新しい年のはじまりを家族で迎えるお正月。赤ちゃんや小さな子どもがいるご家庭では、「まだ小さいけれど、何かしてあげたい」「伝統行事はどう教えたらいいの?」と悩むパパ・ママも多いのではないでしょうか。実は0〜3歳の時期だからこそ楽しめるお正月の過ごし方がたくさんあります。
この記事では、初正月の意味やお正月の由来といった伝統的な知識から、月齢別の遊びアイデア、離乳食のおせちアレンジ、帰省や初詣の注意点まで、子育て家庭が知りたい情報を一気にまとめました。赤ちゃんの「はじめて」をたくさん詰め込んだ、思い出に残るお正月にするためのヒントが見つかります。

お正月の由来を子どもに伝えるコツ
そもそもお正月とはどんな行事なのでしょうか。
赤ちゃんはまだ言葉を理解できなくても、親が意味を知っておくことで日々の関わり方に深みが生まれます。
3歳近くなれば「どうしてお餅を飾るの?」と興味を持つ子も増えるので、シンプルに伝えられるよう基本をおさえておきましょう。
年神様を迎える行事としてのお正月
お正月は、1年のはじまりを祝い、無事に過ごせるように願う日本の伝統行事です。
元日はもちろん、三が日(1月1日〜3日)や松の内(一般的に1月7日まで)を含む期間を指すことが多く、古くから日本では、この時期に「年神様」という豊作や健康を司る神様を家庭に迎える風習があり、門松やしめ縄、鏡もちなどの正月飾りを用意します。
家族でおせちを囲んだり、年賀状を交わしたりするのも、この年神様をお迎えして新年を祝うためなのです。
「数え年」と初正月の深い関係
現代では誕生日ごとに年齢を重ねますが、昔は「数え年」といって、お正月に年神様から一年の幸福と歳を授かると考えられていました。
初正月は赤ちゃんにとって、初めて歳をとる記念すべき日であり、現代と比べて生まれてすぐに亡くなってしまう赤ちゃんも多かったことから、無事にお正月を迎えられたことに感謝して家族みんなでお祝いする風習が生まれました。
初めて迎えるお正月には「ここまで元気に育ってくれてありがとう」という親の感謝の気持ちが込められているのですね。
0〜3歳に合わせた伝え方のポイント
0〜1歳の赤ちゃんには絵本や歌、飾りの色や音を通じて雰囲気を感じてもらうのが一番。
2〜3歳になったら「鏡餅は神様のおうちなんだよ」「お雑煮は元気に過ごせますようにってお願いしてるよ」など、短い言葉で意味を添えてあげましょう。
難しい説明は不要で、「楽しい」「うれしい」という気持ちと一緒に伝えることが、伝統行事を好きになる第一歩です。
初正月のお祝いと縁起物の準備
赤ちゃんが生まれて初めて迎えるお正月は、特別なお祝いの機会。
古くから伝わる縁起物を飾って、健やかな成長を願います。
男の子は破魔弓、女の子は羽子板
初正月を迎える男の子には、破魔矢・破魔弓を贈るのが習わしです。
弓矢には悪霊や鬼を祓うと考えられていたことから、武家の男の子に贈る風習が江戸時代に一般庶民にも広がり、破魔矢・破魔弓には「強くたくましく育ってほしい」という願いも込められています。
一方女の子の初正月には、羽子板を贈ります。
羽子板は末広がりの形をしていることや、板で羽根をうつことから「厄災を跳ね(羽根)のける」という意味から、無病息災の縁起物としてお正月に飾られるようになりました。
誰が用意する?最近の傾向
かつては母方の祖父母が贈るのが定番でしたが、現代では両家の祖父母が費用を折半して贈ったり、赤ちゃんの両親が用意したりなど、必ずしも母方の実家ではないケースも増えています。
住宅事情に合わせてコンパクトサイズを選ぶ家庭も多く、まずは家族で話し合うのがおすすめです。
飾る時期と片付けるタイミング
お正月飾りは一般的に12月13日「正月事始め」から飾ることができますが、最近はクリスマス後の12月26日以降に飾り始める方が増えています。
ただし12月29日は「二重苦」、12月31日は「一夜飾り」となり縁起が悪いとされているため、できれば12月28日までに飾るとよいでしょう。
29日と31日は避けるのが伝統的なマナー。
28日までか、30日に飾るのを目安にしてください。
0歳赤ちゃんとの過ごし方アイデア
初めてのお正月は、赤ちゃんにとっても親にとっても新鮮な体験。
とはいえ無理は禁物です。
先輩ママたちはどんなふうに過ごしているのでしょうか。
自宅でゆったり派が約半数
0歳児を持つ家庭を対象にした子育てメディアのアンケートでは、自宅で過ごす人が48.1%、帰省先で過ごす人が46.2%という結果でした。
赤ちゃんが小さいためか、帰省された方よりも自宅で過ごされた方のほうがやや多いようです。
自宅で過ごすメリットは、赤ちゃんの生活リズムを崩すことなく、いつも通りに過ごせること。
普段過ごしている場所なので、ママやパパ、赤ちゃんもリラックスした環境で初正月を迎えることができます。
五感を刺激する寝んねアートと飾り付け
0歳の赤ちゃんには「寝んねアート(おひるねアート)」がおすすめ。
和柄の布や手作りの鏡餅モチーフを赤ちゃんの周りに並べ、上から写真を撮るだけで素敵な記念ショットに。
お正月飾りの赤やゴールドは赤ちゃんの視覚も刺激します。
手形・足形をとって干支のイラストに添えると、世界に一つだけの作品が完成します。
誤飲対策を最優先に
お正月飾りや祖父母宅にあるお餅・ピーナッツ・小さな飾り物は、赤ちゃんの誤飲事故につながる可能性があります。
手の届く範囲には絶対に置かないようにしましょう。
特に鏡餅の小さな飾りや、コマ・お手玉の中身など、普段見慣れないものに赤ちゃんは強い関心を示します。
保育現場でも「誤飲の心配が少ない大きなこまや福笑いのパーツ等を保育室に置き、子どもがつまむ、持つ等の触れ合える環境をつくる」という工夫がされており、家庭でも参考になります。
1〜2歳児にぴったりの伝統遊び
歩けるようになり、手先も器用になってくる1〜2歳。
ルールはまだ理解できなくても、五感で楽しめる遊びがたくさんあります。
福笑い・紙風船・風車で感覚遊び
0〜2歳の乳幼児は、複雑なルールを理解するのがまだ難しく、直感的に楽しめる遊びが適しています。
福笑いは、顔のパーツをつかんだり触ったりすることで手先の発達を促せることも魅力です。
また、動くおもちゃに興味を持つ時期のため、紙風船や風車などもぴったりで、紙風船は軽やかに弾む様子から「運気が上がる」、風車は風を受けてくるくる回る様子から「良い方向へ運が巡る」とされ、昔から縁起の良い遊びとして親しまれています。
絵本で日本の伝統に触れる
お正月モチーフの絵本を読むのも良いでしょう。
おせちや日の出、凧あげなど、お正月ならではの世界に触れることで、日本の伝統行事に興味を持つきっかけになります。
膝に抱っこして絵を指差ししながらゆっくり読むだけで、親子のスキンシップにもなります。
1歳から楽しめる凧あげ体験
1歳児でも楽しめるお正月遊びは、シンプルで視覚的に楽しいものが中心です。
まだルールの理解は難しい時期なので、触れたり見たりする感覚を大切にしましょう。
空高く舞い上がる凧は、願いや祈りが天に届くという縁起の良い意味があり、風を受けて揚がる凧を見上げて楽しんだり、大人と一緒に凧糸を持って走って遊んだりでき、視覚的な刺激と外遊びの楽しさを感じられます。
小さなビニール凧なら室内でも遊べるので、寒い日にもおすすめです。
遊びを安全に楽しむポイント
1〜2歳児は、まだルールの理解が難しい時期で、勝ち負けよりも感覚を楽しむことを重視しましょう。
5〜10分程度の短時間で遊べるものを選び、小さな成功をたくさんさせてあげることが大切です。
また、繰り返し遊ぶことが大好きな時期なので、できることを何度も楽しみ褒めてあげましょう。
「上手にできたね!」の声かけが、子どもの自己肯定感を育てる最高の贈り物です。
3歳から挑戦したいお正月遊び
3歳になると簡単なルールが理解でき、家族みんなで遊べる種類が一気に増えます。
伝統的なお正月遊びは、由来を一緒に伝えることでより豊かな体験になります。
かるた・坊主めくりで言葉を育てる
かるたや百人一首は、読み上げられた札を素早く取る遊びで、いろは歌を用いた「いろはかるた」や、和歌が書かれた「百人一首かるた」が有名です。
文字がまだ読めない子どもには、「坊主めくり」がおすすめで、絵札を裏返しにして置き、引いた絵柄に応じて札を獲得したり場に返したりして、山札がなくなった時点で持ち札が多かった人が勝ちとなります。
3歳ならアンパンマンやしまじろうなど、好きなキャラクターのかるたから始めると夢中になりやすいですよ。
コマ回し・すごろくで集中力アップ
コマを回して遊ぶシンプルな遊びは、集中力と手先の器用さが必要で、コマ回しには「物事が円滑に回る」という縁起の良い意味があります。
3歳児は手で回すタイプから始め、5歳頃から紐を使うタイプに挑戦してみましょう。
日本に古くから伝わるすごろく遊びは、数の概念やルールを守ることを学べ、3歳児向けにはマスを少なめにして短時間で終わるものがおすすめです。
画用紙にマスを描いて家族オリジナルのすごろくを手作りすれば、世代を超えて楽しめる宝物になります。
折り紙で干支や正月飾りを作る
3歳なら大人と一緒に簡単な折り紙にチャレンジできます。
だるま、こま、鏡餅、干支の動物など、お正月モチーフは丸や三角の基本形からできるものが多く、初心者にもぴったり。
完成した作品を玄関や窓に飾れば、子どもの「できた!」が形に残ります。
赤ちゃんと楽しむ離乳食おせち
家族でおせちを囲むときに、赤ちゃんだけ離乳食では少しさびしいもの。
月齢に合わせて「おせち風」にアレンジすれば、雰囲気を一緒に楽しめます。

紅白カラーと飾り切りで華やかに
子育てメディアでも紹介されているアレンジ法として、白米とトマト、大根と人参など、紅白の食材を使ったり、花型に型抜きや飾り切りにした野菜を添えたり、さつまいもやかぼちゃを茶巾しぼりするというように、工夫次第でいつもの離乳食をおせち風にアレンジすることができます。
お正月飾りを添えると大人と同じおせちのように見え、お正月らしい食器や飾りを使えば、お手軽に華やかな一皿を作ることができます。
月齢別の取り入れ方
- 5〜6か月(ゴックン期):人参と大根のすりおろしポタージュで紅白を表現
- 7〜8か月(モグモグ期):豆腐に人参ペーストを添え、白身魚をほぐして昆布だしで味付け
- 9〜11か月(カミカミ期):さつまいもの茶巾、軟飯おにぎりの上に焼き海苔で「松」の形
- 1歳〜(パクパク期):松風焼き風つくね、ほうれん草と人参の白和え、伊達巻風卵焼き
必ず避けたい食材
お餅は窒息リスクが非常に高いため、3歳までは絶対に与えないでください。
また、はちみつ入りの黒豆や栗きんとんは1歳未満に厳禁、いくらやかまぼこ・伊達巻は塩分・添加物が多いので工夫が必要です。
大人のおせちは味付けが濃く、保存性を高めるため塩・砂糖が多めなので、必ず赤ちゃん用は別に用意するのが安心です。
赤ちゃん連れの初詣・帰省の注意点
新年のあいさつや初詣は楽しみな行事ですが、赤ちゃん連れではいつも以上の配慮が必要です。
事前準備で快適度が大きく変わります。
初詣は時間と場所を工夫する
先輩ママの体験談として、お散歩ついでに近くの神社に初詣に行く例もあり、初詣は赤ちゃんの健やかな成長を願ういい機会ですが、赤ちゃんとの参拝は、体調管理への配慮が必要で、寒さ対策や混雑した時間帯を避けるなど、対策をして行くようにしましょう。
三が日のピーク時間帯を避け、1月7日以降の松の内に近所の神社へ行くのが赤ちゃん連れには現実的です。
防寒対策とベビーカー選び
冬の初詣はとにかく寒さ対策が肝心。
ベビーカーや抱っこ紐使用時は、ダウンなどの厚手のアウターを着せたままだとベルトが緩んで危険です。
アウターは脱がせ、ブランケットやフットマフで覆うのが安全な方法とされています。
耳までかぶれる帽子、レッグウォーマー、ミトンを揃え、人混みではマスクや抱っこ紐用ケープで飛沫対策も忘れずに。
帰省時の生活リズムキープ術
帰省先では普段と環境が違い、赤ちゃんがぐずりやすくなることも。
先輩ママの中には、訪問する直前に授乳をするなど、赤ちゃんが機嫌よく過ごせるように気を付けたり、子どもに負担にならないよう1泊2日にして、離乳食を食べさせ、お風呂に入れてから出発したり、帰りも離乳食を自宅で食べさせられる時間に帰ってきたという工夫もあります。
「いつものお昼寝時間」「いつもの就寝時間」を死守するだけで、ぐずりは大幅に減ります。
祖父母とのコミュニケーション
「もっと食べさせて」「抱っこしたい」「お餅もそろそろ」など、世代差からくる育児へのアドバイスは初正月あるある。
事前に「アレルギーがあるので」「離乳食はこの段階で進めています」と伝えておくと、お互いに気持ちよく過ごせます。
いつもと違う環境になることが多いお正月は、生活リズムをなるべく崩さないことや人混みを避けるなど、赤ちゃんの体調管理には十分な配慮が必要で、赤ちゃんを第一に考えて、家族がリラックスできる場所でゆったりと初正月を楽しんでください。
家族で作る思い出の残し方
赤ちゃんのお正月はあっという間。
記録に残す工夫をしておくと、何年経っても見返せる宝物になります。
記念写真は「3つの定番」で残す
毎年同じ構図で撮ると、子どもの成長が一目でわかります。
おすすめは「①鏡餅の横で」「②破魔弓・羽子板の前で」「③おせちを目の前にして」の3パターン。
和柄のロンパースやはかま風ベビー服を着せれば一気に華やかになります。
手形・足形スタンプを毎年同じノートに残すのも素敵な記録です。
初書き初め・初お絵かき
2〜3歳になったら、画用紙にクレヨンで自由に書く「初お絵かき」がおすすめ。
文字でなくぐるぐる線でも十分です。
日付と年齢を書き添えて飾れば、立派な思い出の作品に。
毎年の作品を1冊のファイルに綴じていけば、子どもの成長アルバムが自然に完成します。
「初」を記録する育児ノート
「初めて見た鏡餅」「初めて触った福笑い」「初めて聞いたお正月の歌」など、「初めて」を箇条書きで残すのもおすすめ。
育児日記アプリに写真と一緒に保存しておけば、後から見返したときに当時の空気感がよみがえります。
SNSに上げない、家族だけの記録としてとっておくのも素敵ですね。
まとめ:肩の力を抜いて楽しもう
0〜3歳の赤ちゃん・子どもとのお正月は、特別な準備をしなくても、家族で一緒に過ごす時間そのものが何よりの宝物です。
初正月の縁起物を飾る、紅白カラーで離乳食をアレンジする、福笑いや絵本で日本の伝統に触れる
どれも特別な技術はいりません。
初正月は、赤ちゃんの健やかな成長を願う伝統的な風習で、破魔矢や羽子板を飾ってお祝いすることもあります。
お正月はいつもと違う環境になることも多いですが、生活リズムをなるべく崩さないことや人混みを避けるなど、赤ちゃんの体調管理には十分な配慮が必要です。
「ちゃんとやらなきゃ」と気負わず、できる範囲で「楽しい」を共有することが、お正月の本当の意味かもしれません。
パパもママも、ぜひ自分自身もゆっくり休んで、新しい年を心地よくスタートさせてくださいね。
赤ちゃんの笑顔と一緒に過ごすお正月が、ご家族にとって最高の思い出になりますように。
