「うちの子、最近テレビの中の丸い顔にすごく反応する」「1歳になってから急にキャラクターグッズに手を伸ばすようになった」 そんな変化に気づいて、わが子の成長を感じているパパ・ママも多いのではないでしょうか。1歳前後は視覚や言葉の発達が大きく進む時期で、キャラクターへの興味はその発達のサインでもあります。この記事では、1歳児に人気のキャラクターの傾向や男女による違い、そして親子でキャラクターをもっと楽しむためのヒントを、調査データや発達の知見を交えながら詳しく紹介します。
なぜ1歳児はキャラクターが好きになるの
1歳の赤ちゃんがキャラクターに興味を示すのには、ちゃんとした発達上の理由があります。
まだ言葉を十分に話せない時期でも、視覚や聴覚を通じてしっかりとキャラクターの魅力を感じ取っているのです。
丸い形とはっきりした色に惹かれる視覚の発達
1歳児の視力はまだ発達の途中で、はっきりとした色や輪郭の図形に強く反応するという特徴があります。
視覚機能面(視力)においては、生後6カ月頃で0.1~0.2、1歳でも0.3程度とまだそれほど良くありませんが、赤色や黄色などのはっきりした明るい色には興味を示すと言われています。
また、このくらいの月齢の子どもは丸い形をした物にも惹きつけられることも分かっています。
多くの人気キャラクターが丸みを帯びたフォルムで描かれているのは、こうした乳児の視覚的な好みに合っているからだと考えられます。
顔のような図形を好む乳児期特有の性質
アメリカの発達心理学者ロバート・ファンツの研究では、「コントラストが低い図形」より「コントラストが高い図形」、「単純な図形」より「人の顔のような図形」を好む傾向があるという結果が示されています。
丸い顔・はっきりした色・正面を向いた表情という組み合わせは、まさに視力発達の途中にある乳児にとって最も認識しやすいデザインなのです。
最大の理由は、丸い顔・はっきりした色・正面の笑顔という視覚的特徴が視力発達途中の乳児でも認識しやすい点にあるとも指摘されており、これは多くの幼児向けキャラクターに共通する設計思想といえます。

発音しやすい名前も好きになるきっかけに
1歳を過ぎると喃語から少しずつ意味のある言葉へと発達していきますが、この時期に発音しやすい名前のキャラクターは特に愛着を持たれやすい傾向があります。「アンパンマン」は乳児にとっても発音しやすい言葉であるため、自分からも呼びかけることができより一層アニメやキャラクターに夢中になれると言われており、赤ちゃんが最初に発する言葉の一つとしてキャラクター名が挙がることも珍しくありません。
名前を呼べるようになることが、さらに好きという気持ちを強める好循環を生んでいるのです。
1歳児に人気のキャラクターランキング
実際に1歳前後の子どもに人気が高いキャラクターにはどのようなものがあるのでしょうか。
各種調査結果と保育・育児の現場の声をもとに紹介します。
総合1位はやっぱりアンパンマン
0〜2歳児の間で圧倒的な支持を集めているのが「それいけ!アンパンマン」です。
保育士視点でまとめられた調査でもアンパンマンが0〜2歳で40%超の支持を誇るとされており、丸くはっきりした顔立ちと、困っている人を助けるというシンプルで分かりやすいストーリーが、小さな子どもの心をつかんでいます。
長年にわたり幅広い年代から愛され続けている、まさに定番中の定番キャラクターといえるでしょう。
NHK Eテレのいないいないばあっシリーズ
0歳から楽しめる番組として長年支持されているのが、NHK Eテレの「いないいないばあっ!」に登場するワンワンやうーたんです。
公式情報によると0歳の赤ちゃんから楽しめる番組で、映像と音で感覚を揺さぶることにより、子どもたちのさまざまな可能性と能力を引き出すことをねらいとしている番組であり、1996年の番組開始以来、ワンワンはレギュラー出演を継続している長寿キャラクターです。
番組自体も乳幼児に配慮した作りになっており、テレビをまだ長時間見られない1歳児でも無理なく楽しめる工夫が随所に施されています。
ディズニーやミッフィーなど海外キャラクターも人気
赤ちゃん向けキャラクターというと国内発のものを想像しがちですが、実は海外生まれのキャラクターも根強い人気があります。
赤ちゃんとママを対象にしたアンケートでは、ママが好きなキャラクターの1位はディズニーキャラクター、2位はアンパンマン、3位はミッフィーだったという結果が出ています。
親が選ぶ絵本やぬいぐるみを通じて、赤ちゃん自身も自然とこれらのキャラクターに親しんでいくケースが多いようです。

男の子に人気が高いキャラクターの傾向
1歳頃はまだ性別による好みの差は小さいものの、成長するにつれて徐々に傾向が見えてきます。
乗り物系・ヒーロー系キャラクターが好まれやすい
男の子は電車や車といった乗り物が登場するキャラクター、また正義のヒーローが活躍するストーリーに惹かれやすい傾向があります。
実際に3〜12歳を対象にした最新の調査でも、おとこの子1位は「MINECRAFT(マインクラフト)」で、プログラミング教育の一環として小学校の授業でも活用されるなど、子どもたちに浸透し人気を獲得しているという結果が出ており、続く2位には根強い人気を誇る「スーパーマリオ」がランクインしています。
1歳の時点では直接これらのゲームキャラクターに触れる機会は少ないものの、こうした「動きがあり、活躍するキャラクター」への嗜好は乳児期から少しずつ芽生えているとも考えられます。
成長とともにマインクラフトや戦隊ものへ
1歳では丸くて優しい顔のキャラクターを好んでいた子も、2歳、3歳と成長するにつれて、より複雑なストーリーやアクション性のあるキャラクターに興味が移っていく傾向があります。
今好きなキャラクターがずっと同じとは限らないという点は、親としてぜひ覚えておきたいポイントです。
女の子に人気が高いキャラクターの傾向
女の子の場合は、可愛らしいデザインのキャラクターやファッション性のあるキャラクターへの支持が高くなる傾向があります。
サンリオキャラクターの根強い人気
最新の調査結果を見ると、おんなの子1位は「ちいかわ」。
2025年はコラボレーション企画の展開に加え、初の大型体験型施設「ちいかわパーク」がオープンするなど話題が続き、その人気ぶりが感じられましたとされています。
さらに「すみっコぐらし」は変わらぬ人気で3位にランクイン。
4位の「クロミ」は、前回7位から順位を上げましたという結果からも分かるように、サンリオ系のキャラクターは女の子から絶大な支持を集め続けています。
1歳のうちはまだこうしたキャラクターの世界観を理解するのは難しいですが、パステルカラーや丸みのあるデザインは1歳児の視覚的好みとも相性が良く、成長後の人気につながっていくと考えられます。
プリキュアやディズニープリンセスへの憧れ
過去のアンケート調査でも、3〜5歳では「プリキュアシリーズ」が1位(29.2%)にランクインするなど、少し年齢が上がると憧れの存在としてプリキュアやディズニープリンセスが選ばれやすくなります。
1歳の時点ではまだ物語の内容よりも、色使いやキャラクターの表情に反応している段階といえるでしょう。
男女で好みに差が生まれる理由
同じ1歳児でも、なぜ男女で好みの傾向に差が出始めるのでしょうか。
色や形の好みの違い
個人差はあるものの、成長するにつれて色の好みにも男女差が出やすくなることが知られています。
1歳のうちは男女差よりも個人差の方が大きいため、「男の子だから」「女の子だから」と決めつけずに、目の前の子どもが何に反応しているかをよく観察することが大切です。
周囲の大人や兄姉からの影響
上に兄や姉がいる場合、その影響で好みのキャラクターが決まってくることも少なくありません。
また、親が選ぶ絵本やおもちゃ、テレビ番組の傾向も、1歳児の好みの形成に大きく関わっています。
周りの大人が見せているものが、そのまま子どもの「好き」の入り口になりやすいという点は覚えておきたいポイントです。
成長で変わる人気キャラクターの移り変わり
キャラクターへの興味は、年齢とともにダイナミックに変化していきます。
1歳から2〜3歳にかけての変化
過去の調査データからも、年齢によって人気キャラクターが大きく入れ替わる様子がうかがえます。
0〜2歳では「それいけ!アンパンマン」が65.6%と圧倒的な支持を集める一方、3〜5歳になると「プリキュアシリーズ」が1位になるという結果が示すように、1歳児の「好き」は永遠に続くものではなく、成長とともに変化していくのが自然です。
今アンパンマンに夢中でも、2〜3歳になれば全く違うキャラクターに興味が移ることは何も心配することではありません。
就学前後でさらに好みが広がる
3〜12歳を対象にした最新の調査では、3~12歳男女の人気ランキング1位は「ドラえもん」。
2024年10月度調査(前回)2位からランクアップし、2023年調査ぶりに首位を奪還しましたという結果が出ています。
年齢が上がるにつれて、テレビアニメやゲーム、友達との会話から得た情報がキャラクターの好みに影響を与えるようになり、選択肢はどんどん広がっていきます。

好きなキャラクターとの楽しい関わり方
子どもが好きなキャラクターを見つけたら、それを育児にうまく取り入れることで、親子の時間がぐっと楽しくなります。
絵本や歌で語りかけの時間を増やす
好きなキャラクターが登場する絵本を読んだり、テーマソングを一緒に歌ったりすることは、言葉の発達を促す良い機会になります。
キャラクターを介したコミュニケーションは、1歳児にとって新しい言葉を覚える絶好のきっかけになります。
名前を呼んだり、指差しをしたりする様子が見られたら、たくさん褒めてあげましょう。
グッズを毎日の生活習慣に取り入れる
歯ブラシやコップ、お食事エプロンなど、好きなキャラクターのグッズを生活の中に取り入れることで、歯磨きや食事といった生活習慣が身につきやすくなる効果も期待できます。「アンパンマンが見ているよ」「ワンワンと一緒にやろうね」といった声かけは、日々の育児を楽しくしてくれる工夫のひとつです。
キャラクターグッズを選ぶときの注意点
キャラクターグッズは育児の強い味方ですが、選ぶ際にはいくつか気をつけたいポイントがあります。
誤飲や安全性への配慮
1歳児は何でも口に入れてしまう時期のため、小さなパーツが取れやすいグッズやシールなどは誤飲の危険があるので注意が必要です。
購入前には対象年齢の表示を必ず確認し、パーツの大きさや素材の安全性をチェックする習慣をつけましょう。
好みが変わることを前提に選ぶ
1歳児の「好き」は数か月単位で変わることも珍しくないため、高価なグッズをまとめ買いするのは避けたほうが安心です。
まずは絵本や小さなぬいぐるみなど、手に取りやすいものから試してみて、子どもの反応を見ながら少しずつ増やしていくのがおすすめです。
1歳とキャラクターに関するよくある質問
Q. 1歳なのにまだキャラクターに全く反応しません。
大丈夫でしょうか。
A. 個人差が大きい部分なので心配しすぎる必要はありません。
アンパンマンに興味を持ち始めるのは生後6ヶ月〜1歳ごろが目安ですが、1歳半〜2歳頃に突然ハマり出す子も珍しくなく、1歳時点で反応が薄くても発達上の心配はいらないとされています。
焦らず様子を見守りましょう。
Q. 男の子なのに可愛いキャラクターばかり好きです。
心配ですか。
A. 全く問題ありません。
1歳の時期は性別による好みの差よりも、個々の子どもの感性や興味の方がずっと大きな影響を持っています。
好きという気持ちを否定せず、そのまま受け止めてあげることが大切です。
Q. 好きなキャラクターが頻繁に変わるのですが、普通ですか。
A. とても自然なことです。
年齢ごとの調査結果を見ても、キャラクターの人気は年々入れ替わっており、成長とともに好みが変化するのはむしろ健全な発達のサインといえます。
まとめ
1歳児がキャラクターを好きになる背景には、視覚や言葉の発達といったしっかりとした理由があります。
アンパンマンやいないいないばあっといった定番キャラクターは、丸い形やはっきりした色使いなど、まさにこの時期の子どもに合わせたデザインになっているからこそ長年愛され続けているのです。
男の子・女の子でキャラクターの好みに違いが出てくるのは自然なことであり、そこに優劣や心配はありません。
大切なのは、目の前の子どもが今何に夢中になっているかをよく観察し、その「好き」を毎日の育児にうまく取り入れていくことです。
キャラクターという共通言語を通じて、親子の会話や触れ合いの時間がもっと豊かで楽しいものになりますように。
