「せっかく畳んだ洗濯物をぐちゃぐちゃにされた」「目を離した隙にティッシュが箱ごと空っぽに」「引き出しを開けては中身を全部出す」・・・。1歳を過ぎた頃から始まるいたずらの嵐に、毎日ぐったりしている方も多いのではないでしょうか。
実はこの時期のいたずらは、単なる困った行動ではなく、赤ちゃんが大きく成長している証でもあります。とはいえ、誤飲や思わぬケガにつながる危険もあるため、正しい知識を持って対策することがとても大切です。この記事では、1歳児に多い「ティッシュ」「引き出し」「ゴミ箱」のいたずらについて、発達の背景から具体的な対策、公的機関の事故データ、便利グッズまで、育児中の方が知りたい情報を一つにまとめました。
1歳児がいたずらをする理由
1歳前後の子どもは、歩く・つかむ・引っ張るといった体の動きが急速に発達し、行動範囲がぐんと広がる時期です。
同時に「これは何だろう」「どうなっているんだろう」という知的好奇心も一気に育ちます。
専門家は、こうした行動を単なるいたずらではなく意味のある探索行動として捉えています。
好奇心と発達の関係
子どもの発達に詳しい専門家によると、ティッシュや引き出し、ゴミ箱の中身をとにかく出す行動は、子どもにとって知的好奇心の表れであり、「これ、どうなっているんだろう」という探索行動だとされています。
大人にとっては片付けが増えるだけの困りごとに見えても、子ども自身は真剣に世界を学んでいるのです。
いたずらは成長のサイン
歯科医院のコラムでも、いたずらをする時期の子どもは体だけでなく脳も成長しており、大人には意味がないように見える行動でも子どもにとっては知的好奇心や探究心の表れだと説明されています。
さらに、こうした探索行動を通してさまざまな経験を積むことで、自発性や創造性が育まれていくとも指摘されています。
つまりいたずらは、頭ごなしに否定するべきものではなく、成長のために必要なプロセスと考えると、少し気持ちが楽になるかもしれません。

ティッシュを出すいたずら対策
ティッシュ出しは、1歳児いたずらの「定番中の定番」です。
柔らかく次々と出てくる感触が子どもにとって心地よい刺激になっているため、完全にやめさせるのは難しいものです。
無理にやめさせるより、うまく付き合う工夫がおすすめです。
専用ティッシュ遊びで満足させる
使い終わったティッシュ箱に、いらない布やハンカチ、不織布などを詰めて「出し入れ専用ボックス」を作ってあげる方法は、多くの家庭で取り入れられています。
実際に保育の現場でも、出し入れ専用の物や場所を用意することで、子どもの好奇心が十分に満たされることが知られています。
本物のティッシュ箱と並べておけば、子どもは満足するまで安全に遊ぶことができます。
ボックスの置き場所を工夫する
ティッシュ箱そのものは、子どもの手が届かない棚の上や、扉付きの収納の中に移動させましょう。
どうしてもリビングに置きたい場合は、蓋つきのティッシュケースを利用すると、いたずら防止だけでなくインテリアもすっきりします。
「出す前に予防する」という発想が、日々の片付けストレスを大きく減らしてくれます。
引き出しを開けるいたずら対策
キッチンや洗面所、リビングの収納棚など、家中の引き出しを次々と開けて回るのも1歳児あるあるです。
中には割れ物や刃物、薬品など危険なものが入っている場合もあるため、しっかりとした対策が欠かせません。
チャイルドロックの活用術
市販のチャイルドロックやストッパーは、引き出しいたずら対策の基本です。
粘着タイプ、ネジ止めタイプ、マグネット式などさまざまな種類があるので、収納の素材や開閉頻度に合わせて選びましょう。
特にキッチンの刃物・洗剤収納や、薬を保管している引き出しには必ずロックを設置することをおすすめします。
開けてよい引き出しを用意する
ティッシュ対策と同様に、あえて「開けてもよい引き出し」を一つ作っておくのも効果的です。
中に軽いタオルやプラスチック製の食器、布絵本などを入れておけば、子どもは思う存分出し入れを楽しめます。
全部を禁止するのではなく、安全な選択肢を用意してあげることが、いたずら対策と親子のストレス軽減の両方につながります。
ゴミ箱をあさるいたずら対策
ゴミ箱は子どもにとって「何が入っているかわからない宝箱」のような存在です。
しかし雑菌や小さなゴミ、割れたガラスなどが混じっていることもあり、衛生面・安全面で最も注意したいいたずらの一つです。
フタ付き・踏み開き式に変更
ゴミ箱を選ぶときは、手で簡単に開けられるオープンタイプではなく、フタ付きやペダルを踏んで開閉する踏み開き式を選ぶと、いたずら防止効果が高まります。
特にキッチンや洗面所のゴミ箱は、口に入れると危険なものが捨てられていることも多いため注意が必要です。
置き場所を高い位置や扉の中へ
ゴミ箱自体を、シンク下の扉付き収納の中や、子どもの手が届かない高さに移動させるのも有効です。
どうしても床に置く必要がある場合は、チャイルドロック付きのフタを活用しましょう。
誤飲事故の実態を知っておこう
いたずら対策を考えるうえで欠かせないのが、誤飲・誤嚥事故のリスクです。
ここでは、消費者庁や国民生活センターが公表している一次情報をもとに、実際にどのような事故が起きているのかを見ていきましょう。
公的機関が伝える誤飲事故の実態
消費者庁の調査では、ボタン電池の誤飲事故について、0歳から7歳児のうち1歳児が全体の約58%を占め、最も多い年齢層であることが報告されています。
また、実際に医療機関から寄せられた事例として、引き出しの中に保管していた市販薬の瓶を、1歳児が近くの台を足場にして取り出し、中の錠剤を口に入れてしまい入院に至ったケースも報告されています。
こうした事例からも、「高い場所や引き出しの中だから安全」とは限らないことがわかります。
家庭で今すぐ見直したい危険箇所
国民生活センターでは、日用品による子どもの事故について継続的に注意喚起を行っており、洗剤や殺虫剤を飲料用ペットボトルに移し替えたことによる誤飲事故や、抱っこひもからの落下によるけがなど、家庭内のさまざまな危険について具体的な注意喚起が公表されています。
ティッシュ箱の中の芯、引き出しに入った薬や小物、ゴミ箱の中の電池やビニールなど、いたずらの延長で事故が起きやすい場所を、一度家全体でチェックしてみましょう。

叱る前に知っておきたいこと
いたずらのたびに強く叱ってしまい、後から自己嫌悪に陥ってしまう・・・という経験がある方も多いはずです。
ここでは、子どもの気持ちに寄り添いながら伝えるコツを紹介します。
頭ごなしに叱らないコツ
専門家は、子どもがいたずらをした状況を正確に把握できないまま叱るのは避けるべきで、子どもには行動した自分なりの理由があると述べています。「触ってみたかったんだね」「出したかったんだね」と一度気持ちを言葉にして受け止めるだけでも、子どもは安心し、次第に落ち着いて話を聞けるようになっていきます。
危険な行為には毅然とした対応を
一方で、コンセントを触る、階段から物を投げる、口に入れて危険なものを触るなど、命に関わる危険な行為については、その場ですぐに短く強く伝えることが大切です。
長く説教するよりも、「危ない、ダメ」と短い言葉で繰り返し伝えるほうが、この時期の子どもには伝わりやすいとされています。
毎日を助ける便利グッズ紹介
すべてを気合いと根性で乗り切ろうとすると、育児する側が疲れてしまいます。
市販グッズをうまく活用し、負担を減らしていきましょう。
収納・ロックグッズ
- 引き出し・扉用チャイルドロック(粘着式・ネジ式)
- コンセントカバー・配線カバー
- フタ付き・ペダル式ゴミ箱
- 蓋つきティッシュケース
代わりに遊べるおもちゃ
- 布製の出し入れ遊び用ティッシュボックス
- 引き出し・扉の開閉を楽しめる知育玩具
- ビジーボード(スイッチやファスナーがついた知育ボード)
「禁止」よりも「代替案」を用意するという発想を持つと、いたずら対策のハードルがぐっと下がります。
成長に合わせた見守り方
同じ1歳児でも、月齢によっていたずらの内容や対応の仕方は少しずつ変わっていきます。
1歳前半と後半の違い
1歳前半はまだ歩行が不安定なため、座ったまま手が届く範囲のいたずらが中心です。
後半になると歩行が安定し、台に登って高い場所のものを取ろうとするなど、行動範囲が一気に広がります。
月齢が上がるほど対策の見直しが必要になる点は覚えておきましょう。
2歳に向けて変化する行動
自我がはっきりしてくる2歳前後になると、運動能力がより高まり行動も大きくなるため、いたずらや周囲とのトラブルも増えていく傾向があります。
これは決して悪いことではなく、自分の意思をしっかり持てるようになった成長のあらわれです。
今の対策を続けながら、少しずつ「してもよいこと」の範囲を広げてあげるとよいでしょう。

よくある質問
いたずらは何歳頃まで続きますか?
個人差はありますが、いたずらのピークは1歳後半から2歳前後が多いとされています。
3歳頃になると言葉での理解が進み、少しずつ落ち着いてくる家庭が多いようです。
叱っても全然やめてくれません
1歳児はまだ「ダメ」と言われても、その理由まで十分に理解するのは難しい時期です。
叱ることよりも、環境を整えて危険を避ける対策のほうが効果的な場合が多くあります。
誤飲が心配なときはどうすればよいですか?
普段から誤飲しやすいものを手の届かない場所に移すことが基本です。
万が一何かを口にした可能性がある場合は、自己判断せず速やかに医療機関や地域の相談窓口へ連絡してください。
まとめ
1歳児のいたずらは、ティッシュ・引き出し・ゴミ箱のように毎日の生活の中で繰り返される、育児のあるあるとも言える悩みです。
しかしその裏側には、好奇心と探究心という大切な成長の力が隠れています。
すべてを完璧に防ごうとするのではなく、危険な部分はしっかりガードしつつ、安全に出し入れできる代替案を用意してあげることで、親子ともにストレスを減らしながらいたずらと付き合っていくことができます。
今回紹介した収納の工夫やチャイルドロック、専用の遊び場作りを、ぜひ今日から取り入れてみてください。
いたずらが減っていく頃には、きっと少し寂しさすら感じるかもしれません。
今しかないこの時期を、できるだけ笑って過ごせますように。
より詳しい事故防止のポイントについては、消費者庁「こどもの事故等の防止に関する注意喚起等の公表資料」も参考にしてみてください。
