添い乳のコツ完全ガイド|安全な姿勢と卒業の目安

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夜中に何度も起き上がって授乳するのは、想像以上に体力を消耗するものです。「横になったまま授乳できたら、どんなに楽だろう」と考えたことがある方は少なくないでしょう。そこで多くのママたちが取り入れているのが「添い乳」です。しかし添い乳には正しいやり方があり、知らないまま行うと赤ちゃんの窒息リスクや乳房トラブルにつながる可能性もあります。この記事では、添い乳を安全に行うための具体的なコツから、始める時期・卒業の目安、よくある疑問まで、育児中の親御さんに寄り添いながら分かりやすく解説していきます。正しい知識を身につけて、親子にとって心地よい授乳時間を過ごしましょう。

添い乳とは?基本の仕組みとメリット

添い乳とは、ママと赤ちゃんが横向きに寝た状態のまま授乳する方法のことです。
座って抱っこしながら授乳するスタイルと違い、体を起こす必要がないため、産後の体への負担を大きく減らせる授乳方法として知られています。

添い乳が選ばれる理由

添い乳のメリットには、横になりながら授乳ができるのでママの体が楽になる、赤ちゃんが授乳の姿勢のまま眠ることができるといった点が挙げられます。
特に帝王切開や会陰切開の傷がある人、貧血でずっと座っているのが難しい人にとって、体を横たえたまま授乳できる添い乳は大きな助けになります。

また、赤ちゃんの月齢が低ければ低いほど1日の授乳回数は多くなり、夜間にも授乳を行う場合もあり、1日に10回以上授乳する時期もあります。
そのため複数回の授乳で腰痛や肩こり、足のむくみなどを感じる場合もある中で、添い乳は睡眠不足のママにとって心強い味方となってくれます。

添い乳にはデメリットもある

一方で正しい方法で行わないと窒息事故やおっぱいのトラブルにつながるなど、デメリットもあります。
メリットだけでなくリスクも正しく理解した上で取り入れることが、安全な添い乳の第一歩になります。
次の章から、具体的なコツを詳しく見ていきましょう。

ベッドで横向きになり赤ちゃんに添い乳をする母親の穏やかな表情


添い乳の正しいやり方とコツ5選

添い乳は「ただ横になって授乳するだけ」に見えますが、実は安全かつ快適に行うためにはいくつかの重要なコツがあります。
ここでは実践しやすい順に紹介します。

コツ1:お腹同士をぴったり密着させる

ママと赤ちゃんのお腹を向かい合わせにしてぴったりと密着させることが基本です。
お腹が密着している状態だと赤ちゃんは吸いやすくなります。
赤ちゃんの耳、肩、腰がねじれずに体全体がお母さんの方に向くようにすることも大切なポイントです。
体がねじれた状態だと母乳がうまく飲み込めず、赤ちゃんもママも疲れてしまいます。

コツ2:口と乳頭の高さを合わせる

赤ちゃんの口とお母さんの乳頭の位置をそろえる、つまり同じ高さにすることが重要です。
高さが合わないと赤ちゃんが無理な姿勢で吸い付くことになり、うまく吸着できません。
乳首と赤ちゃんの口の高さが合わない場合は、ママの下側の腕に赤ちゃんの頭を乗せて腕枕のようにすると良い場合もあります。

コツ3:背中にクッションを添えて姿勢を安定させる

赤ちゃんの背中にクッションや丸めたバスタオルを使用すると、赤ちゃんの位置が安定しやすくなります。
ただし赤ちゃんの頭は、赤ちゃんが苦しいときに自分で動かせるように固定しないようにすることが大切です。
頭を完全に固定してしまうと、万が一鼻がふさがれた際に自分で顔をそらせなくなり危険です。

コツ4:ママ自身も枕やクッションで支える

お母さんが楽なように、自分で腕枕をしたり、枕やクッションを使用するとよいでしょう。
さらにお母さんの膝から太ももにかけてクッションを入れることも重要なコツです。
脚が閉じた状態だと上体が赤ちゃんの方に自然に傾いてしまい、知らない間に覆いかぶさってしまうリスクがあるため、脚の間にクッションを入れることで姿勢が安定します。

コツ5:うまくできているかをチェックする

添い乳がうまくいっているかどうかは、赤ちゃんの体がママにぴたりとくっついているかを基準に確認しましょう。
体が離れていたり反り返っていたりする場合は、姿勢を見直すサインです。
毎回同じ姿勢を意識することで、赤ちゃんもママも安定した添い乳のリズムをつかみやすくなります

クッションを使って授乳姿勢を整える様子を横から撮影した写真


絶対に知っておきたい安全上の注意点

添い乳で最も気をつけたいのが、赤ちゃんの窒息リスクです。
ここでは安全に行うための注意点を具体的に解説します。

ママの寝落ちによる窒息リスク

ママが寝落ちして万が一赤ちゃんの体の上にもたれかかってしまうと、押しつぶされて窒息してしまう危険があります
寝不足で疲れている時は特に添い乳をしたくなりますが、そういう時こそ安全のために体を起こして授乳する方が安心な場合もあります。

対策として、ママの背中にクッションや毛布を丸めたものを置き、やや後ろに重心をかけるような形で授乳することで、そのまま寝てしまった時に赤ちゃんを押しつぶしてしまうのを防げる可能性があります。
添い乳中にうとうとしてしまいそうな時は、意識的に体の向きや重心を確認する習慣をつけましょう

ベッドからの転落・SIDSへの配慮

畳の上に布団を敷く場合と違ってベッドで添い乳をする場合は、赤ちゃんの転落のリスクもあります。
SIDSのリスクも考慮し、添い乳をしているときも、した後も赤ちゃんから目を離さないようにしましょう。

乳幼児突然死症候群(SIDS)について、政府広報オンラインではSIDSはうつぶせ、あおむけのどちらでも発症するが、うつぶせに寝かせたときのほうが発症率が高いことが研究者の調査から分かっていると説明されています。
医学上の理由でうつぶせ寝を勧められている場合以外は、赤ちゃんの顔が見えるあおむけに寝かせることが推奨されており、この取組は睡眠中の窒息事故を防ぐ上でも有効とされています。
添い乳の後、赤ちゃんが眠ったらあおむけの姿勢に戻してあげることを習慣にしましょう。

なお、厚生労働省の統計によると2021年のSIDSによる死亡数は58人で、国を挙げた啓発活動のおかげで発症率は減少傾向にあるものの、令和6年(2024年)は51人の乳幼児がSIDSで亡くなっており、1歳未満の赤ちゃんの死亡原因としては第5位となっています。
まれに起こることであっても、日頃からの睡眠環境の見直しはとても重要です

柔らかい寝具・掛け布団にも注意

添い乳をする布団やベッドは、赤ちゃんの顔が沈み込むような柔らかすぎるマットレスや枕を避けることも大切です。
授乳後に赤ちゃんの顔の周りに掛け布団やクッションが被さっていないか、必ず確認する習慣をつけましょう。
添い乳中も授乳後も、赤ちゃんの顔まわりに柔らかいものが近づかないよう常に意識してください


添い乳はいつから始められる?

添い乳を始めるタイミングについて、多くの育児情報サイトでは新生児期からでも可能とされていますが、赤ちゃんとママ双方の慣れが必要になります。

新生児期からトライする際の注意

添い乳は新生児期からでも可能ですが、赤ちゃんが小さすぎたり、おっぱいを上手にくわえられないと、赤ちゃん・ママともに負担が大きくなってしまいます。
お互いが授乳に慣れたところで、まずは日中にトライしてみるといいでしょう。
いきなり夜間の暗い環境で挑戦するのではなく、明るい時間帯に練習しておくと、姿勢やコツをつかみやすくなります。

首すわり前後で変わる注意点

首がすわる前の赤ちゃんは、自分で頭の向きを変える力がまだ弱いため、より慎重な姿勢作りが求められます。
逆に首すわり以降でのトライだと、赤ちゃんもラクな飲み方が決まっているため、授乳スタイルを変えると嫌がることがあります。
添い乳を取り入れたいと考えている場合は、なるべく早い時期からいろいろな姿勢を試しておくのがおすすめです。

新生児を抱っこして授乳の練習をする母親と見守る家族


添い乳の卒業はいつ?タイミングの目安

添い乳をいつまで続けるべきかは、多くの親御さんが悩むポイントです。
明確な決まりはありませんが、卒乳のタイミングと合わせて考えるのが一般的です。

卒乳を見据えたタイミング

添い乳はいつまでという決まりはありませんが、卒乳を考え始めたら添い乳もやめるのがベターとされています。
添い乳は寝かしつけのひとつになってしまうことが多いため、赤ちゃんが添い乳に執着してしまうとなかなか卒乳できないことにもつながります。
卒乳予定の時期から逆算して、添い乳を続けるかどうかを検討しておくことが大切です

ママの負担や体調も判断基準に

添い乳をやめるタイミングは個々の状況によりますが、一般的には赤ちゃんが夜間に自分で寝られるようになった時期や、母親が疲労を感じ始めた時が目安とされています。
無理に続ける必要はなく、家庭の状況やママの体調に合わせて柔軟に判断して問題ありません。


中耳炎・虫歯は関係ある?よくある誤解

添い乳について「中耳炎になりやすい」「虫歯になりやすい」といった話を耳にしたことがある親御さんも多いのではないでしょうか。
この点について正しく理解しておきましょう。

中耳炎との関連性について

横になった姿勢での授乳と中耳炎の関係については、専門家の間でも見解が分かれています。
ある助産院の情報では授乳姿勢と中耳炎の関係について、水平の姿勢だと乳汁が耳管の位置に到達しやすいことは事実だが、母乳の場合はこの限りではないという新生児科医の見解が紹介されています。

一方で、耳鼻科領域の情報では授乳の際に横抱きにしたり添い乳をすることは中耳炎を引き起こしやすいとされており、特に鼻かぜをひいている時はたて抱きで授乳することが勧められています。
赤ちゃんが鼻風邪をひいている時期は、添い乳よりも上体を起こした授乳姿勢を優先するのが安心です。
実際に中耳炎の治療中は、完全に起きた状態でなくても、抱っこして上体を少しだけ起こした姿勢での授乳を試してみることが医師からすすめられるケースもあります。
心配な場合はかかりつけの小児科医に相談しましょう。

虫歯予防との付き合い方

母乳そのものについては、母乳による赤ちゃんの消化管感染症や中耳炎の予防効果など、多くの有効性が知られています。
とはいえ、歯が生え始めてからの授乳では歯の表面に糖分が長時間触れる時間が増えるため、口腔ケアは並行して行うことが望ましいとされています。
歯が生えてきたら、授乳後にガーゼで軽く歯を拭く習慣を取り入れると安心です。
気になる場合は歯科医院で相談してみるとよいでしょう。


添い乳をより快適にする環境づくり

安全性のポイントを押さえた上で、より快適に添い乳を行うための環境づくりについても紹介します。

寝室の温度と明るさを調整する

夜間の添い乳では、部屋の温度が高すぎたり低すぎたりすると、赤ちゃんもママも眠りが浅くなってしまいます。
厚着させすぎない、掛け布団をかけすぎないなど、適切な温度管理を心がけましょう。
過度な保温は赤ちゃんの体に負担をかける可能性があるため注意が必要です。

添い乳用グッズを活用する

市販の授乳クッションや、二つ折りにした座布団などを活用することで、体勢を安定させやすくなります。
一般的な抱き枕は柔らかすぎたり細すぎたりすることが多いため、座布団を組み合わせて紐で縛ったり、長座布団を巻いて固定したりしたものの方が使いやすい場合もあります。
自分に合ったグッズを見つけることで、日々の添い乳がぐっと楽になるでしょう。


まとめ

添い乳は、産後の体を休めながら赤ちゃんに安心感を与えられる、多くのママにとって心強い授乳方法です。
お腹同士を密着させる、口と乳頭の高さを合わせる、クッションで姿勢を安定させるといった基本のコツを押さえることが、快適さと安全性の両立につながります

一方で、ママの寝落ちによる窒息や赤ちゃんの転落、SIDSのリスクについても正しく理解し、目を離さない・柔らかい寝具を避けるといった対策を日頃から意識することが欠かせません。
添い乳はいつから始めていつ卒業するかについて明確な決まりはなく、赤ちゃんの成長や家庭の状況、ママの体調に合わせて柔軟に見直していくもので構いません。

完璧を目指す必要はありません。
正しい知識を持った上で、親子にとって心地よいスタイルを見つけていくことが何より大切です。
この記事で紹介したコツを参考に、無理のない範囲で添い乳を取り入れながら、穏やかな授乳時間を楽しんでいただければ幸いです。

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