1歳の運動発達ガイド | 目安と楽しい遊び方

1歳の運動発達ガイド | 目安と楽しい遊び方
わんぱくかいじゅう ベイビーザウルス

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「うちの子、まだ歩かないけど大丈夫かな?」「同じ1歳でも、お友達はもう走っているのに・・・」そんな心配を抱える親御さんはとても多いものです。1歳という年齢は、ハイハイから歩行へ、握るからつまむへと、人生で最も劇的に体の使い方が変化する時期。だからこそ、ちょっとした違いが気になってしまうのは当然のことです。

この記事では、1歳の運動発達の目安を月齢ごとにわかりやすく整理し、おうちで親子一緒に楽しめる遊び方のアイデアをたっぷりご紹介します。発達には大きな個人差があることを前提に、「比べない・焦らない・楽しむ」を合言葉に、お子さんの成長を応援するヒントをお届けします。読み終わるころには、毎日の育児がもっとワクワクするものになっているはずです。

明るいリビングで両手を広げて初めての一歩を踏み出す1歳児と、笑顔で見守る母親の温かい光景

目次

1歳の運動発達はなぜ大切なのか

1歳は、寝ているだけだった赤ちゃんが「自分で動く人」へと変わる、まさに人生最初の大変革期です。
この時期に積み重ねた体験が、その後の運動能力や心の発達の土台になります。

運動発達は心と脳の成長にもつながる

体を動かす経験は、単に筋肉を鍛えるだけのものではありません。
幼児期は、生涯にわたって必要な多くの運動の基となる多様な動きを幅広く獲得する非常に大切な時期とされており、立つ・歩く・転がる・つかむといったさまざまな動きを経験することで、脳のネットワークも育っていきます。

また、子どもにとって体を動かして遊ぶ機会が減少することは、その後の児童期、青年期への運動やスポーツに親しむ資質や能力の育成だけでなく、意欲や気力、対人関係などコミュニケーション面にも影響を及ぼすと指摘されています。
1歳から「体を動かすって楽しい!」という感覚を育てることが、将来の心身の健康にもつながるのです。

粗大運動と微細運動という2つの軸

運動発達を理解するうえで欠かせないのが「粗大運動」と「微細運動」という考え方です。
粗大運動は立つ・座る・歩くなど身体全体を使った動きで、微細運動は持つ・にぎる・つまむなど手や指を使った動きを指します。

1歳は、この粗大運動と微細運動の両方が一気に花開く時期
歩けるようになって行動範囲が広がる一方で、指先の器用さも目を見張るスピードで成長します。
両方をバランスよく育てる視点を持つと、遊び方の幅もぐんと広がります。

発達には順序があることを知っておこう

乳幼児の運動の発達は、「頭部から身体の下のほうへ」「中心部分から抹消部分へ」「粗大運動から微細運動へ」のように、一定の順序性があります。
つまり、首がすわる→おすわり→ハイハイ→つかまり立ち→歩く、という流れには意味があるということ。
順番を飛ばしているように見えても、実は子どもなりに必要な経験を積んでいることが多いのです。


月齢別に見る1歳の運動発達の目安

1歳といっても、1歳0か月と1歳11か月では、できることに大きな差があります。
月齢ごとに目安を見ていきましょう。

1歳0か月〜1歳3か月:歩き始めの時期

この時期の最大のテーマは「歩行の獲得」です。
厚生労働省のデータによると、1歳0〜1か月未満で「ひとり歩き」ができる子どもは約50%、1歳3か月では約80%、1歳6か月ではほとんどの子どもが歩けるようになります。

つかまり立ちや伝い歩きから、よちよちの一人歩きへ。
バランスはまだ不安定で、転ぶことも多い時期です。
手指の面では、親指と人差し指で小さなものをつまむ動作が上手になっていきます。

1歳4か月〜1歳7か月:模倣と探索が広がる時期

1歳4ヶ月〜1歳7ヶ月頃は、身近な人の動作やしぐさをマネできるようになる時期。
このマネっこを通して運動機能がぐんと発達します。
手をパチパチ叩く、バイバイする、お父さんがやっている動作を真似する・・・こうした「ミラー学習」が、複雑な動きの基礎を作っていきます。

歩行も安定してきて、押し車を押したり、低い段差を上ろうとしたりと、行動範囲も急拡大。
目を離せない時期ですが、それだけ体の使い方が上手になっている証拠です。

1歳8か月〜1歳11か月:走る・登る・跳ねるへ

1歳5〜11か月ごろになると、足腰がさらに発達し、走ったり階段を昇り降りしたり、ジャンプしたりできるようになってきます。
手足の協調運動も発達し、ボールを蹴ったり投げたりする遊びも楽しめるようになります。

この時期から小さな障害物をくぐったり、階段を少しずつ登ったり降りたりするようになり、その一つひとつが全身を使った遊びとなって、筋肉や運動能力のさらなる発達を促します。「動くこと自体が楽しい」というエネルギーがあふれる時期。
安全な環境を整えて、思い切り動かせてあげましょう。


1歳の手指の発達と微細運動の特徴

歩行ばかりが注目されがちですが、1歳の手指の発達も実は大きな見どころです。

つまむ・にぎる・はなすが上手になる

1歳前半では、親指と人差し指を使って小さなものをつまむ動作(ピンサーグリップ)が完成していきます。
これによって、シールをはがしたり、小さなボーロを上手に口に運んだりできるようになります。

1歳児は指で小さな物をつまんだり、積み木を重ねたりできるようになります。
出し入れしたり、開閉したりすることが楽しい時期です。
ティッシュを延々と引き出したり、引き出しの中身を全部出したり・・・親としては困る場面もありますが、これらはすべて大切な学びの時間なのです。

道具を使う動作の芽生え

スプーンを持って自分で食べようとする、コップで飲む、クレヨンでなぐり描きをする・・・こうした「道具を使う動作」もこの時期の大きなテーマ。
ビーズにひもを通すのは1歳ごろ、ハサミを使うのは2歳ごろが目安とされており、1歳は道具操作の入り口に立つ時期だといえます。

脳の発達と手指の関係

「手を使うことで脳が発達する」とも言われており、子どもの興味関心に合わせた玩具を準備しておくことで、積極的に手指を動かせる環境を作りたいところです。
指先は「第二の脳」と呼ばれるほど、脳と密接につながっています
手指を使う遊びは、思考力や集中力の土台にもなるのです。

ローテーブルに座り、カラフルな積み木を真剣な表情で重ねている1歳児の手元のクローズアップ

粗大運動を伸ばすおすすめの遊び

ここからは、おうちや公園で楽しめる具体的な遊びを紹介します。
まずは全身を使う粗大運動から。

歩く・走るを楽しむ遊び

歩き始めたばかりの子には、平らで安全な場所での「お散歩ごっこ」がおすすめ。
慣れてきたら、芝生や砂地、少し傾斜のある道など、いろいろな足裏感覚を体験させてあげましょう。
はだしで遊ぶと足裏が刺激され、地面の温度や感触を直接感じられ、それが五感を刺激し、脳を活性化させると言われています。

歩行が安定してきたら、ゆっくりとした追いかけっこも盛り上がります。「まてまてー」と笑いながら追いかけるだけで、立派な全身運動になります。

登る・くぐる・跳ねるのチャレンジ遊び

クッションや布団を積み重ねた「ふわふわ山登り」、テーブルの下や段ボールの「トンネルくぐり」、布団の上での「ぴょんぴょんジャンプ」など、おうちでもダイナミックに遊べます。

幼児期に獲得しておきたい基本的な動きには、立つ・座る・寝ころぶ・回る・転がる・渡る・ぶら下がるなどの「体のバランスをとる動き」、歩く・走る・はねる・跳ぶ・登る・下りるなどの「体を移動する動き」、持つ・運ぶ・投げる・捕る・蹴るなどの「用具などを操作する動き」があるとされています。
1歳のうちから、いろいろな種類の動きを少しずつ体験させてあげると良いでしょう。

ボール遊びとリズム遊び

ボール遊びは粗大運動の王様。
転がす、追いかける、抱える、蹴ろうとする・・・どの動きも全身の協調性を育てます。
最初は大きめの柔らかいボールが扱いやすく、安全です。

音楽に合わせて体を揺らすリトミックやダンスもおすすめ。
リズム感とバランス感覚を同時に育てられます。
親子で手をつないで一緒に踊るだけで、運動と愛着形成が同時にできる一石二鳥の遊びです。


微細運動を伸ばすおすすめの遊び

続いて、手指を使った遊びのアイデアを紹介します。

つまむ・落とす・入れるを楽しむ

1歳児の鉄板おもちゃといえば「ポットン落とし」。
容器のふたに開けた穴に、フェルトボールやペットボトルのキャップを落とし入れる単純な遊びですが、出し入れしたり開閉したりすることが楽しい時期の子どもは夢中になります。

布製の小さな袋にぬいぐるみを入れたり、空き箱に積み木を詰めたり・・・身近な物で十分楽しめます。

積み木・型はめ・ひも通し

積み木は2〜3個を重ねるところから始まり、徐々に高く積めるようになります。
型はめパズルは「形を見比べて合わせる」という認知力も育てます。

少し上の月齢になったら、大きめのビーズのひも通しにもチャレンジ。
ひも通しは黙々と行う遊びですが、集中力や問題解決能力を養い、達成感も味わえる遊びです。

クレヨンや粘土でアート体験

太めのクレヨンを握って、大きな紙になぐり描き。
クレヨンを持って左右の往復運動をし、なぐり描きが出始めるのもこの時期の特徴です。「上手・下手」は関係なく、線を引く感覚そのものを楽しませてあげましょう。

小麦粉粘土なら、万が一口に入れても比較的安心。
ちぎる、丸める、伸ばすという動作を通して、手のひらと指先のさまざまな筋肉を使います。

小さなパーツを使う遊びでは誤飲事故に十分注意し、必ず大人がそばで見守ってください。


運動発達を促す環境づくりのポイント

遊びの内容も大事ですが、それ以上に大切なのが「環境」です。
子どもが安心して挑戦できる空間を整えてあげましょう。

安全な空間を確保する

歩き始めの時期は転倒がつきもの。
転倒による怪我や事故防止のため、屋内では机の角など尖ったものにコーナークッションを付ける、床にモノを置かない、などの安全確保を徹底しましょう。

また、外遊びの際も、硬いコンクリートよりも芝生など柔らかい地面を選ぶと安心です。
階段やベランダ、お風呂場など事故リスクの高い場所には、必ずゲートや鍵などの物理的な対策を行いましょう。

毎日合計60分以上の体を動かす時間を

文部科学省の幼児期運動指針では、多くの幼児が体を動かす実現可能な時間として「毎日、合計60分以上」を目安として示しており、屋内も含め一日の生活において体を動かす合計の時間として設定されています。
これは3歳以上が対象ですが、1歳児でも「合計してどれくらい体を動かしたかな?」という視点を持つと、生活リズムを整えやすくなります。

雨の日や外出が難しい日は、室内でのトンネルくぐりや音楽に合わせたダンスなどで補いましょう。

「やりたい」を尊重するかかわり方

1歳半頃から「自分でやってみたい」という自我が芽生え、少しずつ自己主張を始めます。「やりたい」気持ちをしっかり受け止め、危険でなければ気のすむまで見守ること、思うようにできなくて怒っているときは途中まで手伝って最後だけ自分でやらせると効果的です。

子どもの「自分でやりたい」を奪わないことが、運動発達と自己肯定感の両方を育てる最大のコツです。
少し時間がかかっても、待つ姿勢を大切にしましょう。

公園の芝生でボールを追いかけて走る1歳児と、しゃがんで両手を広げて待つ父親のほほえましい後ろ姿

発達には個人差がある|不安なときの考え方

SNSや育児書を見ていると、「うちの子だけ遅れている?」と不安になることがあるかもしれません。
でも、その不安を和らげるための知識を持っておきましょう。

個人差は半年以上あって当たり前

歩行開始の時期には半年以上の個人差があることも知られており、1歳半で歩かなくても過度に心配する必要はありません。
同じ1歳でも、1歳0か月と1歳11か月では、できることに大きな差があり、同じ月齢でも子どもによって得意な分野や発達のペースは異なります。

「目安」はあくまで目安。
お子さんの「先月よりできるようになったこと」に目を向けるほうが、ずっと建設的で楽しい育児になります。

ハイハイをしない・シャフリングベビーの場合

ハイハイをせずにつかまり立ちに進む子もいれば、おしりで移動する「シャフリングベビー」もいます。
かつては、シャフリングベビーは障害があることが多いと言われましたが、研究が進み、一時期シャフリングしていても、その後立って歩けるようになれば特に問題はないとされています。

発達の道のりは一本道ではなく、いろいろなルートがあるのです。

気になるときの相談先

とはいえ、どうしても気になるときは一人で抱え込まないことが大切です。
1歳6ヶ月検診時に身体機能についても検査をおこなうので、気になる場合はそこで相談することができます。
かかりつけの小児科や、地域の保健センターも相談先として活用できます。

この記事は一般的な発達の目安を紹介するものであり、診断や医学的助言を行うものではありません。
発達について気になる点がある場合は、かかりつけ医や保健師など専門家にご相談ください。


親子で楽しむための声かけと心構え

最後に、毎日の育児がもっと楽しくなる関わり方のヒントをお伝えします。

できたことを一緒に喜ぶ

ちょっとした成功体験や褒められた経験が、子どもの自信や自己肯定感、次のチャレンジにつながるため、子どもができたことに対してはたくさん褒めてあげましょう。「できたね!」「すごい!」だけでなく、「ジャンプできるようになったね」「最後まで歩けたね」と具体的に伝えると、子どもは自分の成長を実感できます。

「見守る」も立派な関わり方

一人遊びが重要な時期でもあり、ひとりで集中しているときこそ能力が発揮・向上しているため、ときにはそっと見守ることも大切です。
手を出しすぎず、危険がないかだけ気を配って静かに見守る時間も、子どもにとっては集中力を育てる大切な時間です。

比べない・焦らない・楽しむ

周囲の子どもと比べて不安になったりイライラしたりしがちですが、親の不安やイライラは子どもの脳に悪影響を及ぼし、自己肯定感を低下させてしまう可能性があります。
他の子と比べることは避けて、ゆったりと見守りながら過ごしましょう。

親が笑顔でいることが、子どもにとって最高の発達環境です。
完璧な育児を目指す必要はありません。
今日、お子さんと一緒に笑った時間こそが、運動発達の何よりの栄養になります。


まとめ|1歳の運動発達は楽しんだもの勝ち

1歳の運動発達は、よちよち歩きから走る・跳ぶへ、握るからつまむへと、人生でいちばん劇的に変化する1年です。
月齢ごとの目安を知っておくことは大切ですが、それ以上に大切なのはお子さん自身のペースを尊重し、「できた!」を一緒に喜ぶことです。

粗大運動と微細運動の両方をバランスよく刺激する遊びを、無理のない範囲で日常に取り入れてみてください。
特別な道具がなくても、家にあるクッションや空き箱、新聞紙などで十分。
大切なのは「親子で楽しむ時間」そのものです。

発達には大きな個人差があり、目安より少しゆっくりでも、たいていの場合は心配いりません。
でも気になることがあれば、一人で抱え込まずに専門家へ相談を。
地域の1歳半健診や保健センターは、心強い味方になってくれます。

今日できなかったことも、来月にはきっとできるようになっています。
そのドラマチックな1年を、ぜひお子さんと一緒に思いきり楽しんでくださいね。
あなたの「楽しむ気持ち」が、お子さんの一番の応援団です。

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