1歳半でできること | 発達目安と1歳半健診の内容

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よちよち歩きだった赤ちゃんが、しっかりとした足取りで歩き回り、「ママ」「ワンワン」とおしゃべりを始める・・・。1歳半(1歳6か月)は、心も体もぐんと大きく成長する、とてもわくわくする時期です。その一方で、「うちの子、これができないけど大丈夫かな?」「1歳半健診では何をチェックされるの?」と、不安や疑問を抱く親御さんも多いのではないでしょうか。

この記事では、1歳半の子どもが「できること」を運動・手先・言葉・生活習慣といった分野別にわかりやすく整理し、さらに公的な情報をもとにした1歳半健診の内容までまるごと解説します。発達には大きな個人差があり、目安どおりに進まなくても心配しすぎる必要はありません。お子さんのペースを楽しみながら読み進めていただければうれしいです。

公園の芝生の上でよちよちと歩く1歳半くらいの子どもと、笑顔で見守る母親の温かい親子の様子

目次

1歳半はどんな時期?成長の特徴

1歳を過ぎると、赤ちゃんは自分の足で歩き、身の回りの物や人に自分から積極的に関わっていくようになります。
この時期の子どもは、まだ単語程度しか話せなくても、指さしや表情、声などさまざまな方法で「伝えたい」という思いをあらわし、そこから言葉を獲得していきます。

脳と心が大きく発達する

1歳半ごろは、これまでの体の成長に加えて、心の発達がとても著しくなる時期です。
この時期になると脳の働きが大きく変化し、知的発達や社会性・行動の発達が急速に進みます。
だからこそ、1歳半健診では体の成長だけでなく、意味のある単語を話すか、大人の動作を真似るか、アイコンタクトがとれるかといった「心の発達」も確認するようになっています。

「自分」が芽生えてくる

この時期は自我が芽生え始め、「イヤ」「自分でやりたい」といった主張が強くなってくる子も増えます。
思いどおりにいかずに泣いたり怒ったりすることもありますが、これは自立へと向かう大切な成長のサインです。
「困った行動」に見えるものの多くは、実は健やかな発達の証なのです。

できることには大きな個人差がある

まず何より大切にしていただきたいのが、発達のスピードには一人ひとり大きな違いがあるということです。
できるようになる時期には個人差があるため、その子なりのペースで少しずつできることが増えていけば、多少の早い・遅いは気にしなくても問題ありません。
歩き始めや言葉が出る時期も、身長の伸び方と同じように子どもによってさまざまです。


1歳半でできること【運動編】

1歳半になると、全身を使った運動(粗大運動)が大きく発達します。
行動範囲がぐんと広がるぶん、思わぬ事故も起こりやすくなる時期でもあります。

ひとりで歩く・小走りする

多くの子がこの時期に一人歩きが安定し、少しずつ小走りができるようになってきます。
手をつないで階段をのぼろうとしたり、少し高いところから飛び降りようとしたりと、より活発でダイナミックな動きが増えていきます。
まだ転びやすい時期なので、見守りは欠かせません。

しゃがむ・立つ・またぐ

足腰の筋力がついてくると、しゃがんで物を拾い、また立ち上がるといった一連の動作がスムーズになります。
小さな段差をまたいだり、押し車やカートを押して歩いたりと、バランス感覚も育っていきます。

ボール遊びを楽しむ

ボールを転がしたり、両手で持ち上げたり、投げようとしたりする姿も見られます。
全身を使った遊びは運動発達を促すだけでなく、親子のコミュニケーションを深める絶好の機会です。

行動範囲が広がるこの時期は、階段からの転落、浴槽での溺水、たばこや薬品の誤飲などの事故が起こりやすくなります。
目を離さず、家庭内の安全対策をあらためて見直しましょう。


1歳半でできること【手先編】

指先を使った細かい動き(微細運動)も、1歳半ごろには目に見えて器用になってきます。
手先の発達は、脳の発達とも深く関わっています。

木製の積み木を集中して積み上げようとしている1歳半の子どもの小さな手元のクローズアップ

積み木を積む

積み木をいくつか積み上げられるようになるのは、この時期の代表的な発達の一つです。
1歳半健診でも積み木を積めるかどうかを確認することがあり、微細運動や理解力を見る大切な項目とされています。
うまく積めなくても、緊張していたり機嫌が悪かったりすると普段できることをやらない子も多いので、あまり神経質になる必要はありません。

スプーンやコップを使う

スプーンを持って食べようとしたり、コップを両手で持って飲んだりと、道具を使う力が育ってきます。
まだこぼすことは多いですが、「自分で食べたい」という意欲を大切にしてあげたい時期です。

なぐり書きやページめくり

クレヨンを握ってなぐり書きをしたり、絵本のページを(何枚かまとめてでも)めくったりする姿も見られます。
物の出し入れやふたの開け閉めなど、手先を使った遊びを喜ぶようになります。


1歳半でできること【言葉編】

言葉の発達は、多くの親御さんが最も気にかけるポイントかもしれません。
ただし、言葉の発達には特に大きな個人差があり、目安と違っても焦る必要はありません。

意味のある単語を話す

1歳半ごろは「ママ」「ブーブー」など意味のある単語(一語文)を使い始める時期です。
厚生労働省の乳幼児身体発育調査によると、1歳6~7か月では1語以上の単語を話す子がおよそ94%を占めるとされています。
ただし、これはあくまで割合であり、話さない子が一定数いるのも自然なことです。

言葉を「理解する力」が先に育つ

この時期の特徴として、話す力(表現力)よりも、言葉を理解する力が先行するのが一般的です。
発語が少なくても、「靴を持ってきて」と伝えると正しく行動できるなら、理解力は順調に育っています。
発語に必要な口や舌の動きの発達には時間がかかるため、理解が先で表現が後になるのはごく自然な流れです。

二語文へのステップ

1歳半から2歳ごろにかけて、語彙が急激に増える「語彙爆発」の準備期に入ります。
やがて「マンマ ほしい」「ワンワン いた」といった二語文を話し始める子も出てきます。
まずは単語を50個ほど話せるようになると、物には名前があるという理解が進み、言葉がぐんと広がっていきます。

言葉が出ていなくても、指さしで答えられる、名前を呼ぶと振り向く、大人の言うことを理解している様子があれば、過度に心配する必要はありません。


1歳半でできること【生活・社会性編】

身の回りのことや、人との関わり方も少しずつ育っていく時期です。
生活リズムを整え、身近な大人との信頼関係を深めることが、心の安定につながります。

指さしで気持ちを伝える

欲しい物を指さして「あれがほしい」と伝えたり、興味のある物を指さして「見て!」と共有しようとしたりする姿が増えます。
この「指さし」は、言葉が出る前の大切なコミュニケーションの土台であり、社会性の発達を示す重要なサインです。

真似っこ・お手伝いを楽しむ

大人の動作や言葉を真似する遊びを喜ぶようになります。「バイバイ」で手を振ったり、「こんにちは」でお辞儀をしたりと、身振りでのやりとりも上手になります。
簡単なお手伝いを喜んでする子もいます。

基本的な生活習慣が身につき始める

「いただきます」「おはよう」などの挨拶を覚えたり、決まった時間に食事や睡眠をとる生活リズムが整ってきたりします。
この時期に規則正しい生活リズムを意識することは、その後の健やかな成長の基礎になります。


1歳半健診とは?目的と基本情報

1歳半健診は、正式には「1歳6か月児健康診査」といい、子どもの成長や発達を確認する大切な機会です。
ここからは公的な情報をもとに、健診の内容をくわしく見ていきましょう。

自治体の保健センターで、保健師と向き合いながら母子健康手帳を見て相談する母親と幼児の様子

法律で定められた「法定健診」

1歳半健診は、母子保健法という法律によって市区町村に実施が義務づけられている健診です。
同法では、市町村が満1歳6か月を超え満2歳に達しない幼児と、満3歳を超え満4歳に達しない幼児に対して健康診査を行わなければならないと定められています。
1歳半健診と3歳児健診は法定健診であり、費用は自治体が負担するため原則無料で受けられます。

受診率は9割以上と高い

健診の受診自体は義務ではありませんが、赤ちゃんの発育や発達を診てもらえるだけでなく、日頃の育児の悩みを専門家に相談できる貴重な機会でもあります。
実際、2020年度の1歳半健診の受診率は95.2%と非常に高くなっています。

健診の目的

1歳半健診には、子どもの体と心の健康・発達の確認、病気の早期発見、そして子どもと保護者へのサポートという大きな目的があります。
発達がゆっくりな場合でも、早めに気づいて働きかけることで良い方向に向かうこともあるため、現在の発達状況を把握しておくことはとても大切です。


1歳半健診の内容とチェック項目

健診では、身体測定や医師の診察に加えて、心の発達や生活の様子も確認されます。
多くの自治体で共通して行われる内容を見ていきましょう。

身体測定と診察

身長・体重・頭囲の測定が行われ、小児科医が発育や発達の状態を診察します。
なお、厚生労働省の通達により、令和5年(2023年)4月から胸囲の測定は廃止されました。
診察では、目や耳の確認、皮膚や胸部・腹部の状態、視覚・聴覚の確認なども行われます。

発達・行動のチェック

意味のある単語を話すか、大人の言うことを理解しているか、積み木を積めるか、指さしをするか、動作を真似るかといった点が確認されます。
母子健康手帳の記録ページには「意味のある言葉をいくつか話しますか」「後ろから名前を呼ぶと振り向きますか」といった項目があり、事前に家庭での様子を観察しておくと当日安心です。

歯科健診と保健指導

歯科医師による健診では、虫歯の有無や歯並び、口の中の状態を確認します。
自治体によってはフッ素の塗布を行うこともあります。
あわせて、仕上げ磨きの方法や食習慣・おやつの与え方についての指導、言葉を育てる関わり方のヒントなども教えてもらえます。


1歳半健診の持ち物と当日の流れ

健診をスムーズに受けるために、持ち物と流れを事前に確認しておきましょう。
健診の詳細は、子どもが1歳6か月になる1か月ほど前に自治体から郵送で届くことが多いです。

必ず持っていく物

  • 自治体からの健診のお知らせ
  • 問診票・受診票(同封されていた場合)
  • 母子健康手帳
  • 健康保険証・乳幼児医療証
  • 健診助成クーポン(用意されている場合)

あると便利な物

  • おむつ・おしりふき・使用済みおむつ用のポリ袋
  • 着替えやバスタオル
  • 飲み物やおやつ
  • お気に入りのおもちゃ
  • 相談内容をメモする筆記用具

集団健診は長時間になることもあるため、子どもがぐずっても対応できるよう準備しておくと安心です。
母子健康手帳の1歳6か月のページには記入欄があるので、忘れずに書き入れ、気になることや聞きたいことをまとめておくと当日聞き忘れがありません。

再診査(精密健康診査)について

健診の結果、より詳しく確認が必要と判断されると、再診査(精密健康診査)を案内されることがあります。
再診査を案内されても、必ずしも病気が疑われているわけではありません。
普段はできることも会場では緊張してやらなかったり、一般的な時期より少し遅れて現れる動作があったりするためです。
不安を感じすぎず、次の機会でていねいに確認してもらいましょう。


発達が気になるときの相談先

「言葉が出ない」「目が合いにくい」「指さしをしない」など、気になることがあるときは、一人で抱え込まず専門家に相談することが大切です。
早めに相談することは、決してネガティブなことではありません。

まずは1歳半健診で相談を

最も身近な相談の機会が1歳半健診です。
保健師や医師に、日頃の気になる様子をできるだけ具体的に伝えましょう。
健診は「合格・不合格」を判定する場ではなく、子どもの成長を一緒に応援してくれる場所です。

地域の支援機関

地域の子育て支援センターや保健センターでは、保健師や心理士などの専門家が発達に関する相談に応じてくれます。
かかりつけの小児科でも発達全般について相談でき、必要に応じて専門機関を紹介してもらえます。
言葉の発達については、言語聴覚士が専門的に評価・サポートしてくれる機関もあります。

焦らず、その子のペースを大切に

言葉がゆっくりな子の多くは、そのエネルギーを歩く・登るといった運動能力を伸ばすことに使っていたり、じっくり理解してから話したい慎重な性格だったりします。
大切なのは、親が焦りを見せず「あなたのペースでいいんだよ」という安心感を伝えることです。


1歳半の子との楽しい関わり方

この時期の関わりは、発達を促すだけでなく、親子の絆を深める何よりの時間になります。
難しく考えず、日常のなかで楽しみながら取り入れてみましょう。

たくさん話しかける

「車が来たね」「赤いお花だね」と、子どもが見ている物に言葉を添えてあげましょう。
赤ちゃん言葉だけでなく本来の言葉も使うことで、正しい言葉を吸収しやすくなります。
子どもの発した言葉に笑顔で応え、やりとりを楽しむことが言葉を育てます。

絵本や手遊びを楽しむ

絵本の読み聞かせは、言葉のインプットと親子のふれあいを同時に楽しめる最高の遊びです。
指さしをしながら「わんわんだね」と共有したり、手遊び歌で一緒に体を動かしたりすると、コミュニケーションの喜びが育ちます。

「できた!」を一緒に喜ぶ

自分でスプーンを持てた、積み木が積めた、そんな小さな「できた」を一緒に喜ぶことが、子どもの自信とやる気につながります。
うまくいかないときも見守り、挑戦する気持ちを応援してあげましょう。


まとめ:目安は道しるべ、主役はわが子

1歳半は、歩く・話す・指さしをするなど、心と体が目覚ましく発達する時期です。
運動、手先、言葉、生活習慣とさまざまな面で「できること」が増えていきますが、発達には大きな個人差があり、目安どおりに進まなくても心配しすぎる必要はありません。

1歳半健診は、母子保健法にもとづく法定健診で、原則無料で受けられます。
身体測定や診察、歯科健診、発達のチェックを通して、子どもの成長を専門家と一緒に確認できる貴重な機会です。
気になることがあれば、健診や地域の支援機関で遠慮なく相談しましょう。

発達の目安はあくまで「道しるべ」であって、ゴールではありません。
主役はほかの誰でもない、あなたのお子さんです。
目の前の小さな成長を一つひとつ喜びながら、親子でこのかけがえのない時期を楽しんでいきましょう。

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