1歳の野菜嫌い解消法 | 食べやすい調理の工夫

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「せっかく作った野菜料理を全部残されてしまった」「スプーンで口に運んでもプイッと顔を背けられる」・・・1歳を迎えたお子さんの野菜嫌いに、頭を悩ませていませんか。実はこれ、多くのご家庭で起きているとても自然な発達の一過程です。この記事では、1歳児が野菜を嫌がる理由を発達の視点からひも解きながら、今日からすぐに試せる調理の工夫やレシピのアイデアを、公的機関の情報や専門家の知見をもとにわかりやすくご紹介します。読み終わる頃には、「うちの子だけじゃなかったんだ」と肩の力が抜け、食卓の時間が少し楽しみになっているはずです。

1歳児が野菜を嫌がるのはよくあること

まず知っておいていただきたいのは、1歳前後の野菜嫌いは決して珍しいことではなく、多くの子どもに見られる自然な発達段階だということです。
焦って無理に食べさせようとする必要はありません。

味覚が敏感で苦味や酸味を強く感じる時期

この時期の子どもは味覚がとても敏感で、野菜に含まれる苦味や酸味を大人以上に強く感じ取っています。
味やにおいに敏感なこの時期の子どもたちにとって、野菜は苦手になりやすい食材のひとつとされています。
緑黄色野菜のほろ苦さやトマトの酸味は、大人にとってはおいしさの一部でも、子どもにとっては警戒信号として受け取られやすいのです。

「初めての味」への警戒心(新奇性恐怖)

心理学的には「フードネオフォビア(食物新奇性恐怖)」と呼ばれる現象も関係しています。
ネオフォビア(新奇性恐怖)は子どもに多く、特に2歳〜3歳の年頃の子によく見られる現象ですが、1歳頃からその兆しが表れ始めることも珍しくありません。
これは未知の食べ物は食中毒や、あるいは最悪のケースでは死に繋がることのある危険な存在だったという進化の過程で身についた、いわば身を守るための本能なのです。
つまり野菜を拒否するのは、わがままではなく生き延びるための自然な防衛反応だと理解してあげることが、親御さんの心を軽くしてくれます。

食卓でスプーンを持ちながら野菜を嫌がって顔を背ける1歳児の様子


歯の発達と食べにくさの関係を知ろう

野菜嫌いの背景には、味の好みだけでなく「物理的に食べにくい」という理由も隠れています。
1歳児の口腔機能の発達を理解すると、調理の工夫のヒントが見えてきます。

1歳頃はまだ奥歯が生えそろっていない

専門家の解説によると、子どもの食べる力の発達は、乳歯の発達と関係があります。
乳歯が生える時期には個人差がありますが、1才ごろの子どもは前歯が上下4本生えそろった程度で、奥歯がないのでかたいものは食べられません。
さらに離乳食が完了する1才〜1才4カ月ごろになると、奥歯である第1乳臼歯が生え始めますが、第1乳臼歯が生えそろうまでは、まだ食べ物を奥歯でかみ砕くことはできません。
つまり1歳児にとって、繊維の多い野菜や硬い根菜は「かみ切れない・すりつぶせない」という物理的なハードルがあるのです。

繊維質の多い野菜はのどに詰まりやすい

注意:繊維の多い葉物野菜や硬い根菜は、乳歯が生えそろう3歳頃までは噛むこと自体が難しく、誤嚥や窒息のリスクにもつながるため調理法に配慮が必要です
野菜は繊維が多く、乳歯が生えそろう3才頃までは子どもにとっては食べにくく、のどに詰まらせやすい食材です。
特に繊維質の多い葉物野菜や硬い根菜は、噛むだけで疲れてしまうことも珍しくありません。
無理に一口大のまま出すのではなく、月齢に合った大きさ・やわらかさに調理してあげることが安全にもつながります。


1日にどれくらい野菜を食べればいいのか

「うちの子、野菜を全然食べていない気がする・・・」と不安になる方も多いですが、目安量を知っておくと気持ちが楽になります。

1〜2歳の野菜摂取量の目安

保育の現場での取り組みを紹介した記事によると、1日に必要な野菜摂取量は、1〜2歳の場合180gが推奨されています(3〜5歳は240g、6〜7歳は270g、8〜9歳は300g、10歳以上は大人と同じ350gです)。
この量を一度に食べさせようとする必要はなく、1日3回の食事とおやつを通してトータルで摂取できていれば十分です。
ある保育園では1日の目標量の半分以上となる120g以上を昼食とおやつで摂れるよう、日々様々な工夫を凝らしているそうです。
家庭でも「今日食べなかった分は明日で調整する」くらいの気持ちで向き合いましょう。

厚生労働省のガイドラインが示す幼児食の考え方

厚生労働省が公表している授乳・離乳の支援ガイドでは、離乳食から幼児食への移行期について具体的な指針が示されています。
離乳食に慣れ、1日2回食に進む頃には、穀類(主食)、野菜(副菜)・果物、たんぱく質性食品(主菜)を組み合わせた食事としますとされており、家族の食事から調味する前のものを取り分けたり、薄味のものを適宜取り入れたりして、食品の種類や調理方法が多様となるような食事内容にしますことが推奨されています。
詳しい内容は厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)」で確認できます。

家族の食事から取り分けた野菜料理を1歳児用の小皿に盛り付ける母親の手元


今日から試せる野菜を食べやすくする工夫

ここからは具体的な調理の工夫を紹介します。
すべてを一気に取り入れる必要はありません。
お子さんの様子を見ながら、できそうなものから試してみてください。

すりおろして見た目の抵抗感をなくす

野菜の形がそのまま見えると警戒してしまう子には、すりおろしが効果的です。
すりおろした野菜は子どもが大好きなハンバーグやミートボールなどと相性がよく、すりおろしにお勧めな野菜としてレンコン・サツマイモ・しょうが・ニンジン・大根・玉ねぎが挙げられます。
生地に混ぜ込んでしまえば、野菜の存在に気づかれにくく、栄養もしっかり摂取できます。

好きな味付け・好きな食感に寄せる

子どもが好きな食材や味付けに野菜を寄り添わせる工夫は、野菜嫌い克服の王道といえる方法です。
子どもの大好きなソーセージやチーズなど野菜を一緒にしたり、味付けをカレー味やケチャップ味・マヨネーズ味など工夫することで、子どもの慣れた味、好きな味にうまく調和させることができ、野菜に意識が集中しなくなり、ぐっと食べやすくなるとされています。
また、子どもによって好きな食感も様々で、「もっちり」が好きな子もいれば、「シャキシャキ」が好きな子もいますので、我が子の好みの食感を観察してみましょう。

加熱の仕方を工夫してやわらかく仕上げる

意外と見落としがちなのが加熱時間です。
野菜は加熱すればするほどやわらかくなりますが、肉・魚類は加熱しすぎるとパサパサになって食べにくくなります。
野菜はしっかり加熱してとろけるような柔らかさにすることで、奥歯が生えそろっていない1歳児でも舌でつぶして食べられるようになります。
にんじんやかぼちゃは煮崩れるくらいまで柔らかく煮る、ブロッコリーは芯まで柔らかくなるまで蒸すなど、少し手間をかけるだけで食べやすさが大きく変わります。

ジュースやポタージュにして液体状にする

野菜の食感自体が苦手な場合は、液体に近い形状にするのも一つの方法です。
解決法としてフルーツと一緒に「ジュース」にする方法や、ピューレにして「食感をなめらか」にする工夫が紹介されています。
ほうれん草のお浸しは食べなくても、ポタージュスープにすると食べてくれるというケースも実際に報告されており、真っ緑のほうれん草のポタージュスープは食べるという声もあります。
同じ野菜でも調理法次第で好き嫌いが分かれることを覚えておくと、レシピの幅が広がります。

にんじんのポタージュスープを美味しそうに飲む1歳児の笑顔


調理以外でできる野菜嫌い対策

調理の工夫と合わせて、食卓での関わり方や環境づくりも野菜嫌い克服の大切な要素です。

野菜に触れる・見る機会を増やす

保育の現場での実践例として、その日の昼食で使う野菜に調理前に触れ、五感で野菜と向き合う時間を作る取り組みや、トマトやパプリカ、葉物野菜などを育てる農体験を通して、野菜の命や学びを実感する取り組みが紹介されています。
家庭でも、買い物中に野菜を見せたり、洗う工程を手伝ってもらったりするだけで、食卓での警戒心が和らぐことがあります。
「食べる」以外の場面で野菜と接する時間を増やすことが、遠回りに見えて実は近道になることが多いのです。

無理強いせず、繰り返し食卓に出し続ける

一度嫌がったからといって、その野菜を食卓から完全になくしてしまうのは避けたほうがよいとされています。
食べたことのないものに対する「新奇恐怖」が原因の場合も多く、食べてくれないからといって出さないようにするのではなく、継続して食卓に出すことで、やがて食べてくれるようになりますという指摘もあります。
全部食べなくてもいいので、ひと口だけ食べてもらうのでも構いません。
少量を繰り返し提供し続けることが、味への慣れを促す近道です。

食事の時間を楽しい雰囲気にする

プレッシャーをかけすぎることは逆効果になりがちです。
プレッシャーをかけず、「少しでも試してみようね」といった軽い声掛けを心がけましょうという提案や、食べ物で賄賂を与えたり、食べたご褒美を設定することは避けてくださいというアドバイスも参考になります。
家族みんなで食卓を囲み、楽しい雰囲気の中で食事をすることが、結果的に野菜への抵抗感を減らすことにつながります。


野菜嫌いに悩む親御さんへのメッセージ

ここまで様々な工夫をご紹介してきましたが、最後にお伝えしたいのは野菜嫌いは決して親御さんの育て方のせいではないということです。

好き嫌いは成長とともに変化していく

今は苦手でも、成長するにつれて味覚や食への向き合い方は変わっていきます。
この時期の好き嫌いは移ろいやすく、2歳の頃には嫌いだったものが、4歳になったら食べられるようになることもあります。
実際にカゴメの調査でも、「大人になってから野菜が好きになった」という人も約6割という結果が出ており、小学校1〜3年生の頃に「野菜好き」だったのはおよそ3人に1人と少数派で、そんな子どもたちも大人になると約4人中3人が野菜好きになっています。
今の姿がずっと続くわけではないと知るだけでも、日々の食事作りへのプレッシャーは軽くなるはずです。

心配しすぎず、専門家に相談する選択肢も

警告:体重の増え方が明らかに気になる場合や、極端に食事量が少ない、特定の食感や見た目に対して強い拒否反応を示す場合は、自己判断で様子を見続けず、かかりつけの小児科医や保健センターの管理栄養士に相談することをおすすめします
体重が増えない、食事に極度の恐怖を示すなど、単なる「好き嫌い」の範囲を超えている場合は、専門家への相談が必要ですとされています。
普段の育児相談や乳幼児健診の際に、野菜嫌いについて気軽に尋ねてみるのもよいでしょう。

一人で抱え込まず、家族や周囲を頼る

毎日の食事作りを一人で完璧にこなそうとする必要はありません。
決して野菜嫌いはお母さんのせいではありませんという言葉には、多くの管理栄養士や専門家が共感を寄せています。
お子さんのペースに合わせて焦らずゆっくり、食事が楽しくなるように工夫をしてあげましょうというメッセージを、ぜひ心に留めておいてください。
パートナーや家族と工夫を共有しながら、無理のない範囲で続けていくことが長く続けるコツです。


まとめ

1歳児の野菜嫌いは、味覚の敏感さや歯の発達段階、そして「初めての味」への本能的な警戒心が重なって起こる、多くの子どもに共通する自然な現象です。
すりおろしや加熱時間の工夫、好きな味付けへの寄せ方、ポタージュなど調理法を変えるだけでも、食べやすさは大きく変わります。
また、調理の工夫だけでなく、野菜に触れる機会を増やしたり、無理強いせず繰り返し食卓に出し続けたりすることも、長い目で見た克服につながります。
何より大切なのは、「今食べないから将来もずっと食べない」わけではないと知り、親御さん自身が気負いすぎないことです。
今日ご紹介した工夫の中から、まずは一つだけ試してみてください。
小さな一歩の積み重ねが、いつか野菜をパクパク食べる日につながっていくはずです。

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