「トイレのドアを開けたがる」「おむつ替えのときにおしっこという言葉に反応する」・・・そんな1歳のお子さんの小さなサインに、驚いたパパ・ママも多いのではないでしょうか。まだ会話もおぼつかない時期なのに、トイレという場所や行為に興味を示す姿は、成長の証でもあり、少し戸惑うポイントでもありますよね。
この記事では、1歳児がトイレに興味を持つ理由や体の発達の仕組みを踏まえながら、本格的なトイレトレーニングを始める前の「準備期間」に何をしたらよいのかを、わかりやすくまとめました。焦らず、親子で楽しみながら取り組めるヒントをたくさん詰め込んでいますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
1歳児がトイレに興味を持つ理由とは
1歳前後の子どもがトイレに興味を示すのは、決して珍しいことではありません。
この時期特有の発達の特徴が背景にあります。
大人の真似をしたがる時期
1歳を過ぎると、子どもは周囲の大人の行動をよく観察し、真似をすることに強い喜びを感じるようになります。
1歳のお子さんは人のマネが大好きで、「バイバイ」「いただきます」などはまわりの大人をマネることですぐに覚えてしまいます。
この「マネっこ期」は、トイレへの興味にもつながっていきます。
大人のマネが大好きなお子さんには、おうちの方のトイレを見せてみるといいでしょう。「自分もやってみたい!」とお子さんが興味をもってくれれば、トイレトレーニングがスムーズに進みます。
「トイレについてきたがる」「便座を触りたがる」といった行動は、成長のサインとしてポジティブに受け止めてあげましょう。
叱ったり避けたりせず、むしろチャンスとして活用するのがおすすめです。
言葉の理解が少しずつ進む時期
1歳後半になると、簡単な単語や指差しでのやり取りができるようになる子が増えてきます。「おしっこ」「うんち」といった言葉と、実際の感覚が少しずつ結びついていく時期でもあります。
ただし、個人差が非常に大きいため、周りの子と比べる必要はまったくありません。

1歳の膀胱機能とトイレトレーニングの関係
トイレへの興味と、実際に排泄をコントロールできる体の準備は、別のものだと理解しておくことがとても大切です。
ここでは体の発達の仕組みを、専門的な知見をもとに解説します。
1歳前後の排尿の仕組み
赤ちゃんの排尿は、生まれてすぐの時期は反射的に行われており、本人に「出そう」という感覚はほとんどありません。
1歳未満では、膀胱に尿が溜まると膀胱が反射的に収縮しておしっこが出ます。
赤ちゃんは排尿しているという感覚はなく、非常に頻回に出していることが多いです。
しかし1歳頃になると、少しずつ変化が現れます。
1歳くらいになると、尿が貯まった感覚がわかるようになります(当然ですが、「尿意」であるとは自覚できません)。
さらに1歳6か月ころには膀胱の容量が増え、排尿回数が減ってきます。
赤ちゃんはおしっこの感覚が少しわかるようになります。
つまり1歳という時期は、体の中で排泄のコントロールに向けた土台がゆっくりと作られている、いわば「準備期間」なのです。
焦って始めるとどうなる?
膀胱機能が未熟な1歳のうちから無理にトイレトレーニングを進めてしまうと、リラックスした状態でできるはずの排尿が「力まないとできない」状態になってしまうことがあるといわれています。
実際に膀胱機能が未熟な1歳のうちから無理にトイトレを開始してしまうと、本来リラックスした状態でできるようになるはずの排尿が「力まないとできない」ままになってしまったり、本人が尿意をうまく感じ取れなくなってしまうケースが指摘されています。
だからこそ、1歳のうちは「トイレで排泄させること」を目標にするのではなく、トイレという場所や行為に慣れ親しんでもらうことを目標にするのが適切です。
トイトレはいつから始めるのが目安?
「結局、何歳から本格的に始めればいいの?」という疑問は多くの親御さんが抱くものです。
ここでは一般的な目安を紹介します。
開始のサインとなる7つの目安
年齢だけでなく、体と心の発達具合を見て判断することが大切です。
次のような様子が見られたら、本格的なトイレトレーニングを検討するタイミングといえます。
- おしっこの間隔が2時間以上あくようになった
- ひとりで歩いてトイレまで移動できる
- 簡単な言葉やジェスチャーで意思表示ができる
- おまるや便座に興味を示して座りたがる
- おむつが濡れていることを気にする様子がある
- 簡単な指示(「おいで」「座って」など)が理解できる
- 大人の真似をしてトイレに行きたがる
特に排尿間隔については、トイレトレーニング開始の目安として、まずは、2時間以上おしっこの間隔があくかどうかを確認しましょう。
あかなければ、しばらく様子を見ます。
という専門家の見解もあり、体の準備状況を見極める重要な指標になります。
一般的な開始時期とその幅
多くの家庭でのトレーニング開始時期は1歳半~2歳頃が目安とされています。
一方で医師の立場からは、スタートが遅くなると、おむつをはずすと不安になってトレーニングに支障をきたすことがあるため、2歳半から3歳の間をスタートの目安にするのがよいという考え方も示されています。
開始時期に「正解」はなく、家庭や子どもの個性によって幅があるのが実情です。
2歳半~3歳頃から始める家庭が多いようですが、実際には1歳の後半から始める家庭もあれば、3歳以降に進めるケースもあります。
1歳でトイレに興味を示したからといって、すぐに本格的なトレーニングを始めなければいけないわけではないと覚えておきましょう。

1歳のうちからできる準備と声かけ
本格的なトレーニングを始める前でも、1歳のうちにできる「準備」はたくさんあります。
ここで紹介する方法は、どれも遊びの延長として気軽に取り入れられるものばかりです。
おむつ替えのときの声かけを工夫する
毎日のおむつ替えは、実はトイレへの興味を育てる絶好のタイミングです。
まめにおむつを換えてあげることは、おしっこが出て「濡れて気持ちが悪くなる事」、取り替えて貰う「清潔の心地よさ」に気付きやすくなります。
また、大人は、排尿のタイミングをつかみやすくなります。
具体的にはおむつ交換の時には、「おしっこでたね」「すっきりして気持ちがいいね」と声をかけることを意識してみましょう。
この積み重ねが、「排泄はすっきりして気持ちいいもの」というポジティブなイメージにつながります。
大人のトイレを見せてあげる
抵抗がなければ、パパやママがトイレに行く様子を見せてあげるのも効果的な方法です。
トイレトレーニングに必要な心身の発達は1歳後半からになりますが、1歳前半でも言葉の理解は徐々に始まっています。
その頃から絵本や遊びを通して、トイレやおしっこ、うんちについて親しんでおくと、その後トイレトレーニングにスムーズに入っていくことができます。
大切なのは、無理にトイレを見せようとしないことです。
子ども自身が興味を示したタイミングを大事にしましょう。
トイレ絵本を読み聞かせる
絵本の読み聞かせは、1歳児がトイレに親しむための定番かつ効果の高い方法です。
おすすめグッズとして、トイレの絵本『みんなうんち』(作:五味太郎)、『ノンタンのおしっこシーシー』(作:キヨノサチコ)などがよく紹介されています。
絵本選びのコツとしては、1歳台は、音やくり返しが楽しいシンプルな絵本を選ぶとよいとされています。
しかけ絵本や好きな動物が出る絵本は、トイレへの一歩になりやすいため、お子さんの好みに合わせて選んでみてください。
トイレへの興味を引き出す遊び方
「トイレトレーニング」と構えてしまうと、親も子もプレッシャーを感じてしまいがちです。
まずは遊びの延長で、楽しくトイレに親しむ工夫を取り入れましょう。
ぬいぐるみを使ったごっこ遊び
お気に入りのぬいぐるみや人形を使ったごっこ遊びは、1歳児にも取り入れやすい方法です。
お人形さんをトイレに座らせてみた後に「トイレでできたら気持ちが良いね!」などと声かけをし、興味を持てばトイレへ誘ってみましょう。
遊びの中で「トイレ=楽しい場所」というイメージを作っておくことが、後々のトレーニングをスムーズにする鍵になります。
おまるや便座に慣れさせる
実際に排泄をさせることを目的にせず、まずは「座ってみる」ことから始めるのもおすすめです。
座ってみて嫌がるようなら無理をせず、また日を改めて誘ってみましょう。
「座れた」「触れた」という小さな成功体験を積み重ねることが、1歳児にとって何より大切なステップです。

おまると補助便座、1歳にはどちらが向く?
トイレへの興味が見えてきたら、グッズ選びも気になるところです。
それぞれの特徴を理解して、お子さんに合ったものを選びましょう。
おまるのメリット・デメリット
おまるのメリットは、体の小さな1歳のお子さんでもしっかり足が床に届き、姿勢が安定することです。
また、トイレに入るのをいやがるお子さんの場合、最初はおまるを使って慣らしていってもよいでしょう。
体格的にも1歳児にフィットしやすく、リビングなど好きな場所に置ける手軽さも魅力です。
一方でおまるのデメリットは、おしっこやうんちが終わったあと、毎回おまるを洗わなければいけないので、おうちの方の手間がかかることです。
最近ではおまる・補助便座・ステップ台として使える3WAYタイプの商品も人気で、成長に合わせて長く使えるものを選ぶ家庭も増えています。
補助便座を使うタイミング
補助便座は本物のトイレにそのまま取り付けて使うタイプで、大人と同じ場所で用を足す経験ができるのが特徴です。
1歳のうちは体格的に不安定になりやすいため、足元にステップ台を併用するとより安心です。
補助便座・おまるともにメリット・デメリットがあるので、お子さんの好みやおうちの方の都合に合わせて選ぶといいでしょう。
焦りは禁物!気をつけたい注意点
トイレへの興味を伸ばしていく過程では、いくつか気をつけたいポイントがあります。
周りと比べて焦らない
「もう1歳なのにトイレに興味がない」「周りの子はもうおまるに座れているのに」と焦る必要はまったくありません。
子どもの発達には大きな個人差があります。
特に1歳という年齢は、1歳0か月~1歳11か月までの幅があり、身体の発育状況や心理的な発達の具合も個人差が非常に大きいです。
トイレトレーニングには「早すぎる」ということも「遅すぎる」ということもないので、焦らず子どもに合ったそれぞれのペースで、無理なく取り組みましょう。
このスタンスを親自身が持つことが、結果的に子どものトイレへの興味を自然に育てることにつながります。
興味を示さない場合の対応
逆に、1歳の時点でまったくトイレに興味を示さない子も珍しくありません。
お子さんがトイレに興味をもたない場合は、無理に教える必要はありません。
お子さんの様子を見ながら、少しずつトイレに興味をもってもらうようにしましょう。
無理強いは、かえってトイレそのものへの苦手意識を植え付けてしまう可能性があるため注意が必要です。
興味を示さない時期は、無理に働きかけず、生活の中で自然にトイレに触れる機会を作る程度にとどめておきましょう。
よくある質問
Q. トイレに興味を持ったらすぐトレーニングを始めるべき?
興味を持ったこと自体は素晴らしいサインですが、すぐに本格的なトレーニングに移行する必要はありません。
まずは絵本やごっこ遊びを通じて、トイレという場所や行為に親しむ期間として捉えましょう。
体の準備が整うまでは、興味を伸ばす関わりを中心に進めるのがおすすめです。
Q. きょうだいがいる場合、下の子は早くトイレに興味を持ちますか?
上のきょうだいの真似をしたがる子は多く、実際に1歳の早い時期からトイレに関心を示すケースも見られます。
ただし、興味を持つことと排泄をコントロールできることは別問題です。
真似したがる姿は温かく見守りつつ、無理に急がせないようにしましょう。
Q. 季節は開始時期に関係しますか?
本格的なトレーニングにおいては、トレーニング開始に、季節はとくに関係ありません。
ただし、夏はおしっこの量や回数が減ること、薄着になること、洗濯物が乾きやすいことなどトレーニングを進める上でのメリットがあります。
1歳のうちの「興味を育てる準備期間」であれば、季節を気にする必要はさらに少ないといえるでしょう。
まとめ
1歳児がトイレに興味を示すのは、大人の真似をしたがる発達段階と、少しずつ排泄の感覚がわかり始める体の変化が重なった、自然な成長のサインです。
ただし1歳の膀胱機能はまだ未熟であるため、本格的なトレーニングを急ぐ必要はありません。
この時期に大切なのは、おむつ替えでの声かけ、大人のトイレを見せること、トイレ絵本の読み聞かせ、ごっこ遊びなど、日常生活の中で無理なく「トイレって楽しいところ」というイメージを育てていくことです。
焦らず、お子さんのペースに寄り添いながら、小さな興味の芽を大切に育ててあげてください。
トイレへの興味は、いつかやってくる本格的なトイレトレーニングへの大切な土台になります。
親子で一緒に、楽しみながらその一歩一歩を積み重ねていきましょう。