毎日続く離乳食づくり、「大人のごはんと別に作るのが本当に大変・・・」と感じていませんか。離乳食が1日2回、3回と増えるにつれて、調理時間も食器洗いも増えてヘトヘトになってしまいますよね。そんなときに頼りになるのが大人ごはんから取り分ける「取り分け離乳食」です。
調味料を加える前にサッと赤ちゃん用を取り出すだけで、栄養バランスの整った離乳食が完成。家族みんなで同じメニューを囲めるので、赤ちゃんも「パパママと一緒!」と嬉しそうに食べてくれます。この記事では、月齢別の取り分け方のコツから、忙しい日の救世主になる人気レシピまで、ママパパが知りたい情報をぎゅっと詰め込みました。今日から肩の力を抜いて、もっと楽しく離乳食タイムを過ごしましょう。

取り分け離乳食とは?基本の考え方
「取り分け離乳食」という言葉、SNSや育児雑誌でよく目にしますが、実はずっと昔から日本の家庭で行われてきた方法です。
取り分け離乳食という名称は、昭和から「大人の食事からの取り分け離乳食」のように使われており、離乳食として望ましい手法の1つとされています。
決して特別なテクニックではなく、日々の食卓に自然と取り入れられる賢い時短術なのです。
取り分け離乳食の意味と仕組み
取り分け離乳食とは、大人用の食事から同じ食材を取り分けたり、作っている途中で取り分けて作る離乳食のことを指します。
大人用のメニューを決めるときに赤ちゃんが食べられる食材を選び、調味料を加える前のタイミングで赤ちゃん用を別の器に取り出すだけ。
あとは月齢に合わせた大きさにカットしたり、つぶしたりすれば離乳食の完成です。
取り分けが向いている月齢
取り分け離乳食はすべての月齢で活用できますが、特におすすめなのが離乳後期以降です。
取り分け離乳食よりも、フリージングの方が向いている月齢は離乳初期(5〜6ヶ月)で、この時は1食あたりの量がとても少なく、ブレンダーやミキサーにかけにくいものです。
逆に、1歳を超えた離乳完了期や幼児期は取り分けるのがオススメ。
食べる量が増える時期こそ、取り分けの威力を発揮します。
取り分け離乳食3つの大きなメリット
調理時間が劇的に短くなる
最大のメリットはやはり時短です。
大人用と離乳食用を別々に作っていると、コンロも調理器具も2倍必要になりますが、取り分けなら1つの鍋で同時に完成します。
大人分と赤ちゃん分が同時に作れるので、調理の時間や手間が省け、おなかが空いた赤ちゃんを待たせることも減り、赤ちゃんと遊ぶ時間やママの時間が増えるのは嬉しいポイントですね。
食費が抑えられて経済的
大人と赤ちゃんで同じ食材を使うので、食材を余らせる心配がありません。
大人と赤ちゃんが同じ食材を使えるので食材の無駄がなく、食費が少なく済みます。
市販のベビーフードに頼り切らなくても、家計に優しく続けられるのは大きな魅力です。
赤ちゃんの食への興味を引き出す
「パパママと同じものを食べている!」という喜びは、赤ちゃんの食欲を引き出す最高のスパイスです。
普段は離乳食をあまり食べない小食の赤ちゃんも、ママやパパと同じようなメニューだと楽しかったり、安心したりして、いつもよりよく食べることがあると言われています。「食べることは楽しい」という気持ちを育てることは、その後の食習慣にもつながる大切な経験です。
月齢別・取り分けのタイミングと注意点
赤ちゃんの成長に合わせて、取り分けるタイミングや調理方法は少しずつ変わっていきます。
それぞれの時期に合った取り分け方を押さえておきましょう。
離乳初期・中期(5〜8ヶ月頃)
この時期は下ごしらえの段階で取り分けるのが基本です。
離乳食初期(生後5〜6ヶ月頃)や離乳食中期(生後7〜8ヶ月頃)は、材料を刻むとき、食材をやわらかく煮たあとなど、下ごしらえの段階で取り分けます。
煮汁で柔らかくなった野菜を取り出し、初期はなめらかにすりつぶし、中期は舌でつぶせる固さに調整します。
離乳後期・完了期(9ヶ月〜1歳6ヶ月頃)
離乳食後期(生後9〜11ヶ月頃)以降は、味をつける前に取り分けるのを基本に。
市販のスープのもとなど、塩分が濃い調味料で下味をつけた場合は、取り分けはNGです。
後期からは少量の調味料も使えるようになるので、取り分けたあと風味づけ程度の薄味で仕上げます。
味付けと塩分の基本ルール
離乳食は薄味が大原則。
離乳食から摂る塩分の1日の目安として、生後6〜11か月では約 1.24g が推奨されています。
さらに1〜2歳の幼児では 1日2.0g未満 を目指すのが望ましく、調味料を使う際は加える量に注意が必要です。
薄味であれば、大人と一緒に調味しても構いませんが離乳食をとりわけたときに「味がしっかりしているな」とは思わない程度の味つけがいいでしょう。
もしそれでも調味料の量が気になるなら、大人の普通の味付けの半分くらいを目安にしてみてください。
⚠️ 1歳未満の赤ちゃんには、加熱しても「はちみつ」を絶対に与えてはいけません。
乳児ボツリヌス症のリスクがあるため、はちみつ入りの料理からの取り分けは厳禁です。

失敗しない取り分けの5つのコツ
赤ちゃんが食べられる食材から選ぶ
メニュー決めの段階で、その月齢で食べられる食材を選ぶことが成功の第一歩です。
離乳食初期の場合、野菜は繊維が少なく、なめらかになりやすいもの──にんじん、大根、かぶ、たまねぎ、かぼちゃ、トマト、ほうれん草の葉、キャベツ、ブロッコリー、カリフラワー、じゃがいも、さつまいもなどがおすすめ。
タンパク質源としては豆腐、白身魚、卵黄などを組み合わせると、そのまま大人の料理にもステップアップできます。
油分は控えめに、調味料は後がけ
赤ちゃんにとって、炒め物、揚げ物はひかえたいメニューです。
炒めものは、油は少量にして蒸し煮にして、大人用に油分が足りないと思ったら、赤ちゃん分を取り出してからプラスするのが正解。
同じように調味料も赤ちゃん分を取り分けてから大人用に足すと、1つの料理で2倍楽しめます。
汁物・煮物を選ぶと格段にラク
煮込んで取り分け切るだけの汁ものと煮物は取り分けしやすいメニューです。
味噌汁、スープ、煮物、シチュー、カレーは取り分け離乳食の四天王と覚えておきましょう。
だしで柔らかく煮た野菜を取り出すだけで、立派な離乳食が完成します。
大人用より柔らかく煮る
取り分けを前提にするなら、最初から少しだけ柔らかめに煮るのがコツ。
大人料理も普段よりはやわらかく煮て、大人用の調味料を入れる前に赤ちゃん用を取り分け、取り分けたら赤ちゃんの発達に合わせた大きさに切るのが基本の流れです。
香辛料・刺激物は取り分け後に追加
にんにくや香辛料は赤ちゃんにとっては刺激が強すぎますので、ごく少量にするか、離乳食用にとりわけた後に大人用に足すようにしましょう。
胡椒、唐辛子、生姜なども大人だけのお楽しみに。
すぐ作れる!人気の取り分けレシピ7選
万能!野菜たっぷり味噌汁
取り分け離乳食の王道がお味噌汁。
だしで野菜を柔らかく煮込み、味噌を溶く前に赤ちゃん用を取り出します。
じゃがいも、にんじん、玉ねぎ、大根、ほうれん草など、その日の冷蔵庫にある野菜で自由自在。
後期以降なら、取り分けた野菜に少しだけ味噌を溶かしたお湯を加えて風味づけしても◎。
家族みんなで楽しむポトフ
昆布だしか水でコトコト野菜を煮込むだけのシンプル料理。
にんじん、玉ねぎ、じゃがいも、キャベツ、かぶなどを大きめに切って煮込みます。
昆布だしに、一口大に切ったじゃがいも、玉ねぎ、にんじんを入れて軟らかくなるまで煮込み、初期は裏ごしして煮汁でなめらかに、中期は、みじん切りにして煮汁と一緒に鍋に入れて再加熱すればOK。
大人用には塩こしょうやコンソメ、ソーセージを加えてボリュームアップ。
カレーライスからの取り分け
ルウを入れる前の状態が、まさに離乳食のお宝タイム。
柔らかく煮込んだじゃがいも、にんじん、玉ねぎを取り分け、赤ちゃんの月齢に合わせてつぶしたり刻んだりします。
残りにルウを溶かせば大人のカレーが完成。
鶏ひき肉を使えば、後期以降の赤ちゃんも同じ具材を食べられます。
炊飯器で楽ちんチキンピラフ
炊飯器に米、刻んだ野菜、鶏肉、水を入れて炊くだけのお手軽レシピ。
炊飯器で楽ちん 取り分けチキンピラフは生後7〜8ヶ月頃から取り分け可能。
調味料を控えめにして炊き、炊き上がったら赤ちゃん分を取り分け、大人用にはコンソメや塩こしょうを混ぜます。
豆腐と白身魚の煮物
離乳食中期から完了期まで幅広く対応できる優秀メニュー。
小鍋にだし汁、ブロッコリー、たらを入れてコトコト煮て、舌と上顎で潰して飲み込めるように粗く潰し、大人の指で軽くつまむと潰れるくらいの固さが目安。
後期以降はたらを焼いて軽くほぐし、醤油を垂らし、ブロッコリーも食べやすくほぐして手づかみできるくらいの大きさに。
トマト煮込みパスタ
みじん切りの玉ねぎ、にんじん、トマトを煮込んだ基本のソースを作り、味付け前に赤ちゃん分を取り分け。
大人はコンソメや塩こしょうで仕上げ、パスタにかけます。
赤ちゃんには柔らかく茹でて細かく刻んだパスタやごはんと合わせて。
冷凍保存もできるので作り置きにも便利です。
うどん・そうめんの野菜煮込み
麺類は赤ちゃんに人気のメニュー。
小鍋にだし汁、玉ねぎ、にんじん、ピーマンを入れてコトコト煮て、すり鉢で滑らかになるまですり潰し、ポタージュ状になるようにだし汁でのばすと離乳初期の1品に。
後期以降は、調味料を加える前に取り分けて醤油を数滴混ぜれば、立派な主食の完成です。

取り分けNG!注意したい食材リスト
アレルギーに注意したい卵料理
卵は乳児期に多いアレルゲンの代表格。
特に卵はしっかり加熱することも重要で、例えば茶碗蒸しや親子丼、卵とじうどんなどの取り分けはなるべくしないほうがいいでしょう。
親子丼、茶碗蒸し、プリンなどは大人ものを取り分けて赤ちゃんがアレルギーになる場合も多いので、気を付けましょう。
他の卵料理がしっかり食べられるようになったら少量から試すのが安心です。
⚠️ はじめての食材は、必ず平日の午前中に1種類ずつ少量から試しましょう。
万が一アレルギー症状が出た場合に、すぐ小児科を受診できる時間帯を選ぶことが大切です。
塩分・油分が多すぎる料理
ラーメン、加工食品、ベーコンやハム、漬物などは塩分が高いため、取り分けには向きません。
赤ちゃんは腎臓の機能が未熟なため、摂りすぎた塩分を上手に排泄することができずに腎臓に負担がかかります。
揚げ物も油分が多すぎるので避けましょう。
はちみつ・刺激物・生もの
1歳未満ははちみつ厳禁。
また、わさび、からし、唐辛子などの刺激物、生卵や生魚(刺身)も避けます。
1歳を過ぎても、刺身を取り分ける場合は魚の種類は子どもの月齢や離乳食の進み具合に合ったものか確認して選びましょう。
取り分け離乳食を成功させる便利グッズ
小鍋・ミニ調理セット
取り分けた具材を再加熱したり、煮汁で柔らかさを調整したりする小鍋があると便利。
直径15cm程度のミルクパンや、電子レンジ対応の耐熱容器が1つあれば、調理の流れが格段にスムーズになります。
ハンドブレンダー・すり鉢
初期〜中期は食材をなめらかにする工程が必須。
ハンドブレンダーがあれば一瞬でペースト状にできますし、少量ならすり鉢でも十分対応できます。
後期以降はキッチンばさみが活躍。
柔らかく煮た食材を直接器の上でチョキチョキ切れば、まな板いらずです。
電気調理器の活用
最近は自動調理鍋や電気圧力鍋を活用するご家庭も増えています。
鍋でコトコト煮る他にも、電子レンジ、電子調理器、電気炊飯器などいろいろなもので取り分け離乳食が可能です。
スイッチを入れて待つだけで野菜がトロトロに柔らかくなるので、忙しい平日の強い味方になります。
続けるコツと心構え
完璧を目指さない
毎食を取り分けでまかなおうとしないのが、長続きの最大のコツ。
今日は取り分け、明日はフリージングのストック、週末はベビーフードに頼る・・・と柔軟に組み合わせましょう。
フリージング離乳食と取り分け離乳食はどちらもメリットがあるので、ぜひどちらも試してみてください。
家族の食事も見直すきっかけに
赤ちゃんと一緒に食べることを意識すると、自然と家族の食卓も薄味・野菜たっぷりにシフトしていきます。
長期的に塩分摂取量が多いと、塩分の多い味に慣れてしまい、濃い味を好むようになり、将来、高血圧症などの生活習慣病の発症リスクが増加することもあります。
家族全員の健康習慣を見直す絶好の機会と捉えましょう。
「楽しい食卓」を最優先に
離乳食期は、食べる量や進み具合に一喜一憂しがちですが、本当に大切なのは「食事は楽しい時間」だと赤ちゃんに感じてもらうこと。
同じ食卓を囲み、「おいしいね」と笑顔で声をかけ合う時間こそが、何よりの栄養になります。
取り分け離乳食は、そんな家族の時間を作る最高のツールなのです。
よくある質問Q&A
Q1. ベビーフードと併用してもいい?
もちろんOK。
外出時や疲れた日は遠慮なくベビーフードを活用してください。
取り分けとベビーフードのいいとこ取りで、無理なく続けることが大切です。
Q2. 取り分けたものは保存できる?
多めに取り分けて冷凍保存することも可能です。
製氷皿やフリーザーバッグに小分けにして、清潔な状態で冷凍庫へ。
冷凍保存は1週間以内に使い切るのが安全です。
解凍時はしっかり加熱しましょう。
Q3. パパや上の子と同じ味で大丈夫?
後期以降で薄味メニューなら可能ですが、基本は赤ちゃん用を取り分けてから大人用の味付けがおすすめ。
上の子の食事から取り分ける場合も、子ども用ふりかけや濃い味のおかずは避けましょう。
Q4. 取り分けに向いていない料理は?
揚げ物、生もの、香辛料の効いた料理、塩分の濃い料理は不向きです。
揚げ物は油が多いので取り分けには向いていません。
ラーメン、焼肉、麻婆豆腐、エビチリなども取り分けには適しません。
まとめ:取り分けで育児をもっと楽しく
取り分け離乳食は、忙しいママパパの強い味方であると同時に、家族の食卓を豊かにしてくれる素敵な習慣です。
「調味料を入れる前に取り分ける」というシンプルなルールさえ覚えれば、味噌汁、煮物、スープ、カレーなど、いつもの家庭料理がそのまま離乳食になります。
大切なのは完璧を目指さないこと。
フリージングや市販のベビーフードと組み合わせながら、肩の力を抜いて取り入れてみてください。
赤ちゃんがパパママと同じ食卓で「おいしいね」と笑顔を見せてくれる瞬間は、毎日の疲れも吹き飛ぶかけがえのない時間。
取り分け離乳食で生まれた時間とゆとりを、ぜひ家族との触れ合いに使ってくださいね。
今日の夕飯から、ぜひ一品「取り分け」を試してみましょう。
