「周りの子はもうストローで上手に飲んでいるのに、うちの子はまだ・・・」「1歳を過ぎたのにストローを噛んでばかりで全然練習にならない」。そんな悩みを抱えていませんか。ストロー飲みの習得には個人差が大きく、1歳になったからといって焦る必要はまったくありません。この記事では、1歳児のストロー練習について、開始のタイミングから具体的なステップ、嫌がる時の対処法、歯並びへの影響まで、育児の現場で役立つ情報を丁寧にまとめました。読み終わる頃には、今日から試したくなる練習方法がきっと見つかります。
ストロー飲みとは?1歳児の発達との関係
ストロー飲みは、母乳やミルクを飲む「吸啜(きゅうてつ)」の動きとは異なり、唇でストローを挟んで空気圧の差で液体を吸い上げるという、より高度な口の動きが必要な行為です。
1歳前後は口や舌の機能がぐんと発達する時期であり、ストロー飲みを習得しやすいタイミングのひとつとされています。
吸啜反射との違い
ストロー飲みは、同じ「吸う」でもおっぱいや哺乳瓶とは舌の動きが異なります。
1歳児になると吸啜反射は消失して無くなり、様々な舌の動きができるようになってきます。
つまり、赤ちゃんの頃に自然にできていた「吸う」動作とは全く別のスキルとして、新しく覚え直す必要があるのです。
だからこそ、練習を始めてすぐにできなくても当然だと理解してあげることが大切です。
コップ飲みとの違い
コップ飲みは唇でコップの縁を挟み込み、傾けて流れ込む水分を飲み込む動作です。
一方でストロー飲みは、頬や舌を使って吸引力を生み出す必要があり、実はコップ飲みよりも難易度が高い動作だといわれています。
専門家の間ではスプーンを使用して少量の水をすするように飲む練習から始め、1ヶ月程度でスプーン飲みに慣れてから、口の中で液体をコントロールする感覚を養うのがよいとされています。
焦ってストローから始めるより、順序立てて進める方がスムーズなケースも多いのです。

1歳からの練習は遅い?平均的な開始時期
結論からいうと、1歳からストロー練習を始めても決して遅くはありません。
むしろ、無理に早めるよりも赤ちゃんの発達に合わせて進める方が結果的にスムーズです。
月齢別の開始時期の目安
ある調査では、ストロー飲みの練習開始時期について0〜3ヶ月が5%、4〜6ヶ月が18%、7〜9ヶ月が60%、10ヶ月〜1歳が13%、1歳1ヶ月以降が4%という結果が出ています。
つまり7〜9ヶ月頃に始める家庭が最も多いものの、1歳前後で始めるケースも一定数あることがわかります。
また別の情報ではほとんどの赤ちゃんは生後8ヵ月頃までに練習をはじめ、1歳頃にはストローマグを使えるようになるとされています。
個人差を気にしすぎない
目安として、1歳半になるころにはストロー飲みをできるようになる赤ちゃんが多いですが、赤ちゃんには個人差があるので、この時期に上手くできなくても焦る必要はありません。
育児情報サイトを見比べていると「うちの子は遅れているのでは」と不安になりがちですが、1歳半頃までにできるようになれば十分に平均的な範囲だと考えて大丈夫です。
練習前に知っておきたい正しい順番
ストロー飲みの練習を始める前に、口の発達の順序を知っておくと、練習の進め方に納得感が生まれます。
スプーン→コップ→ストローの流れ
多くの小児科医や歯科医が推奨しているのは、スプーンでのすすり飲みを最初に覚え、その後コップ飲み、最後にストロー飲みへと進む順番です。
ストローなどがついているものは簡単に飲むことができるので、お口の周りの筋肉が使われず発達も遅れてしまうため、基本的にはストロー飲みを覚えるのは最後にするのがよいという考え方があります。
ただし、これはあくまで理想的な順番であり、すでにストローマグを使っている場合に慌てて中止する必要はありません。
歯並びへの影響と注意点
警告:ストローマグを長期間・頻繁に使い続けると、口や舌の筋肉の発達に偏りが出る可能性があると複数の歯科医院が指摘しています。
具体的には飲み込むときに舌が前に突き出す乳児型嚥下から、正しい嚥下パターンへの自然な移行を、ストローマグの早期からの多用が阻害してしまう可能性があるとされています。
とはいえ、これは「絶対に使ってはいけない」という意味ではなく、コップ飲みと併用しながら、ストローマグだけに頼りきらないバランスが大切だということです。
気になる場合は、かかりつけの小児歯科で相談してみるとよいでしょう。

1歳児のストロー練習6つのステップ
ここからは、実際に家庭で取り組める練習ステップを紹介します。
大切なのは一気に完璧を目指さず、スモールステップで進めることです。
ステップごとの進め方
- ステップ1:吹く・吸う遊びに親しむ シャボン玉や紙笛など、口を使った遊びを通じて「吹く」「吸う」感覚に慣れさせます。
最初は「ブクブク」吹いたりするような遊びからストローに親しむといいとされています。 - ステップ2:ストローをくわえる練習 中身が入っていない状態で、ストローを唇で軽く挟む感覚を覚えさせます。
ストローは、くちびるで挟んで吸うようにし、口の奥まで入れないことがポイントです。
奥まで入れると哺乳びんのような飲み方になってしまいます。 - ステップ3:紙パック飲料で体験させる 紙パック飲料のストローをくわえさせ、パックの側面を軽く押すことで、お子さまの口の中に飲み物が入っていき、ストローを通じて飲み物を飲むという体験ができます。
大人が少し手伝ってあげることで「ストローから飲み物が出てくる」という感覚を掴みやすくなります。 - ステップ4:徐々に手伝いを減らす パックを押す力を少しずつ弱め、自分で吸う動作を引き出していきます。
- ステップ5:ストローマグに移行する 感覚を掴めたら、市販のストローマグへとステップアップします。
- ステップ6:日常生活に取り入れる 外遊びの後の水分補給など、日常の中で自然に練習機会を増やしていきます。
これからの季節は外遊びが増えてのどが渇くので、冷たい水やお茶でもコップやストローの練習がしやすくなります。
汗をかいた後の「ごくごく飲みたい」という気持ちを利用すると、練習がスムーズに進みやすいのでおすすめです。
ストローを嫌がる・噛む時の対処法
「ストローマグを渡しても噛むばかりで全然飲まない」という悩みは、1歳児をもつ家庭で非常によく聞かれます。
まずはなぜ噛んでしまうのかを理解することが解決の第一歩です。
噛んでしまう理由
子どもがストローを嫌がる・噛む理由には、身体のバランスが安定せずストローを固定するため、そして「吸う→飲み込む→呼吸する」の操作が難しいためといったことが関連しています。
また、ストローを噛むのは指しゃぶり感覚であることもあり、噛むことで気持ちが落ち着いているだけの場合もあります。
単なるわがままではなく、発達段階や心理的な理由が背景にあると知るだけで、気持ちが楽になる親御さんも多いはずです。

今日から試せる対処法
- パパ・ママが吸う姿を見せる:ママやパパが実際にストローを吸って飲んでいる姿を見せてあげることで、真似っこ好きな1歳児のやる気を引き出せます。
- 紙パック飲料の中身を少なくして渡す:慣れるまで紙パック飲料の中身を減らしてから渡すのがおすすめです。
こぼれる量が少なければ、失敗を怖がらずにチャレンジしやすくなります。 - 無理せず一旦お休みする:練習が上手くいかなくても焦る必要はなく、一旦練習を中止したり前のステップに戻したりしながら、赤ちゃん自身のペースで進めていくことが大切です。
- ストローマグを卒業してコップに切り替える:どうしても噛み癖が改善しない場合は、噛みグセが治らなければストローマグを卒業して、コップ飲みや水筒に切り替えてしまうのもひとつの方法です。
大事なのは「できないこと」を叱らず、できた瞬間を思い切り褒めてあげることです。
1歳児は大人の表情や声のトーンを敏感に感じ取ります。
楽しい雰囲気の中で挑戦させてあげましょう。
練習に便利なアイテムの選び方
道具選びも、ストロー練習の成功を左右する重要なポイントです。
ストローマグの選び方のポイント
はじめて使うストローマグは、軽くて赤ちゃんが持ちやすい取っ手が付いているものがおすすめです。
また、ストローの口径や長さは、市販の幼児用飲料にあるストローを参考にするとよいとされています。
噛み癖がある子には、シリコン製など柔らかく耐久性のある素材を選ぶと、部品の交換頻度を減らせます。
紙パック飲料・スパウトマグの活用
スパウトマグは哺乳瓶とストローマグの中間的な存在で、哺乳瓶の飲み口に似ているため、赤ちゃんが抵抗感を抱く心配はほとんどなく、ストローマグを使用する前段階として活用しやすいアイテムです。
すでにストロー飲みへの拒否感が強い場合は、一度スパウトマグに戻してから再チャレンジするのもひとつの手です。
道具を変えるだけで急にスムーズに飲めるようになるケースも珍しくありません。
練習中の注意点・気をつけたいポイント
練習を進める上で、安全面や衛生面にもいくつか気をつけたいポイントがあります。
誤嚥・むせを防ぐコツ
紙パックの側面をやさしく押す際は、むせないように力を加減し、様子を見ながら練習することが大切です。
特に練習を始めたばかりの時期は、勢いよく飲み物が流れ込むとびっくりして泣いてしまうこともあります。
注意:口の発達がまだ準備できていない段階で無理に練習を進めると、むせこみや口呼吸につながる可能性があるため、様子を見ながら少しずつ進めることが重要です。
衛生管理と部品のお手入れ
ストローマグはパーツが細かく分解できる構造が多いため、飲み物のカス(特に牛乳やジュース)が内部に残りやすいという特徴があります。
使用後はできるだけ早く分解して洗い、専用ブラシで内部までしっかり洗浄しましょう。
カビや雑菌の繁殖を防ぐためにも、週に1回程度は煮沸消毒や漂白剤による消毒を行うのがおすすめです。
よくある質問(FAQ)
Q. 1歳半になってもストローが使えません。
発達に問題があるのでしょうか?
A. 子どもによって習得時期は様々で、ストロー飲みよりもコップ飲みの方が得意な子もいて、得意不得意もあります。
1歳半を過ぎても焦らず、コップ飲みなど他の方法と並行して様子を見ていきましょう。
極端に不安な場合は、乳幼児健診の際にかかりつけの小児科医に相談すると安心です。
Q. ストローマグはいつまで使っていい?
A. 明確な期限はありませんが、複数の歯科医院の見解では1歳頃を目安にコップ飲みへの移行を意識し始めるとよいとされています。
ただし外出時など、コップでは対応が難しい場面ではストローマグを併用しても問題ありません。
まとめ
1歳児のストロー練習は、周りと比べて焦る必要のないテーマです。
7〜9ヶ月頃から始める家庭が最も多い一方で、1歳前後や1歳半頃に習得する子も珍しくありません。
大切なのは、スプーン・コップ・ストローという発達の順序を意識しつつ、お子さんのペースに合わせて無理なく進めることです。
噛んでしまう、嫌がるといった行動にも、身体的・心理的な理由がきちんとあります。
今日紹介したステップや対処法を参考に、親子で楽しみながら「できた!」の瞬間を一緒に喜んであげてください。
ストロー飲みができるようになる日は、思っているよりずっと早くやってくるはずです。