ママの抜け毛対策 | 産後ヘアケアの基本と乗り切るコツ

ママの抜け毛対策 | 産後ヘアケアの基本と乗り切るコツ
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赤ちゃんとの新しい毎日が始まってしばらく経った頃、シャンプーのたびに手に絡みつく髪の毛や、排水口にたまった抜け毛の量にドキッとした経験はありませんか。「このまま薄くなってしまうのかな」と不安になり、大切な育児の時間まで気持ちが沈んでしまう・・・そんなママは決して少なくありません。

でも、安心してください。産後の抜け毛は、出産を経験した多くの女性が通る自然な体の変化です。しくみを正しく知り、忙しい育児の合間にできる小さな工夫を取り入れるだけで、心がぐっと軽くなります。この記事では、産後の抜け毛の原因からセルフケア、抜け毛が目立たない髪型のアイデアまで、赤ちゃんとの時間をもっと楽しむためのヒントをたっぷりお届けします。

明るいリビングで赤ちゃんを抱っこしながら優しく微笑む30代のママ

産後の抜け毛はなぜ起こるの

「昨日まで元気だった髪が、どうして急に抜けるの?」という疑問。
その答えの多くは、女性ホルモンの変化にあります。
まずは体の中で何が起きているのかを知ることで、必要以上に不安にならずにすみます。

妊娠中のホルモンが髪を守っていた

妊娠中は、女性ホルモンが普段よりずっとたくさん分泌されています。
妊娠28〜32週間後になると妊娠前と比べて、エストロゲンは約100倍、プロゲステロンは約15倍あると言われており、女性ホルモンの分泌量は非妊時と比較しても大量に分泌されている状態になります。

エストロゲンには、髪の毛の成長期を延長させる働きがあります。
つまり、妊娠中は髪の毛が抜けにくく、長く成長し続けるため、いつもより髪が豊かに感じる方が多いのです。
つまり本来なら自然に抜けるはずだった髪が、妊娠中はぐっと踏みとどまっていた、というわけです。

出産後のホルモン急降下がきっかけ

ところが出産を終えると、状況は一変します。
出産後には、エストロゲンの分泌量は急激に低下し、妊娠前の状態に戻っていきます。
この急激なホルモンバランスの変化が、髪の毛の成長サイクルに大きな影響を与えます。
出産後は、エストロゲンの減少によって、多くの髪の毛が一斉に休止期へと移行します。
休止期に入った髪の毛は、数ヶ月後に自然に抜け落ちます。
そのため、産後数ヶ月経ってから抜け毛が増える方が多いのです。

この現象には医学的な名前もあります。
医学的には、この現象は「休止期脱毛症」と呼ばれ、急激な代謝ストレスやホルモン変化などが原因で起こります。
産後の抜け毛も、この休止期脱毛症の一種と考えられています。
つまり、産後の抜け毛はあなたのケア不足のせいではなく、体が妊娠前に戻ろうとしている自然なプロセスなのです。

育児による生活の変化も影響する

原因はホルモンだけではありません。
産後の抜け毛の原因はホルモンバランスだけではなく、子育てによるストレスや睡眠不足、疲労等、産後のあらゆる環境の変化も抜け毛の原因になります。
ストレスや睡眠不足で自律神経が乱れると、頭皮の血行不良を引き起こし、髪の成長に必要な栄養が届きにくくなります。

慣れない育児で睡眠がこまぎれになり、食事もつい後回しに・・・。
その積み重ねが、抜け毛を少し長引かせてしまうこともあります。
逆に言えば、生活習慣は自分で見直せる部分でもあるので、後半でくわしくご紹介しますね。


抜け毛はいつからいつまで続く

不安を和らげる一番の近道は、「ゴールが見える」ことです。
産後の抜け毛には、だいたいの時期の目安があります。

始まる時期とピークの目安

産後の抜け毛は、一般的に産後2〜3ヶ月頃から始まり、産後6ヶ月頃にピークを迎えることが多いです。
産後の抜け毛が始まる時期には個人差がありますが、出産後2〜3ヶ月目が目安です。
ちょうど「魔の3ヶ月」と呼ばれる大変な時期に抜け毛が増えるため、追い討ちをかけるように抜け毛が一気に増えると感じる方も多いようです。

ちなみに、抜け毛の量には大きな個人差があります。
症状の程度には個人差があり、排水溝に詰まる量の髪の毛が抜けてしまう方もいれば、ほとんど抜け毛が目立たない方もいます。「まわりのママより抜けている気がする」と比べて落ち込む必要はまったくありません。

カレンダーを見ながら産後の体調の変化を書き込むママの手元

自然に落ち着くまでの流れ

気になるのは「いつ終わるのか」ですよね。
その後、徐々に抜け毛は減少し、多くの場合、産後1年〜1年半頃までには自然に元の状態に戻ります。
ただし、回復の時期には個人差があり、栄養状態、睡眠、ストレスなどの影響も受けます。

ある調査データも参考になります。
ある大規模なアンケート調査では、産後の抜け毛の開始は平均2.9か月、ピークは5.1か月、終了は8.1か月と報告されています。
回復を焦る必要はありません。
多くのママが半年から1年ほどで「いつの間にか気にならなくなっていた」と感じているのです。

こんなときは専門家に相談を

ほとんどの産後の抜け毛は時間とともに落ち着きますが、なかには長引くケースもあります。
出産後1年以上経っても抜け毛が落ち着かない、または明らかに悪化していると感じる場合は、皮膚科や女性の薄毛に詳しいクリニックへ相談しましょう。

産後6ヶ月〜1年程経っても、なかなか回復しない場合もあります。
あまりに長引く場合は専門クリニックの受診をおすすめします。
問診や視診などにより専門医の診断をします。
迷った際は、信頼のできる医師に相談しましょう。
自己判断で悩み続けるより、プロに一度みてもらうと気持ちがすっと楽になりますよ。


今日からできる頭皮ケアの基本

「抜けるのが怖くて髪を洗いたくない」という声をよく聞きます。
でも、それは逆効果かもしれません。
健やかな髪が育つ土台づくりのために、正しいケアを知っておきましょう。

シャンプーは1日1回やさしく

抜け毛が気になると洗髪をためらいがちですが、頭皮を清潔に保つことはとても大切です。
頭皮に余分な皮脂や汚れがたまると髪がしっかり成長できず、脱毛しやすくなったり、新しい髪が生えにくくなったりしてしまいます。
頭皮環境をよい状態に保つために、可能な限り1日1回の丁寧なシャンプーを心がけましょう。

洗うときは爪を立てず、指の腹を使ってやさしく。
ゴシゴシこするのではなく、頭皮をマッサージするようなイメージで洗うのがポイントです。
抜け毛が怖くて洗わないでいると、かえって頭皮環境が悪化して抜け毛を助長してしまうので注意しましょう。

頭皮マッサージで血行アップ

髪に栄養を届けるには、頭皮の血の巡りが欠かせません。
頭皮の血行を良くする工夫は、毛根に栄養を届ける上で非常に効果的です。
シャンプーのついでや、リラックスタイムに、指の腹を使って頭皮全体を優しく動かすようにマッサージしましょう。
気持ちが良いと感じる程度の力加減で行うのがポイントです。

赤ちゃんが寝ている合間や、湯船につかりながらの数分でOK。「痛気持ちいい」よりも「気持ちいい」くらいの力で十分です。
ママ自身のリラックスタイムにもなって一石二鳥ですね。

パーマ・カラーは様子を見て

おしゃれも楽しみたいところですが、産後の頭皮はいつもよりデリケート。
産後のデリケートな時期は、パーマ液やカラー剤の刺激が負担になることがあります。
抜け毛が気になる間は控えるか、頭皮への負担が少ない方法を美容師に相談しましょう。

また、髪をきつく結ぶスタイルも要注意です。
生え際や分け目部分は元々薄くなりやすいため、分け目を変えてみるのも効果的です。
また、髪の毛を過度に引っ張るような髪型は避けましょう。
同じ分け目や強いポニーテールを続けると、生え際に負担がかかってしまいます。


髪を育てる食事と栄養素

体の内側からのケアも、健やかな髪づくりには欠かせません。
とくに授乳中のママは栄養が赤ちゃんへ優先的に使われるため、意識して補うことが大切です。

髪の材料になるタンパク質

髪づくりの主役はなんといってもタンパク質です。
髪の毛の約90%は「ケラチン」というタンパク質でできています。
そのため、良質なタンパク質を十分に摂取することが、丈夫な髪を作るための第一歩です。
肉や魚、卵や大豆製品などを毎日の食事にバランス良く取り入れましょう。

量の目安も知っておくと安心です。
髪の毛の主成分であるたんぱく質の授乳期推奨量は、非妊娠時に比べ20gも多い1日70gです。
これは目安として毎食、お肉や魚、大豆製品や乳製品など、たんぱく質を多く含む食品を摂取することで達成できる量になります。
難しく考えず、毎食「手のひら1枚分のおかず」を意識するだけでもぐっと近づけます。

色とりどりの野菜や魚、大豆製品が並んだ栄養バランスの良い和食の食卓

ミネラルとビタミンでサポート

タンパク質を髪に変えるには、それを助ける栄養素も必要です。
とくに大切なのが亜鉛と鉄分。
亜鉛は、食事から摂取したタンパク質を髪の毛(ケラチン)に変える際に働く、重要なミネラルです。
いくらタンパク質を摂っても、亜鉛が不足していると効率よく髪の毛を作ることができません。
牡蠣や牛赤身肉、納豆、ごまなどに多く含まれています。

鉄分も産後は不足しがちです。
産後は出産時の出血や悪露、さらには母乳への鉄分移行により、多くの女性が潜在的な鉄欠乏性貧血の状態にあります。
鉄分が不足するとヘモグロビンが減少し、毛根まで十分な酸素が届かなくなります。
鉄はレバー、赤身の肉、カツオ、イワシ、アサリ、小松菜、大豆などに多く含まれますが、吸収率が高いのは動物性食品のほうです。
ビタミンCを含む野菜や果物と一緒に摂ると鉄の吸収率がさらにアップします。
「赤身のお肉+レモンやブロッコリー」のような組み合わせが、鉄分吸収の観点でおすすめです。

過度なダイエットは避けて

体型を早く戻したい気持ちはとてもよくわかりますが、産後すぐの無理な食事制限は禁物です。
過度な食事制限や極端なダイエット方法は、髪の成長に必要な栄養素の不足を招く恐れがあります。
特に髪の毛の主成分である「たんぱく質」やビタミンB群、ミネラル(亜鉛や鉄分など)が不足すると抜け毛や薄毛の原因になります。

産後ダイエットで最も大切なのは無理をしないこと。
特に出産後の最初の6〜8週間は、体の回復に専念しましょう。

髪と体の回復が落ち着いてから、栄養バランスの整った食事をベースに無理なく進めるのが結局は近道です。


睡眠とストレスケアも大切

「そんなの分かってるけど無理・・・」というママの声が聞こえてきそうですが、完璧を目指さなくて大丈夫。
できる範囲での工夫が、髪にも心にも効いてきます。

細切れでも睡眠の質を上げる

髪は寝ている間に育ちます。
髪の成長を促す成長ホルモンは、深い眠りの間に最も多く分泌されます。
とはいえ、夜間授乳や夜泣きでまとまった睡眠をとるのは至難の業ですよね。

そこで大切なのが「質」の工夫です。
難しいときは睡眠の質を上げる工夫をしてみましょう。
就寝前はスマートフォンやパソコンの使用を控えたり、ダウンライトや暖色系のライトに切り替えたりすることで、身体が短時間でも休まりやすくなります。
一度に長時間の睡眠が難しい場合は、時間をみつけて昼寝や仮眠をとることを意識しましょう。
緊急性の高い家事以外は後回しにしたり、まわりに頼ったりすることも大切です。

ストレスをためこまない

ストレスは自律神経を乱し、頭皮の血行にも影響します。
強いストレスや慢性的なストレスは、血管を収縮させて頭皮の血行を悪化させたり、男性ホルモンの分泌を促して皮脂の過剰分泌を招いたりすることがあります。

だからこそ、頑張りすぎないことが実は立派な抜け毛対策なのです。
完璧な育児を目指しすぎず、「まあ、いいか」と自分を許してあげることも大切です。
家事や育児を一人で抱え込まず、家族やサービスの手を借りることは、ママの髪と心を守る大切な選択です。

周りの力を上手に借りる

産後のママの体は、出産という大仕事を終えたばかり。
里帰りや産後院など、家族やプロの力を借りるのも手です。
お子さん中心の生活になるのはもちろんですが、出産という大仕事を終えたママのケアも同じく重要です。

パパに夜のお世話を代わってもらう、実家に頼る、家事代行や自治体の産後ケアサービスを使う・・・。
頼ることは決して甘えではありません。
ママが元気でいることが、赤ちゃんにとっての一番の幸せなのですから。


抜け毛が目立たない髪型のコツ

回復を待つあいだも、おしゃれは楽しめます。
ちょっとした工夫で抜け毛や短い毛をカバーできれば、鏡を見るのが楽しくなりますよ。
忙しいママでもすぐ試せるアイデアを集めました。

分け目を変えてボリュームアップ

いちばん手軽なのが分け目チェンジです。
日常的に同じ分け目を保つことで、その部分の髪の根元が平らになり、ボリュームが出にくくなる傾向があります。
しかし、分け目を変えることで、根元の髪が立ち上がりやすくなり、自然なボリューム感を取り戻すことができます。

例えば、いつも左側に分けている方は、右側に分けることで、ボリュームダウンして見えていた部分にふんわりとした立体感が生まれます。
道具も時間もいらない、今すぐできる裏ワザです。

ショートやボブで扱いやすく

思い切ってヘアスタイルを変えるのもおすすめです。
ショートヘアは分け目がはっきりしないため、ボリュームダウンした部分が目立ちにくく、自然に薄毛をカバーできます。
さらに、髪が短い分、ふんわりとしたスタイリングがしやすく、全体にボリューム感を持たせることも可能です。

また、生えてくる短い毛(アホ毛)となじませるには段差のあるスタイルが効果的です。
頭全体から生えてきた短い毛とのバランスを合わせて馴染みやすいのがショートヘアです。
ショートヘアならドライヤーをかける時間も短くなり、自宅でのスタイリングも楽になります。
育児中は乾かす時間の短縮もうれしいポイントですね。
長さを残したい方は、まとめやすいミディアムボブも人気です。

ヘアバンドや前髪でカバー

回復期に出てくるツンツンした短い毛には、こんな対策も。
産後の抜け毛によって生え始めた短い前髪がツンツンと目立つことがあります。
こうしたツンツン毛が気になる場合は、前髪をおろしてカバーする「おろしバング」がおすすめです。
前髪を作ることで、短い毛が目立ちにくくなり、自然なスタイルを保つことができます。

ヘアバンドを使ったアレンジも忙しい朝の味方です。
太めのヘアバンドで生え際を隠し、あえておでこを出すことで、前髪の少なさを感じにくくさせることができます。
おしゃれに見えて手間もかからないので、ぜひ気分に合わせて取り入れてみてください。


産後の抜け毛でよくある疑問

最後に、多くのママが抱きやすい疑問にお答えします。
ちょっとした不安を解消して、前向きに毎日を過ごしましょう。

母乳育児だと抜け毛は増える?

母乳をあげているママは、栄養が赤ちゃんへ優先的に届けられます。
授乳期は数時間おきに1日何度も授乳をしますから、これにより鉄や亜鉛・タンパク質などの栄養や水分が体外へと出ていきます。
ママにとって充分な栄養を確保することができず、抜け毛が増えてしまう要因となります。
だからこそ、授乳中は普段以上に栄養補給を意識してあげてくださいね。

サプリメントは使ってもいい?

忙しくて毎食バランスよく食べるのが難しいときは、サプリメントも選択肢のひとつです。
ただし、あくまで補助的なものと考えましょう。
忘れてはならないのは、サプリメントはあくまで「栄養補助食品」であるという点です。
基本は、一日三食のバランスの取れた食事です。
サプリメントに頼りすぎるのではなく、食事を基本とした上で、足りない部分を補うという考え方が大切です。

授乳中に摂りすぎると影響が出る成分もあるため、サプリメントを使う際は用法・用量を守り、心配な場合は医師や薬剤師に相談してから始めましょう。

本当に元に戻るの?

一番気になるこの疑問。
答えははっきりしています。
産後脱毛は一時的なものであり、一生続くものではないので安心してください。
出産を経験した約7割の女性が産後の抜け毛を経験していると云われていますが、ほとんどが出産後6ヶ月〜1年程度で自然に回復します。

あなただけではありませんし、必ず落ち着く日がやってきます。
いまは体が一生懸命、元の状態に戻ろうとしている途中なのだと、どうか自分をいたわってあげてください。


まとめ

産後の抜け毛は、妊娠中に増えていた女性ホルモンが出産後に急激に減ることで起こる、ごく自然な体の変化です。
一般的に産後2〜3ヶ月頃から始まり、6ヶ月頃にピークを迎え、多くの場合は産後1年〜1年半頃までには自然に元の状態に戻ります。
あなたのケアが足りないわけでも、頑張りが足りないわけでもありません。

回復を待つあいだも、できることはたくさんあります。
1日1回のやさしいシャンプーと頭皮マッサージ、タンパク質・亜鉛・鉄分を意識した食事、細切れでも質を高める睡眠、そして何より頑張りすぎないこと。
分け目を変えたりヘアバンドを取り入れたりして、おしゃれを楽しむ余裕も持てたら素敵ですね。

抜け毛に気を取られて、赤ちゃんとのかけがえのない時間が曇ってしまってはもったいない。「これは元気に戻ろうとしている証拠」と前向きにとらえて、周りの手も上手に借りながら、この時期をゆったり乗り切っていきましょう。
あなたの笑顔が、赤ちゃんにとって一番の栄養です。

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