初めてのベビーカー選びで、売り場にずらりと並ぶブランドを前に「結局、うちにはどれが合うの?」と立ち止まってしまう方は多いはずです。この記事では、国産の二大ブランドであるコンビとアップリカを軸に、ピジョン・サイベックス・エアバギー・ジョイーまで含めて、ブランドごとの得意分野と選び分けの基準を1記事で整理します。
ベビーカーは、0〜3歳の毎日のお出かけを支える大切な相棒です。自分たちに合う1台が見つかると、近所のお散歩も、買い物も、帰省も「大変な移動」から「親子の楽しい時間」に変わります。この記事では、各社の公式サイトに載っている価格・月齢・重さを照合して整理したうえで、店頭でそのまま使える独自のチェックリストも用意しました。
価格や仕様、販売店限定モデルの内容は改定されることがあります。購入前に、必ず公式サイトや販売店で最新の情報を確認してください。
ベビーカーのブランドは大きく3系統
ベビーカーのブランドを選ぶときは、まず「どんな特徴の系統があるのか」をつかむと迷いにくくなります。
人気ブランドとして名前が挙がるのは、サイベックス、アップリカ、コンビ、ピジョン、エアバギーなどです。
ここでは国産、海外の高機能、コスパ重視という3つの見方で整理します。
国産ブランド:コンビ・アップリカ・ピジョン
日本の道路事情や電車移動、住宅事情を前提に設計されているのが国産ブランドです。
コンビとアップリカは店頭での取り扱いが多く、価格帯は両社とも3万〜8万円ほどでほぼ互角と紹介されています。
ピジョンは押しやすさや走行の軽さに力を入れているブランドとして知られています。
海外ブランド:サイベックス・エアバギー・ジョイー
サイベックスは、安全性・デザイン・機能性を信条とするドイツ生まれのブランドです。
エアバギーはノルウェー生まれで、3輪の大きなエアチューブタイヤと頑丈なフレームによる走行性が持ち味です。
ジョイーはイギリス生まれのベビー用品ブランドで、手に取りやすい価格帯のモデルが豊富です。
まず押さえたいA型とB型の違い
ブランドを見る前に、ベビーカーの種類を知っておきましょう。
日本のベビーカーは、一般財団法人製品安全協会のSG基準によって「A型」と「B型」に分類されています。
A型は生後1カ月頃から使えるタイプで、B型はひとりで座れるようになってから使うタイプです。
たとえばコンビの公式ストアでは、A型にあたるモデルの対象月齢が生後1カ月〜36カ月頃(体重15kg以下)、B型の「auto N second QC」は生後6カ月〜48カ月頃(体重22kg以下)と表示されています。
「いつから乗せたいか」でA型かB型かが決まるので、最初に外出のタイミングを家族で話し合っておくと、ブランド選びがぐっと楽になります。

コンビとアップリカの設計思想の違い
国産二大ブランドは、どちらも安全面や快適性に力を入れています。
違いが出るのは「何を出発点に設計しているか」です。
優劣というより、家族の暮らしに合うかどうかで選ぶのがコツです。
コンビ:衝撃吸収と軽快な走りが得意
コンビの代表的な技術は、赤ちゃんの頭や体への衝撃をやわらげる素材「エッグショック」です。
赤ちゃんが安心して眠れるようにつくられたサンシェード「スリープシェル」も特徴のひとつです。
ある比較記事では、コンビは「安く、長く、軽く」に強みがあると整理されています。
アップリカは狭い場所での取り回しと通気に強いとも述べられており、両者の違いは設計思想の差だと捉えられています。
アップリカ:赤ちゃんの姿勢と乗り心地を重視
アップリカは、姿勢の崩れを防いで安定させる「メディカル成長マモール」や、風を通して温度の上昇を抑える仕組みを前面に出しています。
最上級モデル「マール」は、赤ちゃんの快適性に代表される乗り心地と、親にとっての走行性の両方をかなえることをうたうフラッグシップです。
対面時でも小回りがききやすく段差を乗り越えやすい「オートスライドシート」を備えています。
販売員の目線で見る「守る」と「育つ」
両ブランドを扱ってきた販売員の見方として、コンビは「衝撃からしっかり守る」ことを軸にし、アップリカは「育つ」ことを出発点にしているという整理があります。
毎日のお出かけを軽くしたい人にはコンビ、赤ちゃんの乗り心地を優先したい人にはアップリカが合うという印象も紹介されています。
どちらを選んでも安心して使える水準にあります。
迷ったときは「毎日の移動で何が一番ラクになってほしいか」を基準にしてみてください。
主力モデルで比べるコンビとアップリカ
ここでは、各社の公式サイトに掲載されている現行モデルの情報を一覧にしました。
価格は税込の表示で、販売店や時期によって変わります。
| ブランド | モデル | 対象の目安 | 価格(税込) | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| コンビ | スゴカルR エッグショック ZA | 生後1カ月〜36カ月頃 | 69,300円 | 軽々押せるシングルタイヤとひざしバリアを搭載 |
| コンビ | auto N first II NC | 生後1カ月〜36カ月頃 | 70,400円 | オートクローズベビーカーがさらに進化 |
| コンビ | auto N second QC | 生後6カ月〜48カ月頃 | 32,890円 | フロントガード標準搭載のB型 |
| アップリカ | ラクーナ クッション フリー AF | 生後1カ月〜36カ月 | 72,050円 | ハンドル角度を9段階に調節できるマルチハンドル |
| アップリカ | ヴィット AB | 生後6カ月〜48カ月 | 32,890円 | ひとり座りができる赤ちゃん向けのB型 |
高機能A型:スゴカル・THE S Go とラクーナ・マール
新生児期から長く使う1台目なら、高機能なA型が候補になります。
コンビの「スゴカルS」は、シートが動いて赤ちゃんがグッと近づくシンクロシートを搭載したプレミアムベビーカーです。「THE S Go」はひろびろシートなのに小さくたためるトラベルシステム対応モデルで、チャイルドシートと組み合わせた使い方ができます。
アップリカの「ラクーナ クッション フリー」は、リクライニング角度が123°〜166°の設計です。
最上級の「マール」は2025年1月に発売され、その後、新モデルも案内されています。
予算に余裕があって乗り心地と走行性を最優先したい家庭は、マールまで見比べる価値があります。
軽量A型:スゴカルシリーズとカルーンエアー
階段や電車移動が多い家庭では、軽さが毎日の負担を大きく左右します。
アップリカの「カルーンエアー メッシュ」は、超軽量の3.9kgをうたうA型ベビーカーです。
さらにハンドル切り替え両対面の「カルーンエアー メッシュ AD」が9月下旬に新発売と案内されています。
コンビ側では、ひざしバリアを備えたスゴカルRが軽く押せる点を打ち出しています。

B型:auto N second とヴィット
2台目や、ひとり座りができてからの買い足しにはB型が人気です。
コンビの「auto N second QC」はオートクローズでコンパクトな設計のセカンドベビーカーで、32,890円です。
アップリカの「ヴィット AB」も同じ32,890円(税込)、対象は生後6カ月〜48カ月(体重約22kg以下)で、価格帯がそろっています。
そのため、B型は、たたみやすさとシートの座り心地を実際に触って決めるのが近道です。
ピジョン・サイベックス・エアバギー・ジョイーの特徴
国産二大ブランド以外にも、暮らしに合うブランドはたくさんあります。
ここでは、比較の際によく名前が挙がる4ブランドの持ち味を紹介します。
ピジョン:押しやすさと保証の長さ
ピジョンは、先輩ママが重要と感じたポイントとして「押しやすさ」を挙げていることを公式の選び方ページで紹介しています。
人気の「ランフィ」シリーズは、走行の軽さと座面のゆったり感に定評があるとされます。
ランフィとサイベックスのメリオを比べた記事では、メーカー保証がピジョン(ランフィ)は3年、サイベックス(メリオ)は2年と整理されています。
サイベックス:デザインと軽さの両立
サイベックスは、洗練されたデザインで選ばれることが多いブランドです。「メリオ カーボン」は、本体重量5.9kg(付属品除く)で、生後1カ月から15kgまで使えると紹介されています。
見た目と機能の両方にこだわりたい人に向いています。
エアバギー:エアタイヤの3輪で滑らかに走る
エアバギーは、空気入りの大きなタイヤで段差や悪路でも安定して走れる点が魅力です。「ココ プレミア フロムバース」は本体重量10.3kgで、新生児から約4歳頃まで使えるA型と紹介されています。
ただし、比較的重いため、折りたたんで持ち上げる機会が多い人にはあまり向かないとも指摘されています。
ジョイー:コスパ重視の初めての1台に
ジョイーの「スマバギ4WD」は、本体重量5.8kgで価格の目安は30,000〜35,000円とされるAB型の両対面モデルです。
海外ブランドのデザイン性と両対面機能を、手頃な価格で体験できる点が強みです。
価格・重さ・保証で見る比較表
ブランドの特徴がわかったら、数字でも見比べてみましょう。
価格帯、重さ、保証の3つを押さえると、予算と暮らしの両面から絞り込めます。
価格帯の目安
高機能なA型は、国産ブランドでおおむね7万円前後が目安です。
コンビのスゴカルRは69,300円、アップリカのラクーナ クッション フリーは税込72,050円と公式に表示されています。
一方、B型やコスパ重視のモデルは3万円前後が中心です。
「1台目に高機能A型、2台目に3万円台のB型」という組み合わせが、予算の組み方の定番です。
重さと扱いやすさ
| モデル | 重さの目安 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| アップリカ カルーンエアー メッシュ | 3.9kg | 階段や電車移動が多い |
| ジョイー スマバギ4WD | 5.8kg | 初めての両対面を手頃に |
| サイベックス メリオ カーボン | 5.9kg | デザインと軽さを両立 |
| エアバギー ココ プレミア | 10.3kg | 公園や車移動が中心 |
重さの数値は、付属品を除いた本体重量での表示が多い点に注意が必要です。
シートやカバーを付けた状態の重さは、販売店で確認しましょう。
保証と販売店限定モデル
アップリカはベビーカー3年保証を案内しており、コンビでも3年保証対象品として販売されるモデルがあります。
また、コンビには販売店限定モデルがあり、同じ名前でも色や付属品が異なります。
同じシリーズでも型番や販売店によって仕様が違う場合があります。
型番までそろえて価格や保証を比べてください。
家庭タイプ別おすすめブランド診断
ここからは、暮らし方別に「向きやすいブランドの方向性」を整理します。
あくまで選ぶ目安として、気になるモデルを店頭で触って確かめるときの出発点にしてください。
電車や階段が多い都市部の家庭
持ち上げる、たたむ、改札を通るという動作が毎日あるなら、軽さと片手操作が重要です。
アップリカのカルーンエアーのような超軽量A型や、コンビのオートクローズ系が候補になります。
狭い場所での取り回しではアップリカ、軽さと価格の面ではコンビが強みという比較もあります。
車移動が中心で荷物が多い家庭
ベビーカーを広げたまま移動することが多いなら、走行の安定感や荷物かごの大きさが決め手です。
エアバギーのエアタイヤや、アップリカの最上級マール、コンビのトラベルシステム対応モデルが検討しやすい選択肢です。
車のトランクに入るかどうかは、購入前の最重要チェックです。
2台目や旅行用を考える家庭
帰省や旅行用の2台目には、B型や軽量のコンパクトモデルが活躍します。
コンビのauto N second QCやアップリカのヴィット ABは、どちらも3万円台前半で選べます。
ジョイーのスマバギ4WDのように、両対面で3万円前後から選べるモデルもあります。

店頭で試したい10のチェック項目
カタログの数字だけでは、実際の使いやすさは見えません。
ここでは、公式の仕様表では確認しにくい「使い心地」を、自分たちで確かめるための独自のチェックリストを紹介します。
来店前に自宅でできる準備
お店に行く前に、次の3つを測ってメモしておくと、比較が一気に楽になります。
- 玄関・廊下・エレベーターなど、毎日通る場所の最も狭い幅
- 車のトランクや収納場所の奥行き・幅・高さ
- パパとママそれぞれの身長(ハンドルの高さの目安になります)
店頭で確かめる10項目
- 片手でたためるか(もう一方の手で荷物を持った状態で試す)
- たたんだ状態で持ち上げて、階段1階分を歩けそうか
- ハンドルの高さと角度が、パパとママの両方に合うか
- 対面と背面の切り替えが、ひとりでスムーズにできるか
- 狭い通路でのUターンや、段差を越えるときの感触
- 荷物かごに、普段のバッグとおむつ一式が入るか
- ブレーキを靴のまま確実に操作できるか
- シートの高さと、幌の大きさ・日よけの効き方
- ベルトの着脱が片手でできるか
- シートやカバーの取り外し・お手入れのしやすさ
押し心地を確かめるときは、可能であれば店員さんに相談して、実際の使用状況に近い状態を再現してみましょう。
家族全員で試して、ひとりでも「使いにくい」と感じたら再検討するのがおすすめです。
試したあとの比較メモ術
候補が2〜3台に絞れたら、10項目を「◎・○・△」で採点してスマートフォンにメモしましょう。
写真を撮って、たたんだ姿と広げた姿を並べておくと、あとで見返しやすくなります。
パパとママで採点が分かれた項目こそ、ふたりで話し合う価値があります。
安全に使うための基準と注意点
ベビーカーは赤ちゃんを乗せる道具なので、楽しいお出かけのためにも安全面の知識は欠かせません。
SGマークと海外の安全規格
日本の基準であるSGマークは、法的に義務付けられているものではありませんが、製品の欠陥による人身事故が発生した場合に、1億円を限度とする損害保険が付くことが特徴です。
海外ブランドのベビーカーは、SGではなく欧州の規格EN1888などに適合している場合があります。
購入前に、どの規格に適合しているかを確認しましょう。
毎日の使い方の注意
基本は、取扱説明書の内容に従って使うことです。
ベルトはしっかり装着し、ブレーキの効き具合や折りたたみロックの状態も確認しましょう。
地面の熱やほこりから赤ちゃんを遠ざける意味では、地面からシートまでが50cm以上のハイシートが目安として紹介されています。
赤ちゃんを乗せたまま、ベビーカーのそばを離れないでください。
ハンドルに重い荷物を掛けると転倒の原因になるため、荷物は荷物かごに入れましょう。
リコール情報とお手入れ
購入後も、メーカーの公式サイトでお知らせを確認する習慣をつけると安心です。
車輪やフレームの汚れは、こまめに拭き取りましょう。
体調や発育に関する判断は、必ず小児科の医師や助産師、自治体の健診での案内を優先してください。
外出を始める時期の目安も、健診で相談すると安心です。
よくある質問
コンビとアップリカ、結局どちらがいいですか?
決定的な優劣はなく、重視する点で選ぶのが正解です。
軽さや価格、荷物の入りやすさを重視するならコンビ、乗り心地や狭い場所での取り回し、通気を重視するならアップリカが合いやすいという整理があります。
最後は店頭で実際に押して決めましょう。
A型とB型は両方買う必要がありますか?
必須ではありません。
生後1カ月頃から使いたいならA型が必要ですが、B型は主にひとりで座れる月齢からです。
A型を1台目にして、使い方に不便を感じたらB型を買い足す方法もあります。
2台目は、3万円台のB型が中心の選択肢です。
いつ頃から選び始めるとよいですか?
赤ちゃんが生まれる前に、下見を始めると余裕が持てます。
人気のモデルは在庫が少ない色もあるため、気になる商品が見つかったら早めに確認しましょう。
お出かけの開始時期は、赤ちゃんの様子や健診での案内を踏まえて決めてください。
まとめ
ベビーカーのブランド選びで大切なのは、「有名だから」ではなく「自分たちの毎日の動きに合うか」です。
最後に、この記事の要点を整理します。
- 国産ならコンビは軽さ・価格・荷物の入りやすさ、アップリカは乗り心地・取り回し・通気が持ち味
- ピジョンは押しやすさと保証、サイベックスはデザイン、エアバギーは走行の安定感、ジョイーは手頃な価格が強み
- A型は生後1カ月頃から、B型はひとり座りができてから使うのが基本
- 高機能A型は7万円前後、B型は3万円台が目安
- 購入前は、自宅の寸法を測り、店頭で10項目を家族全員でチェック
価格やスペックの比較は大切ですが、最後に決め手となるのは「押してみて、ふたりとも気持ちよく使えるか」です。
ぴったりの1台が見つかったら、赤ちゃんと一緒に季節の移り変わりを楽しむお散歩へ出かけましょう。
毎日の景色が、親子の大切な思い出になっていきます。