「体温を測るたびに数字が違う」「これって熱があるの?平熱なの?」・・・赤ちゃんの体温にまつわる悩みは、多くのパパ・ママが一度は経験するものです。赤ちゃんは大人よりも体温が高めで、しかも同じ日の中でも体温が変動しやすいという特徴があります。だからこそ、我が子の「平熱」をきちんと把握しておくことが、体調の変化にいち早く気づくための第一歩になります。この記事では、月齢別の平熱の目安から、正しい体温の測り方、測定に適した時間帯、そして発熱時に注意したいサインまで、小児科の情報をもとに詳しくまとめました。育児がもっと安心で楽しくなるよう、ぜひ最後まで読んでみてください。
赤ちゃんの平熱はなぜ大人より高いの?
赤ちゃんを抱っこしたときに「体が熱い」と感じてびっくりした経験はありませんか。
実はこれは異常ではなく、赤ちゃんならではの体の仕組みによるものです。
赤ちゃんの平熱は大人よりも高めであることが一般的で、まずはその理由を知っておくと安心して子育てができます。
新陳代謝が活発なため体温が高くなる
赤ちゃんは体の成長スピードが非常に速く、細胞分裂や新陳代謝が活発に行われています。
そのため大人よりもエネルギー消費量が多く、体内で発生する熱の量も多くなる傾向があります。
加えて体重に対する体表面積の割合が大きいため、外気温の影響を受けやすいという特徴もあります。
体温調節機能がまだ未熟である
汗をかいて体温を下げたり、震えて体温を上げたりする体温調節の仕組みは、生まれてすぐの赤ちゃんではまだ十分に発達していません。
そのため、着せすぎや室温の変化によって体温が上下しやすく、同じ赤ちゃんでも測るタイミングによって数値にばらつきが出やすいのです。

【月齢別】赤ちゃんの平熱の目安一覧
赤ちゃんの平熱は月齢によっても変化していきます。
ここでは月齢ごとのおおよその目安を紹介しますが、これはあくまで一般的な傾向であり、大切なのは平均値そのものよりも「我が子の平熱」を把握しておくことだという点を意識しておきましょう。
新生児〜生後1か月ごろ
新生児は平均37.1度と成人よりも平熱が高い傾向にあります。
さらに生後1ヶ月くらいは特に体温が高めで、平熱が37.5℃前後の赤ちゃんもいます。
この時期は体温調節機能がまだ発達段階にあるため、厚着をさせすぎたり室温が高かったりするだけで、平熱の範囲を超えて上がってしまうことも珍しくありません。
生後2〜3か月ごろ
生後2〜3か月ごろになると、新生児期に比べて体温が少しずつ落ち着いてくる赤ちゃんが多くなります。
ただしこの時期はまだママからもらった免疫が残っている一方で、少しずつ薄れ始める時期でもあります。
生後3か月未満で38度以上の発熱がある場合は、様子見をせずに早めに医療機関へ相談することが推奨されていますので注意しましょう。
生後4か月〜1歳ごろ
生後3〜4ヶ月以降になると少しずつ下がってくるのが一般的です。
とはいえ赤ちゃんの平熱は37度近くと大人よりも高めという状態が続きます。
この時期は寝返りやハイハイなど活動量が増えてくることもあり、体を動かした後は一時的に体温が上がりやすくなります。
1歳〜3歳ごろ
1歳を過ぎるころには体温調節機能も少しずつ発達し、平熱は大人に近い36.5〜37.3度程度に落ち着いてくる子が多くなります。
ただし個人差が大きい時期でもあるため、数値だけで判断せず、普段の平熱と比べて高いかどうかを基準にすることが大切です。
正しい体温の測り方の基本
赤ちゃんの体温を正確に把握するには、測り方にもコツがあります。
同じ条件・同じ部位で測り続けることが平熱管理の基本です。
測定部位によって体温は異なる
体温の測定方法は、測定する部位によって異なります。
また、測定する部位によって温度は異なり、体温が高い順に「直腸」「鼓膜温(耳)」「舌下温(口中)」「腋窩温(ワキ)」となります。
家庭では脇で測るワキ式の体温計が一般的ですが、耳で測る体温計を使う場合は同じ部位・同じ体温計で継続して測ることで、より正確な変化がわかります。
月齢に合わせた測り方の工夫
3~6か月までの赤ちゃんは、首にはさむと正確に測れます。
頭を左右いずれかに傾けて開いた首に体温計を置いて、再び頭を元に戻すと、体温計を首の皮膚に密着させることができます。
一方で6か月を超えるとけっこうあばれたりしますので、楽に抱っこして、腋の下で測るのが容易です。
脇で測る際は、初めにバンザイをさせて腋の下を大きく開き、体温計の先端を脇の中央に密着させ、時間がくるまで腕を優しく押さえておくのがポイントです。
体温計の種類と選び方
発熱に気づいたら、まず全身の状態を確認しますことが前提ですが、日々の検温には予測式の電子体温計が短時間で測れて便利です。
実測式(水銀体温計含む)はより正確な数値が出やすい反面、測定に時間がかかるため、赤ちゃんがじっとしていられる月齢や状況に合わせて選ぶとよいでしょう。
乳幼児の体温を測定する際は、測定される乳幼児が安静な状態であることを確認し、早産児・低出生体重児の体温測定については医師の指示に従ってください。

体温を測るベストな時間帯とタイミング
赤ちゃんの体温は一日の中でも変動するため、いつ測るかによって数値の意味合いが変わってきます。
平熱を正確に把握するには、測定するタイミングを決めておくことが非常に重要です。
体温が上がりやすいタイミングは避ける
授乳のあと、食べたり飲んだりしたあと、運動のあと、外出から戻ってきたあと、入浴したあとは、体温が高くなっている可能性があるので、30分間ほど待ってから体温を測りましょう。
また起床後30分以上経っており、落ち着いていて、機嫌の良いタイミングがおすすめです。
一般に、朝より夕方のほうが体温は高く、また、食事やミルクのあとのほうが高くなりますので、測定するタイミングによる違いも意識しておきましょう。
1日複数回測って平熱の幅を把握する
平熱の測り方として、起床時・午前・午後・夜の計4回を測り、この体温をこの時間帯の平熱として母子手帳に記入しておくとよいでしょう。
特に生後間もない時期は、食後すぐや睡眠中は体温が上がるので、食前か食間に検温するのが望ましいとされています。
記録をつけて日内変動を見える化する
平熱の日内変動を把握するため、測定した体温とともに検温した時間を記録(メモ)しておきましょう。
また子どもの場合、泣いたあとは体温が上昇するため、機嫌の良いとき、または寝ている間に検温をしておきましょう。
母子手帳や育児アプリに記録を残しておくと、体調不良のときに医師へ伝える際にも役立ちます。
平熱より高い・低いときの見分け方
「平熱を知る」ことの最大のメリットは、いつもと違う変化にすぐ気づけることです。
数値そのものよりも「いつもの体温との差」で判断するという視点を持っておきましょう。
発熱と判断される目安
一般的に、平熱よりも1度以上高い状態が続く場合は発熱の可能性があります。
日本小児科学会の「こどもの救急」では、発熱そのものより元気があるか・呼吸が苦しくないか・水分がとれているかで判断することが示されています。
数値の高さだけで重さは決まりません。
実際、40℃の高熱でも原因の多くは風邪やインフルエンザで、3〜4日のうちに自然に下がることが期待できる一方、38℃台でも発熱が長く続く場合は肺炎などを警戒します。
数字だけに一喜一憂せず、赤ちゃんの様子全体を見ることが大切です。
低体温が疑われるサイン
逆に体温がいつもより明らかに低く、手足が冷たい、皮膚の色が悪い、ぐったりしているといった様子が見られる場合は、室温や着衣の調整とあわせて注意深く様子を観察しましょう。
特に新生児期は体温調節機能が未熟なため、低体温が続く場合や元気がない場合は自己判断せず、早めに小児科や相談窓口に連絡することが望ましいです。

すぐ病院へ行くべき危険なサイン
平熱の把握と同じくらい大切なのが、「これは急いで受診すべき」という危険サインを知っておくことです。
以下のようなサインが見られる場合は、熱の高さにかかわらず早急に医療機関を受診してください。
- 生後3か月未満で38℃以上の発熱がある
- 呼吸が速い・肩で息をする・胸やおなかがへこむ
- 唇や顔色が青白い
- 水分がとれず半日以上おしっこが出ない
- ぐったりして反応が鈍い
- けいれんがある
特に生後3か月ごろまでの赤ちゃんは、生後3ヶ月頃までは特に免疫力や体の機能が未発達なため、急に症状が悪化することがあります。
判断に迷ったときは、各自治体が設けている子ども医療電話相談などを活用するのも一つの方法です。
平熱管理を楽しく続けるコツ
毎日の検温は義務的に感じてしまうと長続きしにくいものです。
育児記録の一環として楽しみながら続ける工夫を取り入れてみましょう。
母子手帳や育児アプリを活用する
体温を測るたびに数値と時間をメモしておくと、後から見返したときに我が子の体温の傾向がひと目でわかります。
育児アプリの中には体温の記録をグラフ化できる機能を持つものもあり、成長の記録としても楽しめます。
家族で共有して安心感を高める
平熱の目安をパパやおじいちゃん・おばあちゃんなど家族全員で共有しておくと、自分以外の人が赤ちゃんを見る際にも安心です。
特に保育園や一時預かりを利用する際には、普段の平熱を伝えておくとスタッフとの連携もスムーズになります。
赤ちゃんの体温は、成長とともに少しずつ落ち着いていくものです。
今は数値の変動に一喜一憂してしまうかもしれませんが、記録を続けるうちに「うちの子はこのくらいが平熱」という感覚が自然と身についてきます。
焦らず、日々の小さな観察を積み重ねていきましょう。
まとめ
赤ちゃんの平熱は大人よりも高めで、月齢によっても変化していきます。
新生児期は特に体温が高く、生後3〜4か月以降にかけて少しずつ落ち着いていくのが一般的な傾向です。
正確な平熱を知るためには、測定部位や時間帯をなるべく統一し、こまめに記録をつけることが大切です。
そして何より大切なのは、数値そのものよりも「いつもの我が子」との違いに気づけるようになること。
呼吸の様子や機嫌、水分摂取の状況などを総合的に観察する視点を持ちながら、無理のない範囲で毎日の検温を続けてみてください。
困ったときや判断に迷うときは、決して一人で抱え込まず、かかりつけの小児科や地域の相談窓口を頼ることも忘れないようにしましょう。
