「今日も残さず食べてくれた!」「あんなに好きだったのに急に食べなくなった・・・」1歳になると、赤ちゃんだった我が子に少しずつ好き嫌いや好みが出てきて、戸惑うパパやママも多いのではないでしょうか。離乳食完了期から幼児食へと移行するこの時期は、味覚や咀嚼機能がぐんと発達し、食への興味が広がる大切な時期です。この記事では、1歳児が実際に好んで食べているメニューの傾向や、公的機関のデータをもとにした離乳食完了期の目安、好き嫌いが出てきたときの向き合い方まで、育児がもっと楽しくなるヒントをたっぷりお届けします。
毎日の献立作りに悩んだときや、うちの子だけ食べてくれないのかな・・・と不安になったときに、ぜひ読み返していただきたい内容をまとめました。

1歳児の味覚と食の発達の特徴
1歳前後は、離乳食から幼児食へと切り替わる大きな節目です。
まずは、この時期の赤ちゃんの体と心にどのような変化が起きているのかを知っておきましょう。
離乳食完了期は12〜18か月が目安
厚生労働省の授乳・離乳の支援ガイドでは、離乳食完了期を始める目安は12~18ヶ月ごろ(1歳~1歳6ヶ月)とされていますが、個人差があるため、赤ちゃんの様子をよく観察しながらそれぞれのペースで進めていくことが大切です。
実際の調査でも、離乳食の完了時期は「13〜15か月」の割合が最も高いという結果が出ており、多くの家庭が1歳を過ぎた頃に離乳食を卒業していることがわかります。
この時期になると、形のある食べ物を噛みつぶすことができるようになり、必要なエネルギーや栄養素をほぼ母乳やミルク以外の食べ物から摂れるようになります。
食事のリズムも1日3回に加えて補食(おやつ)を取り入れるスタイルへと変わっていく大切な時期です。
個人差が大きいので、周りの子と比べすぎないことが何より大切です。
咀嚼力と手づかみ食べの発達
1歳を過ぎると奥歯が生え始める子も増え、前歯でかじり取り、歯茎や生え始めの奥歯でつぶして食べる練習が進みます。
同時に、自分でスプーンを持ちたがったり、手づかみで食べ物を口に運んだりする姿も見られるようになります。
この「自分で食べたい」という気持ちは、食への興味や自立心の芽生えでもあるため、多少散らかっても温かく見守ってあげることが望ましいでしょう。
味覚が敏感になる時期でもある
1歳児は大人よりも味覚が繊細で、特に酸味や苦味に敏感だといわれています。
トマトやピーマンなど酸味・苦味のある食材を嫌がる子が多いのも、この味覚の特性が関係しています。
逆に、自然な甘みのある食材は好まれやすい傾向にあります。
1歳児が好きな食べ物ランキングTOP10
ここからは、幼児期の子どもが実際に好んで食べているメニューの傾向を、複数の調査データから見ていきましょう。
幼児全体で人気のメニュー傾向
保育・人材サービスを手がける企業が実施した幼児対象の調査によると、幼児が家で食べる好きな食べ物についてアンケートを行ったところ、全体の回答では1位が「カレーライス」、2位が「唐揚げ」、3位は「オムライス」、4位「うどん」、5位「ハンバーグ」「ラーメン」という結果になったそうです。
保育園の給食で好きな献立についても1位が「カレーライス」、2位が「唐揚げ」、3位は「うどん」、4位「肉料理」、5位「スパゲッティ」という結果となっており、家庭でも園でも似た傾向が見られます。
1歳児に限定すると、まだ濃い味付けのカレーやラーメンをそのまま提供するのは難しいものの、これらのメニューを薄味・手づかみサイズにアレンジしたものは非常に人気が高い傾向にあります。
例えば、カレー味のポテトや野菜、うどんを短く切ったもの、小さなハンバーグなどは1歳児にも大人気です。

野菜では「さつまいも」が不動の人気
子育て世代を対象にした野菜に関する調査では、幼児期の子どもが好きな野菜1位は「さつまいも」という結果が出ています。
さらに興味深いことに、1歳児は約6割が野菜好きである一方、3歳児は3割超と少なめという結果も出ており、実は1歳前後は野菜嫌いになりにくい「野菜好きゴールデンタイム」ともいえる時期なのです。
にんじんやかぼちゃなど自然な甘みのある野菜がよく使われる食材として人気があることも、この調査からわかります。
1歳児が嫌いになりやすい野菜にも傾向がある
一方で、嫌いな野菜は1歳児では「トマト」が多く挙げられているという結果も出ています。
トマトは酸味があるため、敏感な味覚の1歳児には苦手意識を持たれやすいのかもしれません。
無理に食べさせようとせず、加熱してケチャップのように調理したり、他の食材と混ぜたりする工夫が効果的です。
好まれる調理法と味付けの傾向
ランキングの結果から見えてくるのは、メニューの種類そのものだけでなく「調理法」にも一定の傾向があるということです。
とろみ・やわらかさのある食感が人気
離乳食完了期はまだ噛む力が発達途中のため、カレーやシチュー、あんかけなど「とろみのある」料理は食べやすく、人気メニューの上位に入りやすい傾向があります。
パサつきやすい食材は、あんかけにしたり、だし汁でまとめたりすると格段に食べやすくなります。
手づかみできる形状が好まれる
おにぎり、スティック野菜、小さめのハンバーグなど、手で持って自分で口に運べる形状のメニューは1歳児から絶大な支持を得ています。
自分で食べる達成感が食欲につながるため、忙しい日でも「手づかみメニュー」を一品取り入れるのがおすすめです。
薄味でも「だし」の効いたメニューが人気
1歳児の食事は塩分を控えることが基本ですが、薄味だからといって味気ないわけではありません。
かつお節や昆布だし、野菜の甘みを活かしたメニューは、薄味でも満足感を得やすく、人気メニューに共通する特徴のひとつです。

人気メニューに共通する3つの特徴
ここまでのデータを整理すると、1歳児に人気のメニューには共通するポイントが見えてきます。
特徴1:自然な甘みがある
さつまいも、かぼちゃ、にんじん、コーンなど、素材そのものに甘みのある食材を使ったメニューは、味付けを工夫しなくても好まれやすい傾向にあります。
特徴2:見た目が単色でシンプル
複雑に混ざり合った料理よりも、色がはっきり分かれていて何を食べているのか認識しやすいメニューのほうが、警戒心なく口に運びやすいといわれています。
特徴3:家族と同じメニューをアレンジしたもの
大人が食べているメニューを薄味・小さめサイズにアレンジしたものは、「みんなと同じものを食べている」という満足感につながり、好んで食べてくれるケースが多く見られます。
ハンバーグやカレー、うどんなどはその代表例といえるでしょう。
好き嫌いが出てきたときの向き合い方
1歳を過ぎると、それまでパクパク食べていたものを急に嫌がるようになる「イヤイヤ期」の兆しが見え始めることもあります。
ここでは専門家の見解をもとにした向き合い方を紹介します。
好き嫌いは成長の証と捉える
保育の現場では、お友だちが食べているのを見て「自分も食べてみようかな」という気持ちになることも多いとされており、集団の中で食への興味が広がっていくケースも少なくありません。
家庭でも、パパやママが美味しそうに食べる姿を見せることが、子どもの食への興味を引き出す第一歩になります。
無理強いせず「食べる楽しさ」を優先する
専門家によれば、食事を始めたばかりの子供は初めて出合う食べ物がほとんどであり、スピードが落ちたり食べなかったりする姿は当然だといわれています。
無理に完食させようとするのではなく、まずは食卓を楽しい雰囲気にすることを最優先にしましょう。
擬音語や声かけで興味を引き出す
保育の現場で実践されている方法として、0歳や1歳の乳幼児には「もぐもぐ」や「ぱくん!」など擬音を活用した食事補助がおすすめとされています。
家庭でも「もぐもぐしようね」「あーん」といった声かけを取り入れることで、食事の時間がより楽しいものになります。
少しでも食べられたら大げさに褒める
苦手な食材を一口でも口にできたときは、大げさなくらい褒めてあげましょう。
成功体験の積み重ねが、次のチャレンジへの意欲につながります。
1歳児の食事で気をつけたい注意点
楽しく食べることと同じくらい大切なのが、安全面への配慮です。
ここでは特に注意したいポイントを紹介します。
誤嚥・窒息のリスクがある食材に注意
豆類、ミニトマト、ぶどう、こんにゃくゼリーなど、丸くてつるっとした食材は喉に詰まらせる危険があるため、1歳児にそのままの形で与えるのは避けましょう。
与える場合は必ず小さく切り、食べている間はそばで見守ることが重要です。
はちみつは1歳を過ぎるまで与えない
満1歳未満の乳児には、乳児ボツリヌス症のリスクがあるため、はちみつを絶対に与えないでください。
1歳を過ぎても、初めて与える際は少量から様子を見ることをおすすめします。
心配な場合はかかりつけの小児科医に相談しましょう。
塩分・糖分の摂りすぎに注意
1歳児の内臓機能はまだ発達途中のため、大人と同じ味付けは塩分・糖分ともに濃すぎます。
1歳以降は牛乳またはミルクを1日300〜400mlコップで与えることが目安とされていますが、飲みすぎるとお腹がいっぱいになり、食事量が減ってしまうこともあるため量の調整も意識しましょう。
手づかみ食べを促す人気メニューの工夫
「手づかみ食べ」は1歳児の発達において重要なステップです。
ここでは家庭で簡単に取り入れられる工夫を紹介します。
おにぎりは小さめの俵型にする
ご飯を小さめの俵型ににぎるだけで、1歳児でも持ちやすくなります。
中に鮭フレークやしらす、刻んだ野菜を混ぜ込むと栄養バランスも整います。
野菜はスティック状にカットする
にんじんやかぼちゃ、さつまいもなどは、やわらかく茹でてスティック状にカットすると、1歳児でも持ちやすく食べやすい形状になります。
断面が滑らかになりすぎないよう、少し粗めに切ることで持ちやすさがアップします。
ハンバーグや卵焼きは一口サイズに
幼児食の定番であるハンバーグは、豆腐や野菜を混ぜ込むことで栄養価もアップし、しっとりとした食感になり1歳児でも食べやすくなります。
卵焼きも一口大にカットしておくと、手づかみメニューとして活躍します。
保育園給食から見る人気メニューのヒント
毎日多くの子どもたちに食事を提供している保育園の給食メニューは、家庭の献立作りのヒントの宝庫です。
行事メニューは特に人気が高い
保育園では、カボチャやキノコ、レンコンを使用した「秋野菜カレーライス」や、節分には鬼の顔を作った「鬼カレー」などを提供している園もあり、季節感やイベント性を取り入れたメニューは子どもたちの印象に残りやすいようです。
家庭でも、盛り付けを少し工夫するだけで食いつきが変わることがあります。
栄養士による手作りルーへのこだわり
ある保育園グループでは市販のルーは使用せず、ルーから手作りしているというこだわりも紹介されています。
市販のベビーフードやルーを使う際も、1歳児向けには薄味タイプを選ぶなど、家庭でも取り入れられる工夫といえるでしょう。
よくある質問
Q. 1歳児がまったく野菜を食べません。
どうすればいいですか?
A. 無理に単体で食べさせようとせず、ハンバーグやおにぎりに混ぜ込む、スープにして飲みやすくするなど「気づかないうちに摂取できる」工夫がおすすめです。
前述の調査でも1歳児は約6割が野菜好きという結果が出ているため、焦らず色々な調理法を試してみましょう。
Q. 好きな食べ物ばかり食べたがるのは問題ありませんか?
A. 1歳前後は味覚や食への興味が発達している最中であり、好きなものばかり食べたがるのは自然な発達過程の一部です。
長期的な栄養バランスは1食単位ではなく1週間単位で考えるくらいの心構えでいると、パパやママの気持ちも楽になります。
心配な場合は自治体の保健センターや小児科で相談してみましょう。
Q. 大人と同じメニューをアレンジして与えても大丈夫ですか?
A. 塩分・糖分を控えめにし、食材を小さく柔らかく調理すれば、大人と同じメニューを取り分けて与えることが可能です。
家族で同じメニューを囲むことは、食への興味や食事の楽しさを育む良い機会にもなります。
詳しい進め方は、厚生労働省の授乳・離乳の支援ガイドも参考にしてみてください。
まとめ
1歳児の好きな食べ物には、自然な甘みがある、手づかみしやすい形状である、家族と同じメニューをアレンジしているといった共通の傾向があることがわかりました。
カレーライスや唐揚げ、ハンバーグ、うどんといった定番メニューは、薄味・小さめサイズにアレンジすることで1歳児からも大人気のメニューになります。
一方で、好き嫌いが出てくることや、急に食べなくなることも、この時期には自然な成長の一過程です。
完食させることよりも、食卓を楽しい雰囲気にすることを大切にしながら、少しずつ色々な食材や味に触れさせてあげましょう。
誤嚥や窒息、はちみつの誤食など安全面には十分注意しつつ、毎日の食事の時間が親子にとって笑顔あふれるひとときになることを願っています。