赤ちゃんが「キャッキャッ」「ケラケラ」と声をあげて笑う姿は、育児の疲れを一瞬で忘れさせてくれる特別な瞬間ですよね。でも「うちの子はいつ頃から声を出して笑うのかな」「まだあまり笑ってくれないけど大丈夫かな」と、成長の目安が気になる方も多いのではないでしょうか。
赤ちゃんの笑いは、実は生まれてすぐの反射的な笑いから、感情を伴った本物の笑い声へと段階的に発達していきます。この発達の順番を知っておくと、目の前の赤ちゃんの成長がより一層いとおしく感じられます。この記事では、笑いの発達段階の基礎知識から、月齢別の特徴、そして今日から実践できる笑い声を引き出す遊びまで、専門家の見解や研究知見をもとに網羅的に解説していきます。
赤ちゃんの笑いは3段階で発達する
赤ちゃんの笑顔は、ある日突然「ケラケラ」と現れるわけではありません。
新生児微笑・社会的微笑・感情を伴った笑いという3つの段階を経て、少しずつ豊かになっていきます。
新生児微笑、社会的微笑、感情を伴った笑いという3つの段階を経て、少しずつ豊かに発達していきます。
それぞれの段階には特徴があり、見られる時期にもおおよその目安があります。
反射で起こる新生児微笑
生まれて間もない赤ちゃんが、眠っている最中にふっと口角を上げる様子を見たことがある方も多いでしょう。
これは「新生児微笑(生理的微笑)」と呼ばれるもので、うれしいことや楽しいことなど、外部からの刺激によって引き出されたものではなく、反射的に起こる生理的なものです。
感情を伴わない、顔の筋肉の反射運動という点がポイントです。
興味深いことに、この自発的な笑みは生まれる前から観察されています。
研究によれば、在胎32週以降の早産児に自発的微笑が見られ、4次元超音波診断装置を用いた調査では在胎22週の胎児にも同様の表情が確認されており、自発的微笑は生まれつき備わったものであると考えられています。
つまり赤ちゃんの「笑うための準備」は、おなかの中にいる頃からすでに始まっているのです。
意思が芽生える社会的微笑
生後2ヶ月を過ぎる頃になると、赤ちゃんの笑いに変化が現れます。
赤ちゃんがママ・パパの顔や声に反応して自分の意思で笑うようになることを「社会的微笑」といいます。
反射ではなく、外の世界からの刺激に「うれしい」と反応して笑うようになる、大きな発達のサインです。
ただし、この時期の社会的微笑には興味深い特徴があります。
生後2カ月頃に見られる社会的微笑は、人の顔を見てほほえむ「普遍的微笑」であると言われており、知らない人や好きなおもちゃなど、家族以外の人や物に対しても笑顔を見せるのが特徴です。
つまり、この段階ではまだ「パパやママだから笑う」わけではなく、人の顔らしきものに反応して笑っているといえます。

ケラケラ笑うのは生後4〜6か月が目安
いよいよ本題の「ケラケラ笑う」時期についてです。
多くの赤ちゃんが声を出してケラケラと笑うようになるのは、生後4〜6ヶ月頃が目安とされています。
赤ちゃんが声を出して笑うようになるのは早くても生後3〜4ヶ月頃で、生後4〜5ヶ月頃には、あやすとケラケラと声を出して笑うことが増えてきます。
表情と体の動きが豊かになる
この時期は声だけでなく、体全体で喜びを表現するようになるのも特徴です。
生後4〜5ヶ月頃になるとより表情が豊かになり、声を出して笑うようになります。
手足をバタバタさせながら大笑いする姿は、この時期ならではの愛らしさといえるでしょう。
個人差があることを前提に
警告:ここで紹介する月齢はあくまで一般的な目安であり、赤ちゃんの発達には大きな個人差があります。
専門機関の解説でも、個々のマイルストーンが達成される平均年齢および典型的な発達の範囲が複数の研究により確立されている一方、発達の進み方は一定ではないとされています。
数字だけにとらわれず、目の前のわが子のペースを大切に見守ることが何より重要です。
いないいないばあで笑うのはいつから
「いないいないばあ」で大笑いする姿を心待ちにしている保護者の方も多いのではないでしょうか。
いないいないばあを喜ぶのは、個人差はありますが、およそ生後5〜6か月頃からといわれています。
これは、赤ちゃんの記憶力や「次に何が起こるか」を予測する力が育ってきた証拠でもあります。
見えなくなったものを予測する力
生まれたばかりの赤ちゃんにとって、目の前から顔が消えることは「存在自体がなくなる」ことと区別がつきません。
しかし記憶力が発達してくると、「隠れているだけで、またすぐに出てくる」という予測ができるようになり、その予想が的中する楽しさから声を出して笑うようになります。
この笑いは、単なる反射ではなく、認知能力の発達を示す重要なサインでもあるのです。
月齢別で見る笑い声の変化
ここまでの内容を踏まえ、月齢ごとの笑いの変化を整理してみましょう。
- 生後0〜1ヶ月:反射的な新生児微笑が見られる時期。
眠っている最中にふっと微笑むことがある - 生後2〜3ヶ月:社会的微笑が出現。
人の顔を見てにっこりする回数が増える - 生後4〜5ヶ月:声を出して笑う「ケラケラ笑い」が始まる。
手足の動きも活発に - 生後5〜6ヶ月:いないいないばあなど、予測を伴う遊びで大笑いするようになる
- 生後6〜8ヶ月:特定の人を認識して笑うようになり、人見知りが始まる子も
なお、個人差はありますが、生後8カ月ごろになると特定のよく知っている人を選んで笑うようになり、このころには自分のお母さんやお父さんの顔を分かって笑うようになります。
それまでの「誰にでも笑う」段階から、「大好きな人に笑う」段階へと進化していく様子が見て取れます。

ケラケラ笑いを引き出す遊び5選
ここからは、実際に赤ちゃんの笑い声を引き出すための具体的な遊び方を紹介します。
どれも特別な道具を必要とせず、今日からすぐに試せるものばかりです。
いないいないばあ・くすぐり遊び
定番中の定番ですが、効果は抜群です。
両手で顔を隠して「いないいない」とタメを作り、「ばあ!」と笑顔を見せてあげましょう。
テンポや声のトーンを変えると、赤ちゃんの反応も変わってきます。
首筋やわきの下、足の裏などを軽くくすぐる遊びも、体をよじって大笑いするきっかけになります。
擬音たっぷりの語りかけ
赤ちゃんの耳は、大人の話し言葉よりも独特なリズムの音を好む傾向があります。
赤ちゃんは濁音や擬音が大好きで、絵本を選ぶ際も濁音や擬音が多く連続で出てくる方が赤ちゃんの笑いを引き出すことができます。「ぶーぶー」「がたんごとん」など、音の繰り返しを大げさに読んであげるのも効果的です。
耳元でのささやき遊び
もう一つ試してほしいのが、耳元でこっそり話しかける遊びです。
こそこそ話をするように赤ちゃんの耳元で話しかけるようにすると、息がくすぐったいといったように笑ってくれます。
息のくすぐったさと、いつもと違う声のトーンの両方が刺激になるようです。
親自身が笑顔でいること
実は、最も効果的な「笑わせ方」は、保護者自身が心から楽しそうにしていることかもしれません。
赤ちゃんは大人の表情をよく観察しており、笑顔で優しく話しかけられるだけで安心し、自然と笑顔がこぼれることも多いのです。
抱っこや添い寝といったスキンシップも、笑顔を引き出す土台になります。
体を使ったダイナミックな遊び
首がすわった生後4ヶ月以降であれば、抱っこしたまま軽く高い高いをしたり、リズムに合わせて優しく揺らしたりする遊びもおすすめです。
歌に合わせて手足を動かしてあげると、音とリズムと動きの三重の刺激で笑い声が引き出されやすくなります。
ただし、揺らし方が激しすぎると赤ちゃんの脳や首に負担がかかる恐れがあるため、警告:強く揺さぶるような遊びは絶対に避け、常に優しい動きを心がけてください。

声を出して笑わないときの考え方
「もう生後5ヶ月を過ぎたのに、声を出して笑ってくれない」と不安になる保護者の方は少なくありません。
しかし焦る必要はありません。
生後4〜6ヶ月頃に赤ちゃんが声を出して笑わなくても、必ずしも成長の遅れというわけではありません。
笑いの表現方法にも個性がある
声を出さなくても、目を細めて微笑んだり、手足をわずかに動かして喜びを表現したりする赤ちゃんもいます。
笑い方には個人差があり、大きな声で笑う子もいれば、控えめに微笑む子もいるという前提を持っておくと、比較による不安が和らぎます。
心配なときの相談先
とはいえ、笑顔がほとんど見られない、目が合いにくい、あやしても表情の変化が乏しいといった様子が続く場合は、一人で抱え込まずに専門家へ相談することが大切です。
乳幼児健診の機会を利用したり、かかりつけの小児科医や自治体の育児相談窓口に問い合わせたりすることで、専門的な視点からのアドバイスを得られます。
日本小児科学会の公式サイトでも、子どもの発達に関する一般向けの情報が公開されているので、参考にしてみるとよいでしょう。
日本小児科学会 公式サイトでは、子どもの健康や発達に関する情報が発信されています。
気になることがあれば、自己判断せずに専門家へ相談する習慣をつけておきましょう。
笑顔が育む赤ちゃんの心の発達
赤ちゃんの笑いは、単なる「かわいい仕草」にとどまりません。
笑うという行為そのものが、赤ちゃんの社会性や情緒の発達に深く関わっています。
コミュニケーションの土台になる
赤ちゃんはうれしいときや楽しいとき、保護者からの愛情を感じたとき、相手の興味を引きたいときなどに笑うようになり、笑うことで周囲の人との関係を構築し、社会性を育んでいきます。
まだ言葉を話せない赤ちゃんにとって、笑顔は数少ない自己表現の手段のひとつなのです。
愛着形成にもつながる
赤ちゃんが笑いかけてくれると、保護者も自然と笑顔で応えたくなりますよね。
この笑顔のやりとりが積み重なることで、赤ちゃんと保護者の間に安心感や信頼感、いわゆる「愛着」が育まれていきます。
笑顔のキャッチボールは、赤ちゃんにとって最初のコミュニケーション練習といえるでしょう。
よくある質問
新生児微笑と社会的微笑はどう見分ける?
新生児微笑は眠っている最中やぼんやりしているときに突然現れ、外からの刺激がなくても起こります。
一方、社会的微笑は人の顔を見たり、あやされたりといった刺激に反応して起こる点が大きな違いです。
社会的微笑は、生後3ヶ月頃から見られるようになり、反射的ではなく大人が微笑むときと同じような表情になるのが特徴です。
寝ながら笑うのはなぜ?
赤ちゃんが眠りながらふっと笑みを浮かべることがありますが、これも新生児微笑の一種で、顔の神経反射によるものと考えられています。
月齢が上がってから寝ながら笑う場合は、楽しい夢を見ている可能性も指摘されています。
笑わせすぎるとよくない?
笑うこと自体は赤ちゃんの発達によい刺激ですが、警告:過度に興奮させすぎると、かえって疲れてぐずってしまうこともあるため、赤ちゃんの様子を見ながら遊びの強度を調整しましょう。
笑い疲れた様子が見られたら、いったん抱っこして落ち着かせる時間も大切にしてください。
まとめ
赤ちゃんの笑いは、反射的な新生児微笑から始まり、社会的微笑を経て、生後4〜6ヶ月頃には声を出したケラケラ笑いへと発達していきます。
大切なのは、月齢の目安に一喜一憂しすぎず、赤ちゃん自身のペースを尊重しながら関わっていくことです。
いないいないばあやくすぐり遊び、擬音たっぷりの語りかけなど、今日からできる関わり方はたくさんあります。
そして何より、保護者自身が笑顔で赤ちゃんと向き合う時間そのものが、赤ちゃんにとって何よりのプレゼントになります。
赤ちゃんのケラケラ笑いに癒やされながら、親子で笑顔あふれる毎日を過ごしていってくださいね。