0〜3歳と防災訓練 | 親子でできる練習メニュー

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地震のニュースを見るたびに「うちの子はまだ小さいから、防災訓練なんて早いかな」と感じたことはありませんか。実は0〜3歳の乳幼児がいる家庭こそ、大人だけの家庭よりも入念な備えと練習が必要です。自分で避難することも、状況を理解することもまだ難しい小さな子どもを守るのは、パパとママの日頃の準備次第だからです。

とはいえ、身構えすぎる必要はありません。この記事では、赤ちゃんや歩き始めたばかりの子どもと無理なく取り組める防災訓練のやり方を、月齢別に具体的に紹介します。特別な道具をそろえなくても、今日から親子で楽しみながら始められる内容ばかりです。読み終えた頃には「これなら我が家でもできそう」と思っていただけるはずです。

リビングで赤ちゃんを抱っこしながら防災リュックを準備する母親の温かい様子

0〜3歳児家庭に防災訓練が必要な理由

乳幼児を育てる家庭の防災訓練は、大人だけの家庭と同じ感覚で進めると、いざというときに機能しない可能性があります。
まずはなぜ特別な準備が必要なのかを理解しておきましょう。

自分で避難できない乳幼児だからこそのリスク

0〜3歳の子どもは、地震の揺れや火災の煙を認識しても、自分の判断で安全な場所に移動することができません。
抱っこやおんぶで大人が連れて逃げることが前提になるため、避難時に両手がふさがった状態でどう動くかを事前にシミュレーションしておくことが非常に重要です。
さらに、離乳食やミルク、おむつといった乳幼児特有の必需品は、避難所や支援物資だけに頼るのは難しいのが実情です。

抱っこ紐・ベビーカーどちらで避難する?

地震発生直後は、瓦礫やガラスの破片で足元が不安定になることが多く、ベビーカーでの移動は難しい場面が想定されます。
抱っこ紐は両手が自由になり、階段や段差の多い避難経路でも比較的安全に移動できるため、日頃から玄関付近など取り出しやすい場所に置いておくことをおすすめします。
ベビーカーは、道路が比較的整備された地域での荷物運搬用として併用する形が現実的でしょう。


防災訓練を始めるベストなタイミング

「思い立ったが吉日」ではありますが、家族全員で継続的に取り組むには、タイミングを決めておくと習慣化しやすくなります。

防災の日と防災週間を活用する

毎年9月1日は「防災の日」と定められており、この日を含む8月30日から9月5日までの1週間は「防災週間」として、全国で防災訓練や啓発活動が行われています
1923年の関東大震災が9月1日に発生したことにちなんで制定された記念日で、家庭にとっては備蓄品や避難ルートを見直す絶好の機会です。
忙しい育児の合間でも、この期間に合わせて年に一度は家族で防災について話す時間を作ると、忘れずに続けられます。

月齢・成長に合わせて訓練内容を見直す

0歳児のうちは抱っこでの避難が中心ですが、1歳を過ぎて歩き始めると「自分で歩いて逃げる練習」が必要になり、2〜3歳になると簡単な指示を理解できるようになります。
子どもの発達段階に合わせて訓練内容をアップデートしていくことが、実効性のある防災対策につながります
半年に一度は、今の月齢に合った内容になっているか見直す習慣をつけましょう。

芝生の庭でよちよち歩きの幼児と手をつないで歩く練習をする両親


0歳児(赤ちゃん)とできる訓練メニュー

寝返りやハイハイの時期の赤ちゃんは、大人が主体となって避難行動を完結させる必要があります。
まずは大人の動きを体に覚えさせる練習から始めましょう。

抱っこ紐での避難シミュレーション

実際に抱っこ紐を装着し、家の中から玄関まで、そして玄関から避難場所として想定している公園や広場まで歩いてみましょう。
所要時間や危険箇所(ブロック塀、自動販売機など)を確認しておくと、実際の災害時に落ち着いて行動できます。
夜間や雨天時の避難経路も一度は試しておくと、想定外の状況にも慌てずに対応しやすくなります

液体ミルク・おむつ替えの練習

災害時はお湯の確保が難しいことが多いため、常温のまま飲ませられる乳児用液体ミルクを一度試しておくと安心です。
乳児用液体ミルクは2019年から国内メーカーによる製造・販売が始まった商品で、消毒した哺乳瓶に移し替えて使用するのが基本とされています。
普段から備蓄用と併せて実際に使ってみることで、赤ちゃんの好みや使用感を確認できます。
また、断水を想定して、水を使わずに使えるおしりふきタイプのおむつ替えセットを一式まとめておくと、いざというときに慌てずに済みます。


1〜2歳児とできる訓練メニュー

歩行が安定してくるこの時期は、少しずつ「自分で動く」練習を取り入れていくタイミングです。

「おかしもち」を遊びを通して伝える

保育園や幼稚園の避難訓練でよく使われる合言葉に「おかしもち」があります。
「おさない・かけない・しゃべらない・もどらない・ちかづかない」の頭文字を取った約束事で、小さな子どもにも覚えやすい形で避難時の注意点を伝えられるのが特徴です。
絵本の読み聞かせやぬいぐるみを使ったごっこ遊びを通して、少しずつこの言葉に親しませてあげましょう。

防災ずきん・ヘルメットに慣れる練習

いきなり本番でかぶせようとしても、多くの子どもは嫌がって泣いてしまいます。
普段の遊びの中で防災ずきんやヘルメットをかぶる時間を作り、抵抗感をなくしておくことが大切です。
「かっこいい帽子ごっこ」のような形で日常に取り入れると、子どもも楽しみながら受け入れやすくなります

明るい保育室で小さな防災ずきんをかぶって笑顔を見せる1歳児


3歳児とできる訓練メニュー

3歳頃になると簡単な会話や指示の理解が進み、少しずつ「一緒に避難する」意識を育てられる時期です。

避難ごっこ遊びで一人歩き避難を練習

「地震だ、机の下にかくれよう」「先生の声が聞こえたら手を挙げよう」といった声かけを遊びに取り入れることで、実際の避難訓練の疑似体験ができます。
保育園などの避難訓練では、机の下や物が落ちてこない安全な空間に移動して頭を守る動きを繰り返し練習させているという報告もあり、家庭でも同じような遊びを取り入れることで、子どもが本番でも落ち着いて行動しやすくなります。

防災クイズ・カードゲームで楽しく学ぶ

座学的な説明ではなく、遊びの延長で学べる教材を活用するのもおすすめです。
日本損害保険協会が提供する幼児向けカードゲーム「ぼうさいダック」は、動物のポーズをまねしながら身の守り方を学べる教材として知られています。
また東京消防庁でも、幼児向けのデジタル紙芝居や防災クイズを動画で配信しており、自宅にいながら親子で防災を学べる環境が整っています。
休日の遊び時間に取り入れてみると、子どもも喜んで参加してくれるはずです。


0〜3歳児家庭の防災備蓄チェックリスト

訓練と並行して欠かせないのが、日頃からの備蓄です。
乳幼児がいる家庭は、一般的な備蓄品リストにいくつかのアイテムを追加する必要があります。

最低限そろえたい非常持ち出し品

内閣府は災害への備えとして、飲料水や食料、カセットコンロ、携帯トイレなどの品目を家庭で備蓄しておくよう呼びかけています。
飲料水の目安は1人1日3リットルとされており、乳幼児のいる4人家族であれば1週間分でおよそ84リットルが目安になります。
あわせて、懐中電灯や携帯ラジオ、予備電池といった基本アイテムも忘れずに準備しておきましょう。

カテゴリ具体的な品目
飲料・食品飲料水、レトルト食品、液体ミルク、粉ミルク
衛生用品紙おむつ、おしりふき、携帯トイレ
情報・照明懐中電灯、携帯ラジオ、予備電池、モバイルバッテリー
その他抱っこ紐、母子手帳のコピー、お薬手帳

見落としがちな乳幼児用アイテム

携帯トイレは大人用の備蓄に紛れて見落とされがちですが、断水時にはトイレが使えず健康被害につながるおそれがあるため、家族の人数分をしっかり計算しておく必要があります。
目安として1人1日あたり5回程度の使用を想定した数量を準備しておくと、避難生活が長引いても慌てずに済みます
乳幼児がいる家庭では、これに加えて哺乳瓶や紙おむつ、母子手帳のコピー、普段使っているお気に入りのタオルやおもちゃなど、子どもの精神的な安定につながるアイテムも忘れずに入れておきましょう。


家族で共有すべき避難ルールと連絡方法

備蓄と訓練だけでなく、家族間でのルール共有も忘れてはならないポイントです。

集合場所と安否確認方法を決めておく

災害発生時、家族がそれぞれ違う場所にいる可能性は十分に考えられます。
災害時は家族がバラバラの場所にいることを前提に、安否確認の方法や集合場所を事前に決めておくことが推奨されています
乳幼児がいる家庭では、保育園や実家など、子どもが日中過ごす場所からの避難経路もあわせて確認しておくと安心です。

家族会議で役割分担を決める

誰が子どもを抱っこして避難するか、誰が非常持ち出し袋を持つかなど、簡単な役割分担を決めておくだけでも、いざというときの混乱を大きく減らせます。
夫婦だけでなく、祖父母や同居家族がいる場合は全員で話し合っておくとよいでしょう。


防災訓練を習慣化するコツ

一度きりの訓練で終わらせず、継続することが本当の意味での備えにつながります。

年4回の防災用品点検日を活用する

3月1日、6月1日、9月1日、12月1日は「防災用品点検の日」とされており、非常持ち出し品が古くなっていないか定期的に確認するタイミングとして活用されています
子どもの成長は早いため、おむつのサイズやミルクの月齢表示が合っているかも、このタイミングで必ずチェックしましょう。

訓練を「特別なこと」にしない工夫

防災訓練を年に一度の大イベントにしてしまうと、忙しい育児の中で後回しになりがちです。
お散歩のついでに避難経路を歩いてみる、お風呂上がりに防災ずきんをかぶってみるなど、日常の延長で少しずつ取り入れることが継続のコツです。
完璧を目指すよりも、家族みんなが無理なく続けられる形を見つけることを優先しましょう。

詳しい備蓄品の考え方については、内閣府の防災情報ページでも定期的に情報が更新されています。
気になる方は一度目を通してみると、家庭に合った備えのヒントが見つかるはずです。内閣府 防災情報のページ


まとめ

0〜3歳の子どもがいる家庭の防災訓練は、特別な設備や難しい知識がなくても、今日の遊びの延長から始めることができます。
抱っこ紐での避難シミュレーション、液体ミルクの試し飲み、おかしもちを伝える絵本の読み聞かせなど、どれも普段の育児の中に自然に組み込める内容ばかりです。

大切なのは、完璧な訓練を一度に行うことではなく、子どもの成長に合わせて少しずつ内容をアップデートしながら、家族みんなで無理なく続けていくことです。
今日紹介したメニューの中から一つでも取り入れて、防災週間を家族の時間として楽しんでみてください。
備えることは、決して不安をあおるためのものではなく、家族の笑顔を守るための前向きな準備なのです。

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