「うちの赤ちゃん、寝ているときにギリギリと歯ぎしりの音がする・・・」そんな経験をして、驚いたり不安になったりしたパパ・ママは少なくないはずです。まだ歯が生えたばかりの小さな口から、大人のような歯ぎしりの音が聞こえてくると、何か異常があるのではないかと心配になってしまいますよね。
結論からお伝えすると、赤ちゃんの歯ぎしりの多くは成長過程で見られる自然な行動であり、過度に心配する必要はありません。とはいえ、「いつから始まっていつ頃終わるのか」「本当に放っておいて大丈夫なのか」「歯や顎に影響はないのか」など、気になることはたくさんあると思います。
この記事では、小児歯科専門医の監修情報や日本小児歯科学会の見解をもとに、赤ちゃんの歯ぎしりが始まる時期・理由・注意すべきサインまで、育児中のパパ・ママが知っておきたい情報を網羅的にまとめました。正しい知識を持つことで、赤ちゃんの成長の一コマとして温かく見守れるようになりますよ。

赤ちゃんの歯ぎしりはいつから始まる?
赤ちゃんの歯ぎしりが始まる時期には個人差がありますが、目安となる時期がいくつかの情報源で示されています。
生後8〜10ヶ月頃から始まるケースが多い
歯ぎしりといえば大人が行うイメージですが、赤ちゃんや幼児も歯ぎしりをしていて驚いたことはありませんかという保護者は多いようです。
実際に赤ちゃんが歯ぎしりをしているとなにかの病気やサインだと思うかもれませんが、赤ちゃんの歯ぎしりは、成長のためだったりもするので心配をする必要はありませんとされています。
具体的な時期については、赤ちゃんが歯ぎしりを始める時期は、上下の前歯が生え揃う生後8〜10ヶ月くらいの時期ですという見解が示されています。
乳歯が生え始めるのと同時期に歯ぎしりも始まるということですね。
また別の情報源では子どもの歯ぎしりは、生後6ヶ月〜8ヶ月の乳幼児期から、永久歯が生え揃う12歳頃の学童期まで起こることがあるとされており、成長過程に現れる歯ぎしりは、特別心配する必要はありませんと説明されています。
つまり、歯が生え始める時期と歯ぎしりの開始時期は密接に関係していると考えられます。
乳歯が生えそろう2歳半頃まで続くことも
歯ぎしりがいつ頃まで続くのかについては、幼児の歯ぎしりは生後10か月前後から、乳歯が生えそろう2歳半までと言われていますという情報があります。
この期間であれば歯ぎしりをしているからと言って受診する必要はありませんとされているため、この時期の歯ぎしりについては基本的に見守るスタンスで問題ないでしょう。
一方で、乳歯が生えそろった後や永久歯への生え変わり時期にも歯ぎしりが見られることがあります。
乳歯が全て生えそろい、幼児期や学童期に現れる歯ぎしりは、永久歯が生えてくる際にスペースを作る目的だと言われています。
成長の各段階で、歯ぎしりには異なる役割があるようです。

赤ちゃんが歯ぎしりをする理由とは
では、なぜ赤ちゃんは歯ぎしりをするのでしょうか。
専門家が指摘する主な理由を見ていきましょう。
歯の生え始めのむずがゆさを和らげるため
最も一般的とされる理由が、歯が生えてくる際の不快感です。
乳歯が生え始めたサイン 歯が生え始める時期は、歯茎がむず痒くなることがあり、その不快感を和らげるために歯ぎしりをすることがあります。
赤ちゃんは自分の不快感をうまく言葉で伝えられないため、無意識に歯や歯茎をこすり合わせることで、むずがゆさを紛らわせようとしていると考えられています。
あごの位置や噛み合わせを確認するため
もうひとつの重要な理由が、あごの発達に関わるものです。
子どもは、歯が生えてくる際に、歯ぎしりをすることであごの位置を決めていると言われています。
実際、赤ちゃんの時に上下の歯が生える時から歯ぎしりは始まっていると言われており、あごの位置を決定するのに必要な行動だという見方があります。
つまり赤ちゃんは、歯ぎしりを通して自分の噛み合わせやあごの動かし方を学習している最中なのです。
同様に、生えたばかりの乳歯で噛み合わせを確認し、顎の筋肉を発達させるために自然と歯ぎしりを行う場合がありますという指摘もあり、歯ぎしりは赤ちゃんにとって重要な発達のプロセスの一部だといえるでしょう。
成長に伴う一時的な生理現象
小児歯科医の監修による情報でも、子どもの歯ぎしりは生理現象なので問題ありませんと明言されています。
日本小児歯科学会が公開している就学前の子どもに関するQ&Aでも、子どもの歯ぎしりのほとんどは一時的なもので、子どもの気持ちが満たされないストレスとしておきていることがあります。
また、かみ合せの調整としてみられる歯ぎしりもあります。
年齢とともになくなっていくことが多いですと説明されています。
つまり赤ちゃんの歯ぎしりには、「歯の生え始めの不快感」「あごの発達」「ストレスや情緒面」といった複数の要因が絡み合っていると考えられ、いずれも成長過程における自然な行動の一つだとまとめることができます。
歯ぎしりの音が大きくても心配ない理由
赤ちゃんの歯ぎしりで多くの親御さんが驚くのが、その音の大きさです。「こんなに小さな体からこんな音が出るなんて」と感じることもあるでしょう。
音の大きさと影響の大きさは比例しない
専門家によると、歯ぎしりというのは、「ギリギリギリ・・・」とかなり強い力がかかりますので、「歯に悪影響はないのだろうか?」「歯が割れてしまわないだろうか?」と保護者の方も心配されることが多いようです。
しかし、歯ぎしりは一般的にあまり良くないものとして知られていますが、子どもの場合は通常それほど心配するようなものでないことがほとんどですとされています。
小児歯科専門医のコメントでも、「歯ぎしりは成長の過程で誰にでも起こり得ること。『歯ぎしりをなくさなくてはいけない』と捉えなくても大丈夫です」という見解が示されており、音の大きさだけで過度に心配する必要はないといえるでしょう。
健康な子どもでも6歳頃まで見られる自然な行動
年齢が上がってからの歯ぎしりについても、健康な子供でも寝ている時に歯ぎしりをすることがあります。
自覚症状がない歯ぎしりについては、6歳をピークに自然に消退することがあるため、経過を見守っていくことがありますという情報があります。
音の大きさよりも、歯や顎への実際の影響があるかどうかを見ていくことが大切です。

注意が必要な歯ぎしりのサインとは
とはいえ、すべての歯ぎしりが放置してよいわけではありません。
中には歯科医への相談が望ましいケースもあります。
歯のぐらつきや出血が続く場合
歯ぎしりによって歯がぐらぐらしたり、歯がすり減ったりするケースもごくまれにあります。
実際に、歯ぎしりによって歯がぐらぐらしたり、歯に負担がかかりすぎて歯がすり減るケースも、ごくまれにあります。
こうした症状が見られる時は早めに歯科医院に相談をしましょうとされています。
また出血に関しても、歯ぎしりが原因で歯が歯ぐきに当たって血が出ることがありますが、すぐに血が止まるようであれば心配いりません。
頻繁に出血したり血が止まらない場合は、歯科医院に相談しましょうという基準が示されています。
2歳半を過ぎても歯ぎしりが続く場合
年齢的な目安として、乳歯が生えそろう時期を過ぎても歯ぎしりが続く場合は注意しましょう。
歯が生えそろった2歳半を過ぎたにも関わらず歯ぎしりをやめない場合は、歯ぎしりがクセになっている可能性がありますので、できるだけ早めに歯科医に診てもらうようにしてくださいとされています。
日本小児歯科学会のQ&Aでも、歯並びに問題があったり、歯が過度にすり減ったり、あごを痛がったりするようであれば、小児歯科専門医に相談してくださいと明記されており、これらの症状が受診を検討する目安になります。
不正咬合が見られる3歳以降のケース
年齢が上がってからの歯ぎしりについては、赤ちゃんの歯ぎしり自体が問題になることはまずありません。
ただし、3歳以降で、歯ぎしりをしていて不正咬合がみられる場合は、治療が必要になることがありますという見解もあります。
噛み合わせのズレが見られる場合は自己判断せず、専門医に相談することが大切です。
家庭でできる歯ぎしりへの対処法
歯ぎしり自体は自然な行動ですが、少しでも赤ちゃんが快適に過ごせるよう、家庭でできる工夫もあります。
歯固めやマッサージでむずがゆさを和らげる
歯の生え始めの不快感が原因と考えられる場合は、歯固めグッズを活用するのもひとつの方法です。
歯茎を刺激することで、むずがゆさが和らぎ、歯ぎしりで発散する必要が減る可能性があります。
清潔な指で優しく歯茎をマッサージしてあげるのも、赤ちゃんとのスキンシップになり一石二鳥です。
スキンシップでストレスを和らげる
年齢が上がってからの歯ぎしりには、情緒面の影響も指摘されています。
歯ぎしりは、ストレスを原因として起こることがあります。
お子様とのコミュニケーション、スキンシップの時間を確保するなどして、ストレスを和らげてあげてくださいという対処法が紹介されています。
赤ちゃんのうちから、抱っこや語りかけなど安心感を与える関わりを心がけましょう。
十分な睡眠環境を整える
睡眠の質も歯ぎしりに関係すると考えられています。
就学前のお子様は、10〜13時間の睡眠が必要とされています。
睡眠時間を十分に確保することは、不要な歯ぎしりの改善につながりますとされており、規則正しい生活リズムを整えることも大切な対処法の一つです。
部屋の温度や明るさ、物音などにも配慮し、赤ちゃんが安心して眠れる環境を用意してあげましょう。
歯科医院への相談タイミングと受診の目安
「様子を見ていいのか、それとも受診すべきなのか」の判断に迷う親御さんも多いはずです。
目安を整理しておきましょう。
定期的な歯科健診で相談するのがおすすめ
歯ぎしりだけを理由に緊急で受診する必要は基本的にありませんが、1歳半健診以降の定期的な歯科受診のタイミングで気になる点を相談するのがおすすめです。
日常的に赤ちゃんの口の中を見てもらう習慣をつけておくと、万が一の異変にも早く気づくことができます。
自己判断が難しい場合は早めの受診が安心
過度な歯ぎしりかどうかの判断は、専門家でも簡単ではないとされています。
過度な歯ぎしりをしているかどうかは、自己判断では見極めにくいそうです。
気になる場合は、早めに歯科医を受診しておくと安心ですねという専門家の助言もあります。
「様子見でいいのか不安」と感じたら、迷わず小児歯科を受診することをおすすめします。
まとめ
赤ちゃんの歯ぎしりについて、始まる時期や理由、注意すべきサインまで詳しく解説してきました。
ポイントを振り返ってみましょう。
- 赤ちゃんの歯ぎしりは生後6〜10ヶ月頃、前歯が生え始める時期から見られることが多い
- 乳歯が生えそろう2歳半頃まで続くことがあるが、基本的には自然な成長過程の一部
- 歯の生え始めのむずがゆさや、あごの位置・噛み合わせを確認するための行動と考えられている
- 音が大きくても、それだけで心配する必要はない
- 歯のぐらつきや頻繁な出血、2歳半以降も続く場合、不正咬合が見られる場合は歯科医に相談を
- 歯固めやスキンシップ、十分な睡眠環境を整えることで対処できる
赤ちゃんの歯ぎしりは、驚くほど大きな音がすることもありますが、多くの場合は成長の証といえるものです。「大変なことが起きているのでは」と不安になるより、「今、あごや噛み合わせを一生懸命развивайつつあるんだな」と前向きに捉えてみると、育児の視点も少し楽になるかもしれません。
もちろん、気になる症状が続くときは一人で抱え込まず、小児歯科の専門医に相談してくださいね。
日々の小さな変化を見守りながら、赤ちゃんとの毎日を楽しんでいきましょう。