「うちの子、まだずりばいしないけど大丈夫?」「いつからずりばいって始まるの?」 赤ちゃんの成長を見守る中で、こんな疑問や不安を感じたことはありませんか。ずりばいは赤ちゃんが自分の意思で移動できるようになる、記念すべき発達のステップです。とはいえ、開始時期には個人差が大きく、周りの赤ちゃんと比べて焦ってしまうパパ・ママも少なくありません。この記事では、ずりばいが始まる時期の目安から、始まる前のサイン、なかなかずりばいをしない場合に考えられる理由、そして親子で楽しみながら発達を促す遊びのアイデアまで、専門的な情報をわかりやすくまとめました。読み終わる頃には、今日からの赤ちゃんとの時間がもっと愛おしく、楽しく感じられるはずです。
ずりばいとは?赤ちゃんの発達における意味
ずりばいとは、赤ちゃんがお腹を床につけたまま、腕や脚の力を使って前後左右に移動する動作のことです。
ずりばいは寝返りとハイハイの間に現れる、赤ちゃんにとって初めての「自分の意思で目的地に向かう移動手段」といえます。
ずりばいの動きの特徴
ずりばいとは、赤ちゃんの首すわりが安定して、うつぶせや寝返りに慣れたころに始まる移動のための動作です。
このほふく前進のような動作が始まると、赤ちゃんは自分の意思で前後左右に自由に方向転換し、移動できるようになります。
お腹を床につけたまま進むため、まだ腰やお尻を持ち上げる力が十分ではない時期に見られる動きです。
ハイハイとの違い
ずりばいでは主に腕と手を使って移動するため、ハイハイやつたい歩きに比べると手と腕の使い方のバリエーションは少なくなります。
言いかえれば、ずりばい期は主に上半身の力、ハイハイ期は主に下半身の力で移動をしている状態だといえます。
つまり、ずりばいは「腕の力」、ハイハイは「脚と腰の力」を使うステップだと考えると、体の発達の順番がイメージしやすくなります。
ずりばいが持つ発達的な役割
ずりばいの動きは、赤ちゃんの身体的発達を促し、五感を刺激します。
特に聴覚・触覚・視覚を通して得られる刺激が重要で、これが脳の成長を促すと考えられています。
また、自分の意思で目的地に向かって移動できるようになることで、達成感や満足感を得られ、情緒の安定にもつながるとされます。
さらにずりばいは全身の筋肉や体幹、バランス感覚を鍛えるための運動でもあります。
手のひらや指先への刺激も増えるため、手指の微細運動が増えて「巧緻性」の向上が期待できます。
という報告もあり、ずりばいは単なる移動手段ではなく、脳と体をバランスよく育てる大切なプロセスだと言えるでしょう。

ずりばいが始まる時期の目安
「うちの子はいつからずりばいをするの?」という疑問は、育児中の誰もが一度は抱くものです。
ここでは複数の情報源をもとに、一般的な目安を整理します。
平均的な開始月齢
ずりばいが始まる時期の目安について、統一された見解があるわけではありません。
機関や文献などにより、目安としている月齢が異なります。
しかし多くの場合、生後6か月~8か月の間に始まることが多いとされています。
また別の情報では一般的には生後7~9ヵ月頃にずりばいを始めることが多いのですが、赤ちゃんの成長には個人差があります。
生後4~5ヵ月などの早い時期に始める子もいれば、ずりばいをしないで、はいはいを始める赤ちゃんもいます。
と紹介されています。
総合すると、おおよそ生後6ヶ月〜9ヶ月頃がずりばい開始の目安と捉えておくとよいでしょう。
個人差が大きい理由
ただし乳幼児期の発達については、身体的な条件や生育環境の違いなどにより、赤ちゃん一人ひとりの個人差が大きいとされています。
このため、一般に目安とされている時期よりも早くずりばいをはじめる赤ちゃんもいれば、遅い時期にはじめる赤ちゃんもいます。
体格や筋肉のつき方、うつぶせで過ごす時間の長さ、性格的な好奇心の強さなど、さまざまな要因が影響するため、月齢だけで一喜一憂する必要はありません。
母子健康手帳との関係
厚生労働省が作成した母子健康手帳の省令様式には生後6~7ヶ月の発達チェックに「寝返りをしますか」、生後9~10ヶ月には「ハイハイをしますか」との問いがあります。
ずりばいは寝返りとハイハイの間に出現する移動手段なので、目安は8ヶ月前後と考えられます。
実は母子健康手帳には、ずりばいの時期は明記されていません。
ずりばいは正式な発達チェック項目ではないため、「ずりばいをしない=発達に問題がある」と直結して考える必要はありません。
ずりばい開始前に見られる兆候
赤ちゃんは、ある日突然ずりばいを始めるわけではありません。
その前にはいくつかの体の準備段階があります。
うつぶせで手足をバタバタさせる動き
開始の兆候としては、うつぶせの状態で手足をバタバタさせる動作や寝返り、お座りなどがあげられます。
この動きは、まだ移動には至らないものの、腕や脚に力を入れる練習をしている段階です。
うつぶせの時間を安全に確保してあげることで、この動きを自然に引き出すことができます。
寝返り・お座りとの関係
ずりばいは、赤ちゃんがうつ伏せで顔を持ち上げられるようになり、寝返りにも慣れたころにし始めるのが一般的です。
赤ちゃんがうつ伏せの状態で手足をバタバタさせ始めた場合、それはずりばいをし始める兆候といわれています。
寝返りが上手にできるようになり、うつぶせの姿勢を嫌がらなくなってきたら、ずりばい開始のサインが近いと考えてよいでしょう。
ずりばいをしない原因と考え方
周りの赤ちゃんがずりばいを始めても、自分の子がまだの場合、心配になるのは自然なことです。
しかし、焦る必要がないケースがほとんどです。
筋力や興味の個人差
ずりばいをしない様々な理由(筋力、意欲、環境など)と家庭でできる関わり方があると専門家も解説しています。
体格がしっかりしていて重さがある赤ちゃんは腕の力で体を持ち上げにくく、動き出すまでに時間がかかることもあります。
また、そもそも移動したいという興味・意欲が育つタイミングにも個人差があります。
シャフリングベビーという個性
また、「ずりばい」「よつばい」「高ばい」をせず、「シャフリング」と呼ばれる移動の仕方をする赤ちゃんもいます。
座った姿勢のままお尻でにじり寄るように移動するタイプで、ずりばいやハイハイを経験せずに、そのまま歩き始める赤ちゃんも珍しくありません。
これは異常ではなく、赤ちゃんの発達スタイルのバリエーションのひとつです。
練習は必要か
寝返りやつかまり立ちは発達の目安の一つとされますが、ずりばいはそうではありません。
赤ちゃんがずりばいを始めなくても、練習させる必要はないでしょう。
赤ちゃんの成長や発達には個人差があります。
ずりばいをしないまま、はいはいを始めても何も問題はないので、安心してくださいね。
とパンパースの育児情報でも紹介されています。
無理に体を動かそうとしたり、練習を強要したりするのは避けましょう。

ずりばいを促す遊びのアイデア7選
「練習は必要ない」とはいえ、遊びの中で自然に体を動かす機会を作ってあげることは、赤ちゃんにとって楽しい刺激になります。
ここでは家庭で気軽に試せる遊びを紹介します。
- お気に入りのおもちゃを少し先に置く:目の前ではなく、少し手が届かない位置におもちゃを置くことで、赤ちゃんの「取りに行きたい」という気持ちを引き出します。
- 足の裏を軽く支える:赤ちゃんがキックをするような動きを見せたら、足の裏を床や壁に押しあてて蹴りだすようにサポートしてあげましょう。
その反動で前に進めることができれば、ずりばいのコツをつかみやすくなります。 - 声がけをしながら誘導する:ずりばいを成功させる一番のコツは、何と言ってもママパパが声がけをしながら、赤ちゃんが動く練習をすることでしょう。
名前を呼んだり、笑顔で手を叩いたりするだけでも、赤ちゃんのやる気を引き出せます。 - 鏡遊び:床に安全な鏡を置き、自分の姿を見せてあげると、興味を持って近づこうとすることがあります。
- 音の鳴るおもちゃで誘導:ガラガラや音楽が鳴るおもちゃを少し離れた場所で鳴らし、音のする方へ興味を向けさせます。
- タオルを使ったサポート遊び:お腹の下にタオルを軽く通し、少しだけ体を持ち上げる感覚を伝えることで、腕を使う練習になります。
- パパ・ママがお手本を見せる:大人が赤ちゃんの目線までかがみ、実際にはいはいのような動きをして見せると、真似をしようとする赤ちゃんもいます。
どの遊びも「やらせる」のではなく「一緒に楽しむ」姿勢で取り組むことが、赤ちゃんのやる気を育てる一番のポイントです。
練習させる際の注意点
遊びを通してずりばいを促すこと自体は良いことですが、いくつか気をつけたいポイントもあります。
無理な体勢を作らない
赤ちゃんの発達は個人差があるので、ずりばいをしていないからといって必ずしも練習する必要はありません。
とはいえ、ずりばいやハイハイは赤ちゃんの腕や胸の筋肉など、発達にもよい影響を与えることがわかっています。
遊びの中で自然とトレーニングにつながるものがよいでしょう。
とはいえ赤ちゃんの身体機能がまだ十分に発達していない場合があるので、練習は無理強いをしないようにしましょう。
機嫌が悪いときは無理をしない
眠い、お腹が空いている、体調がすぐれないなど、赤ちゃんの機嫌が悪いときは、遊びを一旦お休みしましょう。
ずりばいの練習はあくまで「遊びの延長」であるべきで、赤ちゃんが嫌がるサインを見せたら無理に続けないことが大切です。
安全な環境づくりのポイント
ずりばいが始まると、赤ちゃんの行動範囲は一気に広がります。
安全に体を動かせる環境を整えておくことが欠かせません。
うつぶせ時間の作り方
床の上でうつぶせの体勢で遊ぶことは体幹を鍛え、手足をのびのび動かせば、腕や足の発達が促されます。
ただし、うつぶせにする際は必ず大人が近くで見守り、目を離さないようにしましょう。
また、授乳直後や眠っている間のうつぶせは避け、機嫌が良い起きているときに短時間から始めるのが基本です。
誤飲・転倒防止のための片付け
赤ちゃんの行動範囲が広がると、床に落ちている小さなもの(コインやボタン電池、輪ゴムなど)を誤って口に入れてしまう危険が高まります。
ずりばいが始まる前から、床に危険なものを置かない習慣を家族全員で徹底することが重要です。
テーブルの角にはコーナーガードを取り付け、コンセントカバーの設置も忘れずに行いましょう。
床材・マットの選び方
硬い床の上では、腕や膝に負担がかかりやすくなります。
クッション性のあるジョイントマットやラグを敷くことで、赤ちゃんが安心して動き回れる環境になります。
ただし、マットの継ぎ目や毛足の長いラグは誤飲やつまずきの原因になることもあるため、こまめな掃除と点検も忘れずに行いましょう。

発達が気になるときの相談先
ずりばいの開始時期には個人差があるとわかっていても、不安な気持ちが拭えないこともあるでしょう。
そんなときのために、相談できる場所を知っておくと安心です。
何を目安に相談すればよいか
生後10ヶ月を過ぎてもうつぶせを嫌がる、首すわりや寝返りなど他の発達にも気になる点がある、といった場合は、自己判断で抱え込まず専門家に相談することをおすすめします。
「気になったらすぐに相談する」という姿勢が、親御さん自身の安心にもつながります。
相談先の例
乳幼児健診の機会を活用するほか、かかりつけの小児科、自治体の保健センター、地域の子育て支援センターなども相談先として利用できます。
専門家に見てもらうことで、家庭では気づきにくい体の使い方のクセや、発達を促すための具体的なアドバイスをもらえることもあります。パンパース公式サイトの赤ちゃんの発達情報なども、日々のケアの参考になります。
まとめ
ずりばいは、生後6ヶ月〜9ヶ月頃を目安に始まることが多い、赤ちゃんにとって初めての自発的な移動手段です。
ただし発達には大きな個人差があり、母子健康手帳にも明記されていない項目であるため、開始時期が早くても遅くても、それだけで心配しすぎる必要はありません。
うつぶせで手足をバタバタさせる、寝返りが上手になるといった兆候を見逃さず、おもちゃや声がけを使った遊びの中で、赤ちゃんの「動きたい」という気持ちを自然に引き出してあげましょう。
同時に、誤飲や転倒を防ぐための安全な環境づくりも並行して進めることが大切です。
ずりばいの時期は、赤ちゃんの世界がぐんと広がる愛おしい季節でもあります。
焦らず、赤ちゃんのペースに寄り添いながら、この特別な成長の瞬間を親子で楽しんでくださいね。
