ベビーフード活用術 | 手作りとの使い分けと選び方

ベビーフード活用術 | 手作りとの使い分けと選び方
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「離乳食はできるだけ手作りしたいけれど、毎日となると本当に大変・・・」「ベビーフードに頼るのはなんだか手抜きな気がして罪悪感がある」。0〜3歳のお子さんを育てるなかで、こんな気持ちを抱えていませんか。実は、市販のベビーフードは栄養バランスや衛生面がしっかり考えられた、忙しい家庭の頼れる味方です。上手に取り入れれば、毎日の負担が軽くなり、赤ちゃんと笑顔で向き合う時間がぐんと増えます。

この記事では、ベビーフードの種類や選び方から、手作り離乳食との賢い使い分け、簡単アレンジレシピ、そして防災備蓄としての活用まで、知っておきたい情報をまるごとまとめました。「頑張りすぎない離乳食」で、親子の食卓をもっと楽しくしていきましょう。

ベビーフードは手抜きではない

まず知っておきたいのは、ベビーフードを使うことに後ろめたさを感じる必要はまったくないということです。
厚生労働省の「授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)」でも、ベビーフードは離乳食を進めるうえで役立つものとして位置づけられており、「全部手作りでなければいけない」という決まりはどこにもありません

7割以上の家庭が使っている

あるアンケート調査では、7割以上のパパママがベビーフードの使用を経験しており、赤ちゃんがいる家庭にとって市販のベビーフードは便利で、積極的に取り入れているという実態が明らかになっています。
多くの家庭が上手に活用しているのですから、あなたが使うことも決して特別なことではありません。

離乳食に悩む親は多い

離乳食づくりに負担を感じるのはあなただけではありません。
厚生労働省の「授乳・離乳の支援ガイド」では、離乳について何らかの困りごとを抱えていると回答した人が74.1%にのぼり、そのうち「作るのが負担、大変」が33.5%で最も多かったと報告されています。

この数字が示すのは、多くの親が同じ悩みを抱えているという事実です。
だからこそ、便利な道具を上手に使って心にゆとりを持つことが大切です。
疲れきってイライラしながら作った食事よりも、笑顔で向き合える食事のほうが、赤ちゃんにとっても幸せな時間になります。


ベビーフードの主な種類と特徴

ひとくちにベビーフードと言っても、実はさまざまなタイプがあります。
それぞれの特徴を知っておくと、シーンに合わせて使い分けやすくなります。
市販されているベビーフードは約500種類以上あり、大きく分けると「ウェットタイプ」と「ドライタイプ」の2つに分類できます。

そのまま使えるウェットタイプ

ウェットタイプは調理済みの離乳食で、瓶詰めとレトルトパウチがあります。
外出先での食事やすぐに食べさせたいというシーンでは、瓶詰やレトルトカップなどのウエットタイプがおすすめで、なかには使い捨てスプーンが付属しているものもあり、どこでも手軽に食べさせることができます。

瓶詰めタイプについては、やわらかくて少量のものが多く離乳食初期から中期にぴったりですが、密閉性が高く衛生的な一方で瓶なので重く持ち運びにはやや不向きで、家で落ち着いて食べるときにおすすめという特徴があります。

アレンジしやすいドライタイプ

粉末やフレーク、フリーズドライなどのドライタイプは、少量から使える点が魅力です。
ドライタイプのベビーフードはお湯や水を加えることで少量からでも離乳食に利用でき、常温で長期間保存でき軽量なので携帯しやすく、ほかの食材に加えるだけで手軽にアレンジレシピをつくれるのが大きなメリットです。

離乳食初期の少量しか食べない時期には、こうしたドライタイプが特に重宝します。
1個がひとさじ分になっているフリーズドライなら、計量いらずで初めての食材のひとさじ目にも使えます

瓶詰め・レトルトパウチ・フリーズドライなど様々な種類のベビーフードがテーブルに並んでいる様子


手作りとベビーフードの使い分け

ベビーフードと手作り離乳食は、どちらか一方を選ぶものではありません。
それぞれの得意分野を活かして組み合わせるのが、いちばん賢い付き合い方です。

ベビーフードが活躍する場面

ベビーフードが特に力を発揮するのは、次のような場面です。
手作りにこだわりすぎず、こんなときは迷わず頼りましょう。

  • 外出時・旅行時・・・衛生面で安心。
    持ち運びしやすく、食べ終わったら捨てられる手軽さも魅力
  • 疲れているとき・体調不良のとき・・・無理をせず休むための強い味方
  • 下ごしらえが大変な食材を使いたいとき・・・レバーや白身魚など
  • 献立がマンネリ化したとき・・・家庭では作らない味でレパートリーが広がる

特に外出時については、手作り離乳食は持ち運んでいるうちに傷まないか心配ですが、ベビーフードなら密閉されていて衛生的で安心なので、ふだんは手作りをあげている場合でも外出時はベビーフードを取り入れるという状況に応じた使い方がよいでしょう。

下ごしらえが大変な食材に頼る

離乳食後期になると鉄分の補給が重要になりますが、レバーなどは家庭で調理するのがなかなか大変です。
鉄分が不足しがちな時期には、レバーやひじきなどの普段取りづらい食材や食べにくい食材をベビーフードとして利用してみるとよいでしょう。
手間のかかる食材こそ、ベビーフードの出番です。

手作りの参考書としても使える

実はベビーフードには、思わぬ活用法もあります。
それは「離乳食づくりのお手本」としての使い方です。
厚生労働省のガイドでも、ベビーフードの食材の大きさ、固さ、とろみ、味付けなどが、離乳食を手づくりする際の参考になると示されています。

月齢に合った食材の大きさやかたさがわからず悩んだときは、一度ベビーフードをよく観察してみると、手作りの際の目安になります。
「これくらいの大きさ・やわらかさでいいんだ」という感覚がつかめると、手作りへの不安がぐっと減ります。


月齢別ベビーフード活用のコツ

ベビーフードは赤ちゃんの成長に合わせて作られています。
月齢ごとの発達段階を意識すると、より効果的に活用できます。

離乳食初期・中期の使い方

離乳食初期は食べる量が少なく、なめらかにすることが大切な時期です。
この段階では少量から使えるフリーズドライや粉末タイプが向いています。
中期になったら、ベビーフードを「かけて使う」方法が便利です。
中期にはソースやあんかけ、とろみづけ、トッピングとして、野菜や魚をソース系のベビーフードで和えると赤ちゃんが食べやすくなり、おかず系のベビーフードはおかゆなどのトッピングにも使えます。

ただし、初期のスタート時期には注意点もあります。
ベビーフードのおかゆにはだしなどのたんぱく質が含まれる場合があるため、離乳食を始めたばかりの数週間は、おかゆだけは手作りすると安心という考え方もあります。

後期・完了期の使い方

後期以降は食べられる食材が一気に増えます。
離乳食後期以降は食べられるものが増えるため、主菜や副菜などたくさんの食材をバランスよく含んだパックや瓶詰めが便利です。
この時期は栄養バランスの整った1食完結型のベビーフードが役立ちます。

また、手づかみ食べが始まる時期には、ベビーフードをアレンジしておやきにするのもおすすめです。
手づかみメニューは、中がやわらかく外は手にべたつかず持ちやすいことがポイントで、ベビーフードを使えば手づかみ食べデビューに人気のふんわりやわらかめのおやきが手軽に作れます。

1歳以降の注意点

1歳を過ぎると、ベビーフードだけでは量が足りなくなってきます。
ベビーフード1食分のカロリーは多くても100kcal前後で、1歳を過ぎるとこれだけではエネルギーが足りないため、おかゆやご飯、スープなどと組み合わせて栄養とボリュームを補う必要があります。

さらに噛む練習の観点も大切です。
ベビーフードは安全のためにやわらかく作られており噛む練習には物足りない場合もあるため、赤ちゃんせんべいやスティック野菜など噛む練習ができるおやつを一緒に取り入れると食べる力の発達を促せます。

高椅子に座った1歳くらいの赤ちゃんが手づかみでおやきを食べている微笑ましいシーン


失敗しないベビーフードの選び方

種類が豊富なぶん、どれを選べばいいか迷ってしまうもの。
選ぶときの基本ポイントを押さえておきましょう。

月齢とアレルギー表示を確認

まず必ずチェックしたいのが月齢表示です。
ベビーフードを選ぶ際は最初にパッケージに記載されている月齢をチェックしましょう。
舌や消化機能の発達に合わせた食材の硬さや味つけになっています。

アレルギーへの配慮も欠かせません。
初めての食材を含むベビーフードを与えるときは、万が一に備えて、かかりつけの病院が開いている平日の日中を選ぶと安心です。
初めて食べさせる食材は、少量から様子を見ながら進めましょう。

安全性の基準を知っておく

「添加物が気になる」という声もありますが、日本のベビーフードは高い安全基準のもとで作られています。
国内メーカーのベビーフードのほとんどは、日本ベビーフード協議会による自主規格(塩分量、食品添加物、残留農薬、遺伝子組換え食品など)にしたがって作られているため、過度に心配する必要はありません。

さらに法律面でも守られています。
食品表示基準では、乳児の飲食に供することを目的として販売する食品を対象に「乳児用規格適用食品である旨」の表示が2012年に義務付けられ、これは放射性物質の基準が乳児用で作られていることを証明するものです。
気になる場合は無添加やオーガニックの認証取得商品を選ぶという方法もあります。

用途に合ったタイプを選ぶ

使うシーンをイメージして選ぶと失敗が減ります。
外出先で食べさせるときは容器入り、手作りの離乳食に食材をプラスするときはフリーズドライなど、シーンによって使い分けるのがおすすめです。
何種類かストックしておき、赤ちゃんの好みや体調に合わせて選べるようにしておくと便利です。


簡単ベビーフードアレンジ術

ベビーフードは「そのまま出す」以外にも、ひと手間加えることでぐっと栄養バランスが整い、レパートリーも広がります。
忙しい日でもすぐにできる簡単アレンジを紹介します。

栄養をプラスする組み合わせ

ベビーフードに足りない栄養を、家にある食材で補う方法です。
たとえばタンパク質が足りないときはベビーフードに豆腐をプラスしたり、手作りのおかゆに市販のベビーフードを足したり、お肉や魚のメインは調理してレトルト離乳食をソースとして使うことで、ひと手間加えるだけできちんと栄養素も摂れる立派な離乳食になります。

市販品ならではの注意点も知っておきましょう。
市販のベビーフードは大量に作るため細かい栄養バランスの調整が難しく不足しがちな栄養素が出てきやすいので、成長に足りない栄養素をほかの食品で補うことが大切です。
ゆでた野菜を加えるだけでも、手軽に栄養価を高められます。

時短でできるアレンジレシピ

火を使わない簡単アレンジもたくさんあります。
ちぎった耳なし食パンにベビーフードのクリームソースと粉チーズをかけてトーストすればグラタン風メニューになり、ごはんやおかゆにクリームソースやトマトソースをかければドリア風になります。
ソースに具材が入っていれば、それだけでいろいろな栄養が摂れます。

ミルクやヨーグルトと組み合わせるのも簡単です。
育児用ミルクを通常通り作り、器のなかで果物や野菜のペーストのベビーフードと混ぜるだけでデザートになり、7か月ごろを目安にミルクをヨーグルトに変えてもおいしく食べられます。

余ったベビーフードのリメイク

使いきれずに余ってしまったベビーフードも、無駄なく活用できます。
おすすめは手づかみメニューへのリメイクです。
おやきを作る場合は生地にも具材にもしっかり火を通す必要がありますが、ベビーフードは加熱調理済みのため安心して使用でき、比較的保存の効くおやきにリメイクするとロスなく活用できます。

おやきづくりのコツは水分量の調整です。
レトルトの離乳食用のレシピどおりに作ると水分が少なすぎてモサモサしてしまうことがあるので、少しずつ水分を増やして固さを調整するとよく、生地がシャバシャバすぎるとまとまらず粉を入れすぎるとボロボロになるため、目分量ではなく測ると上手くいきやすいです。
片栗粉や小麦粉を少しずつ混ぜ、しっかり焼き目がつくまで加熱するのがポイントです。


防災備蓄としての活用法

ベビーフードのもうひとつの大切な役割が、災害への備えです。
長期保存できるベビーフードは、いざというときの赤ちゃんの命綱になります。

国も推奨する備蓄の重要性

災害時の備えは、国のガイドラインでも重視されています。
厚生労働省の「授乳・離乳の支援ガイド」では、災害時の授乳および離乳に関する支援については発災時のみでなく、災害が起こる前の取組として母子保健事業などの機会を活用し、乳幼児のいる家庭に対して災害に備えた備蓄の用意に関する周知が重要であると明記されています。

実際の備蓄量の目安としては、ベビーフードは長期保存ができるので、普段は手作りがメインの家庭も3日分程度のベビーフードを備蓄していると、もしものときに安心です。
ママやパパが体調不良のときにも役立つので、常にストックしておくことをおすすめします。

ローリングストックで無駄なく

備蓄で困りがちなのが「気づいたら月齢に合わなくなっていた」という問題です。
これを防ぐのがローリングストック法です。
普段から少し多めにベビーフードを買っておき、日常的に使いながら、使った分を買い足していく方法です。

この方法なら常に新しい在庫を保てるうえ、月齢に合ったベビーフードを切らさずに備蓄でき、賞味期限切れも防げます
日常使いと防災備蓄を兼ねられる、一石二鳥の賢い方法です。


ベビーフード選びの最新事情

ベビーフードを取り巻く環境は日々変化しています。
知っておくと役立つ最新の動きも押さえておきましょう。

市場と商品の動向

ベビーフードは進化を続けています。
ベビーフードはここ数年、一食一食が個別包装されたレトルトの個食タイプが人気で、外出での使用を想定したカップ入り製品などが安定的な販売状況にあり、有機食品の使用やアレルゲン除去物質の使用など安全性を訴求した製品の評価が高いという傾向があります。

一方で、メーカーの動きにも注目が必要です。
品質へのこだわりで人気のあるキユーピーのベビーフードは、2026年8月末をもっての販売終了が決まっているため、それ以降もベビーフードを使う場合は他のメーカーもチェックしておくとよいでしょう。
愛用している商品がある場合は、代わりになる商品を早めに探しておくと安心です。

専門家も上手な活用をすすめている

ベビーフードに不安を感じる方もいるかもしれませんが、専門家の見解は前向きです。
日本のほとんどのベビーフードは厳格な基準をもとに作られているため、必要以上に安全性を気にする必要はなく、便利なアイテムなので忙しいときは上手に活用すれば役に立ちます。

大切なのは、手作りかベビーフードかの二択で考えないことです。
ベビーフードは味などのさまざまなバリエーションが増え、家庭では作らないような味も登場しており、手作りと併用することによって食経験がより多様化するメリットがあります。
両方を上手に取り入れることで、赤ちゃんの「食べる楽しみ」も広がっていくのです。


まとめ

ベビーフードは決して「手抜き」ではなく、栄養・衛生・利便性を兼ね備えた、忙しい家庭の心強いパートナーです。
外出時や疲れているとき、下ごしらえが大変な食材を使いたいときなど、シーンに合わせて手作りと上手に使い分けることで、離乳食づくりの負担はぐっと軽くなります。

月齢に合ったタイプを選び、ひと手間のアレンジで栄養をプラスし、ローリングストックで防災にも備える。
こうした工夫を取り入れれば、ベビーフードはあなたの育児をぐっと楽にしてくれます。
大切なのは、完璧を目指すことよりも、親子が笑顔で食卓を囲めることです。
肩の力を抜いて、便利な道具を味方につけながら、この時期だけの離乳食の時間を楽しんでいきましょう。

※本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。
赤ちゃんの発達やアレルギー、体調には個人差があります。
食材の進め方やアレルギーに不安がある場合は、かかりつけの医師や自治体の保健センターなど専門家にご相談ください。

参考:厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)」厚生労働省公式サイト

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