時期を楽しむ!記念に残すアイデア
髪の毛が薄い時期も、考え方を変えればとっても可愛い「今だけの姿」。
あとから振り返ると、ふさふさになった姿との比較がほほえましく感じられます。
月齢フォトを残そう
毎月同じ場所、同じポーズで写真を撮る「月齢フォト」はとてもおすすめ。
髪の毛の変化を時系列で並べると、生え変わりの過程が一目瞭然です。
後頭部だけの写真もぜひ撮っておいてください。「あの頃の波平ヘアが懐かしい!」と、将来きっと笑い話になります。
家族みんなで「成長日記」
「●月●日、初めて後頭部のハゲに気付いた」「●月●日、つむじの周りに新しい毛が生えてきた!」など、髪にまつわる小さな変化を記録するのも楽しい時間。
育児日記アプリやSNSの非公開アカウントを活用すると、続けやすいですよ。
イベントごとに残す
お食い初め、ハーフバースデー、1歳のお誕生日・・・節目ごとに写真スタジオで撮影するのも素敵な思い出に。
プロの手にかかれば、薄毛の赤ちゃんもとびきり可愛く写ります。
「今しか撮れない姿」を意識して、たくさんシャッターを切ってあげてください。
まとめ:髪の毛が薄くても大丈夫!
赤ちゃんの髪の毛が薄い・抜けるのは、ほとんどの場合、成長の過程で起こる自然な現象です。
新生児生理的脱毛、寝ハゲ、脂漏性湿疹に伴う抜け毛・・・どれもやがて落ち着き、新しい髪が生えてきます。
ポイントをおさらいしておきましょう。
- 赤ちゃんの髪が薄く見えるのは毛穴が小さく髪が細いため
- 毛量や生え方には大きな個人差がある
- 抜け毛は生後2〜3週から始まり、3〜6か月頃にピークを迎える
- 1歳半〜3歳頃までに、しっかりとした髪質になっていく
- 頭皮を清潔に保ち、無理に剃ったり強くこすったりしない
- 気になる症状があれば、迷わず小児科や皮膚科を受診
髪の毛の量や質は、子育てのほんの一面。
わが子のペースで、わが子らしく育っていくことが何より大切です。
他の子と比べて落ち込むよりも、今しかない「ふわふわ薄毛時代」を、写真や記録にたくさん残して楽しんでください。
数年後、ふさふさになったわが子の頭をなでながら、「あの頃心配したのが嘘みたい」と笑える日が必ずやってきます。
育児は迷いと発見の連続ですが、どうかこの時期を、不安よりも愛おしさで満たしてあげてくださいね。
