1歳半(1歳6ヶ月)頃になると、子どもの身体能力や知能がぐんと発達し、自我も芽生え始めます。それと同時に、多くの自治体で実施される「1歳半健診」が近づき、我が子の発達に意識が向く親御さんも多いのではないでしょうか。
特に気になるのが「言葉(発語)」の発達です。「周りの同じ月齢の子はおしゃべりしているのに、うちの子はまだ言葉が出ない」「単語はいくつ話せればいいの?」と、不安や焦りを感じてネットを検索し、ため息をついてしまうこともあるかもしれません。
言葉の発達には、一人ひとりに全く異なる個性豊かなグラデーションがあります。早くおしゃべりを始める子もいれば、言葉をしっかりと頭の中に貯め込んでいる真っ最中の子もいます。本記事では、1歳半のお子さんの言葉の発達目安や、母子手帳などに記入する際の「単語数の正しい数え方」、そして日常のなかで親子が笑顔で取り組める「楽しく言葉を増やす関わり方のコツ」を、専門的な知見(厚生労働省の調査データや小児科の推奨ガイドラインなど)を交えながら徹底解説します。
この記事を読み終える頃には、「うちの子の今のペースで大丈夫なんだ!」「今日からこんな風におしゃべりを楽しんでみよう!」と、心がすっと軽くなるはずです。それでは、1歳半の言葉の世界を一緒に覗いてみましょう。
1歳半の言葉の発達目安とは
1語以上の発語がある割合
厚生労働省が実施した「乳幼児身体発育調査」(平成22年)のデータによると、生後12ヶ月〜15ヶ月頃から徐々に「ママ」「ブーブー」といった一語文(単語)を話し始める子どもが増え始めます。
そして、1歳6ヶ月〜1歳7ヶ月未満の段階になると、実に「94.1%」の子どもが1語以上の意味のある単語を話しているという結果が出ています。
このデータを見ると、「9割以上の子が話せるのに、うちの子がまだ話さないのはおかしいのでは・・・」と不安に思われるかもしれません。
しかし、この調査はあくまで統計的な「目安」に過ぎません。
残りの約6%のお子さんも、多くは2歳前後にかけて言葉が急速に伸びていきます。
言葉の出始めの時期には数ヶ月〜半年以上の個人差があることを、まずは知っておいてくださいね。
話せる単語の基準と具体例
1歳半頃の子どもが話す代表的な単語(有意語)には、以下のようなものがあります。
これらは大人が使う正確な日本語の発音でなくても構いません。
子どもがその対象を指して、特定の音をいつも同じ意味で使っていれば、それはすべて立派な「言葉」です。
- 身近な人:「ママ」「パパ」「じぃじ」「ばぁば」
- 動物や乗り物:「ワンワン」「にゃんにゃん」「ブーブー」
- 食べ物・生活:「まんま」「ねんね」「くっく(靴)」「おちゃ」
- 挨拶や意思表示:「ばいばい」「あった」「なーい」「いや(嫌)」
バナナを見て「バ!」、救急車を見て「きゅ!」と言うのも、その子にとっての単語です。
大人の発音に届いていなくても、伝える意図があれば十分に「単語を話している」と言えます。
言葉の理解度と指差しの重要性
言葉の発達において、実は「自分で話すこと(アウトプット)」よりも「大人の言うことを理解していること(インプット)」の方がはるかに重要です。
1歳半のお子さんが、自分で話さなくても以下のような行動ができていれば、頭の中にはたくさんの言葉のシャワーがしっかりと貯まっています。
- 「おいで」と言われて手を伸ばしたり、トコトコ歩いてきたりする
- 「お靴持ってきてね」と言うと、自分の靴を取りに行こうとする
- 「ワンワンはどれ?」と聞かれて、絵本の中の犬を「指差し」で教えてくれる
特に「指差し」は、自分の興味を相手と共有したいという「コミュニケーションへの意欲」の現れであり、言葉の獲得に向けた非常に重要なマイルストーンです。
自分の欲求を指で示す(要求の指差し)や、言われたものを指で指す(応答の指差し)ができていれば、言葉の理解は順調に進んでいると考えられます。

単語数ってどう数えればいい?
発語とみなしてよい言葉の定義
1歳半健診の問診票などで「おしゃべりできる単語はいくつありますか?」と質問されることがあります。
このとき、生真面目な親御さんほど「ちゃんとした発音じゃないから数に入らないのでは・・・」と悩んでしまいがちです。
専門的な言語発達の基準において、発語(有意語)としてカウントできる定義は、「いつも特定の場面で、同じ意味を持って、同じ音を発していること」です。
多少発音が崩れていても、お母さんやお父さんが聞いて「あ、これは〇〇のことを言っているな」と判断できれば、すべて1語として数えて大丈夫です。
たとえば、お腹が空いたときに毎回「ま!」と言うなら、それは「まんま(ご飯)」という1語としてカウントします。
喃語と一語文の違いをわかりやすく
赤ちゃんの言葉の発達は、まず「あーあー」「うーうー」といった母音だけの音や、「ばばば」「だだだ」といった子音と母音が合わさった「喃語(なんご)」から始まります。
これは発声器官の訓練であり、音そのものを楽しんでいる状態なので、意味のある「言葉」とは区別されます。
これに対して「一語文」とは、意味のある1つの言葉を使って自分の感情や要求を相手に伝えるものです。
例えば、単に「ワンワン」と声を出すだけでなく、犬を指差して「ワンワン!(犬がいるよ!)」と嬉しそうに報告したり、お散歩に行きたくて玄関を指差しながら「くっく!(靴を履かせて、外に行こう!)」とアピールしたりします。
この「意味や意図が伴っているかどうか」が、喃語と一語文を分ける大きな境界線になります。
名詞以外もカウントしてOKな理由
「物の名前(名詞)を言わないと単語数に入らない」と思われがちですが、そんなことはありません。
1歳半の子どもの語彙は、名詞だけでなく、動きや状態、気持ちを表す言葉から増えていくこともよくあります。
例えば、「おいち(美味しい)」「あった(あった)」「なーい(無い)」「いや(嫌)」「バイバイ」「タッチ」といった言葉も、状況に応じて適切な意味で使われていれば、すべて単語の数としてカウントします。
大人が使う「動詞」や「形容詞」にあたる言葉も、子どもにとっては「一語文」として大切な役割を持っています。
まずはメモ用紙を1枚用意し、日常の中でお子さんが発している愛らしい「意味のある音」を、ジャンルを問わず書き出してみましょう。
思っていた以上に多くの言葉を使っていることに気づき、嬉しくなるはずです。
1歳半健診の言葉のチェック基準
健診で確認される主な3つのポイント
1歳半健診(1歳6ヶ月児健康診査)では、言葉の発達状態や、対人コミュニケーションの様子をチェックする項目があります。
全国の多くの自治体で確認されるのは、主に以下の3つのポイントです。
- 意味のある言葉(有意語)を数個話せるか
(目安として3語以上話せるかを質問されることが多いですが、自治体や医師の判断により2語〜5語と幅があります) - 絵カードなどを使った「指差し(応答の指差し)」ができるか
(犬、車、靴、バナナなどの絵を見せて、「ワンワンはどれかな?」と聞いた際、正しく指で指せるか) - 日常の簡単な指示や言葉を理解しているか
(「バイバイして」「ちょうだいして」などの呼びかけに応じ、身振りができるか)
「様子見」と言われたらどうする?
健診当日、子どもが場所見知りや人見知りで大泣きしてしまったり、緊張して固まってしまったりして、指差しや発語が全くできず「様子を見ましょう(要観察)」と言われることがあります。
初めて「様子見」という言葉を突きつけられると、親御さんは「私の育て方に問題があったのかな」「発達に大きな遅れがあるのかもしれない」と、深く思い詰めてしまいがちです。
しかし、健診での「様子見」は、決して障害を断定するものではありません。
多くは、「現時点では緊張などで実力を測れなかったけれど、少し時間を置いて成長を一緒に見守り、数ヶ月後にもう一度相談に乗りますね」という、優しく温かいフォローアップの仕組みに過ぎません。
健診という普段と違う環境で緊張するのは当然のこと。
母子手帳に書かれた結果だけを見て、ショックを受ける必要は全くありません。
焦る必要はない!専門家の温かいアドバイス
小児科医や発達心理学の専門家は、「1歳半の時点で言葉が遅くても、過度に悲観する必要はない」と声を大にして言います。
なぜなら、1歳半はまだ言葉を「溜めている時期」であり、アウトプットの準備が整うタイミングには大きな個体差があるからです。
おしゃべりをスムーズにするためには、耳で聞いた音を脳で処理し、さらに喉、唇、舌、そして呼吸をコントロールする身体的な連携が必要です。
このパズルのピースが揃うスピードは、歩き始めるのが早い子、慎重な子がいるのと同じように、一人ひとり異なります。「今は言葉を出すための準備運動を一生懸命しているんだな」と大らかな気持ちで構え、日々の成長の瞬間を楽しんでいきましょう。

言葉を楽しく増やす親の関わり方
日常を実況中継する語りかけのコツ
子どもの言葉を増やしたいからといって、「これ何?」「ワンワンって言ってみて!」と質問攻めにするのは避けましょう。
子どもはプレッシャーを感じ、声を出すのがおっくうになってしまうことがあります。
最も効果的なのは、親御さん自身が、今していることや子どもの行動を「実況中継」する語りかけです。
特別な時間を作る必要はありません。
いつもの家事や育児の合間に、目の前で起こっていることをそのまま実況するだけです。
【実況中継の具体例】
・「おむつ、綺麗にするよ。ゴロン、きもちいいねぇ」
・「おてて洗おうね。お水、つめたーい!すっきりしたね」
・「トマト、赤いね。半分に切るよ。トントン、おいしそう!」
このように、「実際の動作」と「言葉(音)」がリアルタイムで結びつくことで、子どもの脳の中にある「言葉の辞書」に正しい単語が自然とファイリングされていきます。
子どもの喃語や行動へのオウム返し
子どもが何か音を発したときや、嬉しそうに何かを指差したときは、すかさずその言葉や感情をオウム返しにして寄り添ってあげましょう。
子どもが「あうー!」と言ったら、「あうー!そうだね、楽しいね!」と応え、おもちゃの車を走らせていたら「ブーブー、走るね!早い早い!」と言葉を被せます。
このリアクションにより、子どもは「大好きなママやパパが、自分の声や行動をしっかり見て反応してくれた!」「自分の気持ちが伝わって嬉しい!」という最高の成功体験を得ることができます。
この「伝わる喜び」こそが、次の発語への強力なエネルギーになり、おしゃべりをしたいという意欲をぐんぐん育てます。
擬音語(オノマトペ)をたくさん使おう
1歳半の子どもにとって、「自動車(じどうしゃ)」「掃除機(そうじき)」といった大人の名詞は発音の難易度が高すぎます。
言葉のハードルを下げるために、リズムが良くて耳に残りやすい「擬音語・擬態語(オノマトペ)」を積極的に使いましょう。
- 犬 →「ワンワン」
- 水あそび →「ちゃぷちゃぷ」
- 滑り台 →「しゅーっ」
- 雨 →「ぽつぽつ」「ザーザー」
- ご飯を食べる →「もぐもぐ、おいしいね」
まずは「ワンワン」や「ブーブー」といった幼児語を、大人が照れずにたっぷり使ってあげることで、子どもも真似しやすくなり、最初の発語を引き出しやすくなります。
短い言葉、繰り返しのリズムが、子どもの言葉のアンテナに心地よく響きます。
絵本の読み聞かせや歌遊びの驚くべき効果
絵本の読み聞かせや歌遊びは、言語発達の素晴らしい土台を作ります。
絵本は、美しいイラストとリズミカルなストーリーがセットになっており、視覚と聴覚の両方から言葉のシャワーを浴びることができます。
同じお気に入りの絵本を繰り返し読むことで、子どもは次にくる言葉を予測し、自然と「あった!」「ばいばい!」と口にするようになります。
また、「むすんでひらいて」や「大きな栗の木の下で」などの手遊び歌は、メロディと言葉、そして体の動きが一体となっているため、言葉の記憶に残りやすい特徴があります。
親子の温かいスキンシップと心地よいリズムの中で、言葉のセンスとコミュニケーション能力が自然に引き出されていきます。
言葉が遅いと感じるときのチェック
耳の聞こえ(聴覚)に問題はないか
1歳半を過ぎても言葉がほとんど出ないとき、まず確認しておきたいのが「耳の聞こえ(聴覚)」です。
人間は、周囲の大人の言葉を耳で聞いて真似をしながら言葉を覚えていくため、聴力にわずかでも課題があると、発語に遅れが生じることがあります。
日頃の様子を振り返り、以下の点を観察してみてください。
- 後ろから小さな声で名前を呼んだとき、ハッと振り返るか
- スマートフォンやインターホンの呼び出し音など、小さな音に反応するか
- テレビや音の鳴るおもちゃに対して、しっかり耳を向けるか
もし、「背後からの呼びかけにほとんど反応しない」「大きな物音がしても驚く様子がない」といった心配な点がある場合は、耳鼻咽喉科や小児科を受診し、一度聴力の検査(スクリーニング)を受けることを検討してみてください。
早い段階で確認しておくことで、余計な不安を和らげることができます。
身振り手振りで意思疎通ができているか
言葉という形になっていなくても、表情や全身を使った「非言語コミュニケーション」が取れているかも、とても大切なチェックポイントです。
- 「バイバイ」と言うと、ニコニコしながら手を振り返してくれる
- 欲しいものがあるとき、お母さんの手を引っ張って(あるいは指差して)「あれ取って」と顔を覗き込みながら要求する
- 嬉しいときに飛び跳ね、嫌なときに首を大きく振って「いやいや」をする
このように、体や表情をフルに使って「自分の気持ちを相手に伝えたい」「共有したい」という意思表示が見られれば心配ありません。
言葉という便利な道具をまだ使いこなせていないだけで、コミュニケーションのベースはしっかりと育っています。
言葉の理解(指示の理解)が進んでいるか
「話せる言葉の数」以上に、「理解できている言葉の数」が言葉の発達を測る上での真の目安となります。
1歳半の時点で、・「パパはどこ?」と聞かれて、パパの方を向いたり指差したりする
・「ないないして(お片付けして)」と言われ、おもちゃを箱に入れようとする
・「おいで」と言われ、歩いてきてくれる
といった、日常生活における簡単な1ステップの指示(言葉の意味)が通じていれば安心です。
「理解はできているけれど、話すのがゆっくり」という状態は、言葉の貯金をしている時期ですので、今は言葉のコップが満たされるのを焦らず温かく見守ってあげてください。
笑顔で待つ!言葉の「言語爆発」
2歳前後に訪れる「言語爆発」とは
子どもの言語習得のプロセスにおいて、あるときを境に、堰を切ったように言葉が急激に増える不思議な現象があります。
これが「言語爆発(語彙爆発)」です。
一般的には、話せる単語の数が50語を超えたあたり(生後20ヶ月〜2歳頃)からこの言語爆発が起こると言われています。
これまで「ママ」「ワンワン」など数個の単語だけだったのが、突然1日何個もの新しい単語を覚え始め、さらには「ママ、おいで」「ブーブー、きた」といった「二語文」を話し始めるようになります。
この時期を迎えると、毎日のように新しい言葉が飛び出し、親御さんも驚きと喜びの連続になります。
インプット期(貯金の時期)を大切に
言語爆発という華々しいアウトプットの前には、必ず「言葉の貯金(インプット)」の時期が必要です。
これは、言葉のコップに毎日少しずつ水を溜めているような状態です。
コップの外側からは、中にどれだけの水(言葉)が溜まっているのか見えません。「毎日一生懸命話しかけているのに、全然言葉にならないな・・・」とがっかりすることもあるかもしれません。
しかし、お母さんやお父さんが語りかける毎日の優しい言葉の一つひとつが、コップの中の「水滴」となって、一滴ずつ、確実に溜まっています。
そして、その水がコップのフチまで満ちて溢れ出たとき、一気に「発語」となって現れます。
今は言葉の土台を固めるための非常に大切な貯金期間なのだと、肩の力を抜いて捉えてみてくださいね。
周りの子どもと比較しないマインドセット
児童館やSNSなどで、同い年の子がペラペラとおしゃべりしているのを見ると、どうしても焦りを感じてしまいます。
しかし、言葉の発達は本当にマイペースです。
おっとりした性格、慎重な性格、あるいは身体を動かすことに夢中な時期など、子どもの関心の向きや気質によっても発語のスピードは異なります。
完璧に発音できるようになるまで、頭の中にじっくりと溜め込んでおき、ある日突然はっきりとした文章を話し始める「職人気質」なお子さんもたくさんいます。
大切なのは、過去のその子自身と比較することです。「先月に比べて、こちらの言うことをより理解している気がする」「指差しがより正確になった」といった、日々の小さな成長に目を向け、わが子だけの歩みを笑顔で応援してあげましょう。

専門機関に相談する目安と場所
相談を検討する具体的なサイン
基本的にはゆったり見守ることが第一ですが、1歳半を迎えた段階で以下のようなサインが重なって見られる場合は、親御さん一人で悩みを抱え込まず、早めに専門機関へ相談することをおすすめします。
- 目を合わせようとせず、呼びかけても一切耳を傾けようとしない
- こちらの言葉やジェスチャーを理解している様子が全く見られない
- 指差しを一切せず、大人の手を道具のように使って要求を伝える(クレーン現象)だけで、自発的なコミュニケーションへの欲求が感じられない
- 言葉の遅れだけでなく、視線や全体の行動(過度な落ち着きのなさ、極端なこだわりの強さなど)に強い違和感がある
これらは、単に言葉が遅いだけでなく、聴力や発達特性など、専門的なアプローチや丁寧なサポートが必要なサインである可能性があります。
地域の子育て支援センターや市区町村の窓口
「ちょっと不安だけど、いきなり病院に行くのはためらう・・・」という場合は、まずは一番身近な地域の無料相談窓口を頼ってみましょう。
- 地域の子育て支援センター
普段から遊びに行けるアットホームな場所です。
常駐している保育士や相談員に「最近、言葉のことでちょっと悩んでいて・・・」と、プレイルームでの雑談感覚で気軽に悩みを打ち明けることができます。 - 市区町村の保健センター(保健所)
1歳半健診を担当している行政機関です。
健診のタイミング以外でも、電話や面談で専門の保健師が発達に関する相談をいつでも受け付けています。
必要に応じて、臨床心理士による発達プレイセラピーや個別相談枠を案内してくれることもあります。
小児科や言語聴覚士による専門的なサポート
日頃の健康管理でお世話になっている、かかりつけの小児科医に相談するのも非常に有効です。
お腹や風邪の診察だけでなく、総合的な発達発育のアドバイスをくれる頼もしい存在です。
医師の視点から「もう少し様子を見て大丈夫だよ」と言ってもらえるだけで、驚くほど不安が消えることもあります。
また、さらに詳しいサポートが必要な場合には、言葉の専門家である「言語聴覚士(ST)」が在籍する療育センターや、児童発達支援事業所などを紹介してもらうこともできます。
早く相談をすることは、決して子どもの課題を突き止めるためではなく、親御さんが一人で抱える不安や負担を軽くし、プロの力を借りて楽しく育児を進めるための、前向きな一歩です。
一人で抱え込まず、地域の温かいネットワークに甘えてみてください。
まとめ
1歳半のお子さんの言葉の発達目安や単語数、そして楽しく言葉を引き出す関わり方について解説してきました。
今回の重要なポイントを振り返りましょう。
- 1歳半(1歳6ヶ月)の言葉の発達には非常に大きな幅があり、数ヶ月〜半年の遅れは個人差の範囲内であること
- 母子手帳などに書く単語数は、完璧な発音でなくても、オノマトペ(ワンワン等)や「おいち」といった形容詞など、特定の場面で一貫した意味で使われていればカウントしてOKなこと
- 1歳半健診の「様子見」は決して心配を煽るものではなく、子どものペースに合わせて今後の成長を温かく見守るためのステップであること
- 言葉を増やすためには、日常の実況中継やオウム返し、オノマトペ、絵本や歌遊びを取り入れた「親子が笑顔で楽しめる関わり」が最も効果的であること
- 言葉が溢れ出す「言語爆発(語彙爆発)」が起きる前の今は、頭の中のコップに言葉の水をたっぷり溜める「大切なインプット期」であること
子どもの言葉が育つ一番の栄養は、お母さんやお父さんの「笑顔」と「楽しそうな語りかけ」です。「今日は何を話してくれるかな?」「どんな新しい表情を見せてくれるかな?」と、今しか見られない愛らしい一瞬一瞬を愛おしみながら、お子さんのペースに寄り添っておしゃべりを楽しんでいってくださいね。
あなたの優しいまなざしと声は、お子さんの心の中に確かな安心感と言葉の種を、毎日しっかりと植え付けていますよ。
