「そろそろ1歳の我が子にお絵かきをさせてみたいけれど、いつから始めればいいの?」「クレヨンを口に入れたら危ないのでは?」と悩んでいる親御さんは多いのではないでしょうか。1歳という時期は、手の発達が進んで「描く」という行為に興味を持ち始める、まさにお絵かきデビューにぴったりのタイミングです。
この記事では、1歳児のお絵かきの始め方から、安全に楽しむための画材選び、発達段階に合わせた遊び方アイデア、汚さない工夫まで、初めての親御さんが知りたい情報を網羅的にまとめました。我が子の「初めての一線」を、一緒に楽しい思い出にしていきましょう。

1歳児がお絵かきを始める時期と発達の目安
「お絵かきって、本当に1歳から始めて大丈夫?」と気になる親御さんも多いはず。
まずは、1歳児がお絵かきに興味を持ち始める時期の目安と、お絵かきが子どもの発達にどう関わるのかを見ていきましょう。
お絵かきデビューはいつから?
結論からお伝えすると、お絵かきは1歳前後から始められる遊びです。
満1歳前後ではじめてのお絵かきの瞬間がやってくる子が多く、つたい歩きや指差しができる、三項関係が成立する、穴に入れるおもちゃなどで繰り返し遊ぶといった発達と関係しています。
また、はじめてお絵かきをするのはヨチヨチ歩きができるようになり、手先が自由になってくる1歳頃で、この時期は指先を使うのではなく、クレヨンやペンなどをグーの手でにぎり、腕全体を使って直線のなぐり描きをするのが特徴です。「うちの子はまだ早いかも」と焦る必要はなく、お子さんが筆記具を握れるようになったタイミングで始めれば十分です。
1歳児にとってお絵かきが持つ意味
1歳児のお絵かきは、大人がイメージする「絵を描く」とは少し違います。
1歳頃の子どもたちは絵を“描く”というよりも、クレヨンの色や感触・線が現れる様子を楽しんでいます。
手を動かすと紙に色がつく
その不思議さや楽しさを味わう、感覚遊びの一種なのです。
「上手に描けるかどうか」ではなく、「描く行為そのものを楽しめているか」が何より大切です。
点をトントンと打つ姿も、線を一本引くだけの絵も、すべてがその子の表現。
親御さんはぜひ、その瞬間を温かく見守ってあげてください。
お絵かきで育まれる5つの力
お絵かきには、子どもの成長を後押しするさまざまな効果があります。
指先の神経は脳の神経に直結しており、お絵かきをするときには指先にペンやクレヨンを持ち、手先を繊細に動かすため、脳の神経が刺激されて知能の発達を促す効果があると言われています。
- 指先・手先の巧緻性(こうちせい)の発達
- 色彩感覚や空間認識能力の育ち
- 集中力や自立心の芽生え
- 気持ちを表現する力(非認知能力)
- 親子のコミュニケーション
本人がやりたいという気持ちで始めると15分以上も集中して取り組むこともあり、道具を準備したり片付けたりすることも覚えていく、1歳ながらも自立への一歩になります。
1歳児に最適なお絵かき画材の選び方
1歳のお絵かきで最初に親御さんが悩むのが、「どんな画材を選べばいいの?」という問題。
安全性・持ちやすさ・汚れにくさの3つのポイントを押さえれば、失敗しません。
選び方のポイント1:安全な素材
1歳児は何でも口に入れてしまうため、誤飲のリスクを最優先に考える必要があります。
1歳ごろの幼児期の小さな子どもは何でも口に入れがちで、誤飲して喉に詰まらせることは十分にあり得るため、お絵描きの道具は安全性に十分に配慮した素材や形状のものを選ぶことが大切です。
絵を描きはじめる1歳頃の赤ちゃんには、万が一なめても安全な天然素材を使ったクレヨンがおすすめで、ミツロウや野菜、お米などを原材料に使った商品があります。
海外製品を選ぶ場合は、アメリカ画材・工芸材料協会が厳しい評価基準をクリアした画材だけに与える認証マークであるAPマークを取得しているかを確認すると安心です。
選び方のポイント2:握りやすさ・折れにくさ
1歳前後の子どもはまだ鉛筆のような細くて長いものを持つことができず、握れても力が弱くて上手に線を描くことが難しい時期で、てのひらでガシっと握れて持ちやすい太めのクレヨンを選ぶとお絵描きも楽しくなります。
また、折れにくさも重要なポイント。
1歳児は力加減が難しく、強く握ったり投げたりすることもしばしば。
フィルム巻きされたクレヨンや、ブロック型・スティック型でしっかりとした硬さのあるものを選びましょう。
選び方のポイント3:汚れの落としやすさ
お絵かきで親御さんが一番気にするのが「汚れ問題」。
画用紙からはみ出して机や床、壁に描いてしまうのは1歳児あるあるです。
水性タイプはさらっとした書き心地で水で簡単に落とせるため、うっかりいたずら書きされたり画用紙からはみ出たりしても大丈夫で、子どもにのびのびとお絵かきを楽しんでもらえます。
初めてのお絵かきには、「水で落とせる」と明記された商品を選んでおくと、親御さんのストレスもぐっと減ります。

1歳から使えるおすすめクレヨン5選
ここでは、実際に多くの親御さんに支持されている1歳児向けのクレヨンを、特徴別にご紹介します。
それぞれメリット・デメリットがあるので、お子さんのタイプに合わせて選びましょう。
ベビーコロール(あおぞら)
特徴のあるデザインで赤ちゃん用クレヨンとして有名なベビーコロールは、1歳であれば6色で十分で、持ちやすく折れにくい設計になっており、机に置いても転がっていかないので赤ちゃんが扱いやすいように工夫されています。
中が空洞なので誤って口に入れても空気が通る設計で、万が一舐めてしまっても安全な素材を使用。
お絵かきデビューには真っ先に候補に挙がる定番品です。
ただしベビーコロールは硬くて安心ですが、強く描いても色が濃く出ないという欠点もあるため、発色を求めるなら他の選択肢も検討しましょう。
シュトックマー みつろうクレヨン
ドイツ製の蜜蝋クレヨンとして、知育に熱心な家庭で人気の高い一品。
シュトックマー社のみつろうクレヨンは安全の証として厳しい食品規格に従って製造されており、万が一赤ちゃんが食べてしまっても大丈夫です。
ブロックタイプとスティックタイプの2タイプがあり、発達段階からスティックタイプを握る力がない時期でも、ブロックタイプならしっかりと握れるため、0歳1歳ではブロックタイプがおすすめです。
大人が画材として使いたくなるほど発色が綺麗で、子供と一緒にお絵かきをしていて楽しく、子供に美しい色を知ってほしいという方におすすめとされています。
サクラクレパス 水でおとせるクレヨン
水でおとせるクレヨンは表面がつるっとした場所や手に付いた汚れを濡れ布巾やウェットティッシュなどで水拭きするだけなので、お掃除が簡単で、汚れを気にすることなくお絵描きを楽しめるのが魅力。
「自由に描かせたいけれど壁や床の汚れが心配」という親御さんにとって、最も実用的な選択肢と言えるでしょう。
みつろう入りで素材の安心感もあります。
山田養蜂場 みつばちクレヨン
山田養蜂場のみつばちクレヨンは天然油脂で職人手作りの安心して使えるクレヨン。
大手なだけあり細かい工夫があり、箱に戻しやすいようにクレヨンの上に色の印が付いているのがポイントで、柄も可愛く、日常づかいとして買いやすいのが嬉しいところです。
キットパス(日本理化学工業)
キットパスは水性クレヨンで、描き味が滑らかでやわらかく、筆圧の弱い小さな子どもでもすいすい描けるのが特徴。
四角い消しゴムサイズで折れない、握りやすいので子どもたちにも大人気で、ごしごし塗りつぶしていろんな色を混ぜて作ることができ、クレヨンはじめてさんにもおすすめです。
窓やお風呂の壁にも描けるので、遊びの幅が広がります。
1歳のお絵かきを楽しむ環境づくり
画材を揃えたら、次は環境づくり。
ちょっとした工夫で、親子ともにストレスなくお絵かきタイムを楽しめるようになります。
大きめの紙を用意する
子どもは腕全体を大きく使って絵を描くので、A4以上の大きい紙を用意するのが望ましく、また1歳頃の子どもたちはクレヨンで描くだけでなく、こすったり触ったりして遊ぶため、薄い紙より画用紙のようなしっかりとした紙がおすすめです。
模造紙やロール紙を床に広げて、ダイナミックにお絵かきを楽しむのもおすすめ。
紙が小さいとはみ出して机や床を汚す原因になるので、思い切って大きめを選びましょう。
姿勢と道具の配置を整える
おえかきは全身運動なので、立って描いてもらいたいですが、イスに座って描く時もしっかり足の裏が床につき、肘から下に紙がある状態にすると描きやすいです。
テーブルとイスの高さが合わない場合は、足元に踏み台を置くなど工夫してみてください。
汚れ対策のアイテムを活用
汚れ対策の三種の神器は「スモック・新聞紙・お絵かきトレー」。
お絵かきの度に汚れを落とすのが大変であれば、スモッグやエプロンを用意するのもおすすめです。
サクラクレパスの「おえかき学習トレー」は机を汚さず描画材料が散らからないガード付きの折りたたみ式トレーで、力一杯描いて用紙からはみ出しても机が汚れず、クレヨンが転がって机から落ちにくくなっています。
1台あると小学生になっても活躍します。

発達段階に合わせた楽しい遊び方アイデア
1歳児のお絵かきは、月齢によってできることが少しずつ変わっていきます。
発達段階に合わせた遊びを取り入れることで、お子さんの興味をぐっと引き出せます。
1歳前半:トントン点描き遊び
お絵かきデビューしたばかりの時期は、まずクレヨンを握って紙に色をつけることそのものが楽しい時期。
始めはトントンと点を描くことを楽しみ、次第にぐるぐると殴り書きのような絵に変化していきます。
親御さんが先に「トントントン」と声をかけながら点を打って見せると、真似っこ大好きな1歳児はすぐに興味を示してくれます。
1歳後半:ぐるぐる線描き遊び
手首や肘の動きが発達してくると、線を引いたり円を描いたりできるようになります。
最初は左右に線を書くだけでも、そのうちグルグルと大きく円を書くようになっていきます。
「ぐるぐる〜」「びゅーん」など、親御さんが擬音語をつけながら一緒に描くと、お子さんもリズムに乗ってどんどん手を動かしてくれますよ。
フィンガーペイントで感触遊び
クレヨンに飽きてきたら、指で直接描くフィンガーペイントもおすすめ。
専用の安全な絵の具を使えば、手や足にカラフルな色をつけてダイナミックに楽しめます。
五感を刺激する感触遊びとして、1歳児の発達にぴったりの遊びです。
シールやスタンプとの組み合わせ
クレヨンで描いた絵にシールを貼ったり、スタンプを押したりすると、表現の幅が一気に広がります。
下絵にあらかじめ色がついていて水の力で色を広げる商品は、用意するのは水だけなので周りが汚れず、乳幼児でも簡単にお絵かきした気分になれてとても手軽です。
お出かけ先でも活躍します。
親子で楽しむための関わり方のコツ
1歳児のお絵かきを親子で楽しむには、ちょっとした声かけや姿勢の工夫が大切です。「上手に描かせなきゃ」と気負う必要はありません。
「すごいね!」より「楽しいね!」
1歳児は絵の上手・下手を気にしていません。「上手だね」と評価する言葉よりも、「楽しいね」「赤い色きれいだね」「ぐるぐるできたね」など、行為そのものや見たままを言葉にする共感の声かけが、お子さんの自己肯定感を育てます。
親御さんも一緒に描いてみる
ママやパパが楽しくお絵かきする姿を見せたり、きれいな絵を描いて見せたりすると、真似っこが大好きな1歳頃の子どもは興味を持ちます。「描かせる」のではなく、「一緒に描く」スタンスが大事。
親御さん自身も久しぶりにクレヨンを握って、童心に返って楽しんでみてください。
無理強いせず、興味のタイミングを待つ
お子さんがお絵かきに興味を示さなくても、決して焦らないでください。
お絵かきは何歳から始めても遅いことはなく、もしお絵かきに興味がない様子でも、お子さんが興味を持った時に思う存分経験させるとよいのです。
イライラしたり時間のない時、気を使いながら描かせるとろくなことになりません。
親御さんに余裕がある時に、楽しい雰囲気で取り組むのがいちばんです。
作品を飾って成長を記録する
描いた絵は、ぜひ捨てずに保存を。
何気ない絵も保存しておくのがおすすめで、点からぐるぐるへと描き方が変化していくとお子さんの成長を実感できます。
リビングの壁に貼ったり、写真に撮ってアルバムにしたりすれば、後から見返せる宝物になります。
お絵かきで気をつけたい注意点
楽しいお絵かきタイムも、安全への配慮を忘れずに。
1歳児ならではの注意ポイントをまとめておきます。
誤飲・誤食のリスク管理
天然素材のクレヨンであっても、大量に食べさせるためのものではありません。
口に入れても安全とされる商品は、あくまで「万が一」の安心のため。
お絵かき中は必ず大人がそばで見守り、口に入れたら優しく止めてあげましょう。
また、キャップや小さなパーツがついた画材は、誤飲のリスクがあるので1歳児には不向きです。
描く場所のルール作り
1歳児はクレヨンを持つと「壁に描きたい!」「ソファに描きたい!」と好奇心が爆発します。
最初から「紙の上に描く」というルールを根気よく伝えていくことが大切。
はみ出し対策として、机の下に新聞紙を広めに敷く、お絵かきトレーを使う、養生テープで紙を固定するなどの工夫も有効です。
タブレットお絵かきは時間を決めて
最近はお絵かきアプリも充実していますが、タブレットが発するブルーライトには、夜の寝つきが悪くなったり視力の低下を引き起こすリスクがあるため、時間を決めて使用するのが基本。
1歳のうちは、できるだけ実際のクレヨンや紙を使った「手触りのあるお絵かき」を中心にすることをおすすめします。
デジタルは旅行中などの特別な場面に限定するのがバランスの良い使い方です。
よくある質問Q&A
最後に、1歳のお絵かきについて親御さんから多く寄せられる質問にお答えします。
Q. クレヨンをすぐ折ってしまいます
1歳児は力加減が苦手なので、クレヨンが折れるのはよくあること。
折れにくいフィルム巻きタイプや、ブロック型のクレヨンを選ぶと長持ちします。
折れてしまっても、短くなった分は小さな手にむしろ持ちやすくなることも。
Q. 蜜蝋クレヨンは1歳でも安全?
蜂蜜は乳児ボツリヌス症のリスクから1歳未満には与えてはいけませんが、蜜蝋クレヨンは別。
みつろうクレヨンの蜜蝋は、そもそも蜂蜜と生成場所が異なり、製造工程で高熱処理があるためボツリヌス菌は死滅しており安全です。
1歳から安心して使えます。
Q. お絵かきにまったく興味を示しません
個性なので心配いりません。
あまりお絵かきに興味がない子でも、カラフルな絵本を読み聞かせる際に、絵の中の色や形に注目して指差しをすることで、色や形に興味がわいてお絵描きの際も色を選んだりするようになります。
絵本やお散歩で色や形に親しむことから始めてみましょう。
Q. 何色くらい揃えればいい?
1歳のうちは6色程度で十分です。
色数が多すぎると逆に選べず、混乱してしまうことも。
基本の赤・青・黄・緑・黒・茶(または白)があれば、表現の幅は十分に広がります。
お子さんが慣れてきたら、12色、18色と少しずつ増やしていくのがおすすめです。
まとめ:1歳のお絵かきは親子の宝物時間
1歳のお絵かきは、上手に絵を描くことが目的ではありません。
クレヨンを握ること、紙に色がつくこと、その一つひとつの「初めて」を、お子さんと一緒に味わう特別な時間です。
大切なポイントを振り返ってみましょう。
- お絵かきデビューの目安は1歳前後、筆記具を握れるようになった頃
- 画材は「安全・握りやすい・汚れが落ちる」の3点で選ぶ
- ベビーコロールやシュトックマー、水でおとせるクレヨンなど用途で使い分け
- 大きめの紙とお絵かきトレーで環境を整える
- 「楽しいね」の共感の声かけで、子どものやる気を引き出す
- 無理強いせず、興味のタイミングを大切に
クレヨンに初めて触れた日、初めて線を描いた日、ぐるぐると円を描けた日
。
そのすべてが、後から振り返るとかけがえのない成長の記録になります。
完璧を目指さず、汚れも失敗もまるごと楽しむ気持ちで、親子のお絵かきタイムをスタートしてみてください。
きっと、子育ての毎日がもっと色鮮やかなものになるはずです。
