2月の楽しみといえば、家族みんなでワイワイ盛り上がる節分。でも0〜3歳のお子さんがいるご家庭では「硬い豆って食べさせていいの?」「鬼を怖がって泣いちゃったらどうしよう・・・」と心配ごとも尽きませんよね。実はいま、消費者庁から豆まきに関する大切な注意喚起が出ており、小さなお子さんと節分を楽しむには少し工夫が必要なのです。
この記事では、乳幼児がいるご家庭でも安心して節分を楽しめる豆まきの代替アイデアと、由来の伝え方、手作りアイテム、絵本までをまるごとご紹介します。難しい知識がなくても大丈夫。今日から準備できるアイデアばかりなので、お子さんと一緒に「我が家らしい節分」を作ってみてくださいね。
節分の基本|由来と日付をやさしく解説
まずは節分そのものについて、ざっくりおさらいしておきましょう。
子どもに「節分ってなあに?」と聞かれたとき、サッと答えられると親としても少し誇らしい気持ちになりますよね。
節分は「季節を分ける日」
節分とは雑節の一つで、各季節の始まりの日(立春・立夏・立秋・立冬)の前日のことを指し、「季節を分ける」という意味があります。
本来は年に4回ある節目の日ですが、旧暦では立春を境に新年が始まっていたため、春の節分は大晦日に当たる特別な日でした。
4つの節分の中で最も重要視された結果、春の節分だけが行事として残るようになったと言われています。
今年の節分はいつ?
令和8年の節分は2月3日(火)です。
節分の日は固定ではなく立春の日付に合わせて動くので、毎年カレンダーで確認するのがおすすめ。
立春は国立天文台が前年に発表する暦に基づいて決まるため、年によって2月2日になったり2月4日になったりします。
豆まきの由来は中国から
節分は、中国から伝わった「追儺(ついな)」の風習に由来します。
中国では、季節の変わり目は鬼が来て災いや疫病をもたらすとされていて、鬼を追い払い無病息災を願う追儺の儀式が行われていました。
飛鳥時代に日本に伝わり、宮中行事として行われるようになり、江戸時代には豆まきが完全に定着したと言われています。
豆を使う理由は諸説ありますが、大豆には穀霊と呼ばれる精霊が宿るとされ、「魔の目に豆をぶつけ、魔を滅する」の語呂合わせの意味もあるとされています。

0〜3歳に豆を食べさせない理由
小さなお子さんがいるご家庭で、まず一番に押さえておきたいのが「豆を食べさせない」という大原則です。
これは単なる用心ではなく、国からの正式な注意喚起なのです。
消費者庁が「5歳以下はNG」と発表
消費者庁は「豆やナッツ類など、硬くてかみ砕く必要のある食品は5歳以下の子どもには食べさせないでください。喉頭や気管に詰まると窒息しやすく、大変危険です。小さく砕いた場合でも、気管に入りこんでしまうと肺炎や気管支炎になるリスクがあります」と注意を呼びかけています。
以前は「3歳頃まで」とされていた基準が、2020年に起きた4歳児の窒息事故をきっかけに「5歳以下」へと引き上げられました。
これまで節分の豆を食べさせないのは「3歳頃まで」とされていましたが、2020年に4歳の子どもが節分豆による窒息で亡くなったことをうけ、節分豆を食べない基準の年齢を「5歳以下」と設定し直しました。
なぜ小さな子に豆が危険なの?
奥歯が生えそろわず、かみ砕く力や飲み込む力が十分ではない子どもは、硬くてかみ砕く必要のある豆やナッツ類などを、のどや気管に詰まらせて窒息したり、小さなかけらが気管に入り込んで肺炎や気管支炎を起こしたりするリスクがあります。
さらに節分豆は乾燥していて軽いので、飲み込む準備ができていないときにのどに落ちたり、息を吸ったときに不意にのどに移動して、のどに詰まることがあり、豆が気管や気管支の中で水分を吸って膨らみ、窒息を引き起こす場合もあります。
兄姉がいるご家庭で気をつけたいこと
上の子が豆を食べているのを見て、下の子が欲しがって口にしてしまうケースが特に危険です。
節分の豆まきは個包装されたものを使用するなど工夫して行い、5歳以下の子どもが拾って口に入れないように、後片付けを徹底し、兄姉がいる家庭では、兄姉が豆やナッツ類を食べている際、5歳以下の子どもが欲しがっても与えないようにしましょう。
別室で食べる、寝てから食べるなど、生活動線を工夫するのが安心です。
豆まきの代替アイデア6選
「豆を使わなくても、節分ってこんなに楽しめるんだ!」と思える代替アイデアをご紹介します。
どれも材料費はほぼゼロ、おうちにあるもので作れるものばかり。
お子さんと一緒に準備する時間そのものが、最高の思い出になりますよ。
新聞紙ボールで安全に豆まき
定番中の定番が、新聞紙をギュッと丸めて作る「新聞紙ボール」です。
新聞紙を丸めて、ビニールテープを巻くだけで完成します。
柔らかくて当たっても痛くないので、0歳の赤ちゃんでも安心。
カラフルなマスキングテープで巻けば、見た目もかわいくテンションがあがります。
「ぎゅっぎゅっ」と握る動作は、小さな手の発達にもうれしい刺激になります。
カラーボール・スポンジで的当て
100円ショップで売っているカラーボールや、台所スポンジを小さく切ったものも豆の代わりになります。
ボールは当たっても痛くないので、低年齢児さんでも安心して遊べます。
布おもちゃを作るのが難しい場合は、ダンボールや画用紙に鬼のイラストを描いて壁に貼り付けることで的として代用してもよいでしょう。
個包装の小袋を使う
豆そのものを使いたい場合は、必ず小袋に入った個包装タイプを選びましょう。
個包装の豆をまいたり、折り紙や新聞紙でこどもと作った拳サイズの「紙の豆」をまいたりと、節分を安全に楽しむ工夫をしてみましょう。
個包装の豆をまいた後は、こどもが開けて食べないよう後片付けも忘れないようにすることが大切です。
ボーロや赤ちゃんせんべいで「食べる豆」体験
「年の数だけ食べる」体験を小さな子にも味わわせたい方には、月齢に合ったお菓子で代用するのがおすすめです。
たまごボーロや赤ちゃんせんべいなど、口の中で溶けやすいおやつを小さな升や紙コップに入れれば、見た目はすっかり「福豆」。
ただし、お菓子であっても口に詰め込まないよう、必ず大人がそばで見守りましょう。
カラーセロハンの空気砲
少し凝った遊びにチャレンジしたいなら、紙コップと風船で作る空気砲もおすすめ。
風船を引っぱって手を離すと、空気が飛び出して的の鬼に命中するしくみで、紙筒(トイレットペーパーの芯)で作った鬼を倒して遊びます。「ポンッ」という音と空気の動きに、赤ちゃんも目をまんまるにして喜びます。
ペットボトル鬼のボウリング
飲み終わった500mlペットボトルに色画用紙で顔をつければ、即席の「鬼ピン」のできあがり。
節分仕様のボーリング遊びは、初めは近くからボールを投げて、だんだん距離を離すと盛り上がります。
歩き始めた1〜2歳児でも、転がすだけで参加できるのが嬉しいポイントです。

怖がらせない鬼の登場アイデア
節分でいちばん悩ましいのが「鬼の見せ方」。
本気で怖い鬼が出てくると、トラウマになって翌年から節分が嫌いになる子も少なくありません。
0〜3歳の感受性に合わせた、優しい鬼の演出を考えてみましょう。
かわいい鬼のお面で恐怖心を軽減
市販のリアルな鬼面ではなく、紙皿や画用紙で手作りしたニコニコ顔のかわいい鬼がおすすめです。
ピンクや水色など、子どもが好きな色を使えば「鬼さんかわいい!」と笑顔に。
シールやクレヨンを使って、お子さん自身に顔を描いてもらうのも素敵です。
鬼役はパパママより「ぬいぐるみ」
パパが鬼のお面をかぶった瞬間、号泣・・・というのは0〜3歳児あるある。
代わりに、いつも遊んでいるぬいぐるみに鬼のお面をかぶせたり、紙コップで作った小さな鬼人形を並べたりすると、子どもが主導権を持って「鬼退治ごっこ」を楽しめます。
「やっつけたい鬼」を一緒に考える
少しお話ができる2〜3歳になったら、「怒りんぼ鬼」「好き嫌い鬼」「泣き虫鬼」のように、子どもたちの成長過程の中で克服したいことを鬼に見立てて、「どの鬼さんを追い払おうか?」と相談しながら鬼退治をするのもおすすめです。「ねんねしない鬼」「歯みがきイヤイヤ鬼」など、わが家オリジナルの鬼を作るとぐっと身近になります。
子どもへの伝え方のコツ
節分は日本の大切な伝統行事。
せっかくなら、その意味も子どもに伝えたいですよね。
とはいえ難しい言葉では伝わらないので、年齢に合わせた言い換えがポイントです。
0〜1歳には「雰囲気」で伝える
言葉での理解がまだ難しい時期は、五感で楽しむのが一番。「鬼は外〜、福は内〜」のリズミカルな掛け声、新聞紙ボールを投げる動作、家族の笑い声・・・こうした空気感が「節分って楽しい!」という記憶として残ります。
行事の意味を理解できなくても、家族で過ごす特別な時間そのものに価値があるのです。
2〜3歳には絵本でわかりやすく
絵本は、伝統行事を伝える最高のツール。
節分でなぜ豆をまくのか、鬼にはどんな意味があるのか、子どもでもわかりやすく節分が理解できる絵本がたくさんあります。
優しいタッチで描かれた『おなかのなかにおにがいる』『せつぶんだ まめまきだ』『ふくはうちおにもうち』などは2〜3歳から楽しめます。「節分は季節を分ける日で、みんなが元気に、幸せに過ごせるように願って、悪いものを追い出す日」と伝えるとわかりやすいでしょう。
歌や手遊びで楽しく覚える
「まめまき」のうたは、節分時期の保育園・幼稚園で定番。「おにはそと ふくはうち ぱらっ ぱらっ ぱらっ ぱらっ まめのおと」というシンプルな歌詞で、小さな子どもにも歌いやすいのが魅力です。
手をパラパラと動かしながら歌えば、自然と豆まきの動作も身につきます。

0〜3歳と作れる節分の手作りアイテム
節分当日だけでなく、その前の「準備期間」もぜひ楽しんでください。
月齢に合わせた製作活動は、お子さんの発達にも良い刺激になります。
0歳:足形・手形で作る鬼
赤ちゃんの足形を画用紙にペタッと押せば、その形が鬼の顔に大変身。
絵の具に触れる感触遊びにもなり、成長記録としても残せます。
指スタンプで角や髪を描き足せば、世界にひとつだけのオリジナル鬼の完成です。
1〜2歳:紙コップ豆入れ
紙コップに画用紙のパーツやシールを貼って作るお手軽な豆入れは、のりづけするパーツを工夫すれば1歳児クラスから取り組めます。
紙コップなので持ったまま移動しやすく、豆まきにぴったりです。
シール貼りは1〜2歳が大好きな遊びで、指先の練習にも最適です。
2〜3歳:牛乳パック鬼のお面
少し器用になってきた2〜3歳には、牛乳パックを切り開いて作る鬼のお面がおすすめ。
クレヨンでぐるぐる描いたり、折り紙をちぎって貼ったり、自由に表現する楽しさを味わえます。
完成したお面は、家族写真の撮影小道具としても大活躍。
柊鰯(ひいらぎいわし)の代用工作
本物の柊鰯は、鬼が戸口から入るのを防ぐため「ヒイラギの小枝にイワシの頭をさしたもの」を門や玄関に飾るもので、鬼はイワシとヒイラギが大の苦手とされているからです。
小さな子がいるお家では、画用紙で作った「なんちゃって柊鰯」を玄関に飾るだけでも雰囲気が出ます。
節分当日の楽しみ方プラン
当日をどう過ごすか、ざっくりイメージしておくとスムーズ。
タイムスケジュールの一例をご紹介します。
朝〜昼:絵本タイムと製作仕上げ
朝のゆったりした時間に節分の絵本を読み、お子さんと一緒に新聞紙ボールを追加で作ったり、鬼のお面に色を塗ったり。「今日の夜、鬼さんやっつけようね〜」とワクワク感を高めておきます。
夕方:節分メニューで気分を盛り上げ
本格的な恵方巻きが食べられなくても大丈夫。
海苔の代わりに薄焼き卵で巻いた「ベビー恵方巻」や、おにぎりに海苔で鬼の顔をつけた「鬼さんおにぎり」など、見た目で楽しめるメニューに。
恵方巻きを食べる場合も、海苔は窒息リスクがあるため、必ず小さく切り分け、飲み物を用意して落ち着いて食べさせてください。
節分に恵方巻を食べる家庭もあると思いますが、海苔もかみ切りにくい食品の一つです。
小さな子どもが口に詰め込む状況にならないように、小さく切り分け、飲み物も用意した上で、落ち着いてよくかんで食べられるように工夫しましょう。
夜:いよいよ豆まきタイム
お風呂上がりやごはんの後など、機嫌のいい時間帯を狙いましょう。
本来、鬼は丑寅の刻にやってくるため深夜2時〜4時にまくのが正式ですが、夕食後の午後8時〜10時の間に開始してかまいませんし、別の時間帯でも問題ありません。
小さなお子さんの生活リズムを優先して、無理のない時間に楽しみましょう。
豆まき後の片付けは念入りに
豆まき後の片付けは絶対に手を抜かないこと。
新聞紙ボールでも、もし本物の豆を使った場合でも、床に落ちたものは必ずすべて回収します。
掃除機をかけて、ソファの下や家具の隙間もチェック。
節分でまいた豆を拾って食べてしまわないよう、豆まきの後はきれいに掃除するようにしましょう。
もしもの時の応急対応を知っておこう
万が一に備えて、応急処置の方法も頭に入れておきましょう。
知っているだけで、いざというときの動きが全然違います。
窒息のサインを見逃さない
急に顔色が悪くなる、声が出ない、苦しそうに胸を押さえる、ヒューヒュー音がする・・・こうした様子が見られたら、すぐに対応が必要です。
「ちょっと様子を見よう」は禁物。
迷ったらすぐに救急車を呼びましょう。
背部叩打法と胸部突き上げ法
背部叩打では、片方の手で乳児のあごをしっかり持ち、その腕に胸と腹を乗せて頭側を下げるようにしてうつ伏せにし、もう一方の手のひらの基部で背部を力強く数回連続してたたきます。
胸部突き上げでは、片方の腕に乳児の背中を乗せ、手のひら全体で後頭部をしっかり持ち頭側が下がるように仰向けにし、もう一方の手の指2本で両乳頭を結ぶ線の少し足側を目安とする胸骨の下半分を力強く数回連続して圧迫します。
詳しい手順はこども家庭庁の「こどもの事故防止ハンドブック」でも確認できます。
救急要請の判断基準
「もし、子どもののどに豆が詰まった」場合については、消費者庁は「すぐに救急要請し、指示を仰いでください」としています。
119番通報すると、応急処置の指示を受けながら救急車の到着を待つことができます。
慌てず、まず電話を。
節分を通して育まれるもの
「豆も食べられないし、鬼も怖がるし・・・うちはまだ節分やらなくてもいいかな」と思っているなら、少しもったいないかもしれません。
乳幼児期の行事体験は、子どもの心に「季節の彩り」という宝物を残してくれるのです。
季節を感じる感性が育つ
毎年同じ時期に同じ行事をすることで、子どもの中に「冬の終わりには節分がある」という季節のリズムが刻まれていきます。
日本の四季を肌で感じる経験は、感性豊かな成長につながります。
家族の思い出が積み重なる
手作りした鬼のお面、一緒に丸めた新聞紙ボール、家族みんなで笑った夜・・・どれもがかけがえのない思い出。
写真や動画に残しておけば、お子さんが大きくなったときに見返せる宝物になります。
「無理しない」が一番大切
0〜3歳の時期は、何より「楽しい雰囲気」を味わうことが目的。
豆まきができなくても、お面を作れなくても、絵本を1冊読んだだけでも立派な節分です。
完璧を目指さず、お子さんの機嫌や体調に合わせて、無理のない範囲で楽しみましょう。
まとめ|小さな子どもと安心して節分を
0〜3歳のお子さんと節分を楽しむには、何より「安全」が大前提。
消費者庁の注意喚起にもあるとおり、硬い豆やナッツ類は5歳以下のお子さんには絶対に食べさせないことを、まずは家族みんなで共有しましょう。
その上で、新聞紙ボールやカラーボール、個包装のお菓子など、安全な代替品を使えば豆まきの楽しさは十分に味わえます。
かわいい鬼のお面を手作りしたり、絵本を読んだり、節分の歌を歌ったり・・・お子さんの月齢に合わせたアレンジは無限大です。
大切なのは、伝統行事をきっかけに家族で過ごす特別な時間を作ること。
お子さんが「節分の日って楽しいな」と感じてくれたら、それだけで大成功です。
今年の節分は、ぜひ肩の力を抜いて、わが家らしい節分を楽しんでみてくださいね。
鬼は外、福は内
たくさんの笑顔と幸せが、ご家族のもとに訪れますように。
