「お友達の子はもうピョンピョン跳んでいるのに、うちの子はまだできない・・・」健診でジャンプの項目を見て、不安になったことはありませんか。実は、1歳の時期にジャンプができないのはごく自然なことです。ジャンプは全身の筋力やバランス感覚、勇気など、さまざまな力が育ってはじめてできるようになる、意外と高度な運動なのです。
この記事では、1歳児のジャンプに関する発達の目安や個人差の理由、そして家庭で無理なく楽しく取り組める練習遊びのアイデアを、信頼できる情報をもとにわかりやすくまとめました。読み終える頃には、お子さんの成長を焦らず見守れるようになり、育児がもっと楽しくなるはずです。

1歳児はまだジャンプが難しい時期です
結論からお伝えすると、1歳の時点で両足ジャンプができる子は多くありません。
ジャンプは足を交互に動かす歩行とは違い、両足で同時に地面を蹴り、体を宙に浮かせてから着地するという、非常に複雑な全身運動だからです。
浜松市の子育て相談サイトでも、ジャンプは足の動きだけでなく体全体を縮めたり伸ばしたりして勢いをつける全身運動であり、ジャンプの前段階として走ることや階段を一人で昇れることが大切だと説明されています。
ジャンプは、足の動きだけでなく、体全体を縮めたり伸ばしたりして勢いをつけることでできる全身運動です。
ジャンプをする前に、歩く時よりもより早く動く「走る」ことや「階段を1人で足を揃えながらのぼる」ことができていることが大切です。
ジャンプに必要な3つの力
ジャンプができるようになるためには、主に次の3つの力が育っている必要があります。
- 脚の筋力:地面を蹴って体を持ち上げる力
- バランス感覚:宙に浮いた状態から安定して着地する力
- 意欲・模倣力:大人や友達の真似をしたいという気持ち
大人やおともだちがジャンプしている姿を見て、興味を持ったり、真似しようと意欲を持ったりすることも大切です。
つまり、身体機能だけでなく「跳んでみたい」という気持ちの育ちも、ジャンプ習得の重要な要素なのです。
片足ずつのジャンプから両足ジャンプへ
いきなり両足で跳べる子はほとんどいません。
はじめは、両足でジャンプするのは難しいですね。
両足ジャンプを真似しようとすると、片足ずつ上がるジャンプから始まり、繰り返し遊ぶ中で徐々に力を入れる方向が分かってきて、両足でジャンプすることへつながっていきます。
この段階を経て、少しずつ両足でのジャンプへとつながっていくため、片足だけ浮いているような跳び方をしていても心配する必要はありません。
ジャンプができるようになる時期の目安
では、一般的にジャンプはいつ頃からできるようになるのでしょうか。
複数の情報源を確認すると、おおむね1歳半〜2歳3か月ごろに習得する子が多いという傾向が見えてきます。
飛び跳ねるジャンプと飛び降りるジャンプの違い
実はひと口に「ジャンプ」といっても、その場でピョンピョン飛び跳ねる動作と、段差から飛び降りる動作の2種類があり、できるようになる時期にも差があります。
飛び跳ねるジャンプは2歳頃、飛び降りるジャンプは1歳9カ月頃といわれています。
飛び降りる動作の方が先にできるようになる傾向がある一方で、飛び降りる動作を「怖い」と感じる子は、飛び跳ねることはできても、飛び降りることができないこともあります。
ヒーローごっこや年上のきょうだいの真似をする機会が多い子は、飛び降りるジャンプを早く覚える傾向があるとも言われています。
データで見るジャンプ習得の目安
子どもの発達を数値で評価する「遠城寺式乳幼児分析的発達検査」でも、ジャンプに関する目安が示されています。
子供が両足でピョンピョンと跳べる行為はおよそ2歳0カ月~2歳3カ月以降の発達に相当するとされており、また別の調査ではジャンプは、大体1歳4カ月~2歳8カ月くらいまでの間に、おおよそ8割の子どもができるようになると紹介されています。
育児雑誌の情報サイトでもジャンプができるようになる目安はおよそ2歳から2歳3か月ごろ以降であり、早い子では1歳半という説明がされています。
ジャンプができるようになる目安としては、およそ2歳から2歳3ヶ月ごろ以降とされています。
早い子では1歳半といわれていますね。
これらの情報を総合すると、1歳のうちにジャンプができなくてもまったく異常ではなく、1歳半〜2歳半ごろまでに習得していく子が大半だと考えて良いでしょう。

1歳児の運動発達とジャンプの前段階
ジャンプができるようになる前には、必ずいくつかの発達のステップを踏みます。
今のお子さんがどの段階にいるのかを知ることで、次にどんな遊びを取り入れれば良いかが見えてきます。
まずは「歩く」から始まる
厚生労働省の調査を紹介したある育児メディアによると、1歳0~1か月未満で「ひとり歩き」ができる子どもは約50%です。
1歳3か月では約80%、1歳6か月ではほとんどの子どもが歩けるようになります。
歩行の開始には半年以上の個人差があることも珍しくないため、1歳半になっても歩かないからといって過度に心配する必要はないとされています。
走る・階段の上り下りができるとジャンプに近づく
歩行が安定してくると、次第に走ったり階段を上り下りしたりする動きが見られるようになります。
1歳5~11か月ごろになると、足腰がさらに発達します。
走ったり階段を昇り降りしたり、ジャンプしたりできるようになってきます。
つまり、「歩く」→「走る・階段を昇る」→「ジャンプする」という順番で運動発達が進んでいくのが一般的な流れです。
まずはたくさん歩いたり走ったりする経験を積むことが、ジャンプへの近道になります。
つま先立ち・膝の曲げ伸ばしも重要なサイン
ジャンプに必要な身体機能として、つま先や足首の力、膝関節の柔軟性も欠かせません。
お子さんのつま先や足首の力はいかがでしょうか。
何かにつかまってでも良いので、子どもが背伸びやつま先立ちができるかチェックしてみましょう。
また、ジャンプには、膝関節の柔軟性も不可欠です。
お風呂上がりや着替えの合間など、日常のちょっとした時間に背伸びやつま先立ちの真似っこ遊びを取り入れてみるのもおすすめです。
1歳児のジャンプを促す遊びアイデア
ジャンプを無理に教え込む必要はありませんが、日常の遊びの中で「跳ぶ楽しさ」に触れる機会を増やすことは、発達を後押しする良いきっかけになります。
ここでは、1歳児でも安全に楽しめる遊びを紹介します。
手をつないでピョンピョン
まだ一人でジャンプできない時期でも、大人と手をつないで一緒に跳ぶ遊びなら1歳から楽しめます。
両脇や両手を支えて軽く持ち上げてあげると、子どもは「跳んでいる感覚」を体験できます。
繰り返すうちに自分で膝を曲げるタイミングを覚えていくため、遊びの中で自然と力の入れ方を学んでいきます。
家庭用トランポニンで安全に体験
手すり付きの小さなトランポリンは、1歳児でも保護者がそばで見守りながら安全に跳ぶ感覚を体験できる人気のアイテムです。
跳ねる動きそのものをサポートしてくれるため、まだ自力でジャンプできない子でも「跳ぶって楽しい」という気持ちを育てやすいという声もあります。
必ず大人がそばについて、転倒や落下がないよう見守りましょう。
音楽に合わせて体を揺らす
童謡やリズミカルな音楽に合わせて、膝を曲げ伸ばしする動きを一緒にやってみましょう。
ジャンプそのものではなくても、膝の屈伸運動はジャンプに必要な筋力づくりにつながります。
カエルやうさぎの真似っこ遊びも、楽しみながら跳ねる動作に親しめるのでおすすめです。
低い段差からの一歩を応援する
絵本や台本、低い縁石など数センチの段差から、手をつないで「せーの」で降りる遊びも良い練習になります。
ただし焦りは禁物です。
高さのある場所からの飛び降りは転倒やケガのリスクがあるため、1歳児には絶対にさせないでください。
あくまで数センチ程度の低い段差にとどめましょう。

練習させる際に気をつけたい注意点
ジャンプを促す遊びを取り入れる際は、楽しさと同時に安全面への配慮も欠かせません。
安全な環境を整える
ジャンプの練習中は転倒がつきものです。
床にはクッション性のあるマットを敷き、周囲に硬い家具の角がないかを確認しましょう。
屋外で練習する場合は、芝生や砂場など柔らかい地面を選ぶと安心です。
無理強いせず、本人のペースを尊重する
できないことを叱ったり、無理にやらせようとしたりするのは絶対に避けましょう。
ジャンプには「跳ぶのが怖い」という気持ちも関係しており、無理強いは運動そのものへの苦手意識を生んでしまう可能性があります。
少しでも足を浮かせられたり、膝を曲げられたりしたら、その小さな一歩をしっかり褒めてあげることが、次への意欲につながります。
「うちの子だけできない」と感じたときの考え方
周りの子と比べて不安になる気持ちは、多くの保護者に共通するものです。
しかし専門家の見解を知ることで、少し肩の力を抜いて子育てに向き合えるようになります。
運動発達の個人差は非常に大きい
すくすくネットの育児相談で、小児科医の加部一彦さんは発達の順番はある程度決まっていても、その時期には個人差があると説明しています。
子どもの発達は、できるようになる順番はある程度決まっていますが、その時期は決まっていません。
運動が複雑になればなるほど、個人差の幅も広がっていきます。
ジャンプのような複雑な運動ほど、できるようになる時期の幅が広がるのは自然なことなのです。
心配しすぎず、子どもの全体を見てあげる
同相談では、臨床心理士の伊藤美奈子さんも発達が遅いことは必ずしも悪いことではありません。
ジャンプが苦手でも、他の部分で得意なこともあると思います。
できない部分だけでなく、お子さんの“全体”をみてあげましょう。
とアドバイスしています。
ジャンプ一つだけを切り取って一喜一憂せず、お子さんの発達全体を長い目で見守ることが大切です。
それでも2歳を過ぎてもつま先立ちや背伸びすら難しい、片足でも全く体重を支えられないなど、他の運動面でも気になる点が複数重なる場合は、自己判断せずに市区町村の保健センターや乳幼児健診、かかりつけの小児科に相談してみましょう。
専門家に相談することで、保護者自身の不安も軽くなります。
ジャンプが育む体と心への良い影響
ジャンプができるようになると、体だけでなく心の成長にもうれしい変化が期待できます。
体力面でのメリット
ジャンプという運動には、瞬発力やバランス感覚、筋力や心肺機能の向上といった効果があるとされています。
瞬発力や柔軟性、バランス感覚の向上、筋力や心肺機能の向上、血行促進と自律神経を整えるなどたくさんのメリットがあります。
全身を使う運動だからこそ、体づくりの土台としても役立つのです。
自信や挑戦意欲の芽生え
ジャンプは「できた!」という達成感を得やすい動作でもあります。
跳べたときの喜びを保護者と一緒に共有することで、「もう一度やってみよう」という挑戦する気持ちが育まれます。
この積み重ねが、その後のさまざまな新しいことへの挑戦意欲にもつながっていくでしょう。
まとめ
1歳児がジャンプできないのは、発達の順番として当然のことです。
多くの子どもは1歳半から2歳半ごろにかけて、片足ずつのジャンプを経て両足ジャンプができるようになっていきます。
歩く・走る・階段を昇るといった土台となる運動をたくさん経験しながら、手をつないで一緒に跳んだり、トランポリンや音楽遊びを取り入れたりすることで、無理なくジャンプへの興味を育てていくことができます。
大切なのは、周りの子と比べて焦ることではなく、お子さん自身のペースを尊重しながら、できるようになった小さな一歩を一緒に喜んであげることです。
今日紹介した遊びのアイデアを参考に、ぜひ親子でジャンプ遊びの時間を楽しんでみてください。
気になることがあれば、一人で抱え込まず、乳幼児健診やかかりつけの小児科、地域の保健センターにも気軽に相談してみましょう。
