赤ちゃんが絵本を舐めるのはなぜ?

赤ちゃんが絵本を舐めるのはなぜ?
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読み聞かせをしようと絵本を差し出したら、開く前にペロッと舐められてしまった・・・。ボードブックの角がふやけていたり、気づけば表紙がボロボロになっていたり。「これって普通なの?」「不衛生じゃないかな」「そのうちやめてくれるのかな」と、モヤモヤした気持ちになるパパ・ママは少なくありません。

結論から言うと、赤ちゃんが絵本を舐めるのは、脳や感覚が正常に発達している証拠であり、多くの場合は心配しなくてよい行動です。とはいえ、何でも舐めてよいわけではなく、誤飲や窒息につながる危険なケースとの見分け方を知っておくことはとても大切です。

この記事では、赤ちゃんが絵本を舐める理由や時期の目安、公的機関が発信している安全対策、舐めても安心な絵本の選び方、そして読み聞かせをもっと楽しむための工夫まで、育児の現場で本当に役立つ情報をまとめて解説します。読み終える頃には、絵本タイムがもっと肩の力を抜いて楽しめるようになるはずです。

生後8ヶ月頃の赤ちゃんが布製の絵本を両手で持ち、興味深そうに口元へ運んでいる室内の様子

赤ちゃんが絵本を舐めるのはなぜ?

赤ちゃんが絵本を舐める行動には、ちゃんとした発達上の理由があります。
まずはその仕組みを理解しておくと、心配な気持ちが和らぎます。

口で確かめる「口唇期」という発達段階

赤ちゃんはまだ視覚や触覚が十分に発達していないため、物の形や質感を目や手だけで理解するのが難しい時期を過ごします。
一方で、生まれたときから母乳やミルクを飲むための機能が備わっているため、口・舌の感覚は体の中でもいち早く発達している器官です。
そのため赤ちゃんは、気になる物を手でつかみ、口に運んで舐めることで「これは何だろう」と情報を集めています。

こうした行動は、心理学の発達段階でも古くから注目されてきました。
生後0歳台〜1歳半くらいまでの時期は、口を使って外界を確認する発達段階として位置づけられることが多く、絵本を舐めるのもこの延長線上にある自然な行為だと考えられています。

何ヶ月頃から始まる?きっかけは指先の発達

絵本を舐める行動が目立ち始めるのは、手で物をしっかり掴めるようになる生後5〜6ヶ月頃からが一般的です。
自分の意思で物を持てるようになったことで、目についた絵本やおもちゃを次々と口へ運ぶようになります。
ハイハイやつかまり立ちで行動範囲が広がる生後7〜9ヶ月頃には、さらにいろいろな物を舐めるようになり、よだれでベタベタになった絵本を見て驚くパパ・ママも多いでしょう。


絵本を舐める時期はいつまで続く?

「このままずっと絵本を舐め続けるのでは」と不安になる方も多いですが、この行動には一般的な目安の期間があります。

ピークは1歳前後、2〜3歳頃に落ち着く

何でも口に入れる行動は、生後4〜6ヶ月頃に始まり1歳頃にピークを迎え、2〜3歳頃までに自然に減っていくことが一般的とされています。
絵本を舐める頻度についても、1歳半くらいを境に落ち着いてくる子が多く、手や目で物を観察する力が育つにつれて、口に入れなくても情報を得られるようになっていきます。

個人差が大きいので焦らないことが大切

発達のスピードには個人差があるため、2歳を過ぎても絵本や物を舐める子もいれば、1歳前後でぴたりとやめる子もいます。
「よその子はもうやめているのに」と比較して焦る必要はありません。
3歳以降も強く続く場合や、口に入れる以外にも気になる様子が重なる場合は、かかりつけの小児科や自治体の子育て相談窓口に気軽に相談してみるとよいでしょう。
相談は「問題を決めつけるため」ではなく、今の発達状況を確認し、安心材料を得るためのものと考えると気持ちが楽になります。

1歳前後の子どもがカラフルなボードブックの絵本を自分でめくって遊んでいる明るいリビングの風景


絵本を舐めても大丈夫?注意点を確認

発達上自然な行動とはいえ、何も気にせず放置してよいわけではありません。
ここでは注意すべき具体的なポイントを整理します。

誤飲・窒息につながるケースに要注意

絵本そのものを舐める分には大きな問題は少ないものの、破れた紙片やシール、金属の留め具などの小さな部品を誤って飲み込んでしまう事故には十分な注意が必要です。
政府広報オンラインでも、赤ちゃんや子どもは大人が思いもよらない物を口に入れてしまうため、物の置き場所を見直し、誤飲を予防することの重要性が呼びかけられています。政府広報オンライン「赤ちゃんやこどもを誤飲・窒息事故から守る!」では、万一のときの対処法も紹介されているので、事前に目を通しておくと安心です。

また、こども家庭庁は、菓子の包装フィルムやシールなど薄く小さい物についても、かじった破片を誤飲・誤嚥して窒息する危険があると注意喚起しています。
絵本にシールやラミネート加工の付録がついている場合は、剥がれやすくなっていないか定期的にチェックしましょう。

絵の具・塗料の安全性を確認する

「舐めても体に害はないのか」という点も気になるところですが、乳幼児が口に接触するおもちゃについては食品衛生法の規制対象となっており、厚生労働大臣が指定した対象品には有害物質の使用が制限されています。
市販の絵本の多くはこうした基準を踏まえて製造されていますが、心配な場合は次章で紹介する安全マークの有無を確認する習慣をつけておくと安心です。

衛生面はどこまで気にすればいい?

よだれまみれの絵本を見ると「バイ菌が心配」と感じる方も多いでしょう。
紙製の絵本は水拭きができないため、気になる場合は乾いた布で軽く拭き取り、しっかり乾燥させる程度で十分です。
過度な除菌にこだわりすぎず、ある程度の菌との触れ合いは免疫の発達にも必要という考え方もあるため、神経質になりすぎないことも育児を楽しむコツの一つです。
ただし体調を崩しやすい時期や、兄弟姉妹で絵本を共有する場合は、洗える布絵本を活用するなど工夫するとよいでしょう。


舐めても安心な絵本の選び方

「どうせ舐めるなら、最初から舐められる前提の絵本を選びたい」という方のために、選び方のポイントを紹介します。

布絵本・厚紙のボードブックを選ぶ

0歳児の絵本選びでは、破れにくく洗濯できる布製の絵本や、角を舐めても崩れにくい厚紙製のボードブックが人気です。
布絵本は洗濯機で丸洗いできるものも多く、よだれで濡れてもすぐに清潔な状態に戻せるのが大きなメリットです。
お風呂で使えるビニール製の絵本も、水回りでの読み聞かせに重宝します。

STマーク・子供PSCマークを目印にする

おもちゃ選びの安全基準として広く知られているのがSTマークです。
一般社団法人日本玩具協会が定める玩具安全基準(ST基準)に合格したおもちゃに表示されるもので、形状や強度、材料の化学的特性などを第三者機関が検査しています。
仕掛け絵本やおもちゃ付きの絵本を選ぶ際は、このマークの有無を確認すると安心材料になります。

さらに近年は新しい制度も始まっています。
消費生活用製品安全法の改正により、3歳未満向けのおもちゃを対象とした「子供PSCマーク」の運用がスタートしました。
令和7年(2025年)12月25日以降に製造・輸入される乳幼児用玩具が対象で、それ以前に製造された製品には表示がなくても販売が可能です。
子供PSCマークが確認できない場合は、従来からのSTマークが付いた製品を選ぶとよいでしょう。
仕掛けやおもちゃが一体化した絵本を購入する際は、パッケージの表示をチェックする習慣をつけておくと安心です。

布製の柔らかい絵本とボードブックの絵本が木製の棚に並べられ、安全マークのタグが見える収納コーナー


絵本を守りながら読み聞かせを楽しむ工夫

大切にしている絵本が舐められ、破られてしまうのは正直なところ切ないものです。
ここでは、絵本を守りつつ親子の時間を楽しむための工夫を紹介します。

破れ・かじり跡への具体的な対処法

赤ちゃんが絵本を舐めたり、かじったりしているのを見つけたら、いきなり強く取り上げるのではなく「これはお口に入れないよ」と優しく声をかけながら、そっと口から離してあげましょう。
無理に引っ張ると絵本が破れる原因にもなります。
どうしても止めてほしくない場合は、代わりに歯固めや専用のおもちゃを差し出すのも効果的です。
すでに破れてしまったページは、セロハンテープやブックカバー用フィルムで補強すれば、まだまだ読み聞かせに使えます。

1人遊びのときは絵本の与え方に注意

読み聞かせは大人が見守りながら行うのが基本ですが、赤ちゃんが1人で絵本を触っている間は、思わぬ誤飲や窒息のリスクがあることを忘れないようにしましょう。
何度注意しても紙を口に入れてしまう時期は、1人で遊ばせる際には布絵本やボードブックだけを手の届く場所に置き、破れやすい紙の絵本は読み聞かせのときだけ取り出すというように、使い分けをするのがおすすめです。


こんな時は注意 | 相談の目安を知っておこう

基本的には見守ってよい行動とはいえ、次のようなケースでは注意が必要です。
事前に知っておくことで、いざという時に落ち着いて対応できます。

誤って何かを飲み込んでしまったとき

絵本の付属パーツやシールなどを飲み込んでしまい、咳き込みが止まらない、顔色が悪い、呼吸が苦しそうといった様子が見られる場合は、窒息の緊急事態です。
政府広報オンラインでは、乳児をうつぶせにして背中を叩く方法や、仰向けにして胸部を圧迫する方法など、具体的な応急手当の手順が紹介されています。
事故が起きてから調べるのではなく、事前に一度目を通しておくことを強くおすすめします。
迷わず救急要請(119番)も検討しましょう。

3歳を過ぎても行動が変わらない場合

多くの場合、3歳頃になると言葉での理解が進み、口に入れる行動は大きく減っていきます。
しかし3歳を過ぎても無差別に物を口に入れる状態が続き、他にも気になる発達面の様子がある場合は、発達の特性が関係していることもあります。
気になる点があれば、自己判断で抱え込まず、乳幼児健診の機会やかかりつけ医、地域の子育て支援センターに相談してみましょう。
早めに専門家とつながっておくことで、その後の対応の選択肢も広がります。


先輩パパ・ママの体験から学ぶヒント

実際に子育てを経験した保護者からは、「無理にやめさせようとせず、絵本の与え方を工夫することで気持ちが楽になった」という声が多く聞かれます。
例えば、お気に入りの絵本は読み聞かせ専用にして棚の高い位置に保管し、普段の手の届く場所には舐められても惜しくない布絵本を置くという住み分けをしている家庭もあります。
また、破れてしまった絵本を「うちの子だけのオリジナル絵本」として愛着を持って扱うという前向きな捉え方も、気持ちを軽くするヒントになるでしょう。

絵本を舐める・かじる行動は、成長の記録の一つでもあります。
ボロボロになった思い出の一冊を、後から見返して懐かしむ日がきっと来ます。


まとめ

赤ちゃんが絵本を舐めるのは、口を使って世界を知ろうとする自然な発達行動であり、多くの場合は1歳前後をピークに2〜3歳頃までに落ち着いていきます。
過度に心配する必要はありませんが、誤飲・窒息のリスクがある部品やシールの管理には十分注意し、1人遊びのときの絵本選びにも気を配ることが大切です。

絵本選びの際は、布絵本やボードブックといった舐めても壊れにくい素材を選び、STマークや新しく始まった子供PSCマークなど、公的な安全基準を目印にすると安心して読み聞かせを続けられます。
万が一の誤飲・窒息に備えて、応急手当の方法を事前に確認しておくこともお忘れなく。

絵本を舐める姿は、今しか見られない貴重な成長の一場面です。
神経質になりすぎず、安全対策だけはしっかり押さえたうえで、親子の読み聞かせタイムを心ゆくまで楽しんでくださいね。

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