1歳が食器投げる理由と対策 | 叱り方・卒業の目安

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「せっかく作ったご飯を投げられた」「お皿をひっくり返されて片付けが終わらない」・・・毎日の食事のたびにため息が出てしまう、そんな悩みを抱えていませんか。実はこの食器投げという行動は、1歳前後の子どもによく見られる成長の証でもあります。とはいえ、毎回のことだと親としてはヘトヘトになってしまいますよね。この記事では、1歳児が食器を投げたりお皿をひっくり返したりする理由を発達の視点からひもとき、今日から試せる具体的な対策、叱り方のコツ、そして「いつまで続くのか」という気になる疑問まで、まるごと分かりやすく解説していきます。

目次

1歳児が食器を投げる主な理由

1歳前後の子どもが食器を投げるのには、決して「わがまま」や「しつけの失敗」だけが原因ではありません。
発達段階として自然な行動であるケースがほとんどです。
まずはその背景を知ることから始めましょう。

手指の発達と「投げる練習」

生後6か月〜1歳ごろになると、赤ちゃんはものを投げるようになり、この時期は手先の器用さが育ち、物をつかんだり離したりすることが楽しくてたまらない時期です。「つかむ→離す→落とす→投げる」という一連の動作を通して、身体と感覚を連動させる大切な練習をしています。
偶然食器を落としたときに音が鳴ったり、床に転がったりする様子そのものが、子どもにとっては新鮮な発見なのです。

「もう一度やったら?」という探求心

偶然スプーンを落としたら音がした、その体験に赤ちゃんはびっくりして、そして嬉しくなります。「もう一度やったらまた音がするかな?」と自分で試すうちに、学習が進んでいくのです。
つまり食事中の食器投げは、子どもにとって一種の実験のようなもの。
悪気があるわけではなく、好奇心の発露だと理解するだけでも、親の気持ちはずいぶん楽になります。

まだ区別がつかない「投げていいもの・悪いもの」

1歳児は運動面・心理面ともに発達の著しい時期で、何気ない行動から手を離すとものが下に落ちることに気が付き、大人にとっては当たり前の「落ちる・投げる」という行為が1歳児にとっては面白くて仕方ないのですが、投げていいもの・悪いものの区別がつかないので食べ物でもおもちゃでも手当たり次第に投げてしまうという特徴があります。
食事中だからといって特別な意味があるわけではなく、単純に「投げる」という動作そのものを楽しんでいるだけ、というケースも多いのです。

ハイチェアに座り両手でスプーンとお皿を持ってこちらを見上げる笑顔の1歳児


投げる行動は発達の証?成長のサイン

食器投げは困った行動である一方、実は子どもの心と体が順調に育っている証拠でもあります。
ここではもう少し詳しく、発達の観点から見ていきましょう。

1歳前後に見られる手指の発達

1歳頃になると、歩く・投げる・叩く・押す・引っ張る・フタを開けるなど、手や体の動きが活発になり、好奇心旺盛な時期を迎えます。
この時期は物を投げる、叩く、落とすなどの動作が増え、手や指、腕を使った遊びを楽しむ一方で、まだ力のコントロールができず、強く叩いたり投げたりするのが特徴です。
つまり、投げる力の加減がまだ身についていないだけで、意地悪をしているわけではないのです。

言葉より先に「行動」で伝える時期

1〜3歳の子どもは、言葉が未発達で気持ちを伝えられないし、自分の感情の理由もわかりません。
そのため感情を行動であらわすのがふつうです。
まだ「イヤだ」「もっと食べたい」「疲れた」を言葉にできない分、投げるという行動で気持ちを表現しているとも言えます。


食事中に投げる子どもの心理を知ろう

ここからは食事シーンに絞って、子どもが食器を投げるときに何を感じているのかを掘り下げていきます。
理由が分かれば、対応のヒントも見えてきます。

構ってほしい・反応が見たい

1〜3歳ごろは、親に関心をもってもらいたい気持ちが強い時期です。「ポイっと投げるとママが振り向く」と気づいた瞬間から、その行動を繰り返すことがあります。
子どもが偶然スプーンでお皿を「カンッ」と鳴らしたときに、ママパパが振り返って笑ってくれたら、うれしくて何回も鳴らすようになるのと同じ原理です。
叱られることさえも「注目してもらえた」という成功体験になってしまうため、対応の仕方には注意が必要です。

もうお腹いっぱい、という満腹サイン

おなかが空いている間は集中して食べてくれますが、満たされてくると途端に遊びだします。
これは1歳児に限ったことではなく3歳くらいまでは集中力が続かないと覚悟しておいた方がいいようです。
食器投げが始まったら、単純にお腹がいっぱいになったサインかもしれません。

思い通りにならないもどかしさ

公認心理師による解説では、親が思い通りにさせてくれないときに癇癪を起こして物を投げるケースがあり、こうした場面では端的に注意し、譲歩しないことが大事だと指摘されています。
食べたくないものを勧められた、遊びを中断されたなど、子どもなりの「不満」が投げる行動として表れることもあります。


今日からできる食器投げ対策8選

理由が分かったところで、実際に試せる対策を紹介します。
すべてを一度に行う必要はありません。
わが子に合いそうなものから少しずつ取り入れるのがポイントです。

  • 吸盤付き・滑り止め付きの食器を使う:物理的にひっくり返しにくくすることで、投げる・こぼす頻度そのものを減らせます。
  • 一口分ずつ盛り付ける:お皿にたくさん盛ると遊び道具にされやすいため、少量ずつ出して食べ終わるたびに追加する方法が有効です。
  • 食事に集中できる環境を整える:1歳児は興味が移り変わりやすく、気になるおもちゃが視界に入ると食事への関心が薄れてしまうため、テレビを消し、おもちゃを片付けてから食事を始めましょう。
  • お腹が空いた状態で食卓に着かせる:おやつのタイミングを見直し、食事の時間にきちんと空腹になっているか確認します。
  • 投げてもいい代替アイテムを用意する:1〜2歳だと何を投げてよくて何がダメなのかがまだわかりにくいので、投げていいものを手渡して、投げたい気持ちを一気に満たしてあげる方法も効果的です。
    食事の前後にボール遊びの時間を作るのもおすすめです。
  • 「ごちそうさま」のタイミングを明確にする:声掛けをしても遊ぶのをやめない場合には、食事を中断してみましょう。
    中断は「遊んでいると食事が終わっちゃうんだ」と子どもに伝えるための対処法です。
  • 家族みんなで一緒に食べる:1人で食べる食事は味気なく、すぐに飽きてしまい、お腹も心も満たされないため、できるだけ大人も一緒に食卓を囲むようにしましょう。
  • 床にレジャーシートや新聞紙を敷く:後片付けの負担を減らすだけで、投げられたときのイライラがぐっと軽くなります。

床にレジャーシートを敷いたダイニングで親子が笑顔で向き合って食事をしている様子


叱り方のコツと避けたいNG対応

対策と並んで大切なのが「叱り方」です。
感情的に怒鳴ることは逆効果になりやすいため、伝え方を工夫しましょう。

短く・その場で・目を見て伝える

1歳児だとまだおしゃべりもままならず話が通じているのかどうかもよく分からないかもしれませんが、思っている以上に大人の言うことを理解しています。
特に普段とは違う叱っている時の低い声や表情などは伝わります。
子どもが食事を投げた直後に目を見て短く叱ることがポイントで、時間が経つと何について叱られているのか分からず、理由などを長々と説明してもそこまでは理解できません。「投げない」「痛いよ」など、短い言葉で繰り返し伝えることが大切です。

保育士が実践する声かけの割合

保育士や幼稚園教諭を対象にしたアンケートでは、子どもが食べ物で遊ぶ際に約63%が「ある程度行動を見守った後、それは〇〇だよ、お口にあ~んするものだよ、などの声掛けを行う」と回答しています。
頭ごなしに叱るより、まず具体的な行動を示してあげる声かけが現場でも重視されているようです。

感情的にならず、淡々と伝える

子育て雑誌の専門家インタビューでは赤ちゃん〜1歳くらいは、ちゃんと食べられなくても、お皿をひっくり返しても、カッとせず、ぐっと我慢しつつ、感情的にならず冷静に「お皿を投げてはいけない」と言い聞かせることが大切だと紹介されています。
注意:感情に任せて大声で叱ると、子どもは「怒られた」という記憶しか残らず、何が悪かったのか理解できないまま終わってしまうことがあります。
落ち着いたトーンで伝えることを意識しましょう。


投げても安心な食器・グッズの選び方

対策と叱り方に加えて、道具選びで物理的にリスクを減らすことも非常に有効です。

割れにくい・欠けにくい素材を選ぶ

陶器やガラスの食器は見た目がおしゃれでも、投げられた際に割れて破片でケガをする危険があります。
1歳児の食事にはシリコン製やメラミン製など、軽くて割れにくい素材を選びましょう。
破損した食器の鋭利な破片は誤嚥や切り傷につながる恐れがあるため、素材選びは安全対策の第一歩です。
こども家庭庁も家庭内の誤飲・誤嚥事故防止について注意喚起をしており、詳しい内容は下記の公式ページでも確認できます。

こども家庭庁「こどもの事故防止ハンドブック」

吸盤・滑り止め付き食器の活用

テーブルやトレーに吸着するタイプの食器は、投げる以前に持ち上げること自体を防げるため、ひっくり返し対策として特に人気があります。
100円ショップや育児用品店でも手に入りやすく、コストを抑えて試せるのも嬉しいポイントです。

投げても安全なおもちゃで欲求を発散

「投げても安全なおもちゃ」を用意し、「だめ!」と叱る代わりに「これなら投げていいよ」と言える環境を作ることも、食事の時間以外で投げたい気持ちを発散させる有効な手段です。
ボールプールや布製のボールなど、当たっても痛くない素材のものを選びましょう。

シリコン製の吸盤付き食器とやわらかい布製ボールが並んだ子ども部屋の一角


外食や祖父母宅での対処法

自宅ではある程度対策できても、外食先や祖父母宅など環境が変わる場所では食器投げが再燃しやすいもの。
事前の備えがカギになります。

出かける前に「予告」しておく

モンテッソーリ教育の視点を紹介するコラムでは、出かける前に「今日はこれからレストランに行きますよ。レストランは、みんなで座ってご飯を食べるところです」ときちんと伝えることが大切だとされています。
いつもと違うことが突然起こるだけでも子どもは落ち着かなくなるため、事前にしっかりと話をすることで安心するという考え方です。
話せない年齢でも、繰り返し伝えることには意味があります。

持ち運びできる食器・シートを準備する

外出先では、慣れない食器や不安定な椅子が原因で投げる行動が増えることもあります。
普段使っている吸盤付きの食器や、滑り止め付きのランチョンマットを持参するだけでも安心感が違います。
また、床に敷ける使い捨てシートを用意しておくと、周囲への配慮にもなり親の気持ちも楽になります。


食器投げはいつまで続く?卒業の目安

多くの親が気になるのが「いつまで続くのか」という点です。
個人差は大きいものの、言葉の発達とともに落ち着いていくケースが多いとされています。

言葉が増えると行動は落ち着く傾向に

実際の子育て体験談では、1歳3ヶ月ごろから物を投げる行動が目立つようになり、1歳7ヶ月ごろから2語文や3語文が少しずつ出るようになった時期に、投げる頻度が一番高くなったという報告があります。
しかしその後、1歳9ヶ月ごろから言葉の量が一気に増え、自分の気持ちを文章で伝えられるようになると投げる場面が徐々に減り、1歳10ヶ月になる頃にはほとんど物を投げることがなくなったという経過も紹介されています。

3歳ごろまでは根気強く向き合う心づもりを

子どもの「遊び食べ」行動は離乳食を始めて少し経った8ヶ月〜1歳くらいから始まり、3歳ごろに落ち着くといわれています。
注意:焦って厳しく叱りすぎると、食事自体を嫌がるようになってしまうこともあります。
長い目で見て、少しずつ「食べる楽しさ」を伝えていく姿勢を大切にしましょう。


専門家に相談すべきケースとは

ほとんどの食器投げは成長過程の自然な行動ですが、中には専門家への相談を検討したほうがよいケースもあります。

3歳を過ぎても激しさが変わらない場合

年齢を重ねても投げる行動の強さや頻度がまったく変わらない、あるいは他者への攻撃性が強くエスカレートしていくように感じる場合は、自治体の育児相談窓口や小児科、保健センターなどに相談してみましょう。
専門家に話すだけでも気持ちが軽くなることがあります。

親自身の心が疲れてしまっているとき

食器投げそのものよりも、対応する親御さんのストレスが限界に近づいているケースも少なくありません。
一人で抱え込まず、パートナーや家族、地域の子育て支援センターを頼ることも大切な対策の一つです。
完璧を目指さず、時には食事の後片付けを諦めることも、育児を長く楽しむための工夫だと考えてみてください。


まとめ

1歳児が食器を投げたりお皿をひっくり返したりする行動は、多くの場合手指の発達や好奇心、言葉にできない気持ちの表れといった成長のサインです。
吸盤付き食器の活用や環境づくりといった物理的な対策と、短く落ち着いたトーンで伝える叱り方を組み合わせることで、食事の時間は少しずつ穏やかなものになっていきます。
個人差はありますが、言葉の発達とともに落ち着いていく子が多いというデータや体験談もあります。
今がいちばん大変な時期かもしれませんが、この時期はあっという間に過ぎていきます。
完璧を目指さず、できることから少しずつ取り入れながら、親子で食卓を囲む時間を楽しんでいってくださいね。

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