つかまり立ちを始めたり、はじめての言葉らしき声が聞こえたり・・・生後10ヶ月は、赤ちゃんの「できること」が一気に増えて、毎日が驚きと喜びにあふれる時期です。一方で、行動範囲が広がるぶん「どう過ごせばいいの?」「お部屋は今のままで安全?」「離乳食はどう進める?」と悩みも増えてくるころではないでしょうか。
この記事では、生後10ヶ月の赤ちゃんの発達の特徴から、1日の生活リズム、3回食の進め方、つかまり立ち期にぴったりのおうち遊び、そして安全な環境づくりまで、知っておきたいポイントをまるごとお届けします。月齢はあくまで目安。赤ちゃんのペースを大切に、親子で楽しく過ごすヒントとして読んでみてくださいね。
生後10ヶ月の発達と成長の特徴
生後10ヶ月になると、体つきも動きもぐっとしっかりしてきます。
まずはこの時期の赤ちゃんに見られる発達の特徴を、運動・手指・心の3つの面から見ていきましょう。
つかまり立ち・伝い歩きが始まる時期
この時期の大きな変化が、下半身の力の発達です。
多くの赤ちゃんがつかまり立ちをするようになり、伝い歩きを始める子もいます。
こども家庭庁の最新の調査でも、つかまり立ちができるようになる時期には個人差があることがわかっています。
こども家庭庁の「令和5年乳幼児身体発育調査」によると、つかまり立ちができるようになった月齢は、生後7~8ヵ月未満で31.7%、生後8~9ヵ月未満で61.2%、生後9~10ヵ月未満で81.3%という調査結果が出ています。
つまり、生後10ヶ月までに8割以上の赤ちゃんがつかまり立ちを経験する計算になります。
とはいえ、まだの子もまったく心配いりません。
1歳以降につかまり立ちを始める赤ちゃんも1割程度いますので、焦る必要はありません。
指先が器用になり手づかみ食べも
手指の動きも目をみはるほど発達します。
指先のこまかい動作や左右の手を連動させて使えるようになり、小さいシールを器用にはがしたり、おもちゃを打ち合わせることができるようになります。
食事の場面でも、手と口の動きが連動するようになり、自分で食べたいという意欲も増すため、手づかみで食べようとすることもあります。
言葉の理解と心の発達
心の成長も豊かになる時期です。
言葉の理解がさらに進み、「バイバイは?」というと手を振るなどすることも。
また、はいはいでママの行くところいくところについて回る、いわゆる「あと追い」も始まるようになりますが、これもママと赤ちゃんのきずなの現れです。
また、人見知りの激しくなる子もいます。
あと追いや人見知りは、赤ちゃんが「特別な存在」をしっかり認識できるようになった成長の証。
大変に感じる場面もありますが、愛着がしっかり育っているサインだと受け止めて、温かく見守ってあげましょう。
生後10ヶ月の1日の生活リズム
3回食が始まり、お昼寝のパターンも安定してくるこの時期。
生活リズムを整えることは、赤ちゃんの心と体の発達にとってとても大切です。
睡眠時間と昼寝の目安
生後10ヶ月の睡眠の目安を見てみましょう。
生後10ヶ月の赤ちゃんは、1日におよそ10~12時間寝ます。
夜に9~11時間まとまって眠り、昼寝は2回で合計2〜3時間ほどが一般的です。
昼寝のリズムについては、昼寝は午前と午後の2回が基本となり、それぞれ1時間以上眠れると、夜の睡眠も安定しやすくなります。
午前は1〜1.5時間、午後は1.5〜2時間が目安です。
専門家が紹介するスケジュール例としては、朝寝9時〜10時、昼寝13時〜15時、就寝20時といったリズムがあります。
ただし、お昼寝するかしないか、どのくらい眠るかは、個人差が大きくなります。
お昼寝をしなくても機嫌よく過ごせているようなら、無理に眠らせなくても大丈夫ですよ。

生活リズムを整えるコツ
リズムを整えるうえで欠かせないのが、毎朝の起床時間を一定にすることです。
専門家によれば、起床した時間帯から14時間後に、眠りを促すメラトニンというホルモンが作用し始めるという生理的な仕組みがあります。
つまり6時頃起床すると、夜8時頃には自然と眠くなるのがおおよそ自然な流れです。
大切なのは、前日の就寝が遅かったとしても、夜間ほとんど眠らなかったとしても、起床の時間帯は固定すること。
これを続けることで、だんだん体内時計が整っていきます。
日中は日光を浴びることも効果的で、体内リズムの調整には、日中外に出て日光を浴びるのが効果的ともいわれています。
夜泣き・睡眠退行への向き合い方
順調に眠れていたのに、この時期に急に夜中に何度も起きるようになる「睡眠退行」が見られることがあります。
これはお昼寝リズムの変化、精神や運動の発達など赤ちゃんがまた1段階成長する時期に起こりやすいものです。
発達による睡眠退行は1〜2週間で落ち着くはずとされています。
夜中に起きてしまう原因の多くは、お昼寝のしすぎによるケースが多いとされています。
昼寝が長すぎて夜の寝つきが悪いと感じたら、午後の昼寝の長さを少しずつ調整してみましょう。
ただし、調整は一気に行わず、赤ちゃんの様子を見ながら少しずつ進めるのがポイントです。
生後10ヶ月の離乳食(3回食)の進め方
生後10ヶ月は離乳食後期「カミカミ期」にあたり、多くの赤ちゃんが1日3回食に進む時期です。
食べる楽しさを育てる大切なステップを、無理なく進めていきましょう。
3回食の量とスケジュール
離乳食後期になると、少しずつ母乳やミルクからだけではなく、食事から栄養を取れるようにしたい時期なので、だいたい3回くらいの食事を取るようにします。
食事の間隔は、離乳食を与える間隔は、5時間を目安にします。
例えば、1回目は9時、2回目は12時、3回目は18時です。
1回あたりの量の目安は、厚生労働省の資料をもとにすると次の通りです。
| 食材グループ | 1回あたりの目安量 |
|---|---|
| 穀類 | 全がゆ90g〜軟飯80g |
| 野菜・果物類 | 30〜40g |
| 魚 | 15g |
| 肉 | 15g |
| 豆腐 | 45g |
| 卵 | 全卵2分の1 |
| 乳製品 | 80g |
これはあくまでも目安であって、この通りに与えなくてはいけないということではありません。
アレルギーなどにも気を付けて、赤ちゃんの様子を見ながら与えましょう。
3回食をスタートするときは、一気にいろいろとステップアップさせると赤ちゃんが慣れなくて大変なので、まずは今までと同じ内容を3回食にしましょう。
その後、少しずつ形やかたさ、量、食材の種類を変化させていくのがおすすめです。
食材のかたさ・大きさと鉄分の工夫
この時期の食材は歯ぐきでつぶせる固さのものが食べられるようになる時期です。
大きさは5〜8ミリ角程度を目安に、歯ぐきでつぶせるやわらかさに調理します。
特に意識したいのが鉄分の補給です。
鉄は不足しやすいので、赤身魚、レバーなど鉄の多い食品を利用しましょう。
また、牛乳よりも鉄を多く含む育児用ミルクやフォローアップミルクを飲ませたり、離乳食の素材として利用することもおすすめです。
栄養バランスについては、穀類、野菜・果物、たんぱく質性食品を組み合わせた食事にします。
毎食きっちり3品そろわなくても大丈夫。
具だくさんのうどんなど1品で複数のグループがまかなえるメニューを取り入れ、2〜3日くらいの長い目でバランスを見ていきましょう。
手づかみ食べのサポート
この時期に始まる手づかみ食べは、発達にとってとても重要な意味を持ちます。
手づかみ食べをすることで、目、手、口を使った動作をはぐくみます。
手で持って食べやすいように切るなど工夫しましょう。
最初は握りつぶしてしまったり、ぐちゃぐちゃに汚してしまったりしますが、それも大切な学びの過程です。
1歳未満の赤ちゃんには、はちみつおよびはちみつを含む食品は絶対に与えないでください。
これは乳児ボツリヌス症の発症を考慮してのもので、加熱しても毒素は分解されません。
市販のパンなどを使うときも、成分表示を必ず確認しましょう。
毎日3回の離乳食づくりは、想像以上に大変なもの。
先輩ママ・パパの間ではまとめて作っておいた冷凍ストックを使ったり、ベビーフードを使ったりして、工夫をしながら作っているかたが多いようです。
無理をせず、便利なものを上手に取り入れて、赤ちゃんと向き合う時間を大切にしてくださいね。
つかまり立ち期のおうち遊びアイデア
好奇心が旺盛になり、体も動かせるようになるこの時期は、遊びのバリエーションがぐんと広がります。
身近なもので楽しめるアイデアをご紹介します。
手作りおもちゃで楽しむ
保育士さんおすすめの手作りおもちゃのひとつが、ペットボトルを使った感覚遊びです。
小さな空のペットボトルに、ビーズやスパンコールなどを入れ、水を半分ほど注ぎ、接着剤とビニールテープでしっかりとフタを閉じます。
するとシャカシャカという音やビーズがゆらゆらと動く様子に、赤ちゃんは興味津々になります。
水に洗濯のりを加えてとろみを出すと、ビーズがゆらゆらとゆっくりと落ちてくるおもちゃに変身するので、何種類か作って好みを探すのも楽しいですよ。
つかまり立ちや伝い歩きを促す遊びとしては、ダンボールを使ったものもおすすめです。
ダンボールの中におもちゃや座布団などのおもりを入れると、つかまり立ちのお子さまが押して歩けるダンボールおもちゃに変身します!小さな配達員さんのように、おもちゃを積んで運ぶ姿はなんとも愛らしいものです。
親子のふれあい遊び
体を使ったふれあい遊びは、赤ちゃんが大好きな遊びのひとつ。
先輩ママの体験談では、家で歌を歌いながら手足をマッサージしたり、くすぐったりして遊びました。
ママやパパのすることに対して笑ってくれることが増え、私もパパも楽しめました。
という声があります。
また、ハイハイのスピードが早くなってきたので、ママもいっしょにハイハイをして追いかけっこをしたり、ベビー用ボールを一緒に追いかけてみました。
追いかけられるのが特に楽しいようで喜んでいました。
音楽に合わせて一緒に踊るのもおすすめです。
赤ちゃんは踊るまねっこをして、リズムに合わせて、つかまり立ちをしながら体を上下させますよ。
言葉を育てる声かけ遊び
この時期は言葉の土台を育てる大切な時期でもあります。
保育士さんによると、「ちょうだい」などのやりとり遊びができるようになり、コミュニケーションがどんどんとれるようになる時期なので、声かけがとても大切です。
たとえば「ぬいぐるみ可愛いね」などの声かけを繰り返すと、「ぬいぐるみ」がわかり、「ぬいぐるみ」と「可愛い」が結びつくようになります。
遊びながらたくさん話しかけることが、これからの言葉の発達につながる最高の刺激になります。
難しく考えず、目に映るものや今していることを実況中継するように語りかけてみましょう。
つかまり立ち期の安全な部屋づくり
行動範囲が広がるこの時期は、これまで以上に安全対策が重要になります。
赤ちゃんが安心して探索できる環境を整えてあげましょう。
転倒・落下を防ぐ床と家具の対策
つかまり立ちや伝い歩きを始めると転倒のリスクが高まります。
床にジョイントマットやクッションマットを敷く、家具の角にコーナーガードを取り付けるなど、具体的な対策を講じましょう。
転倒時の衝撃を和らげるマット類は必須アイテムです。
また、家具の固定も忘れてはいけません。
テレビや棚など倒れる危険がある家具や家電は、後ろに転倒防止用や落下防止用のベルトを取り付けて固定しておきましょう。
これは赤ちゃんがつかまり立ちで手を引っ掛けたときの安全だけでなく、地震など災害時の備えにもなります。
誤飲・感電を防ぐポイント
視野が高くなると、これまで届かなかった場所のものにも手が伸びます。
ボタン電池や硬貨、アクセサリー、薬やあめ玉などは赤ちゃんの手の届かない1メートル以上の高さの所へ置きましょう。
直径39ミリメートルより小さなものは、誤飲の恐れがあります。
トイレットペーパーの芯を通り抜けるサイズが、ひとつの目安になります。
そのほかの対策として、コンセントには専用カバーをつける、引き出しや戸棚にはチャイルドロックを取り付ける、階段にはベビーゲートを設置するといった工夫が有効です。
観葉植物の葉や土を口に入れてしまうこともあるため、赤ちゃんの通り道には置かないようにしましょう。
つかまり立ちをサポートする工夫
安全に配慮しつつ、赤ちゃんの「立ちたい」気持ちを応援する環境も大切です。
室内では滑り防止のためにも靴下は履かせない方がベター。
裸足のほうが足の指で踏ん張りやすく、バランスもとりやすくなります。
つかまり立ちを促したい場合は、ローテーブルの上に赤ちゃんの好きなおもちゃを乗せる方法がおすすめです。
ただし特別な練習は必要ありません。
赤ちゃんは体の発達や興味関心の広がりによって自然とつかまり立ちを始めるもの。
そのため、無理をさせずに見守ることも大切です。
気になる発達の悩みと向き合い方
成長を喜ぶ一方で、「うちの子は遅れていないかな」と不安になることもありますよね。
この時期によくある悩みへの向き合い方をお伝えします。
つかまり立ちをしない・遅いとき
つかまり立ちの時期には大きな個人差があります。
つかまり立ちに限らず、赤ちゃんの成長過程において目安となるような動作は、どれもはじめる時期に個人差が大きいものです。
なかなか赤ちゃんがつかまり立ちをはじめないからといっても過度な心配はしないようにしてくださいね。
性格による違いもあり、慎重な性格の子は、なかなか歩きださない子も。
個人差があるので、ゆっくり個人のペースを見守ってあげてください。
赤ちゃんそれぞれのペースを尊重することが、何よりも大切です。
食べムラ・遊び飲みがあるとき
離乳食を食べたり食べなかったりする「食べムラ」も、この時期によくある悩みです。
食事のペースができてくる頃ですが、食べムラも起こりがち。
元気そうなら心配いりません。
無理に食べさせないことも大切なポイント。
ある先輩ママの体験では、無理に食べさせないことで、食事の時間が「嫌な時間」にならず、次の食事ではまた興味を持ってくれることもありました。
食事は「楽しい時間」であることが、長い目で見れば食べる意欲につながります。
専門家に相談する目安
不安が続くときは、ひとりで抱え込まずに専門家を頼りましょう。
離乳食について悩みがあるときは、助産師や保健師、小児科の先生など専門家に相談してみましょう。
また、成長曲線のグラフを参考に、体重増加などで気になることがあれば医師に相談しましょう。
生後10ヶ月健診も、発達を確認できる大切な機会です。
気になることはメモしておき、健診や日々の相談の場で遠慮なく聞いてみてくださいね。
まとめ:赤ちゃんのペースで楽しく過ごそう
生後10ヶ月は、つかまり立ちや伝い歩き、手づかみ食べ、言葉の理解など、できることがぐんと増えるかけがえのない時期です。
この記事でご紹介したポイントをおさらいしましょう。
- 発達
つかまり立ちや伝い歩きが始まり、指先も器用に。
あと追いや人見知りは愛着が育った証。 - 生活リズム
睡眠は10〜12時間、昼寝は2回が目安。
起床時間を固定してリズムを整える。 - 離乳食
3回食へ移行し、鉄分を意識。
手づかみ食べを応援し、はちみつは絶対NG。 - 遊びと環境
身近なもので感覚遊びやふれあい遊びを。
安全対策で安心して探索できる空間を。
どの項目にも共通するのは、月齢はあくまで目安であり、赤ちゃん一人ひとりのペースを大切にすることです。
まわりと比べて焦る必要はありません。
月齢は目安であり、個々の発達に合わせて工夫することが大切です。
つかまり立ち期は、はじめての一歩が待ち遠しい、わくわくする毎日です。
完璧を目指さず、ときには冷凍ストックやベビーフード、便利グッズに頼りながら、ゆとりを持って育児を楽しんでください。
今日の小さな「できた!」に一緒に笑顔になれる、そんな時間を大切に過ごしていきましょう。
