「子どもをのびのびと、自然の中で育てたい」「都会の喧騒から離れて、家族でゆったり暮らしたい」 そんな思いを抱く親御さんから、いま長野県が熱い視線を集めています。雄大なアルプスの山々、澄んだ空気、四季折々の表情を見せる豊かな自然。長野県には、小さなお子さんの感性をぐんぐん育ててくれる環境が広がっています。
とはいえ、長野県は全国第4位の広大な面積を持ち、地域によって気候も暮らし方も大きく異なります。「どの街を選べばいいの?」と迷ってしまう親御さんも多いはず。そこでこの記事では、0〜3歳の小さなお子さんと暮らす家庭にこそ知ってほしい、長野県で子育てしやすい街を8つ厳選してご紹介します。最新の支援制度から自然環境、都市部へのアクセスまで、街選びに必要な情報をぎゅっと詰め込みました。読み終わるころには、きっと「ここで子育てしてみたい!」という街が見つかるはずです。

長野県が子育て世代に選ばれる理由
まずは、なぜこれほどまでに長野県が子育て世代から支持されているのか、その背景を見ていきましょう。
理由を知ることで、街選びの軸もはっきりしてきます。
20年連続「移住したい都道府県」第1位の実力
長野県の人気は、もはや日本の定番とも言える存在になっています。
宝島社が発行する『田舎暮らしの本』2月号で発表された「移住したい都道府県ランキング」で、長野県は2006年から数えて20年連続で1位を獲得しました。
アルプス山脈の景色、豊かな森林、温泉、そして軽井沢や白馬といったリゾート地まで、その魅力は多彩です。
これだけ長期間トップを走り続けているのは、一時的なブームではなく、暮らしの満足度が本物である証と言えるでしょう。
森林率約80%、自然保育が根付く環境
長野県の大きな魅力は、なんといってもその自然環境です。
長野県は約13,000平方キロメートルの広大な面積のうち、森林がおよそ80%を占める自然豊かな緑の県で、夏は温度・湿度が低くて過ごしやすい気候のため、避暑地としても有名です。
さらに注目したいのが「信州型自然保育」という取り組み。
年間を通じて子どもたちが自然と触れ合うことを大切にする保育スタイルで、幼少期の多感な時期に、都会では味わえない体験を積めるのが長野ならではの強みです。
土や水、虫や植物に直接触れる毎日は、お子さんの五感を豊かに育ててくれます。
3大都市圏すべてからアクセス良好
「自然はいいけれど、不便なのは困る」という心配も無用です。
長野県ならではの強みは、東京圏・愛知県・大阪府の3大都市圏すべてが移住元として認められている点で、新幹線で1時間でアクセスできる軽井沢、再開発が進む松本など、どんなライフスタイルにも対応できる選択肢があります。
里帰り出産や祖父母のサポートを受けやすい立地も、子育て世代には心強いポイントですね。
街選びで見るべき5つのポイント
具体的な街を紹介する前に、子育て目線で「ここをチェックすべき」というポイントを整理しておきましょう。
この視点を持って読み進めると、各街の魅力がより立体的に見えてきます。
医療費助成と出産祝金の手厚さ
経済的なサポートは、子育て世帯にとって見逃せない要素です。
長野県内では18歳まで医療費を助成する自治体が非常に多く、これは全国的に見ても手厚い水準です。
出産祝金やおむつ購入券など、自治体独自の給付制度も要チェックです。
保育環境と待機児童の状況
共働き家庭が増えるなか、保育施設に入りやすいかどうかは死活問題です。
後ほど紹介する街の多くは待機児童ゼロを実現しており、安心して仕事と育児を両立できる環境が整っています。
注意:支援制度や保育の受け入れ状況は年度ごとに変わることがあります。
気になる街が見つかったら、必ず各自治体の最新の公式情報を確認してください。

医療体制と日常の買い物環境
小さなお子さんは、急な発熱やケガがつきもの。
近くに小児科や総合病院があるか、夜間・休日に頼れる医療機関があるかは、親の安心感を大きく左右します。
あわせて、スーパーやドラッグストアなど日常の買い物がしやすいかも確認しましょう。
都市部へのアクセスと交通の利便性
里帰りや通勤、レジャーのことを考えると、新幹線や高速道路へのアクセスは重要です。
ただし長野県は車社会の地域が多いため、「車があれば便利だが、駅周辺なら車なしでも暮らせる」といった生活スタイルの違いも踏まえて選びましょう。
佐久市 | 新幹線で都心70分の好立地
長野県東部に位置する佐久市は、自然と利便性のバランスに優れた、子育て移住先として人気急上昇中の街です。
切れ目のない子育て支援
佐久市は「安心して子どもを生み育てられる優しい都市づくり」を掲げ、妊娠・出産から高校卒業まで切れ目ない支援に力を入れている街で、自然豊かでありながら新幹線で都心へ約70分と利便性も高いのが特徴です。
医療費の助成も手厚く、子どもの医療費は18歳になる年度末まで、1医療機関につき月500円までの自己負担で受診でき、実質無料に近い形になっています。
充実した医療体制と自然保育
佐久市には地域に根ざした佐久市立国保浅間総合病院とJA長野厚生連佐久総合病院の2つの総合病院があり、人口あたりの医療従事者数が県の平均よりも高く、医療体制が充実しています。
小さなお子さんがいる家庭にとって、これほど心強いことはありません。
教育環境も保育園から大学まで揃い、待機児童はゼロで、信州型自然保育を推進している点も魅力です。
医療・教育・アクセスの三拍子が揃った佐久市は、初めての長野移住でも失敗しにくい安心の選択肢です。
南箕輪村 | 長野一若い子育ての村
「村」と聞くと不便なイメージがあるかもしれませんが、南箕輪村はそのイメージを覆す活気あふれるエリアです。
移住者が多く溶け込みやすい
南箕輪村は約1.6万人が暮らすうち7割ほどが移住者で、合計特殊出生率1.76、村の平均年齢43.3歳という「長野一若い村」です。
周りに同じく移住してきた子育て家庭が多いので、ご近所付き合いや情報交換もしやすく、孤独を感じにくい環境が整っています。
共働き家庭に優しいサポート
南箕輪村の子育て支援は、痒いところに手が届く内容です。
産後ヘルパー派遣事業があり1時間あたり500円という格安でサービスを受けられるほか、病児・病後児保育施設が無料で利用できるなど、共働きで近くに頼れる親族がいない世帯にも優しいサービスがあります。
さらに、村内の保育園では県内外で注目を集めている「柳沢運動プログラム」を取り入れており、運動しながら遊ぶことで脳の発達を助け、人間性を豊かに育てます。
体を動かすのが大好きな時期のお子さんにぴったりですね。

伊那市 | 自然教育に定評のある街
「子育て支援は長野県の中でも一番」をうたう伊那市は、教育への意識が高い家庭から特に支持を集めています。
全国から注目される特色ある学校
伊那市の名を全国に知らしめているのが、ユニークな教育を実践する小学校の存在です。
伊那小学校は60年以上通知表がなく、40年以上自然を使った総合学習を続けている、プロジェクト型の探求に近い授業を行う小学校で、伊那西小学校では学校の敷地内にある大きな学校林で「皆伐」という伐採を行い、木が育つ過程を観察します。
こうした伊那谷の豊かな自然環境を活かした教育プログラムは全国から注目されており、「この保育園やこの小学校に入れたい」とピンポイントで移住を決める方も多いほどです。
手厚い出産祝金と保育料
経済面のサポートも県内トップクラス。
出産祝金として第1子に3万円、第2子に5万円、第3子に7万円、第4子以降は10万円が支給され、0歳児に対してはおむつ用品購入券を1人あたり24,000円を限度に発行しています。
さらに保育料を独自に県下最低レベルに下げる見直しを行い、副食費については完全無償化となっています。
「自然の中で、子どもの好奇心を伸ばす教育を受けさせたい」という親御さんには、伊那市が最有力候補になるでしょう。
松本市 | 都市機能と自然が調和
長野県を代表する都市・松本市は、「便利さも自然も両方ほしい」という欲張りな願いを叶えてくれる街です。
どこに住んでも暮らしやすい
歴史的建造物を大切にしながらも新しいカフェやショップが多く、PARCOやAEONなど大型商業施設も充実している松本市は、子育ての観点から見ると学校や医療機関、行政施設や大きな公園などが程よく分布しているので、市内のどこでも暮らしやすいのが特徴です。
特に保育園や幼稚園、学校が多く、遠くまで通う必要がないので安心です。
自然と都市の絶妙なバランス
松本市は長野県の中央に位置し、北アルプスを背景に四季折々の自然を感じながらも、都会的な利便性を保っています。
国宝「松本城」や多くの美術館・文化施設があり、上高地や美ヶ原高原といったアウトドアスポットへもアクセスが良好です。
都心へのアクセスも、東京からはJR中央本線の特急あずさで約2時間半、名古屋からは特急しなので約2時間と良好です。
移住者の受け入れ体制が整い、先輩移住者も多い松本市は、地域に溶け込みやすい安心感が大きな魅力です。
軽井沢・御代田 | 首都圏アクセス重視派へ
東京との行き来を頻繁にしたい家庭には、北佐久エリアが断然おすすめです。
新幹線通勤も可能な軽井沢
避暑地として全国的に有名な軽井沢ですが、近年は子育て移住先としても注目されています。「東京24区」とも言われるほどの人気を誇る軽井沢は、東京駅からおよそ1時間で移動できるため、新幹線通勤を前提に東京から軽井沢へ移住する方も増えています。
洗練された街並みと豊かな自然が共存し、子どもにとっても刺激的な環境です。
若い世代が集まる御代田町
軽井沢の隣に位置する御代田町も見逃せません。
浅間山の南麓に広がり、北陸新幹線や上信越道などの首都圏へのアクセス環境も整っていて、近年ではテレワークを機に移住する方も多く、人口も増加しています。
町では子育てや教育に力を入れており、小中学生を対象とした公設学習塾や給食費無償化などにも取り組み、県内でもめずらしい若い世代が集まる町となっています。
注意:軽井沢周辺は冬の冷え込みが厳しく積雪もあります。
小さなお子さんとの暮らしでは、防寒対策や除雪のしやすい住まい選びを忘れずに検討しましょう。
原村 | 星降る里でのびのび子育て
八ヶ岳の麓に広がる原村は、自然のなかでゆったり子育てしたい家庭に絶大な人気を誇ります。
住みここちランキング県内1位の実績
原村は移住者支援に非常に積極的なことで知られています。
行政と住民が一体となって移住者への積極的な支援を行う「長野県移住モデル地区」に指定されており、車もしくは電車の利用で東京まで約2時間半、名古屋まで約3時間でアクセスできる立地の良さも魅力です。
大自然と子育て支援施設の充実
原村は八ヶ岳西麓に広がる自然豊かな村で、周辺は山々に囲まれ、360度どこを見ても季節を映した雄大な自然を体感できます。
星が美しく見える場所としても有名で「星降る里」とも呼ばれています。
近年は子育て支援センター「はらっぱ」も建設され、子育て世帯にも住みよい村を目指しています。
満天の星空の下で過ごす毎日は、お子さんの心に一生の宝物となる記憶を残してくれるでしょう。
飯綱町 | 手厚い祝金と子育て拠点
最後にご紹介するのは、長野市から車で30分ほどの場所にある、りんご畑が広がるのどかな飯綱町です。
充実の子育て応援祝金
飯綱町の魅力は、なんといってもその手厚い経済支援にあります。
町では「子育て応援祝金」として、出生児ひとりにつき誕生祝金20万円と記念品、卒園・卒業等祝金として保育園等卒園時3万円、小学校・中学校卒業時5万円を支給しています。
誕生時にまとまった祝金が受け取れるのは、出費がかさむ時期の家庭にとって大きな助けになります。
親子が集う子育て支援施設
町内には子育て世代支援施設の「みつどんの家」があり、親子の遊び場とコワーキングスペース、託児サービスが揃っているため、様々な背景の家庭が過ごしやすい空間とサービスを提供しています。
毎月様々な無料のイベントを行っており、気軽に参加することもできます。
飯綱町は「日本一女性が住みたくなるまち」を目指して町をあげて取り組んでおり、街の幸福度や住み続けたい街のランキングでも上位を獲得しています。
親子で気軽に立ち寄れる拠点があることは、産後の孤立を防ぎ、ママ・パパの心の支えになるはずです。
支援額が変わる前に動くべき理由
子育てしやすい街を選ぶうえで、知っておくべき大切なタイミングの話があります。
子ども加算の減額に注意
長野県への移住には魅力的な支援金制度がありますが、内容は刻々と変化しています。
令和8年4月以降に転入する方は、子ども加算が原則100万円から30万円へ減額される予定の自治体が出てきており、安曇野市などがその例です。
つまり、令和7年度内の転入が最も支援額が手厚くなる可能性が高い、まさに「動くなら今」のタイミングと言えます。
注意:支援金の金額や条件は自治体によって異なり、予告なく変更されることがあります。
検討中の街については、必ず各自治体の窓口で最新の制度内容を直接確認してください。
自分のライフスタイルに合うエリアを
支援金の額だけで街を決めるのは禁物です。
長野県は東西128km・南北220kmと全国第4位の広大な面積を持ち、地域によって気候・文化・産業が大きく異なるため、「自分のライフスタイルに合うエリアを選ぶ」ことが長野移住成功の最大の鍵です。
「冬の寒さや雪はどれくらいか」「車は何台必要か」「祖父母のサポートは受けやすいか」など、お子さんとの暮らしを具体的にイメージしながら選ぶことが、後悔しない街選びのコツです。
可能であれば、移住前に各自治体が用意する体験住宅などを利用し、実際の暮らしを肌で感じてみることを強くおすすめします。
まとめ | 理想の子育ての街を見つけよう
長野県には、小さなお子さんの感性をのびのびと育ててくれる素敵な街がたくさんあります。
最後に、今回ご紹介した8つの街の特徴をおさらいしましょう。
- 佐久市:新幹線で都心70分、医療体制も充実したバランス型
- 南箕輪村:移住者が多く溶け込みやすい「長野一若い村」
- 伊那市:自然教育に定評があり手厚い出産祝金も魅力
- 松本市:都市機能と自然が調和し、どこでも暮らしやすい
- 軽井沢・御代田:首都圏アクセス抜群で新幹線通勤も可能
- 原村:八ヶ岳の麓、星降る里でのびのび子育て
- 飯綱町:手厚い祝金と親子が集う子育て拠点が魅力
大切なのは、どの街が一番優れているかではなく、あなたとお子さんにとって一番心地よく暮らせる街はどこかということ。
医療費助成や保育環境、自然の豊かさ、都市部へのアクセス
今回お伝えした5つのポイントを軸に、ご家族にぴったりの街を見つけてください。
豊かな自然のなかで、お子さんの「初めて」がたくさん生まれる毎日。
長野県での子育ては、きっと親子にとってかけがえのない時間になるはずです。
まずは気になる街の公式サイトをのぞいてみたり、移住相談会に参加してみたりすることから、一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。
あなたの家族の新しい物語が、信州の青い空の下で始まることを願っています。
