1歳のお誕生日を迎えると、次に待っているのが予防接種ラッシュです。「同時に何本も打つって聞いたけど大丈夫?」「付き添いは誰が行けばいいの?」「絶対泣くだろうけど、少しでも泣かせない方法はないかな」・・・そんな不安や疑問を抱えている保護者の方はとても多いです。0歳のときの予防接種と違い、1歳児は針を見ただけで怖がったり、診察室に入る前から泣き出したりすることも増えてきます。この記事では、1歳の予防接種における付き添いの基本ルールから、実際に現場で使われている泣かせない工夫、当日の持ち物リストまで、育児中の保護者が知りたい情報を一つの記事にまとめました。読み終える頃には「これなら乗り越えられそう」と前向きな気持ちになれるはずです。

1歳で受ける予防接種の種類と本数
1歳の誕生日を迎えると、それまでとは違う新しいワクチンの接種がスタートします。
まずは全体像を把握しておくことで、当日のスケジュールを立てやすくなります。
1歳から追加される主なワクチン
1歳になったら受けられるワクチンは主に5種類あります。
1歳の誕生日を迎えるにあたり重要な予防接種があり、標準的なスケジュールだと生後7ヶ月ころにB型肝炎ワクチンの3回目を終えてしばらく間隔があいている家庭が多いです。
具体的には、MR(麻しん風しん混合)ワクチン、水痘(みずぼうそう)ワクチン、おたふくかぜワクチン、小児用肺炎球菌ワクチンの追加接種、五種混合(またはヒブ)ワクチンの追加接種が該当します。
このうちおたふくかぜワクチンのみ任意接種(自費)で、残る4つは定期接種(無料)です。
特にMRワクチンは1歳の誕生日から2歳の誕生日の前日までが定期接種の対象期間となっており、できるだけ早めの接種が推奨されています。
MRワクチンの定期接種は2回で、第1期は1歳の1年間(1歳の誕生日の前日から2歳の誕生日の前日まで)と定められています。
接種期限を過ぎると自費になってしまうため、誕生日を迎えたらできるだけ早めに小児科へ相談することをおすすめします。
同時接種は何本まで可能か
「一度にそんなに何本も打って大丈夫なの?」と心配になる保護者は少なくありません。
しかし医学的には同時接種の安全性は世界的に確立されています。
1歳になると、MRワクチン、みずぼうそうワクチン、おたふくのワクチンに加え、小児肺炎球菌ワクチン、5種混合の計5本を同時接種で受けることが可能です。
不安がある場合は、無理に5本すべてを一度に受ける必要はありません。
5本同時接種に抵抗がある場合は2回にわけて接種することも可能で、その場合は先にMRワクチン、水痘ワクチン、おたふくかぜワクチンの3本を接種する方法がおすすめです。
かかりつけ医と相談しながら、お子さんの体調やご家庭のペースに合わせて決めていくとよいでしょう。
同時接種による効果や安全性については、厚生労働省の予防接種情報ページでも確認できます。
予防接種の付き添いは誰がいい?基本ルール
「1歳 予防接種 付き添い」と検索する方の多くが気になっているのが、そもそも誰が付き添いをすればよいのかという点です。
ここでは基本ルールを整理します。
原則は保護者の同伴が必要
予防接種を受ける際は保護者(父母、養育者)の同伴が原則となっています。
ここでいう保護者とは、法律上の親権を持つ人や後見人を指すのが一般的です。
多くの自治体で「保護者同伴が原則」と明記されているため、初めての予防接種では基本的にパパかママのどちらかが同行する必要があります。
保護者以外でも同伴できるケースとは
仕事や体調不良などでどうしても保護者が同行できない場合もあるでしょう。
そんなときのために委任状を提出すれば祖父母などの代理人でも同伴が可能な制度が整っています。
平成20年4月より定期の予防接種について、保護者からの委任状にもとづき、保護者以外の方の同伴が認められています。
代理人(同伴者)の範囲は、普段からお子さんの健康状態をよく知っている方で、例として祖父母・ベビーシッター・保育士・成人の兄弟姉妹・子どもの送迎をしている母親同士などが挙げられます。
委任状の提出方法についても押さえておきましょう。
代理人(同伴者)は保護者が接種日前1か月以内に作成した委任状を医療機関へ持参し、医師の診察・説明を受けた後、接種に同意する場合は代理人(同伴者)が予診票の保護者記入欄(自署欄)に署名することになります。
ただし委任状の書式や運用ルールは自治体によって細かい違いがあるため、事前に必ずお住まいの市区町村のホームページや窓口で最新情報を確認してください。
委任状なしで代理人が同伴すると、当日接種を受けられない可能性があります。

接種当日に必要な持ち物リスト
忘れ物があると当日の接種がスムーズにいかないだけでなく、最悪の場合は接種できないこともあります。
事前にしっかり確認しておきましょう。
必須の持ち物
まず絶対に忘れてはいけないのが母子健康手帳と予診票です。
予防接種当日は予診票(接種券)と母子健康手帳を必ず持参し、予診票は事前に記入を済ませて当日スムーズに提出できるようにしておきます。
また健康保険証や自治体発行の乳幼児医療証(医療費助成の受給者証)も念のため持って行くとよいでしょう。
万が一当日に体調不良で受診が必要になった場合にも対応できます。
あると安心なアイテム
- お気に入りのおもちゃやタオル・・・気をそらすのに役立ちます
- おやつや飲み物・・・接種後にご褒美として、また待ち時間対策に
- 着替え一式・・・予防接種は肩を出す動作があるため、着脱しやすい服がおすすめ
- 抱っこひも・・・待ち時間や移動時の負担軽減に
- 絆創膏の予備・・・自宅で剥がれてしまった場合の対応に
当日の服装は袖をまくりやすい、もしくは前開きの服を選ぶ1歳児は体をよく動かすため、着脱がスムーズな服だと医師や看護師の負担も減り、結果的に接種そのものもスピーディーに終わります。
泣かせないための事前準備と声かけ
1歳児は0歳のときと違い、注射針を見て「痛いことをされる」と学習し始める時期です。
ここでは、実際の小児科クリニックで推奨されている工夫を紹介します。
正直に伝えることが信頼関係につながる
「痛くないよ」と嘘をつきたくなる気持ちはよく分かりますが、実はこれは逆効果になることがあります。
絶対痛くないという伝え方は多少は痛いのでウソになってしまい、控えたほうがよい伝え方とされています。
同様に、直前になって急に伝えるのも避けたいところです。
当日いきなり伝えると大抵は拒絶されてしまいます。
効果的な言葉かけとしては、「ちょっとチクッとするけど、すぐ終わるよ」「終わったらぎゅーってしようね」のように、痛みがあることを認めつつ安心感を与える伝え方が適しています。
注射前にご褒美を先出しするのはNGです。
先にご褒美を渡してしまうと、注射を打ってからのご褒美という順序が大切なため望ましくありません。
接種中の抱き方と気そらしのコツ
接種の瞬間、保護者の抱き方一つで子どもの安心感は大きく変わります。
抱っこできる年齢の子どもは、体をぎゅっと抱きしめながら注射と反対側の手を握ってあげることがすすめられています。
体をしっかり固定してあげることで、暴れて針がずれるリスクも減らせます。
気をそらす方法としては、お気に入りのぬいぐるみを持たせる、窓の外を見せる、歌を歌うといった工夫が有効です。
ベテランの小児科医によれば、子どもが泣き出すタイミングにはパターンがあるとも言われています。
子供の泣くポイントは4ヶ所あり、小児科に入ってきた時、診察の時に看護師や医師の顔を見た時、注射の針をさした時、注射を押し入れた時とされています。
つまり、注射そのものよりも「これから痛いことが起きる」という予感で泣き出すケースが非常に多いということです。
だからこそ、入室前の声かけや気そらしが重要な意味を持ちます。
接種当日に「悪い子だから注射される」といった言い方は絶対に避けましょう。
悪い子だから注射してもらうという言い方は自己肯定感を下げるため控えるべきとされています。
また泣いてしまうこと自体は自然な反応なので、叱らずに受け止めてあげることが大切です。
注射当日は泣いてもまったく構わず、実施できたらとにかく褒めてあげることが推奨されています。

接種前後の授乳・食事のタイミング
空腹や満腹の状態は、当日の機嫌や副反応の見え方にも影響します。
適切なタイミングを知っておきましょう。
接種前は30分前までに済ませておく
授乳や食事は接種の30分前までに済ませておくのが基本です。
接種時に赤ちゃんが空腹で泣いてしまわないよう、授乳や離乳食は病院へ出発する30分前までに済ませておくとよいとされています。
ロタウイルスワクチンのような経口タイプを受ける場合は、さらに時間を空ける必要があります。
経口で飲むワクチンを受ける場合は、げっぷや嘔吐でワクチンを吐き出さないよう接種1時間前までには授乳を終えておくことが望ましいとされています。
接種後は30分程度時間を空けてから
接種が終わってすぐに授乳したくなる気持ちも分かりますが、少し待つのが安全です。
接種後すぐの授乳は避け、30分以上の時間を空けてから授乳することがすすめられています。
理由は接種後の副反応がおおよそ30分以内に起こることが多いためです。
このため、接種後は院内や近くの場所で30分ほど様子を見てから移動することをおすすめします。
多くの小児科クリニックの待合室にはこの目的のためのスペースが用意されています。
接種後に気をつけたい症状と受診の目安
予防接種後は多少の発熱や機嫌の悪さが見られることがありますが、どこまでが「よくある反応」で、どこからが受診の目安なのかを知っておくと安心です。
よくある副反応とその経過
接種後の発熱や機嫌の悪さは決して珍しいことではありません。
予防接種を受けた後の副反応は生ワクチンを除き、一般的には接種後12時間から1週間以内に発生し、発熱、食欲減退、傾眠傾向、易刺激性、接種部位の発赤や腫脹などが見られます。
1歳を過ぎた子どもであれば、症状が発熱のみで機嫌がよく元気な場合には経過観察が可能とされています。
受診を検討すべきサイン
一方で、注意が必要なケースもあります。
24時間以上発熱が続く場合や、発熱以外の症状が強く出ている場合は速やかに受診してください。
24時間以上発熱が続く場合や発熱以外の症状がある場合には再診が推奨されています。
また、いつもと違う激しい泣き方が続く場合も注意深く見守る必要があります。
赤ちゃんはこの体の不調を言葉で表すことができないため、なんだか調子が悪いという違和感を泣いたりぐずったりすることで表現していると考えられています。
心配な症状があれば、自己判断せずにかかりつけ医や自治体の相談窓口に連絡することが何よりも大切です。
接種を延期すべきケースの見分け方
当日の体調によっては、予防接種を延期したほうがよい場合もあります。
無理に接種を強行する必要はありません。
発熱がある場合の判断基準
接種当日の朝は体温を測り平熱か確認し、一般的に37.5度以上の発熱がある場合は接種を延期するのが安全とされています。
ただし鼻水や咳など軽い風邪症状程度なら受けられる場合もあるため、自己判断せず病院に相談することが望ましいです。
予診票への記入で伝えるべき情報
些細に思えることでも、当日の体調に関する情報は積極的に伝えましょう。
昨日まで便秘気味だった、昨夜少し夜泣きしたといった些細な情報でも、医師が総合的に判断して接種の可否を決めるための材料になります。
気になる症状があれば、事前に予診票へ記入し、受付や予診の際に必ず伝えてください。
スケジュールが遅れても焦らなくて大丈夫
体調不良やスケジュールの都合で接種が遅れてしまうこともあるでしょう。
そんなときも慌てる必要はありません。
接種スケジュールがずれた場合の考え方
接種が遅れても、最初からやり直す必要はありません。
気づいた時点ですぐにかかりつけ医に相談すれば、お子さんの状況に合わせて最適な接種スケジュールを一緒に計画できます。
大切なのは、中断せずに最後まで接種を完了することです。
スケジュール管理に完璧を求めすぎず、気づいたタイミングで相談するという姿勢を大事にしてください。
ワクチンで防げる病気のリスクを理解する
副反応への不安から接種をためらう保護者もいますが、病気にかかった場合のリスクと比較して考えることが大切です。
副反応の多さに驚くかもしれませんが、その多くは一時的なものであり自然に軽快します。
それに対して、ワクチンで防げる病気にかかった場合の後遺症や命のリスクは、副反応のリスクよりもはるかに大きいとされています。
正しい知識を持つことで、迷いなく接種のスケジュールを組んでいけるはずです。
まとめ
1歳の予防接種は、本数も種類も増えて保護者にとって負担に感じる時期ですが、正しい知識と準備があれば決して怖いものではありません。
付き添いは原則保護者本人ですが、やむを得ない事情がある場合は委任状を用意することで祖父母などの代理人でも対応できます。
当日は母子健康手帳や予診票などの持ち物を忘れずに準備し、授乳や食事のタイミングにも気を配りましょう。
泣かせない工夫としては、正直な言葉で事前に伝えること、抱きしめながら気をそらすこと、そして終わったあとにしっかり褒めてあげることがポイントです。
接種後は30分程度様子を見て、発熱などの症状が出ても慌てず、24時間以上続く場合や気になる症状があれば早めに医療機関に相談してください。
スケジュールが多少ずれても、焦らずかかりつけ医と相談しながら進めていけば大丈夫です。
この記事が、これから1歳の予防接種に臨む保護者の方にとって、少しでも心強い味方になれば幸いです。