1歳の幼児食デビュー | 離乳食からの進め方

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「離乳食が終わったら、次は幼児食って聞くけど、いつから始めればいいの?」「大人と同じものを食べさせていいの?」・・・1歳前後になると、こんな疑問が次々と湧いてきますよね。離乳食から幼児食への移行は、お子さんの「食べる力」が大きく育つ、とてもワクワクする成長のステップです。

とはいえ、進め方や食材選び、味付けには大人とは違うポイントがいくつもあります。この記事では、公的機関の情報や専門家の知見をもとに、幼児食デビューの時期の見極め方から具体的な進め方、安全に楽しく食べるための工夫まで、まるごと解説します。読み終わるころには、「これなら楽しく進められそう!」ときっと感じていただけるはずです。

明るいダイニングで離乳食用の食器を前に笑顔でスプーンを持つ1歳前後の赤ちゃんと見守る母親

目次

幼児食デビューはいつから?時期の目安

幼児食を始めるタイミングは、月齢だけで決まるものではありません。
まずは「いつから」「どんなサインが出たら」始めればよいのか、基本を押さえましょう。

離乳食の完了はおおよそ1歳半が目安

そもそも離乳食とは、母乳やミルクだけでは足りなくなった栄養を補いながら、固形物を食べる力を育てる過程のこと。
成長に伴い、母乳または育児用ミルク等の乳汁だけでは不足してくるエネルギーや栄養素を補完するために、乳汁から幼児食に移行する過程をいい、その時に与えられる食事を離乳食といいます。

厚生労働省の調査によると、離乳食の完了時期については、25.7%の保護者が12か月、33.3%が13~15か月、16~18か月が27.9%となっています。
つまり、離乳食の完了はおおよそ1歳〜1歳半ごろで、個人差が大きいということ。「1歳になったから即幼児食」と焦る必要はまったくありません。

幼児食に進む発達のサイン

大切なのは月齢よりもお子さんの発達です。
専門家によると、1才6カ月ごろになって、肉だんごくらいのかたさのものを、もぐもぐと口を動かして食べるようになれば、離乳食を卒業してもいい目安です。

また噛み方にも注目しましょう。
食べ物を前歯でかじって切り、歯ぐきや奥歯で噛んで食べられるようになったら幼児食に移行してもよい時期です。
噛んでいる側の口角が外側に引っ張られる動きが見られたり、片側の頬が動く様子が見られたら、食べ物をしっかり噛めているでしょう。
食事中にお子さんの口元をそっと観察してみてくださいね。

無理に急がなくて大丈夫

幼児食への移行は、できる・できないをジャッジするものではありません。
離乳食卒業の目安はおおよそ1歳6か月頃ですが、まだうまく噛めなかったり、3回の食事と補食(おやつ)のリズムが整っていない場合は、あせらなくて大丈夫です。
まずは1日3回の食事のリズムに慣れることを優先しましょう。


離乳食と幼児食はここが違う

「離乳食と幼児食って、結局なにが違うの?」という疑問にお答えします。
両者の違いを知ると、進め方がぐっとイメージしやすくなります。

固さ・大きさのステップアップ

幼児食は、離乳食よりも少し歯ごたえのある食事へと進んでいきます。
ただし大人と同じというわけではありません。
大人に比べるとかむ力はまだまだ弱く、消化器官も未発達です。
大人と同じかたさや大きさの食事ではかむ力が育ちにくく、まる飲みするなど悪習慣がつくことも。

そのため、よくかんで食べられるように、食材の切り方や調理法の工夫をして、5才くらいまでは歯や体の発達に合わせた幼児食を与えましょう。
つまり幼児食は1歳半ごろから5歳ごろまで続く、長いお付き合いになる食事なのです。

乳歯の生え方と噛む力の関係

幼児期の食事を考えるうえで欠かせないのが「歯」の発達です。
幼児はおとなと比べて、咀嚼や消化の機能が未熟です。
とくに「歯」に関しては、上下それぞれの乳歯(上10本、下10本)が生えそろうのは3歳頃。

つまり奥歯が生えそろう3歳ごろまでは、噛む力がまだ十分ではないのです。
乳歯がそろっても噛む力は弱いので、まだまだつぶすのは苦手です。
お子さんの歯の生え具合を見ながら、食材の固さや大きさを調整していきましょう。

木製のテーブルに並んだ小さく切った野菜やおにぎりなどの幼児食メニューと子ども用カトラリー


幼児食デビューの進め方5ステップ

ここからは、実際に幼児食をどう進めていくか、具体的なステップを見ていきましょう。
一つずつ確認していけば、初めてでも迷いません。

ステップ1:1日3回の食事リズムを整える

幼児食の土台となるのが、規則正しい食事リズムです。
1日3回の食事と補食(おやつ)のリズムが整い、栄養の大半を食事でとれていることも大切なポイントです。
朝・昼・晩の食事と、午前・午後の補食(おやつ)を、できるだけ決まった時間に取れるよう整えていきましょう。

ステップ2:固さと大きさを少しずつ変える

離乳食の延長から、徐々に歯ごたえのある食材へとステップアップします。
離乳が完了しても、小さな子どもは噛む力や味覚、消化器官や手の機能などの発達が不十分です。
まだ大人と同じように食べることはできません。
子どもの発達に合わせながら、少しずつ味や硬さを慣らしていきましょう。
急に固くするのではなく、「いつもより少しだけ」を意識すると失敗が少なくなります。

ステップ3:手づかみ食べを応援する

この時期に大切にしたいのが「手づかみ食べ」です。
自分で食べる経験は、食べる意欲や手指の発達を大きく育てます。
汚れても大丈夫なように床にシートを敷くなど、環境を整えてあげると、ママもパパも気持ちにゆとりが生まれますよ。
一口サイズのおにぎりや、スティック状の野菜などから始めると取り組みやすいでしょう。

ステップ4:卒乳・牛乳への移行を考える

1歳を過ぎると、栄養の中心は食事へと移っていきます。
川崎市の資料によると、1歳以降は牛乳を飲めるようになるため、母乳や育児用ミルクは必要なくなります。
母乳やミルクばかりで食事を食べない場合は、卒乳することで食べる量が増えていきます。
食事が進まないときは、授乳量を見直してみるのも一つの方法です。

ステップ5:大人の料理から取り分ける

幼児食が進んでくると、大人の食事から取り分けられるようになり、調理の負担がぐっと軽くなります。
味付け前に取り分ける、または薄めてから与えるのがコツです。
家族と同じものを食べる経験は、お子さんにとって食事の楽しさを知る大切な機会になります。


幼児食の量と栄養の目安

「どのくらい食べさせればいいの?」という量の疑問も尽きないもの。
目安を知っておくと安心です。

1日に必要なエネルギーと食事量

1〜2歳児の食事量の目安を見てみましょう。
1〜2歳の1日のエネルギー目安は、男児で950kcal、女児で900kcal程度。
食事の全体量は、大人の食事の1/3〜1/2 程度の量をイメージし、午前と午後の2回の補食(おやつ)で不足しがちな栄養を補います。

献立を組み立てるときは、穀類は1食あたり1種類、たんぱく質類も1種類を中心に、複数組み合わせる場合は量を調整してみてくださいね。
主食・主菜・副菜をそろえることを意識すれば、自然とバランスが整っていきます。

補食(おやつ)は第4の食事

幼児にとっての「おやつ」は、甘いお菓子のことではありません。
胃が小さく一度にたくさん食べられない子どもにとって、補食は3回の食事で足りない栄養とエネルギーを補う「第4の食事」です。
おにぎり、ふかしいも、果物、乳製品などを、午前と午後に少量ずつ取り入れるのがおすすめです。

鉄分など不足しやすい栄養素

幼児期に特に意識したいのが鉄分です。
貧血(顔色が悪い、疲れやすい)、集中力低下、食欲不振、イライラしやすいなどの症状が出ることがあります。
1~2歳で約4.5mg、3~5歳で約5.5mgが目安です。
鉄分は、レバー、赤身肉、しらす、かつお、ほうれん草、小松菜、大豆製品などが挙げられます。
ハンバーグやスープに混ぜるなど、調理を工夫して取り入れていきましょう。


幼児食の味付けは「薄味」が基本

幼児食で多くの方が悩むのが味付けです。
結論から言うと、ポイントは「薄味」。
その理由と具体的な目安を見ていきましょう。

1歳ごろの塩分目安と濃さ

摂津市の情報によると、1回あたりごく少量の塩分量を使えるようになり、1歳ごろは1食あたり約0.5gが目安です。
約0.5gとは食塩を二本指でつまむぐらいの量です。
また1日全体では、成人の食塩摂取量の目標値は、男性7.5g未満、女性6.5g未満であり、1~5歳では大人の約1/3~1/2量が目安になります。
大人が美味しいと思う味付けの1/2~1/3ほどに味を薄めることを心がけましょう。

1歳ごろは内臓の機能がまだ未熟なため、塩分の摂りすぎは体の負担になります。
調味料は最小限にとどめましょう。

味付けしなくても食べるなら無理に足さない

「味がないとかわいそう?」と感じるかもしれませんが、その必要はありません。
味付けしなくてもよく食べてくれるのなら、そのままで問題ありません。
塩分に含まれるナトリウムはからだに必要な栄養素のひとつですが、調味料で補わなくても、食品に含まれている分で必要な量をとることができます。

さらに、味付けをしないと味覚が育たないということもありません。
咀嚼力がついてくると唾液の分泌量が増えます。
噛むことで食材から出た味が、増えた唾液に溶けて、味がよく感じられるようになります。
素材そのものの味を楽しめることは、お子さんにとって大きな財産になります。

だしを取った鍋から立ちのぼる湯気とかつお節や昆布が並ぶ温かみのあるキッチンの様子

うま味を活用しておいしく薄味に

薄味でもおいしく食べてもらうコツは「うま味」の活用です。
塩分の代わりに昆布やかつお節、煮干しなどのうま味を多く含む食品を活用しましょう。
出汁だけでなく、料理に混ぜることで味の満足感を高められます。

味付けが必要なときも工夫を。
味付けが必要な場合は、しょうゆやみそを直接加えず、一度お湯で薄めてから使うとよいでしょう。
家族みんなで薄味を心がけることが、お子さんの健やかな味覚を育てる近道です。


窒息・誤嚥に注意したい食材

幼児食でもっとも気をつけたいのが、窒息と誤嚥(ごえん)の事故です。
これは命に関わるため、正しい知識を必ず押さえておきましょう。

球状の食材は必ずカットを

消費者庁は次のように注意を呼びかけています。
ミニトマトやブドウ等の球状の食品を丸ごと食べさせると、窒息するリスクがあります。
乳幼児には、4等分する、調理して軟らかくするなどして、よくかんで食べさせましょう。

ミニトマトやぶどう、さくらんぼなどは、必ず4分の1以下に小さく切ってから与えてください。
丸のままは絶対に避けましょう。

実際に、つるりと滑る球状の食材による痛ましい事故が過去に起きています。

豆・ナッツ類は5歳まで避ける

意外に見落としがちなのが豆やナッツ類です。
豆やナッツ類など、硬くてかみ砕く必要のある食品は5歳以下の子どもには食べさせないでください。
喉頭や気管に詰まると窒息しやすく、大変危険です。
小さく砕いた場合でも、気管に入りこんでしまうと肺炎や気管支炎になるリスクがあります。

節分の豆まきの豆なども要注意です。
硬い豆やナッツ類は、たとえ砕いても5歳以下には与えないと覚えておきましょう。
日本小児科学会も、表面がつるっとしている食品は、うまく噛めない上に口の中で滑りやすく、ふとしたときに丸飲みしてしまうことがあります。
さらに、丸い形状はのどにはまり込んで気道を塞ぎやすいため、窒息につながる危険性があります。
と注意を促しています。

食べているときの「環境づくり」も大切

食材だけでなく、食べる姿勢や環境も事故防止に欠かせません。
食べているときは、姿勢を良くし、食べることに集中させましょう。
物を口に入れたままで、走ったり、笑ったり、泣いたり、声を出したりすると、誤って吸引し、窒息・誤嚥するリスクがあります。

食事中は必ず座らせ、大人が目を離さないことが何より大切です。
なお、はちみつは1歳未満の乳児には乳児ボツリヌス症の危険があるため与えてはいけませんが、1歳を過ぎれば与えられるようになります。


食べづらい食材と調理の工夫

窒息リスクのほかにも、この時期に食べにくい食材があります。
少しの工夫で食べやすくなるので、コツをつかんでいきましょう。

奥歯が必要な弾力食材は後回しに

神戸市の資料によると、ちくわ、かまぼこ、こんにゃく、いか、たこ等、これらの食品は、1~2歳のうちは噛み切ることができません。
奥歯が生えそろい、他の食材でじゅうぶん噛む練習ができてから食べ始めましょう。
弾力の強い食材は、まだ無理して与えなくて大丈夫です。

口の中でまとまりにくい食材の工夫

パサパサ・ぼそぼそした食材も食べにくいもの。
そんなときは、口の中でばらばらになりやすい食材は、とろみをつけたり、何かに混ぜたりしてまとまりを出しましょう。
ひき肉は、豆腐や野菜を入れて肉団子にするとパサパサになりづらくておすすめです。
あんかけにしたり、片栗粉でとろみをつけたりするだけで、ぐんと食べやすくなります。

皮や形を変えて食べやすく

野菜の皮も食べにくさの原因になります。
きゅうりやなすは全部皮をむかずにしましまにむくのもおすすめです。
また、この時期のお子さんには、形状がどうしても食べづらいものがあります。
形や調理法を変えれば食べられることもあります。
特に野菜類は、食べないからと言ってやめるのではなく何度でもトライさせてみてください。「今日は食べなかったけど、また来週試そう」くらいの気持ちで大丈夫です。


遊び食べ・偏食との上手な付き合い方

幼児食の時期は、食べてくれない・遊んでしまうといった悩みがつきもの。
これは成長の証でもあります。
気持ちを楽にして向き合いましょう。

遊び食べやムラ食いは成長の一過程

神戸市の資料では、この時期について次のように説明しています。
このころは遊び食べやむら食いがはじまる時期でもあります。
昨日まで好きだったものを急に食べなくなることがあります。
また、独自のこだわりやマイブームが出たり、何を提案しても「イヤ!」と言われることもあるでしょう。
これは自我が育っているサイン。
決して育て方のせいではありません。

叱るより「楽しい雰囲気」を優先

つい叱りたくなる場面でも、ぐっとこらえてみましょう。
3歳ごろまではしつけをしようと思ってもルールや約束を理解できる年齢ではありません。
叱ったり無理強いすると逆効果になることがあります。
「食べることは楽しい」と感じてもらうことが、この時期の一番のゴールです。

食卓を囲む喜びを大切に

離乳食の段階から専門家が伝えているように、食事は家族みんなで楽しむことに大きな意味があります。
お子さんは大人がおいしそうに食べる姿を見て、「食べてみたい」という気持ちを育てていきます。
完璧を目指すより、笑顔で食卓を囲む時間そのものを大切にしてくださいね。


まとめ:幼児食デビューを楽しもう

1歳の幼児食デビューは、お子さんの「食べる力」が大きく花開く、かけがえのない成長のステップです。
最後に、大切なポイントを振り返りましょう。

  • 幼児食への移行はおおよそ1歳〜1歳半が目安
    月齢より発達のサインを優先する
  • 奥歯が生えそろう3歳ごろまでは噛む力が弱いので、固さ・大きさを発達に合わせて調整する
  • 味付けは大人の1/2〜1/3の薄味を基本に、だしやうま味を活用する
  • ミニトマトやぶどうは4等分、豆やナッツ類は5歳まで避けるなど窒息・誤嚥に最大限の注意を
  • 遊び食べや偏食は成長の証。叱るより楽しい雰囲気づくりを大切に

幼児食は、1歳半ごろから5歳ごろまで続く長い道のりです。
だからこそ、すべてを完璧にこなそうとせず、お子さんのペースに寄り添いながら、肩の力を抜いて進めていくことが何より大切です。
今日食べなかったものも、明日には食べるかもしれません。
お子さんが「食べるって楽しい!」と笑顔を見せてくれる瞬間を、どうぞたくさん味わってくださいね。

食事のことで不安や迷いが出てきたときは、一人で抱え込まず、お住まいの地域の保健師さんや健診の機会に相談してみましょう。
専門家のサポートを上手に活用しながら、親子で楽しい食卓の時間を重ねていきましょう。

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