赤ちゃんのくしゃみが多い理由 | 季節別ケア完全ガイド

赤ちゃんのくしゃみが多い理由 | 季節別ケア完全ガイド
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「くしゅん、くしゅん」と、生まれたばかりの赤ちゃんが立て続けにくしゃみをする姿。可愛いけれど、何度も繰り返すと「風邪をひかせちゃったかな?」「どこか具合が悪いのかも」と不安になってしまうパパ・ママは少なくありません。実は、赤ちゃんのくしゃみの多くは健康な体の証であり、過度に心配する必要のない自然な反応です。

とはいえ、なかには受診を考えたほうがよいケースもあります。この記事では、赤ちゃんがくしゃみをしやすい理由を体の仕組みから丁寧に解説し、春夏秋冬それぞれの季節で気をつけたいポイント、おうちでできるケア、そして「これは病院へ」というサインまで、まるごと網羅してお伝えします。読み終えるころには、赤ちゃんのくしゃみがちょっと愛おしく見えてくるはずです。

赤ちゃんのくしゃみの正体とは

まずは「くしゃみとは何なのか」を知っておくと、赤ちゃんの様子をぐっと落ち着いて見守れるようになります。

くしゃみは体を守る防御反応

くしゃみは、決して悪いものではありません。
くしゃみは、空気中のホコリやウイルスなどの異物が肺に入るのを防ぐための、体の大切な防御反応です。
鼻はにおいを感じ呼吸をする器官であると同時に、空気中のホコリやウイルスなどが体に侵入するのを防ぐフィルターのような役割や、体に入る空気の湿度や温度を調節する役割もはたしており、肺に負担がかからないように守っているのです。

そして鼻の粘膜にホコリやウイルスなどがつくと、その刺激が神経を通じて呼吸に使われる筋肉に伝わり、筋肉を緊張させ、その緊張がピークに達すると空気が吸い込まれ、緊張が一気に緩んで強く押し出されます。
これが「くしゃみ」で、くしゃみが出るしくみは大人も赤ちゃんも変わりません。

赤ちゃんならではの「原始反射」

生まれて間もない赤ちゃんには、もう一つの理由があります。
赤ちゃんに限らず人間は「反射」と呼ばれる体を守るための生理反応を持っており、くしゃみもそのひとつです。
新生児は刺激を受けると反射的に体を動かしたり声を上げたりしますが、くしゃみの場合も、ほこり・匂い・急な空気の変化など外部からの異物や刺激を感知した際に自動的に現れる防御反応の一種です。

こうしたくしゃみは一時的なもので、赤ちゃん自身がひどく苦しそうにしていなければ、心配しすぎる必要はありません。
くしゃみそのものは生涯を通して大切な防御機能として残ります。

白い布団の上で気持ちよさそうに眠る生後数週間の新生児を見守る母親の優しい表情


赤ちゃんのくしゃみが多い理由

では、なぜ赤ちゃんは大人よりも頻繁にくしゃみをするのでしょうか。
主な理由は、赤ちゃんならではの体の「未発達さ」にあります。

鼻の粘膜がとても敏感

最大の理由は、赤ちゃんの鼻の粘膜の敏感さです。
生まれて間もない赤ちゃんはくしゃみが出やすいといわれますが、その主な理由は粘膜の敏感さにあり、大人は感知しないようなわずかな刺激でも、赤ちゃんの鼻腔内の粘膜は反応してくしゃみをしてしまうのです。

新生児の鼻の粘膜はとても敏感で大人よりも刺激を受けやすく、室内のほこり、空気の乾燥や冷暖房による温度・湿度の変化、わずかなにおいでもすぐに反応してくしゃみが出やすくなります。
これは、まだ鼻腔や粘膜の発達が未熟で、小さな刺激にも過敏に反応するからです。

鼻毛がまだ生えそろっていない

意外と知られていないのが、鼻毛の役割です。
生後間もない赤ちゃんはまだ鼻毛が生えていません。
鼻毛にはウイルスや細菌、ほこりなどが鼻の中に入るのを防ぐ役割があるため、新生児は大人に比べてくしゃみが多く出るといわれています。
つまり、フィルターが整う前の赤ちゃんは、入り込んだ小さな異物をくしゃみで一生懸命外に出しているというわけです。

鼻の穴が狭く詰まりやすい

赤ちゃんは鼻の穴そのものも小さくできています。
新生児の鼻の穴は狭いため少しの鼻水でも詰まりやすく、それに刺激されてくしゃみをすることがあります。
特に生後1~2ヶ月の間はその傾向があるようです。

こうした特徴が重なるため、赤ちゃんがくしゃみを連発しても、それ自体は基本的に心配のいらない正常な反応です。
くしゃみが多いからといって、すぐに風邪やアレルギーだと決めつける必要はありません。
実際、たくさんくしゃみが出るからといって、低月齢のうちはアレルギー体質と決める根拠にはなりません。


季節別・くしゃみの原因と対策

赤ちゃんのくしゃみは、季節によって出やすくなる原因が変わります。
それぞれの季節の特徴を知っておくと、先回りしたケアができます。

春:花粉と寒暖差に注意

春は花粉が気になる季節ですが、低月齢の赤ちゃんについては落ち着いて見てあげましょう。
3カ月の赤ちゃんは花粉にほとんど接触していないため、基本的に花粉症は発症しません。
花粉症はアレルギー反応の一種で、体内に入った花粉が異物とみなされて抗体が作られ、その抗体と花粉が反応して症状が出る状態だからです。

ただし、ある程度成長すると話は変わってきます。
近年スギ花粉症の患者さんは徐々に低年齢化し、1歳や2歳ごろから症状が出始めるお子さんが増えています。
なかにはハウスダストやダニなどの通年性アレルギー性鼻炎を合併している場合もあります。
春は朝晩の寒暖差も大きいため、温度変化によるくしゃみも出やすい時期です。

夏:冷房による温度差がカギ

夏に気をつけたいのは、エアコンによる急激な温度差です。
気温差もくしゃみを誘発する原因になります。
とくに真夏や真冬はお風呂場と寝室の温度差が大きくなるので、注意しましょう。
冷房の効いた部屋から暑い屋外へ、あるいはその逆へ移動するときに、赤ちゃんの敏感な鼻が反応してくしゃみをすることがよくあります。

冷房の風が赤ちゃんに直接当たらないよう風向きを調整し、室温を下げすぎないことが大切です。
夏でも薄手のスリーパーやガーゼケットで体を冷やしすぎない工夫をしましょう。

秋:ダニ・ハウスダストが増える

秋は、夏の間に繁殖したダニの死骸やフンが空気中に舞いやすく、ハウスダストによる刺激でくしゃみが出やすくなる季節です。
ダニやハウスダストは一年を通してアレルギー症状を引き起こす原因となります。
季節の変わり目で気温も変動しやすいため、こまめな掃除と換気が効果的です。

冬:乾燥と寒暖差のダブルパンチ

冬は一年でもっともくしゃみが出やすい季節といえます。
特に空気が乾燥した冬場や、換気をして空気を入れ替えた時に、頻繁にくしゃみをするケースが目立つことがあります。
しかし、これも新生児の反応として正常な範囲なので、それほど心配は必要ありません。

また月齢の低い時期は鼻腔が狭いうえに粘膜からの分泌物が多く、冷気や乾燥が原因で鼻づまりを起こしやすく、たまった鼻汁が乾いて鼻腔をふさいでしまうこともあります。
暖房で乾燥した室内では、加湿を心がけることがくしゃみ対策の第一歩になります。


くしゃみと一緒に注意したい症状

くしゃみそのものは心配いらないことが多いものの、「ほかの症状を伴うかどうか」が見守りの大切なポイントになります。

くしゃみのときにチェックすること

赤ちゃんがくしゃみをしているとき、次の点をさっと確認する習慣をつけておくと安心です。

  • 発熱していないか
  • 咳は出ていないか
  • 鼻水は出ているか、鼻づまりはないか
  • 機嫌や食欲(哺乳)はどうか

赤ちゃんのくしゃみが気になるときは、発熱しているか、咳は出ているか、鼻水は出ているか・鼻づまりがあるか、機嫌や食欲はどうか、室温が下がっていないかなどをまずチェックしてみましょう。

風邪が疑われるサイン

くしゃみに加えて、ほかの症状が出てきたら風邪の可能性を考えます。
くしゃみとともにドロッとした鼻水、咳、発熱などの症状があれば風邪の疑いがあります。
サラサラの透明な鼻水から始まり、だんだん粘り気が増してくる経過がよく見られます。

受診の目安は「気になったとき」

受診のタイミングについて、迷いすぎる必要はありません。
受診のタイミングに厳密な目安はなく、それは「パパやママが心配になった時」です。
熱や咳など明確な症状がなくても、気になることがあれば気軽にかかりつけの小児科を受診してよいのです。

「こんなことで受診していいのかな」とためらう必要はありません。
赤ちゃんを一番近くで見ているパパ・ママの「いつもと違う」という感覚は、とても大切な判断材料です。


すぐに受診すべき緊急サイン

大半のくしゃみは心配いりませんが、なかには急いで医療機関を受診すべきケースもあります。
次のサインは見逃さないようにしましょう。

迷わず病院へ向かうべき症状

以下の症状が一つでも見られたら、夜間や休日でも救急病院や往診サービスを利用してすぐに受診してください。

38度以上の発熱がある、顔を赤くして「コンコンコン」と長く連続する咳をしている、息を吸い込むときに笛のような「ヒュー」という音が鳴っている、呼吸が苦しそう、母乳やミルクを飲まない、といった症状を伴うときは、すぐに受診しましょう。

細気管支炎・RSウイルスに注意

低月齢の赤ちゃんでは、呼吸の様子に特に注意が必要です。
赤ちゃんが息苦しそうにしているときは、1歳未満、とくに6ヶ月未満の赤ちゃんに起こりやすい「細気管支炎」の可能性も考えられます。
細気管支炎はくしゃみや鼻水、発熱、軽い咳などの風邪と似た症状から始まり、徐々に呼吸困難やひどい咳などの症状が現れます。

呼吸が浅くて胸がペコペコと凹む、息をすると「ヒューヒュー」「ゼロゼロ」といった音がするのも特徴で、生後2ヶ月未満の赤ちゃんは短時間無呼吸になる恐れがあるため、早めに病院を受診しましょう。

脱水のサインも見逃さない

飲む量が減ったときは、脱水にも気を配りましょう。
風邪や病気が原因でミルクが飲めなくなったり食欲がなくなったりすることがあり、ミルクを飲んでいなくておしっこが出ていない場合は脱水を起こしている恐れがあるため注意が必要です。
ぐったりしている・顔色が悪い・嘔吐が続いているといった症状がある場合も病院を受診しましょう。


おうちでできるくしゃみ対策

くしゃみの原因の多くは身近な環境にあります。
ちょっとした工夫で、赤ちゃんが快適に過ごせる環境を整えてあげましょう。

適切な室温と湿度を保つ

環境づくりの基本は温度と湿度の管理です。
厚生労働省の「保育所における感染症対策ガイドライン」では、室温は夏期26~28℃・冬期20~23℃、湿度は約60%の保持が推奨されており、目安にするとよいでしょう。

ここで一つ大切な注意点があります。
室温を上げすぎると、原因不明の乳幼児突然死症候群(SIDS)のリスクが高くなるといわれており、新生児が汗をかいていないかなどの様子を見ながら室温・湿度を調整することが大切です。
暖めすぎ・厚着のさせすぎには気をつけましょう。

こまめな掃除と乾燥対策

ホコリやハウスダストはくしゃみの大きな原因です。
家の中の室温はできるだけ一定に保ち、寒暖差の刺激を減らすとともに、床のホコリをこまめに取り除きましょう。
乾燥が気になる季節は加湿器を活用し、鼻の乾燥を防ぐためにも十分な水分補給を心がけ、母乳やミルクで足りないようなら白湯や麦茶を与えましょう。

鼻吸い器の上手な使い方

鼻づまりがつらそうなときは、鼻吸い器が役立ちます。
ただし使いすぎには注意が必要で、鼻水は異物を外に出そうとする体の正常な反応であり「不要なもの」ではなく体を守る反応で、吸引を頻回に行うことで風邪が早く治るという根拠はありません。

使うときは、いきなり吸わずにひと手間かけるのがコツです。
吸引の前に生理食塩水(市販の鼻用スプレーや点鼻液)を片方の鼻に1~2滴ずつ入れ、10~20秒ほど待つと鼻水がやわらかくなり、粘り気のある鼻水も吸い出しやすくなります。
乾いた状態でいきなり吸引すると粘膜を傷つけやすくなります。
ノズルは鼻の入口付近に当てるだけで十分で、奥に深く入れる必要はありません。

暴れて吸いにくいときは、体勢の工夫が効果的です。
お子さんを仰向けに寝かせて、保護者の膝や太ももで頭や手・腕を固定する体勢がやりやすく、保護者の鼻に吸引器を当てて見せるのも有効です。
強く押し付けたり吸う力が強すぎたりすると粘膜を傷つけて鼻血が出ることもあるため、赤ちゃんの様子を見ながら優しく吸い出してあげましょう。


くしゃみに関するよくある疑問

最後に、パパ・ママから寄せられることの多い疑問にお答えします。

赤ちゃんは花粉症になる?

結論からいうと、低月齢では基本的に発症しません。
一方で、花粉症は0歳から発症することもあり、両親や兄弟が何らかのアレルギー(ダニ・ハウスダスト、食物アレルギーなど)を持っていたり、喘息や鼻炎などの病気があったりする場合は、アレルギーの素因を持って生まれてくる可能性が十分に考えられます。

市販薬や、大人用に処方されたアレルギー薬を自己判断で赤ちゃんに飲ませるのは絶対にやめましょう。
市販薬や大人用に処方されたアレルギー薬を無断で飲ませることは、副作用もあり危険です。
気になる症状があれば、必ず小児科や耳鼻科で相談してください。

鼻づまりを放置するとどうなる?

軽い鼻づまりは様子を見てよいのですが、長引く場合は注意が必要です。
鼻詰まりがひどいと耳や副鼻腔に鼻水が流れ込み、中耳炎や副鼻腔炎になってしまう可能性があるため、ひどい鼻水が続く場合には家庭だけで対処せず病院も受診しましょう。
また鼻づまりや鼻水をそのままにしておくと、中耳炎を起こしたり喘息が悪化したりすることもあるため注意が必要です。

くしゃみの様子はメモしておくと安心

受診を考えるときに役立つのが「記録」です。
繰り返すことのないくしゃみは、そのほとんどが正常な生理現象であり過度な心配は必要ありません。
受診を判断するポイントは発熱や咳などくしゃみ以外の症状にあり、気になる症状がある場合はいつから発生したのか、どのような状態なのかを注意深く観察してメモをとっておくと、診察時にお医者さんへ症状を説明する際にも役立ちます。

スマートフォンのメモや育児アプリに「いつ・どんなとき・どのくらい」くしゃみが出たかを残しておくと、後から見返したときにパターンが見えてくることもあります。


まとめ:くしゃみは元気な証拠

赤ちゃんのくしゃみは、その多くが体を守るための健康な反応です。
赤ちゃんは鼻の粘膜機能が未発達で、微々たるほこりや乾燥、気温などにも敏感に反応し、異物の侵入を防ぐ鼻毛もまだ生えていないため、くしゃみを連発しても基本的には心配ありません。

大切なのは、くしゃみそのものよりも「ほかの症状を伴っているか」を見守ること。
発熱・連続する咳・苦しそうな呼吸・哺乳量の低下といったサインが見られたら、迷わず受診しましょう。
そして、室温や湿度を整え、こまめに掃除をし、必要に応じて優しく鼻のケアをしてあげれば、赤ちゃんはぐっと快適に過ごせます。

「くしゅん」と小さなくしゃみをするたびに不安になっていたパパ・ママも、その仕組みを知れば、きっとその姿が少し愛おしく見えてくるはず。
赤ちゃんの体は、毎日けなげに自分を守りながら成長しています。
今日からは肩の力を抜いて、その健気なくしゃみを温かく見守ってあげてくださいね。

この記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、診断や治療に代わるものではありません。
気になる症状があるときは、必ずかかりつけの小児科や耳鼻科にご相談ください。

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