1歳の食事が長い原因と上手な切り上げ方

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「気づいたら1時間・・・」「まだ半分も食べていないのに、もう遊び始めた」。1歳になったばかりのお子さんの食事に、想像以上の時間がかかって困っていませんか。せっかく作ったご飯が冷めてしまったり、次の予定に間に合わなかったりと、毎日の食事タイムがストレスになっているママ・パパは少なくありません。

実はこの「食事時間が長い」という悩みは、1歳前後のお子さんを持つご家庭でとてもよくある悩みです。食事に時間がかかるのは、決してあなたの育て方が悪いわけではなく、この時期特有の発達段階によるものだと分かれば、少し気持ちが軽くなるはずです。

この記事では、1歳児の食事時間が長引く原因から、適切な時間の目安、そして今日からすぐに実践できる上手な切り上げ方のコツまで、公的機関の資料や専門家の見解をもとに詳しく解説します。読み終える頃には、食事タイムが「イライラする時間」から「親子で楽しめる時間」に変わるヒントがきっと見つかります。

目次

1歳児の食事が長引く主な原因とは

まずは、なぜ1歳児の食事にこれほど時間がかかるのか、その背景を理解しておきましょう。
原因が分かるだけで、対応の仕方も変わってきます。

集中力がもともと短い年齢である

1歳児はまだ「食事に集中し続ける」という行動そのものが発達途中です。
幼児の集中力の持続時間は非常に短く、大人のようにじっくり座って食べ続けることは生理的に難しいのが実情です。
専門家の間では、幼児が何かに集中できる時間は「年齢+1分」程度が目安とされることもあり、1歳であれば数分単位で気が散ってしまうのは自然なことなのです。

自我の芽生えと「遊び食べ」の始まり

1歳を過ぎると自我が芽生え始め、食べ物を触ったり落としたりする「遊び食べ」が目立つようになります。
平成17年度の乳幼児栄養調査によると、子どもの食事で困っていることがある保護者の割合は年々増えており、1〜3歳児を持つ保護者では1歳前後で不安を感じる割合が高くなる傾向がみられました。
また「遊び食い」や「むら食い」は1歳後半から2歳にかけて高くなる傾向があることも報告されています。
つまり、遊び食べは多くの家庭で経験する通過点だといえます。

お腹がすいていない・眠いなどの生理的要因

おやつの時間や量、睡眠不足なども食事のダラダラ食べに直結します。
お腹が空いていない状態で食卓についても、当然食は進みません。
食事前のおやつの量やタイミングを見直すことも、食事時間短縮の重要なポイントです。

リビングのベビーチェアに座り、食べ物を手でつかんで遊んでいる1歳児と、隣で見守る母親の様子


食事時間の目安は何分が正解なのか

「うちの子は食べるのが遅いのでは」と心配になったとき、まず知っておきたいのが適切な時間の目安です。

専門機関が示す目安は20〜30分

複数の子育て相談窓口や保育士の見解では、1歳児の1回あたりの食事時間の目安は15〜30分程度とされています。
15分くらいで食べられる量が適量であり、食べ始めて15分くらい経って遊び始めたり立ち上がったりしているようなら、もうお腹がいっぱいのサインだとされています。
いつまでもダラダラと食事の時間が続くと、食事と遊びを混同してしまう場合があるため、1回の食事の時間は30分ぐらいを目安に切り上げることが推奨されています。

実際に集中できる時間はもっと短い

1歳頃の食事時間は20〜30分を目安にするとよいとされていますが、幼児期の子どもが集中して食事ができるのは、お腹がある程度満たされる5〜10分程度だといわれています。
つまり、30分という目安時間の中でも、実際に「しっかり食べている」のは最初の数分〜10分程度で、残りは食べムラや遊び食べの時間になっていることが多いのです。
この事実を知っておくだけでも、「もっと食べさせなきゃ」という焦りが和らぐのではないでしょうか。

時間よりも「様子」で見極める

数字上の時間だけにこだわりすぎず、子どもの様子を観察して切り上げ時を判断することも大切です。
お子さまの食事への集中力はそう長くは続かず、もっと食べさせたいという気持ちで長い時間座らせていても、ダラダラ食べになってしまいます。
椅子から立ち上がろうとする、食べ物で遊び始める、視線がテレビやおもちゃに向く・・・こうしたサインが見られたら、時間に関わらず切り上げのタイミングと考えてよいでしょう。


ダラダラ食べを放置するとどうなるか

「時間がかかっても、結局は食べてくれるならいいのでは」と思う方もいるかもしれません。
しかし、長時間の食事にはいくつかの注意点があります。

食事と遊びの境界があいまいになる

食事時間が長引くほど、子どもの中で「食卓=遊ぶ場所」というイメージが定着しやすくなる点には注意が必要です
一度この習慣がつくと、切り替えがさらに難しくなり、悪循環に陥りやすくなります。

保護者の負担・ストレスが蓄積する

毎食1時間近くかかるような状態が続くと、食事の後片付けや次の家事・仕事の時間が圧迫され、保護者の心身の負担が大きくなります。
2〜6歳児の保護者が子どもの食事で困っている割合は約8割にのぼり、食べるのに時間がかかると回答した人が3割程度で最も多い結果となっています。
多くの家庭が同じ悩みを抱えていると分かるだけでも、少し安心できるのではないでしょうか。


上手な切り上げ方5つの工夫

ここからは、実際に食事タイムを上手に切り上げるための具体的な工夫を紹介します。
今日からすぐに試せるものばかりです。

時間を決めてタイマーで区切る

キッチンタイマーやスマートフォンのアラームを使い、「25分たったら終了」とあらかじめ決めておく方法です。
開始前に時間を決めておくことで、途中で「もう少し食べさせたい」という迷いが減り、親子ともにメリハリのある食事習慣が作りやすくなります

「ごちそうさま」の合図を明確にする

食事中に子どもが遊び食べを始めたときは、ごちそうさまと言って片づけるようにすると、時間を区切ることでメリハリが出るという声もあります。
毎回同じ言葉・同じジェスチャーで終わりを伝えることで、子どもも「終わりのサイン」を理解しやすくなります。

おかわりや遊び食べが始まったら区切りのサイン

食事時間が長くなったり遊びだしたら食事を切り上げるなど、メリハリを大切にすることがポイントとして挙げられています。
一度手が止まって視線がそれたタイミングを、切り上げの合図として活用しましょう。

キッチンタイマーが置かれたダイニングテーブルで、笑顔で子どもに食事を促す父親

量を最初から少なめに盛る

最初から食べきれる量だけを盛り付け、足りなければおかわりする形にすると、「残さず食べさせなきゃ」というプレッシャーが減り、結果的にダラダラ食べも防げます。
少なめに盛って完食体験を積ませることは、子どもの自信にもつながる工夫です。

環境を整えて「食べることだけ」に集中させる

テレビやおもちゃが視界に入らないようにする、椅子やテーブルの高さを合わせるなど、環境面の工夫も効果的です。
詳しくは次章で解説します。


遊び食べ・むら食いへの向き合い方

遊び食べやむら食いは、1歳児にとってごく自然な発達過程の一部です。
過度に心配せず、上手に付き合っていきましょう。

遊び食べは発達の証でもある

2〜3歳未満において最も割合の高かった「遊び食べをする」という困りごとは、その後の年齢階級では大きく減っていく傾向があり、成長とともに自然と落ち着いていくケースが多いことが報告されています。
今の遊び食べは、成長の一過程だと捉えて気持ちを楽にしましょう。

無理に食べさせない姿勢が大切

無理やり食べさせず、美味しいねなどの声をかけながらゆったりした気持ちで食べてもらうことが、食事の基本として大切にされています。
叱ったり急かしたりすると、かえって食事そのものへの苦手意識を持たせてしまう可能性があるため注意が必要です。

1〜2回食べなくても気にしすぎない

気分により食べないことも多いため、1〜2度食べなくても嫌いと決めつけず、定期的に食卓に出すことが推奨されています。
今日食べなくても、数日後にはぱくぱく食べる、ということも1歳児にはよくある話です。


食事に集中できる環境づくりのポイント

食事時間を適正化するには、切り上げ方だけでなく「集中できる環境」を用意することも欠かせません。

テレビ・スマホは食卓から遠ざける

視界にテレビやスマートフォンの画面が入ると、子どもの注意はあっという間にそちらへ向いてしまいます。
食事中は映像機器の電源を切り、食べることに意識を向けやすい環境を整えることが基本中の基本です。

椅子・テーブルの高さを見直す

体に合わない椅子では姿勢が安定せず、食べることに集中できません。
足がしっかり床や足置きにつく高さに調整したり、クッションや踏み台を活用したりすることで、座っている姿勢そのものが安定し、結果的に食事に集中しやすくなります。

生活リズムを一定に保つ

1歳児は気分にムラがあり、生活のリズムが乱れやすいため、1日3回食を習慣化し、生活リズムを整えることが大切だとされています。
毎日ほぼ同じ時間に食事・お昼寝・おやつを設定することで、食事の時間に自然とお腹が空く生活リズムが作られていきます。

明るい窓辺のダイニングで、家族3人が同じ時間に食卓を囲んで笑顔で食事をしている様子


おやつ(間食)の与え方にも工夫を

1歳児の食事量や集中力には、実はおやつの与え方も大きく影響しています。

おやつは「4回目の食事」と考える

1回目のおやつは朝食と昼食の合間の10時ごろ、2回目は昼食と夕食の間の15時ごろがおすすめとされ、食事に響かないよう時間と量に配慮することが推奨されています。
おやつを単なる「おまけ」ではなく、栄養補給の一部として位置づけることが大切です。

与えすぎ・時間の遅さに注意

食事の直前におやつを与えてしまうと、食欲が落ちて食事に時間がかかる原因になるため注意が必要です
おやつの時間と量を管理することは、食事時間の適正化にも直結します。


1歳児の食事量と献立の目安

食事時間だけでなく、量や内容についても目安を押さえておくと安心です。

1回あたりの食事量の目安

1歳〜1歳6カ月ごろの目安は、いろいろな食品を合わせて子ども茶わん1杯強ぐらいとされていますが、食べる量には個人差があるため、食欲や発達などに合わせて調整することが推奨されています。
数字にとらわれすぎず、あくまで目安として捉えましょう。

調理形態は前歯でかじり取れる大きさに

肉や魚、卵はゆでて5ミリ〜1センチ大に切ったり、かたまりのまま器に盛って前歯でかじり取る練習をさせたりするとよいとされています。
食べやすい形態に工夫することで、遊び食べの原因のひとつである「食べにくさ」も軽減できます。

公的資料も参考にしてみよう

より詳しい離乳食の進め方や食事形態の目安については、厚生労働省が公表している資料も参考になります。授乳・離乳の支援ガイドの策定について(厚生労働省)では、離乳食を進める際の考え方や無理のない進め方の基本方針が示されています。
公的資料に目を通しておくと、日々の判断に自信が持てるようになります


こんな時は専門家への相談も検討を

基本的には様子を見ながら対応すればよいケースがほとんどですが、中には相談を検討したほうがよいサインもあります。

体重増加が長期間止まっている場合

食事時間や量の問題とは別に、成長曲線から大きく外れる体重の停滞や減少が続く場合は、自己判断せずかかりつけの小児科医や自治体の栄養相談窓口に相談することをおすすめします

極端な偏食・特定の食品しか受け付けない場合

特定の食材だけを極端に嫌がる、口に入れたものをすべて出してしまう状態が長期間続く場合も、専門家に相談してみると安心材料が得られることが多いです。
自己流の対応だけで抱え込まず、地域の保健センターや小児科を頼ることも大切な選択肢です


まとめ

1歳児の食事時間が長引くのは、集中力の未発達や自我の芽生えといった、この時期ならではの自然な発達現象です。
目安となる15〜30分を意識しつつ、遊び食べや立ち上がりなどのサインが見られたら無理せず切り上げることが、親子双方のストレスを減らす近道になります。

タイマーの活用や「ごちそうさま」の合図の統一、テレビを消すといった環境づくり、そしておやつの時間と量の調整・・・どれも今日からすぐに始められる工夫です。
完璧を目指す必要はありません。
「今日は少し早めに切り上げられた」という小さな成功を積み重ねていくことが、食事タイムを親子にとって楽しい時間に変える一番の近道です。

多くの家庭が同じ悩みを経験しながら、少しずつ食卓の習慣を築いています。
焦らず、お子さんのペースに寄り添いながら、毎日の食事時間を穏やかに過ごしていきましょう。

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